【グラディウス オリジン コレクション】レビュー。『沙羅曼蛇III』は3周目からが本番。マニアックオプション全部乗せ『グラIII』はもはや新作と言っていい
 2025年8月7日に、KONAMIからNintendo Switch、プレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S、PC(Steam)にて発売予定の『グラディウス オリジン コレクション』。本作は1985~1996年までアーケードでリリースされた2Dシューティングゲーム『グラディウス』および『沙羅曼蛇』ナンバリング作品を収録したオムニバスソフト。

 本稿では、各作品ごとに用意された数々のバージョン(18バージョン以上)をひと通りプレイしてみた所感をお伝えしよう。なお筆者は、収録された各作品はどれもアーケード版(国内版)を1クレジットクリアーするまでプレイ済み(※)。
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※希少なバージョンや完全新作の『沙羅曼蛇III』は除く。
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全7タイトル/18バージョン以上のボリューム感に大満足

 本コレクションには、全7タイトル/18バージョン以上が収録されている。細かいところは関連記事をチェックしていただくとして、収録作品の中には完全新作『沙羅曼蛇III』も収録されていおり、ものすごいボリュームだ。

 しかもオプション機能が充実しており、連射ボタン等のカスタマイズも自由自在。UIまわりもわかりやすく、筆者としては文句ない。いや、正確にはちょっとだけあるけど本稿の最後で触れることにする。
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ずっと待ってたナンバリング最新作。『沙羅曼蛇III』は3周目からが本番

 今回プレイさせていただいたのは製品版相当のもの。手始めに、筆者がいちばん気になっていた『沙羅曼蛇III』からプレイすることに。ドット絵にこだわられていることから、第一印象は“『沙羅曼蛇2』の続き”ではなく、初代『沙羅曼蛇』の発展系といったところ。

 ゲーム開始直後に選べる機体は、ロード・ブリティッシュMk-IIIとビックバイパー・タイプLの2種類。基本的な性能はほぼ同じだが、前者はリップルレーザー、後者はレーザーが強く調整されている。なお、筆者はレーザー派なので後者を選んだ(※)。
※筆者がレーザー派なのは手連射が苦手だからなのだが、『沙羅曼蛇III』のショットはボタン押しっぱなしで連射するのでご安心を。

 本作ならではの要素として、“マルチプルチェンジ”がある。このアイテムを取るとマルチプル(※)の動きに慣性がつく。『
グラディウスIII』のスネークオプションと言えばわかる方も多いだろう。
※自機の分身(オプション)のこと。通常は自機のあとを追従するように動く。『グラディウス』シリーズおなじみのパワーアップだ。

 このスネークマルチプル(と言うべきもの)がとにかく爽快! 通常(追尾型)のマルチプルでは撃ちにくい場所にいる敵もスネークなら力業でなぎ払える、非常に便利な存在だ。マルチプルを1ヵ所にまとめたいときやフォーメーションを崩したくないときは通常のマルチプルのほうが便利だが、筆者はほとんどのステージをレーザー+スネークの組み合わせで突破してしまった。ゴリ押し最高。
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『沙羅曼蛇III』。クルマのワイパーのごとく、地形をお掃除しながら突き進む。クゥ~~~、気持ちいい!
 そしてもうひとつの独自システムは“バーストショット”。これはボタンを押すことで一定時間強力なショットを撃てるというもの。

 具体的には、装備中の武器がリップルレーザーなら大きく広がるリップルレーザーに、レーザーなら極太のレーザーが発射される。うまく使えばボスすら瞬殺可能だ。
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 おもしろいのは、リップルやレーザーを取っていないときでもバーストショットが使用可能ということ。通常ショット時のバーストショットは周囲8方向を攻撃するというものだが、これがとにかく強い。ミスしたあとの立て直しに重宝するシステムとも言える。もちろん、難所で決め撃ちするのもよさそうだ。
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 スコアに応じて残機がどんどんエクステンドするのも本作の特徴。筆者が1周クリアーするあいだに、残機は15機以上に増えている。ミスからの立て直しが楽なうえにこれは大盤振る舞いすぎる気もする。『グラディウス』シリーズに慣れている人ならば、初見でエンディングを拝むことも珍しくはないだろう。

 “ヌルゲー”と言えなくもないが、筆者的にはこのバランスはアリだと思う。自分自身がストレスフリーでプレイできることもあるが、シューティングゲームに慣れていない人でもとっつきやすいし、アーケードゲームではないのだからプレイ時間が長くなっても問題ない。

 そして、腕に自信のあるシューティングゲーム上級者は、高次周のプレイをおすすめしたい。2周目くらいでは“ちょっと難しくなったかな?”程度だったが、3周目あたりからサラマンダ軍の本気が感じられた。

 地形のトラップや敵の攻撃の激しさに押されて、1周目で溜め込んだ残機がどんどん溶けていく。とは言え、くり返し練習すれば決して無理ゲーではないあたりがよくできている。発売後は、超上級者の高次周プレイが拝めるのだろうか?

『グラIII』AMショー版は素人目に見ても別モノすぎる

 収録タイトルのうち完全新規のものは『沙羅曼蛇III』のみ……ではあるが、『グラディウスIII 伝説から神話へ』日本AMショー版も完全新作に相当するものとして紹介したい。これを「新作ではない」と言っていいのは1989年当時に実物をやり込んだ方のみだろう。パッと目についた違いは以下(実際はもっとある)。

  • ステージ1の背景に天の川が。全体的に見た目が派手
  • 砂丘の砂の流れもアニメーションで表現
  • リップルレーザーがたくさん撃てる(製品版では画面内に2発まで)
  • ステージの順番が違う。敵の配置、ボスなども異なる
  • 3DステージはAMショー版でも健在。カプセルの配置はナシ
  • フォースフィールドとリデュースが併用できる
  • ビッグコアMk-IIIに“ウウママ”が通用しなかった

 少し挙げただけでもこれ。通常版とは完全に別ゲーだと思っていい。もちろん開発中のバージョンだから粗いところもあるが、十分遊べるレベルのものに仕上がっているのだ。これをプレイするためだけでも本作を買う価値があると思った。
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『グラディウスIII 伝説から神話へ』日本AMショー版。

『グラIII』未クリアーの方におすすめしたい! マニアックオプション全乗せで理不尽なミスが皆無に

 これまでのインタビュー記事等でマニアックオプション(※)が充実していることはお伝えしたが、実際のプレイでいじってみると、これらが非常におもしろい。
※製品版をより遊びやすくしたり、もともと入っていたバグや仕様を遊びやすく調整できる機能

 とくにマニアックオプションの要素がてんこ盛りな『グラディウスIII』。試しに日本NEW版にてマニアックオプションを全部ONでプレイしてみた。すると“理不尽なミス”が全部排除され、ものすごく快適にプレイできるではないか! 『
グラIII』自体が久しぶりのプレイなので前半ステージでミスするかと思ったが、ステージ9までスイスイ進めてしまった。

 なお、プレイ時はマニアックオプションをいじらないと選べない“E装備”を選択。ツインレーザーが非常に強力。ツインレーザーは縦の当たり判定が広く天井付近の敵も撃ちやすいので、ダブル(バーティカル)の出番はほぼなかった。オプションハンター対策のメガクラッシュも便利で快適にプレイできたので「E装備はいい装備」だと思った。
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“全部ON”というのはじつは嘘。シャドーギアの正攻法がわからないのでひとつだけOFFにした。
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『グラディウスIII 伝説から神話へ』日本NEW版。マニアックオプションをいじってE装備で挑む。

初期作品のすばらしさを再確認。『グラII』はやはり至高

 新作やマニアックオプションなどを駆使したプレイばかりしてしまったが、『グラディウス』および『沙羅曼蛇』シリーズを未プレイの方はぜひ、各作品を1クレジットクリアー目指してプレイしてほしい。中断セーブを使って練習しれもいいが、最終的にはセーブなしで1周完走できるまでがんばることをおすすめする。

 クリアーできたときの達成感は何者にも代えがたいのだからだ。ノーミスクリア動画が公式のYouTubeで公開されているのでこちらを参考にするのも手だが、自力で攻略方法を考えるのもいい経験になると思う。

 「シリーズ作はどれもプレイしたことないけど、何からやれば……?」とお迷いの方は、もちろん作品のナンバリング順にやってもいいが、とくにこだわりがなければ『
グラディウスII GOFERの野望』が万人におすすめ。初代『グラディウス』から3年後の作品なのでそこそこシンプルでありつつも装備は4つから選択可能で、高速スクロールステージやボスラッシュなど定番の要素を体験できるのだ。
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『グラディウスII GOFERの野望』。

ここまでやるなら『IV』『V』も……今後に期待

 筆者によるレビューはここまで。まだ数タイトルぶんしか語っていないが、これ以上は際限ないので……。本作のさまざまな要素を褒めちぎってきたが、不満点はないこともない。ここまでナンバリング作品を充実させるなら『グラディウスIV -復活-』と『グラディウスV』も入れれば完璧だったのに……。後者はアーケード作品ではないものの、ナンバリングであることには変わらない。

 もっともこれが実現されたら、筆者は「『
外伝』を入れろ」、「『ソーラーアサルト』も入れろ」、「『パロディウス』シリーズも……」と、これまた際限なく要求していたと思うので結果的にこれでよかったのかもしれない。でもいずれはこれらも復刻してほしい!
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※画面はPS5版のものです。