
本作は忘れ去られたキャラクターたちの暮らす街“ウェイスト・ランド”が舞台。ウェイスト・ランドに閉じ込められてしまったミッキーマウスが、魔法の筆を駆使してさまざまなキャラクターたちと関わりながら、もとの世界へ帰る方法を探す物語だ。本作は、国内では2011年にWii向けにリリースされた『ディズニー エピックミッキー ~ミッキーマウスと魔法の筆~』のリメイク作となっている。
2024年9月26日~29日の4日間(26、27日はビジネスデイ)、幕張メッセにて開催された東京ゲームショウ2024(TGS2024)で、『ディズニー エピックミッキー:Rebrushed』のパブリッシャーであるTHQ Nordicと、開発を手掛けるPurple Lampのみなさんにインタビューを実施。リメイク作を制作するにあたっての経緯や思いなどを聞いた。
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Pan Schroder(パン・シュローダー)
THQ Nordicシニア・プロデューサー。文中はパン。
Mineheart Ablaza(マインハート・アブラーザ)
Purple Lamp アート・アウトソーシング兼アート・プロデューサー。文中はマインハート。
Jason Mallet(ジェイスン・マレット)
Purple Lamp ゲーム・ディレクター。文中はジェイスン。
Jenny Brozek(ジェニー・ブロゼク)
Purple Lamp シニアコンセプトアーティスト。文中はジェニー。
オリジナル作品へのリスペクトと、現代のユーザーが楽しめるような工夫を取り入れた
また、リメイクの作業に入ると、この作品そのものの中にはオリジナルのデベロッパーたちによって込められたものがあることに気付きました。多くの人たちにとってこの作品は、ディズニー・フランチャイズであるだけでなく、この『ディズニー エピックミッキー ~ミッキーマウスと魔法の筆~』というゲームそのものが重要であり、非常に特別なものであることがわかったのです。
ひとつめはノスタルジア。弊社ではアイコニックなキャラクター、アイコニックなストーリーを扱ったゲームを作っており、私たち自身がこうしたキャラクターやストーリーを心から愛しているので、全力を尽くすことに誇りを感じています。
ふたつめは、3つのC。これはカメラ(Camera)、コントロール(Control)、キャラクター(Character)の頭文字3つを指しています。オリジナル版ではカメラは固定されていたため、リメイクするにあたってネックになると感じる人もいました。Wiiのアナログスティックはひとつだけでしたが、いまのプラットフォームにはふたつ付いていますので、ふたつめのスティックにカメラコントロールを追加できるということです。実際にやってみると、驚いたことにこのゲームは問題なく動作しました。
3つめはダンスパーティー。キャラクターがいて、プレイヤーはそれを操作してワールドとインタラクションするわけですが、それがひとつのダンスパーティーのようにまとまっているということです。すべてのものが動いていることが重要で、これはディズニー・フランチャイズのスピリットでもあります。
4つめは、3つのR。これはレビュー(Review)、リスペクト(Respect)、リブラッシュド(Rebrushed)の頭文字3つを指しています。レビューは、オリジナルゲームを見て吸収すること。ディズニーパークスからカートゥーンまで、当時彼らが参考にしたものを真に理解することでした。そこから一度オリジナルをそのままの形で作ることで、自分たちがオリジナルにどのようなリスペクトを感じるかを理解できました。そしてリブラッシュしたのです。それからリメイク版ならではの要素(新しい道や謎など)を追加し、レベルデザインも修正しました。リメイク作業の中で、オリジナル版へのリスペクトはつねに欠かさないようにしていましたね。
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私たちが追加したもののひとつはメインストリートにシネマ・インテリアを加えたことです。ここでプレイヤーは、マップ移動の際に遊べる横スクロールアクションを再度プレイすることができ、逃したアイテムなどをすべて集められます。また、ミュージアム・インテリアと呼ばれるところも追加しましたが、これはプレイヤーがゲームを進める中で進化していくものです。プレイヤーのみなさんは、いまは私がまだお話しできない追加要素をすでに体験していますが、とても気に入ってもらっているようですね。
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プログラミング・チームにも感謝しています。彼らは私たちの要望に応えてくれたからです。「これはヤバイかも」という局面もありましたが、プログラミング・チームも含めたチーム全員で乗り越えることができました。
THQ Nordicの人間として、私はデベロッパーとのコミュニケーション、ディズニーとのコミュニケーション、そして社内のコミュニケーション、これらすべてのコミュニケーションのハブの役割を担っています。うまくいっているときもあれば、そうでないときもありましたが、関わった人々全員とハグを交わせるような関係性を築いてきました。
オリジナル版のキャラクターや建物もいちから作られたわけではなく、ディズニーパークあるいは古いディズニー映画に端を発しているのです。探偵の仕事のようなもので、たいへんなこともありましたが、ほぼすべての要素を見つけることができました。それだけでなく、私たちはさらに独自の要素を取り入れ、あちこちにイースターエッグを入れることもできました。
――イースターエッグとは、たとえばどのような?
また、私は『キングダム ハーツ』の大ファンでもあるのですが、ファンのあいだでは『ディズニー エピックミッキー ~ミッキーマウスと魔法の筆~』と『キングダム ハーツ』はつながりがあると噂されているのです。これら両作品のミッキーマウスは同一人物で、『ディズニー エピックミッキー ~ミッキーマウスと魔法の筆~』はある種、『キングダム ハーツ』の前日譚であると。そこで、小さなハートなど『キングダム ハーツ』を想起させるものをこっそり取り入れています。
さらに言えば、Purple Lampは私たちの本社から公園を挟んだ同じウィーン市内あるという関係性にあります。歩いて訪ねて行き、公園を散歩しながら意見を交わせる間柄というのは、とても幸運なことです。
――本作ではミッキーマウスと対をなすようにオズワルドが登場しますが、彼について教えてください。
さらにはいろいろなことに対処しなければならず、ガールフレンドも失踪してしまいました。それでも彼はミッキーに友だちになるチャンスを与えるんですよ。オズワルドの懐の深さを現していると思います。また、私がウサギは大好きということもあって、私にとって彼はパーフェクトなキャラクターです!
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みなさんがストーリーとワールド、そしてゲームの進行とともに深まるミッキーとオズワルドの友情を楽しんでくださることを願っています。
ストーリーやビジュアルだけでなく、オリジナルをプレイした方はもう一度、そして初めてプレイする方もこのモダン・アドベンチャーをじっくり楽しんでいただきたいです。
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本作を手に取って、私たちが本作を作っているときに感じたことをみなさんにも感じていただきたいです。たくさんの情熱とハートを込めて作りました。たっぷりプレイして、満足感を味わっていただけたら最高にうれしく思います。
まずは楽しんでください。そして単にジャンプしたり走ったりするゲームとしてプレイするのではなく、ストーリーとキャラクターの奥深さ、ストーリーの内容をよく理解してほしいです。そこには友情のストーリー、忘れられた者のストーリー、そしてみなさんが現実に体験するかもしれないすべてについてのストーリーがあります。