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【Apex】使用率が低い“シア”がまったく強化されない理由を開発に直撃。「バランスを崩さないよう慎重に調整中」。アッシュ強すぎ問題にも言及

byけんけん

【Apex】使用率が低い“シア”がまったく強化されない理由を開発に直撃。「バランスを崩さないよう慎重に調整中」。アッシュ強すぎ問題にも言及
 2025年8月6日2時(日本時間)より開幕となる『Apex Legends』(エーペックスレジェンズ)シーズン26“ショーダウン”。新シーズンでは、バンガロールとコースティックの強化に加え、新アイテム“アンプ”や新モード“ワイルドカード”など、さまざまなコンテンツが実装される。

 これにあわせて、
メディア向けにレジェンドの調整に関する開発者へのグループインタビューが行われた。使用率が低いシアが調整されない理由や、アッシュのパッシブが強力すぎるとの声にどう向き合っているのか。そのほか、ランクマッチの公平性やプレイヤーの満足度を高めるための取り組みについて、現役プレイヤーが開発へ話を伺った。
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Evan Nikolichエヴァン・ニコリッチ

『Apex Legends』デザインディレクター。(文中はエヴァン)

Josh Mohanジョシュ・モハン

『Apex Legends』リードレジェンドデザイナー。(文中はジョシュ)

Brian Berryhillブライアン・ベリーヒル

『Apex Legends』レジェンドデザイナー。(文中はブライアン)

Bilal Arshadビラル・アーシャド

『Apex Legends』プリンシパルゲームデザイナー。(文中はビラル)

Steve Youngスティーブ・ヤング

『Apex Legends』リードレベルデザイナー。(文中はスティーブ)

JJ Odellジェイジェイ・オデル

『Apex Legends』BRデザイナー。(文中はJJオデル)

JJ Williamsジェイジェイ・ウィリアムズ

『Apex Legends』ワイルドカードプリンシパルデザイナー。(文中はJJウィリアムズ)

Eric Canaveseエリック・カナヴェーゼ

『Apex Legends』リードBRデザイナー。(文中はエリック)

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シアが調整されない背景とは? 開発「強化しすぎてバランスを崩さないよう、慎重に進めているところです。」

――使用率が低いにも関わらず、シアだけ長いあいだ調整がされていません。SNSなどでは「開発はシアを見捨てたのではないか」という声も上がっている印象ですが、なぜここまで調整が入らないのでしょうか? 調整が難しいレジェンドということは十分理解していますが、少し放置されすぎているような気がします。

ジョシュ
 まずお伝えしたいのは、シアを見捨てたわけではまったくないということです。調整についてはつねに検討しています。コミュニティの意見を踏まえつつ、活躍の場がなくなってきたレジェンドにどう手を加えるかという点は、私たちも日々考えています。

 ただ、覚えている方も多いと思いますが、かつてのシアはかなり強力で壁越しにダメージを与えるなど、多くのプレイヤーに大きなフラストレーションを与えていました。いずれ調整のタイミングは来ると思いますが、強化しすぎてバランスを崩さないよう、非常に慎重に進めているところです。

――シア以外にも、現状あまり使われていないレジェンドがいますが、そういったキャラの強化予定はありますか?

ジョシュ
 はい、私たち開発側としても、あまり日の当たらないレジェンドや使われなくなったレジェンドに手を加えて、魅力的なキャラクターに戻し、多くのプレイヤーに使ってもらいたいとつねに考えています。実際にロードマップも用意していますが、各シーズンで対応できる範囲は限られていますし、一度に大量の調整を入れるのはなかなか難しいんですよね。

 そのため、時間とリソースの範囲内で、いろいろ検討しながら順番に対応していくつもりです。

――現状のメタについて、開発チームとして満足している点と注視しているポイントを教えてください。

ジョシュ
 シーズン25では、ワットソンとヴァンテージを強化しました。結果としては満足していますし、プレイヤーの反応もよかったと思います。

 それから、アッシュとバリスティック、オルターのいわゆる最強の組み合わせが、一時期「これしか見ない」というほど大人気でした。ただ、人気が偏りすぎてバランスが崩れるのではと感じて、ミッドシーズンで調整パッチを入れました。それ以降は環境に多少のバラつきが見られるようになったと思います。

 私たちとしては、ほどよいバランスを保ちながら、プレイヤーに多様な選択肢を持ってもらい、さまざまなレジェンドやチーム編成のバラエティが生まれる環境を作っていきたいと考えています。
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――アッシュ、オルター、バリスティックという、いわゆる最強の組み合わせを見て、レジェンドのバランス調整について何を学びましたか?

ブライアン
 今回の経験から、メタ調整の重要性を改めて実感しました。オルターがすべてのサポートパークを獲得したことで過剰な性能となってしまい、高速蘇生や蘇生後の体力回復も相まって明らかに行き過ぎた強さだったと思います。

 今後もレジェンドには柔軟なアップグレードを行っていきますが、特定のレジェンドにすべてのクラスパークを付与することはもうないでしょう。

エヴァン
 個人的にはカウンタープレイの重要性は非常に大きいと考えています。オルターとアッシュとの対決では、適切な対策を見つけにくい場面もありましたので、その点を改善したいと考えています。

ブライアン
 ちなみにアッシュについては、とても魅力的なレジェンドであるため、安易に弱体化するのではなく、コミュニティの声をしっかり踏まえたうえでそのまま残すことを決断しました。よい点を活かしつつ、必要な修正を加えていくことが私たちの基本的な方針です。

――アッシュのパッシブが強すぎて、「けっきょくアッシュを使っておけばいい」という現状です。この状況を、開発としてはどう受け止めていますか?

ジョシュ
 アッシュが強力で、そうした状態が長く続いているのは私たちも認識しています。現状を何とかしたい気持ちはありますが、アッシュならではの個性や使っていて楽しいと感じられる部分は損ないたくありません。ですので、段階的に少しずつバランス調整を進めています。

 当然、対峙する側にとってはフラストレーションを感じる部分もあるかもしれませんが、過去数回のパッチでも少しずつアッシュの調整を行っているので、その点はご理解いただければと思います。

――ブラッドハウンドのように下位ランクではよく使われる一方、マスターやプレデターといった上位ランクではあまり見かけないレジェンドもいます。こういったレジェンドは初心者向けという位置付けだと思いますが、今後上級者向けにリワークしたり、逆に上級者向けのレジェンドを初心者でも使いやすくするような調整は行われるのでしょうか?

ジョシュ
 先ほども触れましたが、私たちはつねにすべてのレジェンドについて調整や変更を検討しています。ご指摘のように、ランク帯によって選ばれやすいレジェンドが異なるのは事実で、その点はとくに問題視していません。

 上位ランクでよく選ばれるレジェンドもいれば、下位ランクで使われやすいレジェンドもいる。このような傾向は自然なことですから。問題なのは、まったく使われないレジェンドが出てしまうことですね。極力、そのような状態が起こらないようにしたいと考えています。

 それぞれの個性を尊重しつつ、使いやすさのバランスを取ることが大切だと思っています。ブラッドハウンドのように、シンプルで初心者が始めやすいキャラクターは、その位置付け自体が理解できるよい例です。ただ、偏りが大きくなりすぎないよう、必要に応じて調整は加えていくつもりです。

――リコンクラスは最近あまり目立っていませんが、ブラッドハウンドやクリプトに対して何か強化の予定はありますか?

ブライアン
 これらのレジェンドには、来年まで続くロードマップがあるので、いまはあまり使われていないキャラも、いずれ注目されるタイミングが必ず来ますよ。今回はコースティックでしたが、つぎのシーズンではまた別のレジェンドにスポットが当たることでしょう。

 クラスパークについても現在検討中で、どういう形で実装されるかは今後のお楽しみです。

――スパローや以前のアッシュのように、リコンやアサルトでありながらスカーミッシャー並みの機動力を持つレジェンドが増えています。これによってクラス分けの役割が薄れていると感じることがありますが、現状のクラス設計についてどのように考えていますか?

ジョシュ
 クラスを設計する際に私たちが重視しているのは、個々のアビリティそのものよりもチーム全体としてどう機能するか、つまりクラスどうしが組み合わさったときにどんなプレイスタイルや結果を生むかという点です。

 確かに、リコンやアサルトでありながらスカーミッシャーのような動きをするケースもあります。たとえばアッシュは、かつて敵の居場所を追跡するリコン系のパッシブを持っていた時期もありました。

 そうした傾向が見られることもありますが、私たちがつねに意識しているのはクラスどうしの相性や組み合わせです。役割の変遷を経て、最近のパッチでクラスを変更した例もありますが、いずれも全体のバランスを踏まえた決断となっています。

 そのため、アビリティ単体での強さではなく、チーム全体におけるクラスの相性や組み合わせを重視している、という点を理解していただければと思います。

――最近のシーズンアップデートでは、アサルトクラスやスカーミッシャークラスなど、戦闘に機動力を持たせる調整が多くありました。そんな中、直近のアップデートではワットソン、シーズン26ではコースティックとコントロールクラスの強化が見られますが、シーズン26におけるメタの変化についてはどのような展望を持たれていますか?

ブライアン
 今回行ったバンガロールの調整によって、またバンガロールが使用率トップ10に戻ってきてくれればと思っています。より多くのプレイヤーに選んでもらえるとうれしいですね。この変更で制空権を握りやすくなり、終盤でもバンガロールの強さがさらに発揮されると感じています。

 コースティックも同様に、防衛力がより際立ち、これまで以上に活躍しやすくなるはずです。また、この調整により対アッシュ戦でコースティックの立ち回りが強化されますが、完全にアッシュを封じるほどではありません。ここはプレイヤーの腕の見せ所となるでしょう。
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ランクマッチの公平性強化とレジェンド調整の基本方針。最強キャラの固定化を避け、多様な選択肢を目指す理由とは

――現在のランクマッチの公平性や、プレイヤーの満足度を高めるために取り組んでいることがあれば教えてください。

ビラル
 さまざまな施策を検討していて、実際にいくつかはすでに進めています。たとえば、最近ではRPの調整を行いました。これはランクマッチをより公平にするための取り組みですが、同時に競争性を失わない形で実装することを心がけています。

 もうひとつ大きな取り組みがマッチメイキングの調整です。アルゴリズムを見直し、プレイヤーが自分と近い実力の相手とマッチできる環境を整えるため、裏でさまざまな実験を重ねています。ランクリセット後も、できるだけ早く適正なスキル帯でプレイできるよう工夫しているんです。

 これらは一度行えば終わりというものではなく、継続的に取り組み続けている課題ですね。

――レジェンドの調整にあたっては、ユーザーのピック率や実際の声を反映していると思いますが、開発者の目線で理想的なピック率はどのくらいを目指しているのか教えてください。

ジョシュ
 ピック率について、私たちは特定の理想的な数字を設けていません。『Apex』のような競争性の高いゲームでは、勝利のパターンや最強キャラクターが固定されてしまうのを避けたいからです。「このキャラが最強だからこれしか使えない」といった状況や、最強キャラリストがずっと固定化している状態は望んでいません。むしろ、さまざまな動きがつねに起きているほうがいいと考えています。

 メタに関しても、武器やレジェンドのデータを細かく見ていますが、同じ状態が長く続くことがもっとも避けたい事態です。だからこそ、継続的に調整を行っています。具体的には、数週間ごとにバランス調整パッチをリリースしたり、新機能を追加することでゲームの鮮度を保ち、プレイヤーがさまざまな視点から楽しめるよう工夫しています。

 まとめると、『Apex』において完璧なピック率というものはなく、私たちもそれをゴールとはしていません。

――新アイテム“アンプ”はゲーム性を大きく変える要素だと感じました。ただ、マッチ内では入手が難しいとのことですが、実際の出現率はどのくらいなのでしょうか。また、ゲームバランスの調整はどのように考えていますか?

JJオデル
 アンプシステムは、新しいゲーム体験をもたらす要素になると思います。マッチ開始時点でマップにはいくつか配置されていて、その後はサプライボックスのリセットに合わせて再び出現する仕組みです。リセット前の段階では、チームのうちひとり、多くてもふたりが運よくアンプの恩恵を受けられる、といった状況になるでしょう。リセット後は出現頻度が上がるため、終盤には「これが欲しい」と狙っている特定のアンプも手に入りやすくなると思います。

 アンプを導入した目的は、チーム全体の力を底上げし、より激しい立ち回りを楽しめるようにすることにあります。これまでも、レジェンドアップグレードや武器のアップグレードといった強化手段はありましたが、アンプはそれらに加えて新たなパワーアップの方法を提供することでしょう。

――アンプのアビリティはどれも魅力的ですが、実際にはどれがいちばん強力なのでしょうか? また、プレイテストでとくに印象に残った効果はありますか?

JJオデル
 じつは、どのアビリティもほぼ同じパワーレベルになるよう設計しています。これは「これが最強だから絶対使う」という偏りを避け、戦略の選択肢を増やすためです。明確にいちばん強いものはないので、プレイスタイルや武器の選択に応じて戦略的に選んでいただければと思います。

 ただ、個人的にいちばん楽しかったのはオーバーフローヒーラーアンプです。セルや注射器を使ったときの回復力が抜群で、激戦の中でも一瞬で体力を回復できるのはとても爽快ですよ。

――ワイルドカードでおもしろそうなレジェンドの組み合わせはありますか?

JJウィリアムズ
 テストプレイでとくに印象的だったのがバンガロール3人の組み合わせです。スモークをつぎつぎと展開して視界を奪い、敵を炙り出す戦術は非常に強力でした。

 また、アッシュ3人にバットを持たせた構成は驚異的で圧巻の強さを見せました。さらに、ミラージュとウルトの組み合わせも強烈です。熟練のプレイヤーでさえ翻弄され、手も足も出ない場面もありましたね。
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――バットで相手を弾き飛ばせるそうですが、マップの外まで飛ばすことは可能ですか?

JJウィリアムズ
 実際にテストしましたが、マップの外までは飛ばせません。しかし、マップ内ではかなりの飛距離を出し、大きく弾き飛ばしてキルすることが可能です。もちろん、別の世界に飛ばすようなことはできません。ぶっ飛ばしたときの軌道や飛んだ方向がちゃんと確認できるようにしています。

 それともうひとつ、バットは後半のラウンドに進むにつれて非常にパワフルになります。リングの外にぶっ飛ばすことも可能で、これが攻撃手段として大きな利点になり、状況を打破する強力な武器となっています。

――ドロップゾーンを導入したことで、マップ内の物資量は変わりましたか? それとも、これまでと同じなのでしょうか?

エリック
 現時点では物資量に変化はありません。ただ、ドロップゾーンの追加は大きな変更ですので、それがどのようにプレイに影響を与えるのかは継続的にモニタリングしていきます。実際のプレイ状況を見てから必要に応じて調整を検討する予定です。

 それから、物資の総量は変わっていませんが、質を調整して内容を平均化しました。さらに、ランクモードからはヒートシールドとホットゾーンを除外しています。これらはランダムに発生していましたが、ドロップ位置もランダムになるため、両方を残すのは理にかなっていなかったんですよね。

 くり返しになりますが、物資の総量は変わっていません。もしゲームが健全でバランスよく機能しているのであれば、あえて手を加える必要はないかもしれませんが、競争性と公平性を保つことは非常に重要ですので、その点は引き続き注視していきます。

――シーズン25でのディヴォーションの強化はとても印象的でした。非常に強力で破壊的でしたが、この点についてはどのように評価されていますか?

エリック
 ディヴォーションは以前から調整を検討していた武器であり、このタイミングで注目させることは大事だと考えました。実際に多くのプレイヤーに使っていただけて、結果には満足しています。

 武器を調整して使用率を高めることで、さまざまな武器に光を当てることは非常に重要だと思っています。この方向性は今後も続けたいですね。

 RE-45は今回その一例で、ディヴォーションほどのインパクトがあるかはわかりませんが、多くのプレイヤーに楽しんでいただけると思いますよ。

――イーディストリクトでいちばん好きな変更点は何ですか?

スティーブ
 私がいちばん気に入っているのは、ショップに扉を追加したことです。以前は店に入るとドアがなく、行き止まりで追い詰められることもありましたが、扉を設けたことでトムとジェリーのような追いかけ合いや駆け引きが楽しめるようになりました。

 また、マップ全体がより明るくなり視認性が向上したことで、長く滞在したくなる心地よい空間に仕上がっていると感じています。
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      集計期間: 2025年07月31日19時〜2025年07月31日20時