
これにあわせて、メディア向けにレジェンドの調整に関する開発者へのグループインタビューが行われた。使用率が低いシアが調整されない理由や、アッシュのパッシブが強力すぎるとの声にどう向き合っているのか。そのほか、ランクマッチの公平性やプレイヤーの満足度を高めるための取り組みについて、現役プレイヤーが開発へ話を伺った。
Evan Nikolich(エヴァン・ニコリッチ)
『Apex Legends』デザインディレクター。(文中はエヴァン)
Josh Mohan(ジョシュ・モハン)
『Apex Legends』リードレジェンドデザイナー。(文中はジョシュ)
Brian Berryhill(ブライアン・ベリーヒル)
『Apex Legends』レジェンドデザイナー。(文中はブライアン)
Bilal Arshad(ビラル・アーシャド)
『Apex Legends』プリンシパルゲームデザイナー。(文中はビラル)
Steve Young(スティーブ・ヤング)
『Apex Legends』リードレベルデザイナー。(文中はスティーブ)
JJ Odell(ジェイジェイ・オデル)
『Apex Legends』BRデザイナー。(文中はJJオデル)
JJ Williams(ジェイジェイ・ウィリアムズ)
『Apex Legends』ワイルドカードプリンシパルデザイナー。(文中はJJウィリアムズ)
Eric Canavese(エリック・カナヴェーゼ)
『Apex Legends』リードBRデザイナー。(文中はエリック)
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シアが調整されない背景とは? 開発「強化しすぎてバランスを崩さないよう、慎重に進めているところです。」
ただ、覚えている方も多いと思いますが、かつてのシアはかなり強力で壁越しにダメージを与えるなど、多くのプレイヤーに大きなフラストレーションを与えていました。いずれ調整のタイミングは来ると思いますが、強化しすぎてバランスを崩さないよう、非常に慎重に進めているところです。
――シア以外にも、現状あまり使われていないレジェンドがいますが、そういったキャラの強化予定はありますか?
そのため、時間とリソースの範囲内で、いろいろ検討しながら順番に対応していくつもりです。
――現状のメタについて、開発チームとして満足している点と注視しているポイントを教えてください。
それから、アッシュとバリスティック、オルターのいわゆる最強の組み合わせが、一時期「これしか見ない」というほど大人気でした。ただ、人気が偏りすぎてバランスが崩れるのではと感じて、ミッドシーズンで調整パッチを入れました。それ以降は環境に多少のバラつきが見られるようになったと思います。
私たちとしては、ほどよいバランスを保ちながら、プレイヤーに多様な選択肢を持ってもらい、さまざまなレジェンドやチーム編成のバラエティが生まれる環境を作っていきたいと考えています。
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今後もレジェンドには柔軟なアップグレードを行っていきますが、特定のレジェンドにすべてのクラスパークを付与することはもうないでしょう。
――アッシュのパッシブが強すぎて、「けっきょくアッシュを使っておけばいい」という現状です。この状況を、開発としてはどう受け止めていますか?
当然、対峙する側にとってはフラストレーションを感じる部分もあるかもしれませんが、過去数回のパッチでも少しずつアッシュの調整を行っているので、その点はご理解いただければと思います。
――ブラッドハウンドのように下位ランクではよく使われる一方、マスターやプレデターといった上位ランクではあまり見かけないレジェンドもいます。こういったレジェンドは初心者向けという位置付けだと思いますが、今後上級者向けにリワークしたり、逆に上級者向けのレジェンドを初心者でも使いやすくするような調整は行われるのでしょうか?
上位ランクでよく選ばれるレジェンドもいれば、下位ランクで使われやすいレジェンドもいる。このような傾向は自然なことですから。問題なのは、まったく使われないレジェンドが出てしまうことですね。極力、そのような状態が起こらないようにしたいと考えています。
それぞれの個性を尊重しつつ、使いやすさのバランスを取ることが大切だと思っています。ブラッドハウンドのように、シンプルで初心者が始めやすいキャラクターは、その位置付け自体が理解できるよい例です。ただ、偏りが大きくなりすぎないよう、必要に応じて調整は加えていくつもりです。
――リコンクラスは最近あまり目立っていませんが、ブラッドハウンドやクリプトに対して何か強化の予定はありますか?
クラスパークについても現在検討中で、どういう形で実装されるかは今後のお楽しみです。
――スパローや以前のアッシュのように、リコンやアサルトでありながらスカーミッシャー並みの機動力を持つレジェンドが増えています。これによってクラス分けの役割が薄れていると感じることがありますが、現状のクラス設計についてどのように考えていますか?
確かに、リコンやアサルトでありながらスカーミッシャーのような動きをするケースもあります。たとえばアッシュは、かつて敵の居場所を追跡するリコン系のパッシブを持っていた時期もありました。
そうした傾向が見られることもありますが、私たちがつねに意識しているのはクラスどうしの相性や組み合わせです。役割の変遷を経て、最近のパッチでクラスを変更した例もありますが、いずれも全体のバランスを踏まえた決断となっています。
そのため、アビリティ単体での強さではなく、チーム全体におけるクラスの相性や組み合わせを重視している、という点を理解していただければと思います。
――最近のシーズンアップデートでは、アサルトクラスやスカーミッシャークラスなど、戦闘に機動力を持たせる調整が多くありました。そんな中、直近のアップデートではワットソン、シーズン26ではコースティックとコントロールクラスの強化が見られますが、シーズン26におけるメタの変化についてはどのような展望を持たれていますか?
コースティックも同様に、防衛力がより際立ち、これまで以上に活躍しやすくなるはずです。また、この調整により対アッシュ戦でコースティックの立ち回りが強化されますが、完全にアッシュを封じるほどではありません。ここはプレイヤーの腕の見せ所となるでしょう。
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ランクマッチの公平性強化とレジェンド調整の基本方針。最強キャラの固定化を避け、多様な選択肢を目指す理由とは
もうひとつ大きな取り組みがマッチメイキングの調整です。アルゴリズムを見直し、プレイヤーが自分と近い実力の相手とマッチできる環境を整えるため、裏でさまざまな実験を重ねています。ランクリセット後も、できるだけ早く適正なスキル帯でプレイできるよう工夫しているんです。
これらは一度行えば終わりというものではなく、継続的に取り組み続けている課題ですね。
――レジェンドの調整にあたっては、ユーザーのピック率や実際の声を反映していると思いますが、開発者の目線で理想的なピック率はどのくらいを目指しているのか教えてください。
メタに関しても、武器やレジェンドのデータを細かく見ていますが、同じ状態が長く続くことがもっとも避けたい事態です。だからこそ、継続的に調整を行っています。具体的には、数週間ごとにバランス調整パッチをリリースしたり、新機能を追加することでゲームの鮮度を保ち、プレイヤーがさまざまな視点から楽しめるよう工夫しています。
まとめると、『Apex』において完璧なピック率というものはなく、私たちもそれをゴールとはしていません。
――新アイテム“アンプ”はゲーム性を大きく変える要素だと感じました。ただ、マッチ内では入手が難しいとのことですが、実際の出現率はどのくらいなのでしょうか。また、ゲームバランスの調整はどのように考えていますか?
アンプを導入した目的は、チーム全体の力を底上げし、より激しい立ち回りを楽しめるようにすることにあります。これまでも、レジェンドアップグレードや武器のアップグレードといった強化手段はありましたが、アンプはそれらに加えて新たなパワーアップの方法を提供することでしょう。
――アンプのアビリティはどれも魅力的ですが、実際にはどれがいちばん強力なのでしょうか? また、プレイテストでとくに印象に残った効果はありますか?
ただ、個人的にいちばん楽しかったのはオーバーフローヒーラーアンプです。セルや注射器を使ったときの回復力が抜群で、激戦の中でも一瞬で体力を回復できるのはとても爽快ですよ。
――ワイルドカードでおもしろそうなレジェンドの組み合わせはありますか?
また、アッシュ3人にバットを持たせた構成は驚異的で圧巻の強さを見せました。さらに、ミラージュとウルトの組み合わせも強烈です。熟練のプレイヤーでさえ翻弄され、手も足も出ない場面もありましたね。
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それともうひとつ、バットは後半のラウンドに進むにつれて非常にパワフルになります。リングの外にぶっ飛ばすことも可能で、これが攻撃手段として大きな利点になり、状況を打破する強力な武器となっています。
――ドロップゾーンを導入したことで、マップ内の物資量は変わりましたか? それとも、これまでと同じなのでしょうか?
それから、物資の総量は変わっていませんが、質を調整して内容を平均化しました。さらに、ランクモードからはヒートシールドとホットゾーンを除外しています。これらはランダムに発生していましたが、ドロップ位置もランダムになるため、両方を残すのは理にかなっていなかったんですよね。
くり返しになりますが、物資の総量は変わっていません。もしゲームが健全でバランスよく機能しているのであれば、あえて手を加える必要はないかもしれませんが、競争性と公平性を保つことは非常に重要ですので、その点は引き続き注視していきます。
――シーズン25でのディヴォーションの強化はとても印象的でした。非常に強力で破壊的でしたが、この点についてはどのように評価されていますか?
武器を調整して使用率を高めることで、さまざまな武器に光を当てることは非常に重要だと思っています。この方向性は今後も続けたいですね。
RE-45は今回その一例で、ディヴォーションほどのインパクトがあるかはわかりませんが、多くのプレイヤーに楽しんでいただけると思いますよ。
――イーディストリクトでいちばん好きな変更点は何ですか?
また、マップ全体がより明るくなり視認性が向上したことで、長く滞在したくなる心地よい空間に仕上がっていると感じています。
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