『モンスターハンターストーリーズ3 ~運命の双竜~』は2026年3月に発売されたRPG。『モンスターハンター』の世界を舞台に、モンスターと共存するライダーとなって冒険にくり出していく。フォトリアルな『モンスターハンター』シリーズとは異なり、アニメ調のグラフィック表現が特徴だ。
今回の講演では、そのアニメ調表現がいかにして作り上げられたかが解説された。やや技術的な内容ではあるが、NPR(Non-Photorealistic Renderingの略。非写実的レンダリング)、いわゆるアニメ調のグラフィック表現に興味がある人は要チェックだ。
- アニメ調表現の正統進化を目指して
- キャラのシェーディングはNdotLベースの方式を採用
- キャラクター用ライティングは従来の設計に近くして圧倒的な物量に対応
- 表現をリッチにするポストエフェクト
- 内製エンジンの新規路線開拓
- 処理の最適化と開発の効率化
- リッチなアニメ調表現のさらなる追求に期待
アニメ調表現の正統進化を目指して
そのうえで課題となったのは、正統進化のためにどのような表現を用いるかの選定と実装、カプコン独自のゲームエンジン“RE ENGINE”の新規路線の開拓、そして検証と量産を並行で進めるための開発効率化、この3つだ。
本作のビジュアルコンセプトは、広大な自然を描くこと、“劇場版風”を目指すこと、そしてカットシーン(イベントシーン)をドラマチックに描くことの3点。

作品の舞台となる森や荒野などについても、フォトリアルではなくアニメの背景美術のようなものが目指された。RE ENGINEによるPBR(Physically Based Renderingの略。物理ベースレンダリング)でリッチな地形を描きつつ、テクスチャとシェーディングにより情報量を整理することで、アニメ的なルックが作られる。
セルルック(手描きアニメ風のスタイル)で描かれるキャラクターの存在感を高められるよう、見た目の情報量は整理しつつ、落ち影や環境光の影響などをしっかりと描くことも重要だったという。
劇場版風の表現については、キャラクターの頭身が上がり、細かな情報量もアップ。前作までの少年マンガ的な描写から青年マンガ的な描写に移行している。リッチな表現にしつつも、シリーズの特徴であるセルルックを崩さないことがポイントだったそうだ。

そしてカットシーンでは、迫力ある描写のためにライティングの自由度が重視された。ライティングアーティストが自由に調整できるようにしたのはもちろん、アニメの撮影効果のように、後から表現を加えるポストエフェクトを活用することで演出のパワーアップが図られたという。
リアルとアニメ調の融合で広大な景色を描く
とくに重要だったのは、シェーディング(陰影による立体感の表現)とスペキュラー(鏡面反射やハイライトに用いる要素)に関連するパラメーターの扱い。どの要素がライティングにどう作用するかを細かく調査し、アーティストの求めるビジュアルを達成するにはどの要素を動かす必要があるか、逆算的に作業を進めていったとのこと。

背景に用いられたシェーダー機能の一部として、法線加工やシンプル鉱石シェーダー、水に関する表現などが紹介された。
法線とは、ポリゴンの面や頂点に対して垂直に伸びる線であり、光の当たりかたや見た目上の凹凸表現に関わる要素。地面に生える草に関しては法線を一定方向に向け、木の葉などは法線を放射状に向けることでシェーディングを平坦にし、情報量を削ぐことでアニメらしい見た目が作られている。
シンプル鉱石シェーダーは、フィールド上に多数配置される鉱石を表現するための機能。鉱石の透明感を出すには、理想を言えば半透明で描画したい。しかし場所によっては鉱石が画面を埋め尽くすほどの量で配置されるため、不透明シェーダーで処理が行われた。

ベースカラーの明度を参照し、そこからマスクを作成、強度をスケールできるようにしているという。テクスチャの情報量が多いPBRには基本的に不向きな処理だが、アニメ調表現のために情報量が整理されている環境では有効なアプローチになったそうだ。
水面シェーダーに関してはいくつかのバリエーションがあり、湖、地面の濡れ、川の表現が紹介された。湖では3枚のノーマルマップ(細かい凹凸や光の当たりかたを表現する法線マップ)と遠景用のノーマルマップ、計4枚を使って波を表現しているという。
湖も画面の大部分を占める可能性があるため、カメラの近くでは4枚をフルに使い、遠方では専用のノーマルマップ1枚だけを使うことで処理負荷を軽減している。また、水面と水底の深度差が一定未満の場所を交差点とし、泡用のテクスチャを表示しているそうだ。
水際の地面の濡れ表現については、水面のメッシュ(ポリゴンの面となる部分)を実際の水面より高く配置し、水面を描画する高さをパラメーターで指定。描画されている水面とメッシュが配置されている高さ、そのあいだにある地形を暗くすることで、濡れを表現しているという。
川の表現については湖のシェーダーが流用されており、泡の表現などは湖と同様。川ではUV(テクスチャの配置に用いる2次元座標)のY方向にシェーダー処理をスクロールすることで、水の流れを表現している。専用のマスクマップを作るのではなく、UVを使うことでメモリを節約しているとのこと。
記号的な情報で統一感を出しつつ、複雑性を持たせて豊かなキャラ表現を
リッチなセルルックを作るうえでポイントとなったのは、見た目を構築する情報が視覚的にわかりやすく明確化された、記号的な情報。光が当たっている面、陰になっている面、光沢といった表現だ。その記号的な情報の中に複雑性を持たせることが重要だったのだとか。

アートスタイルを安定化させるために、シェーディングやハイライトのやわらかさ、影面表現など、材質ごとの特徴は固定値として管理。モンスターでも装備でも、甲殻は甲殻の質感として表現されるためアートスタイルの統一感が向上し、アセットの量産性も増した。
本作ではモデルデータが防具、モンスター、武器などに細かくカテゴライズされており、基準スペックはカテゴリごとに管理されている。例として防具のモデルが紹介されたが、セルルックの命である線の描画に関わるテクスチャは4Kを維持し、シェーダー計算の素材となるテクスチャについては解像度を下げておくことでメモリを節約しているとのこと。
キャラクターはアウトラインメッシュやシャドウメッシュといった特殊なメッシュを一部に内包。輪郭線の描写には、同じくアニメ的表現を行っている『ギルティギア ストライヴ』などでも利用されている背面法アウトラインが使われている。二重を表現するためのまぶたに入れる線やアゴと首の境界を強調するための線は、ポリゴンで作ったラインを載せることで表現。

シャドウメッシュはその名の通り影の描写に用いるもの。四角い箱に球体のシャドウメッシュを設定することで、落ちる影を丸くするなど影のコントロールに使われる。わかりやすい例として、顔の凸部分を削いだシャドウメッシュを用意することで、鼻から発生する影を消してすっきりした見た目にしたという対応が挙げられた。

キャラのシェーディングはNdotLベースの方式を採用
影はセルルックらしいスタイルを表現するために、基本的にグラデーションではなく境界がハッキリした2階調で表現される。キャラについても風景と同様、法線を平坦にすることでシェーディングが調整されている。顔の法線は汎用メッシュから転用しつつ、キャラごとに微調整を入れているとのこと。
なお、キャラクターの印象を保つうえではシェーディングの閾値をベイクする方法も非常に有効だったが、多光源、多方向からの自由なライティングをコンセプトにした本作とは噛み合わず、採用を見送ったという。

ベースのシェーディングルールは統一しつつ、毛の素材では影の境界線をぼかす、素肌に対してはライティングの角度を変えても嫌な影にならないように、アーティスト側で調整可能な補正要素の高さ成分を使うなど、細かな部分では個別仕様が用意されている。
また、モンスターのノーマルマップに関しては、書き込む場所の絞り込みや強度の調整が行われている。影の描写が細かくなりすぎず、かと言ってのっぺりとしすぎないようにし、セルルックと調和可能な形に落とし込んでいるという。
キャラクターの唇に落とす影など、デザイン的に意図した陰影をつけたい場所については、強制的に影を落とすマスクがかけられる。陰影はベースカラーに直接書き込むこともできるが、陰影情報として分離しておけばシェーディング以外の処理からでも判定できるため、マスクとして分離したそうだ。

ハイライトについては、Phongモデルで計算したスペキュラーをベースに、ハイライトの大きさや柔らかさ、色などの要素を加えて加工。ハイライトもベースカラーと同じくらいに重要だという。
機械的に算出する方法も検討されていたが、セルルックではハイライトが重要な要素となる。アーティストからの手を入れたいという要望もあり、テクスチャで直接カラーを指定できるようにしたそうだ。
例として挙げられたリオレウスは、角のハイライト部分に色むらを付けることで、鉱石のような輝きを表現している。なお、多光源を使っている本作だが、情報過多になるのを避けるため、ハイライトに関してはメインライトだけを使用しているという。

アーティストと協議し、まぶたから落ちる影やオトモンの色変化を実装
前述のハイライトは角度によっては発生せず、そのままでは情報量が少ない印象となってしまう。それを補うのが、エッジハイライトだ。こちらは専用のマスクマップを使ってハイライト成分を加算するもので、エッジ部分のハイライトという記号的な情報を追加するのに役立ったという。
その記号的な情報に複雑性を持たせるのが、グラデーションハイライトの機能。ハイライト部分に対し、1Dテクスチャ(横方向のみを持つテクスチャ)で定義したグラデーションをブレンドすることで、構造色(タマムシなどのように、微細な構造が光の反射に干渉し、見る角度によって色が変わる現象)のような表現が可能になっている。

グラデーションハイライトはベースカラーに適用すると全身にハイライトのようなものが発生し、目指していた見た目からは離れてしまう。そのため、ハイライトのみに適用しているのがポイントとのことだ。
キャラクターに関する部分では、目の表現に関する機能が紹介された。目は白目、瞳、ハイライトで表現されているが、ここに情報量を加えるべく実装されたのが、まぶたの影を落とす機能。影やハイライトがまぶたに連動するようにし、CGらしさを感じない自然な表現が実現された。ハイライトに関しては、視線方向にも連動することで隠れてしまうことを回避しているという。

多数登場するNPCに関する機能もあり、カラー設定がそれにあたる。セルルックにおいて色彩設定は非常に重要だが、明度と指定色を単純に乗算してNPCのカラーバリエーションを作ると、鮮やかさを欠いてしまう可能性がある。
そこで、NPCの衣装については明度マップをグラデーションマップのU座標として参照し、各マスク領域に色を適用させる方式を採用。アーティストが直感的に色を指定可能になり、わざわざ全NPCにベースカラーを用意せずとも、豊富なカラーバリエーションを同時に描画できるようになったという。
主人公のパートナーとなる“オトモン”は、属性の変化に応じて見た目の色も変化する。これをNPCの衣装と同じ方法で作ろうとすると、モンスター数×5属性×マスクのチャンネル×グラデーションマップと、物量がすさまじいことになる。
ターゲットカラーや色相の変化率などをパレットとして保存し、属性に応じて取り出すことでシンプルながら表情豊かな色合いを実現したとのことだ。

原作の『モンスターハンター』シリーズで特殊な表現が行われていたモンスターも、本作なりの形で再現されている。例として挙げられたのは、ネロミェールの水や発光の表現だ。
したたる水は法線マップを重力方向にスクロールさせ、シェーディングやハイライトに動きを生むことで再現。周期的な発光は、X軸を定義する専用のマスクマップをかけた後に、Y座標を指定するグラデーションマップをスクロールさせることで実現したという。
追加のハイライトや屈折表現など負荷の高い表現は避け、すでに存在している記号的な情報を制御することで、セルルックのスタイルを維持しつつ、モンスターらしさを出すことができたそうだ。
キャラクター用ライティングは従来の設計に近くして圧倒的な物量に対応
ライティングの影響を受けて表現されるのは、影になっていない基本色、影を示す影色、影の中でさらに影が形成されている2影色、そして輪郭に乗せる逆光表現のリムライトと、影色に乗せる補助的な光の表現となるフィルライトの5つだ。

基本色と影色の塗り分けや明るさを決定するライトのひとつが、キャラクター用のディレクショナルライト。基本的には背景に使用されている同様のライトと同期しているが、ライトの方向やカラーを上書きできる設定や、環境光の影響などの設定が行える。ライトのなかでも影響がいちばん大きく、ライティングのベースになるものだという。
塗り分けを行うためのライトとなるのが、ポイント/スポットライト。こちらはセルルック表現専用のパラメーターがなく、従来通りに扱うことができる。複数人が登場する場面でも、ディレクショナルライトとは別に自由なシェーディングの指定が可能となるライトだ。
テクスチャを投影することで、照度情報をスケールして木漏れ日などの表現を行えるのが、ゴボライティング。一部キャラクター専用の設定はあるものの、基本は背景用のライトと変わらないという。こちらは従来のライティングフローに沿った作業が可能だったとのことだ。
特殊なライトで照り返しや影に取り入れる環境光を表現
影色やフィルライトはステージのライティングで利用している環境光の情報を参照しているが、そのまま取得するとリアルすぎる光の情報になってしまう。そのためキャラクターでは一定方向からの情報だけを取得しているという。影にのみ環境光の影響が出るため、基本色部分では本来の色味を保ちつつ、影面で雰囲気を演出する一助となっている。

セルルックスタイルのため、独自に実装されたのがシャドウマップフィルター。背景の落ち影をそのままキャラクターに乗せると背景向けのシャドウマップになり、影の境界がソフトになってしまう。シャドウマップフィルターではいったん境界をグラデーションさせたのち、ステップをかけることでジャギーを抑えつつ影の境界がハードになるようにしたとのこと。
表現をリッチにするポストエフェクト
フレア・パラ

一方パラは色の変更要素がなく、任意の部分を暗くグラデーションさせるのに使用。こちらは空を一部暗くして画面を締めるといった使いかたがされている。
アウトライン
モデルデータの部分で触れた背面法による輪郭線の描画だけでなく、ポストエフェクトでもアウトラインの描画が行われている。こちらは深度や法線比などを利用して複数のエッジ検出を行い、線の太さはキャラクターの種類ごとのプリセットで管理されている。
モンスターと人型とで同じ検出感度を用いると、モンスターのアウトラインが過剰に出てしまうため、モンスターについては感度を下げるなど、特徴に合わせたプリセットを用意しているという。
リムライト
カスタムフォグ
ディフュージョン
影色変更
手描き風フィルター

こちらはモンスター図鑑専用の、ハッチング風のテクスチャが乗る機能。本作のモンスター図鑑は主人公が描き込みを行っている設定なので、その手描き感を出すための機能だ。深度や法線、ライト方向からハッチングの向きや濃さが計算され、色味も図鑑の色に合わせて調整される。
シェーディング処理だけでもある程度見た目は整うが、そこにポストエフェクトが乗ることで、画面の印象は大きく変わる。PBRのリアルな描写をベースにした背景とセルルックのキャラクター、そしてアニメ調表現のためのフィルターが重なることで、本作の目指したアニメ調表現が達成されたのだ。
内製エンジンの新規路線開拓
しかし、物量が多い本作では描画の仕様を早期に策定する必要があった。そのため、レンダリングパイプラインの改造が完了する前から実現可能な方法を考えなければならなかった。そこで取られたのが、ライティング計算をピクセル単位で実行する“フォワードライティング”ですべて対応するという手法だ。
この方法はライティングのルールをキャラクターごとに適用したいアニメ調表現との相性がよく、描画仕様の検討や試作を自由に進めることができた。ただしピクセル単位で計算を行うため処理負荷は高く、最悪のケースでは7FPSにまで落ちる場面もあったという。

だが、すべての表現をフォワードライティングで実際に実装したことで、必要な機能や要件が具体的に整理できた。おかげでエンジンの新機能開発の相談も本格的に進められるようになったとのことだ。
検証後、フォワードライティングで行っていた処理は、すべて“ディファードライティング”に移行した。オブジェクト単位で処理を行うフォワードライティングに対し、ディファードライティングは画面上に映されるピクセル単位で処理を行うため、処理負荷は軽減される。
この際に使用されたのが、RE ENGINEの新機能であるユーザーライティング。この機能により、ディファードライティング時に書き込んだIDを参照し、ライティングコードをタイトルごとにカスタマイズできるようになった。アニメ調表現に必要なGバッファ(物体の法線情報などを保存したテクスチャ)も定義できるようになり、表現の幅が広がったという。
キャラクターには4枚のGバッファが追加され、ライトに照らされた部分の色を決定する情報やアウトラインの太さなどを決めるプリセット情報、エミッシブ(自己発光)情報などが格納されている。これらのGバッファを使い分けることで、ディファードライティングによる表現が実現されたとのこと。

フォワードライティングからディファードライティングへの移行にあたり、Gバッファに追加し切れない情報もあった。ここについては、シェーディングタイプ3なら金属、8ならアウトラインメッシュなどIDをGバッファに格納し、IDに応じてシェーディングのプリセットが切り換わるようにしたという。
また、影面のエミッシブ情報を持たせていたGバッファについては、Rチャンネルに格納していた情報がポストエフェクトでは不要になる。そのため、ポストエフェクトの処理を行うタイミングでRチャンネルの情報を影マスクのものに書き換えることで、前述したポストエフェクトの影色変更機能が実現したそうだ。
このように、ユーザーライティングを利用することでディファードライティングへの処理の移行を完了しつつ、負荷についても大幅に減少させることができたという。
講演後の質疑応答によれば、レンダリングパイプラインの移行が必要であることはチーム全体で認知されており、フォワードライティングからディファードライティングへの移行で見た目に微妙な差異が生じることもあらかじめ全員が承知していたとのこと。フォワードライティングで9割がたの絵作りを行い、ディファードライティングで最終仕上げを行う形で進行したそうだ。
処理の最適化と開発の効率化
モンスターなどを構成するマテリアルは細かく分割され、不要なシェーダー処理が実行されないように、また、高負荷な処理がかかる面積を最低限に抑えることで処理負荷を軽減。
技術検証と同時にモデルなどの量産が進められた本作では、開発途中で変更が不要になったパラメーターがそのまま残されることも多数あった。そこで、変更されていないパラメーターを検出するツールを実装し、それらを定数化。ごく一部のマテリアルでしか使用されないパラメーターについても、アーティストと相談のうえで定数化を行ったという。
RE ENGINEのデバッグ機能も活用され、デバッグビューで各種要素を確認できるようにし、処理負荷に影響が大きいものを確認しやすくすることでGPUの計算コストを軽減していったという。詳細は省かれたが、テクスチャパッキングなどの細かな最適化も行われたとのこと。
検証と量産が並行するなか、開発スピードを支えた各種ツール
ここまでに述べてきたシェーディングやポストエフェクトなどは、当然ながら実際のゲーム上、RE ENGINE上での見た目を決めるもの。しかし、アーティストが3Dモデルを編集するのはまた別のソフトだ。RE ENGINE上でないと実際の見た目を確認できないのでは、手間がかかりすぎてしまう。
そこで、サブスタンス3Dペインター(3DCGソフト)に特殊な機能を除く大部分を実装してシェーダーのプレビューを行いながらテクスチャを作成できるようにしたほか、Mayaでもシェーディングのプレビュー用機能を実装したという。

広告などのための撮影ツールも開発された。広告で利用する画像にはレタッチ(修正)を行うこともあるが、本ツールではRE ENGINE上でレタッチ用のマスク画像なども作成できるようにしていたそうだ。広告用画像の撮影も開発と同時に進むため、アーティストが自由に撮影状況を修正・再現できるようなサポート機能も有しているという。
モデルやモーション、ライトの当たりかたなどを手軽にチェックできるモデルビューワーや、シェーダーで作成したデバッグ描画機能なども用意され、修正と確認のくり返しを行いやすい環境が作られたとのこと。
リッチなアニメ調表現のさらなる追求に期待
レンダリングの処理工程に大きくメスを入れるなど、本講演の内容を見るだけでも開発の苦労は相当なものだったと思われるが、この技術が『モンスターハンター』シリーズに限らず、新たなタイトルにも活かされることに期待したい。
アーティストと協議しての専用シェーダー機能の開発や、検証で活きるツールを積極的に作成することで開発スピードを維持することなど、技術面だけに注力するのではなく、チームとしてより効率的に動けるようにする意識の重要さも感じられる講演だ。











