いきなり筆者の話になってしまい恐縮だが、小学生時代から『テニプリ』を読んでいた元テニス少年でもあるので、今回のリマスター版の発表時は「テニプリで気合の入った企画が動いているなぁ」と横目で眺めていた。KONAMIの“『テニプリ』ゲー”つながりだと、『テニスの王子様 最強チームを結成せよ!』、『テニスの王子様 2004 GLORIOUS GOLD』&『テニスの王子様 2004 STYLISH SILVER』などのテニスゲームは遊んだことはあるのだが、恋愛ゲームは未プレイである。
編集部から「初見の人に遊んでほしい」という話があって、せっかくの機会なのでぜひやらせてください、という流れで今回記事を書いている。純粋にこの話がある前から、テニプリメンバーの恋愛模様がどんなものなのか気になっていたのだ。
僕が担当したのは『ドキサバ』こと『テニスの王子様 ぎゅ~っと! ドキドキサバイバル Tie break ♡ game』。テニスなのに“サバイバル”というワードが入っているけどどういうことなんでしょうか。
違う意味でドキドキしそうなサバイバル生活勃発


いきなりとんでもない目に遭ってしまったが、まずは山へ行くか海へ行くか選ぶところから。そもそも本来このゲームは『テニスの王子様 山麓のMystic』、『テニスの王子様 海辺のSecret』の2バージョンで展開されていて、本作はそれらを1本にまとめた作品だ。山と海で主人公と攻略対象のキャラクターが異なっている。


山吹中の亜久津仁である。

「じゃあ亜久津で」とストレートに決まった。たぶんテニスのフラットショットくらいまっすぐ飛んでいったんじゃないか。
山吹中学校の3年生・亜久津仁。天性の優れた身体能力を持ち、テニスプレイヤーとしては努力をしなくても勝てるほどの実力者。原作では都大会で越前リョーマのライバルとして立ちはだかり、激闘の末に敗北したキャラだ。

僕としては見た目のカッコよさはもちろん、人間離れした動きの無手勝流スタイル、努力していないからこそリョーマに負けるわけにはいかなかった本人の“意地”など、作中の描写もあり当時からお気に入りである。怖そうなキャラや我流の攻めプレー、とにかく子どもながらにいろいろと刺さっていたんだろう。型にとらわれないことになにか惹かれるものがある。「バトルマンガに出てくる我流キャラが好き」という感覚に近い。



ということは、ずっと亜久津と話していればいいエンディングを迎えられるのでは?
そう思ってガンガン動いたものの、結果だけ先に言うと初回プレイはこちらが望む結末にはならなかった。このゲームは必要なイベントをちゃんとこなさないとダメらしい。たしかにそうだ。人との交流は丁寧に段階を踏むことが大事で、気持ちが前に出すぎてしまうのはよくない。まず、ほぼ初対面の相手に自分のことを何から何まで話してくれることはあまりないのでは?

そこで重要だったのが、新しい会話を引き出すために必要なシステム“キーワード”だった。1対1だけの会話では話題の広がりに限界があるので、他キャラとも話してキーワードをゲットしてねという狙いだと思う。
キーワード集めも頭に入れ、とりあえず亜久津に関連するメンバーに声をかけたり指定のイベントを見てみたが、これがキャラの掘り下げにもなっていてなかなか楽しい。
『テニプリ』は原作のファンブックなどにキャラのプロフィールが細かく設定されている作品だ。その内容は趣味や特技、好きな食べ物、好みのタイプなど多岐にわたる。おそらくそれらをもとにしたようなエピソードがゲーム内でも出てくるのだ。
「亜久津はモンブランが好き」という設定はボンヤリと覚えていたので、その話題が出てきたときは「う~わ、そういえばそうだったなぁ」と、頭の中の引き出しを開いたような、そんなノスタルジックな感覚に浸ってしまう。旧友のタカさん(河村隆)との会話が出てきたり、ネタっぽいゲームと思いきや小ネタの拾いかたがうまい。当時あった情報をよく読み込んで作っているのがわかる。細かいなぁ。


亜久津にメロメロというより分析
一匹狼っぽい言動、しゃべりかたは語気が強い。ハッキリ言ってふつうの人からすると亜久津は近寄りがたいと感じてしまうだろう。でも、彼の中で少しでも仲間意識が芽生えたらちょっとは気にかけてくれるはず……そういう人間じゃないだろうか。
とはいえ、いま言ったことをそのまま本人に伝えたら、フザけたことをぬかすなと怒るタイプだと思う。思ってはいても彼には黙っておいたほうがいい、そういうこともあるんじゃないかな。
それでもこの主人公は恐れずにガンガン絡んでいくので、見ていてこっちがハラハラする。たとえば「なにしてるんですか?」とか、「亜久津さんのことが知りたいんですけど」とか、根掘り葉掘り亜久津に訊いている。
すげえ、超攻撃型のテニスプレイヤーに超攻撃型のアタックを仕掛けている。
とあるシーンで南部長と話したら、怖いもの知らずと言われてしまった。ですよね、わかるとしか言えない。

亜久津の心を開かせるならそれぐらい必要な気もするが大丈夫だろうか。それはそれで、気になる異性の子が現れたら彼はどんな反応をするのか? という描写も気になってしょうがない。
なにか訊けば「知るか」、「うるせえ」と返していた亜久津が、少しずつ自分のことについて話してくれるのは見ていてこっちもうれしくなってきた。心を開いているのは相手を意識しているってこと。亜久津との恋の駆け引きは先手必勝だったのか。

亜久津、主人公ちゃん、後方から腕組みしてそれを見ている僕、みたいな構図になってきた。なんだこれは。
元テニス少年の僕から出た感情は「あの亜久津がこんな反応をするなんて!」という気持ち。う~ん誰かに共有したい、そんな衝動に駆られる。隣りに千石先輩がいたら驚きつつノってくれそうで、ふたりしてメチャクチャ盛り上がっていたかもしれない。
話が脱線してきた。でも、それぐらいのめり込んでしまったのだ。

嵐からの無人島でサバイバル生活。ネタ全開のあらすじと思いきや、各キャラの恋愛面というあまり見られなかった描写を正面からぶつけてくる。最終的にいい結末を迎えられ、ンフフとニヤニヤしながら眺めていた。主人公はプレイヤーの分身と思っていたが、僕はいま、どの立ち位置からものを見ているんだろう。

それはそれで、亜久津のつぎにサバイバルをした不二先輩があまりにもやさしくて、あまりにもやり取りが甘くて心がビックリしてしまった。
恋愛だけどキャラ崩壊というわけではなく、不二先輩ならこう接してきそうだなと思うものがそのままお出しされてきたので、ヒャーと声が出そうになる。本当に甘い。あの怖い亜久津のあとだから、なおさらそう感じているのかも。

亜久津を攻略しているときは「なるほど、女の子相手だとこういう反応をするのか……」と、データキャラのように注目してしまったが、いま思うと僕が照れ隠しでそう思っていただけだなぁ。キミにだけ見せた彼の想いはちゃんと受け止めないと。これがまだ40人以上も控えているなんて、『ドキサバ』はある意味恐ろしいゲームである。
製品概要
テニスの王子様 も~っと 学園祭の王子様 ♡-40 and more...(学プリ)
テニスの王子様 ぎゅ~っと! ドキドキサバイバル Tie break ♡ game(ドキサバ)
<メーカー>KONAMI
<発売日>学プリ・ドキサバともに:2026年7月30日
<ジャンル>恋愛アドベンチャー
<プレー人数>1人
<CEROレーティング>B(12才以上対象)
<対応機種>
■Nintendo Switch
■Nintendo Switch 2
■Steam
<メーカー希望小売価格>
- 『テニスの王子様 も~っと 学園祭の王子様 ♡-40 and more...』(通常版):7,700円[税込]
- 『テニスの王子様 も~っと 学園祭の王子様 ♡-40 and more...』(Nintendo Switch 2 Edition):8,250円[税込]
- 『テニスの王子様 も~っと 学園祭の王子様 ♡-40 and more...』(合同学園祭運営委員長からのねぎらいエディション):15,400円[税込]
- 『テニスの王子様 ぎゅ~っと! ドキドキサバイバル Tie break ♡ game』(通常版):7,700円[税込]
- 『テニスの王子様 ぎゅ~っと! ドキドキサバイバル Tie break ♡ game』(Nintendo Switch 2 Edition):8,250円[税込]
- 『テニスの王子様 ぎゅ~っと! ドキドキサバイバル Tie break ♡ game』(無人島満喫エディション):15,400円[税込]
<対応言語>日本語、英語、中国語(繁体字・簡体字)













