宮本茂氏がプロデュース

『モグラ~ニャ』は、任天堂から発売されたアクションパズルゲーム。互いに影響し合う地上と地下のマップを行き来しながら出口を目指す、ゲームボーイの隠れた名作としていまなお評価の高い作品となっている。
ニンテンドー3DSのバーチャルコンソールでの配信サービスが終了してしまったため、現在は現行ハードでのプレイ手段がなく、Nintendo Switch Onlineなどでの配信が待ち望まれる状況だ。30周年の節目なのに何とも歯がゆい。
本作には、シンプルながらストーリーが存在。主人公はモグラでビジュアル的にも何だかほのぼのとした雰囲気があるが、ゲーム内にはエッジの効いたユーモアが多々あり、いま見てもクスッと笑えてしまう。なかでも狂気混じりの置き手紙の存在が最高だ。物語は以下の通り。
ある日、お父さんモグラの“モグラ~ニャ”が留守にしている隙を狙い、農夫の“じんべえ”が巣穴を襲撃。なんと母親モグラと7匹の子どもたちを全員さらってしまう。
帰宅し、もぬけの殻となった我が家に愕然とするモグラ~ニャが目にしたのは、じんべえが残していった1通の置き手紙。
「モグラ~ニャくんへ
おげんきですか?
とつぜんですが、おまえの
こどもとおくさんは、あずかった。
かえしてほしければ、じんべえランドにあそびにきてね!
まってるよ。
じんべえより」
最愛の家族を取り戻すため、モグラ~ニャはじんべえの領地である“じんべえランド”へと単身乗り込むこととなる……。
ゲームは全8レベル(ステージ)で構成されており、レベル1~7で囚われた子どもを1匹ずつ救出し、最終レベル8で母親(モグラ~ニャの妻)の救出とじんべえとの決戦に挑むといった寸法だ。ステージ内にはじんべえの銅像がたくさんあり、自己主張が激しいのも気になるところ……。




『モグラ~ニャ』の大きな魅力は、自分の行動が未来の障害物になってしまう因果応報のパズル要素になるだろう。地上には障害物があるため、そのままは出口へは進めない。ゆえに地面を掘って地下へと潜って進むのだが、潜った場所と地上へ戻った場所に“穴”が開くため、それがジャマになって手詰まりの原因になり得るというわけだ。
手詰まりを解消するために地下へ潜ったことが、つぎの手詰まりの原因になるかもしれないという、このジレンマがたまらないのだ。
モグラ~ニャ自身は障害となる岩を破壊したり、ジャマをしてくる敵を攻撃できないため、それらを撃破できる“黒い球”をつねに転がして運ばなければならないが、自分で掘った穴に黒い球は落ちてしまうから困りもの。
黒い球の動線を確保しつつ、自分の動線も管理して、敵の動きにも注意しなければ……と、ほかのパズルゲームでは味わえないような、独特の脳の心地よさを味わえるのが魅力だった。

純粋なパズルゲームであれば『倉庫番』のようにじっくり考えればいいが、敵が迫ってくるため緊急で地下へと避難。その結果、予想外の穴が空いてパズルの計画が狂うといったアクシデントは、あるあるだったんじゃないだろうか。
ステージの最後では個性的なボスとの一騎打ち。これまでと打って変わったギミックバトルがおもしろかった。
“カンガルーン”は、ステージ上の画鋲(トゲ)に誘導してダメージを与えたり、太陽の姿の“サンデス”は強力なフラッシュ攻撃を地下で回避し、鉄球をぶつけてステージ外へ落としたりするなど、弱点や対処方法はさまざま。
思考型のパズルで頭を使った後は、的確な操作と立ち回りが要求されるボス戦が待っているので、緩急があり飽きずに遊ぶことができた。

※画面写真はニンテンドー3DS版の公式サイトより引用。












