発表時点ではティザービジュアルやPVが公開されたのみだが、ゲームプレイトレーラーでは新システムが垣間見えたほか、『ラングリッサーII』のレオンやエルウィンなど、気になるキャラクターの姿もお披露目。
ファミ通では発表に合わせ、本作のプロデューサー陣にメールインタビューを実施。早速気になるポイントの数々をぶつけてみた。
シリーズの魂は継承しつつも、ゲームの核心部には大きな変化を取り入れ、新王道RPGへと“進化”を遂げたという『ラングリッサー:剣の海』の魅力に迫っていく。
陸贇&蒋軼(ルー・ユン&ジャン・イー)
『ラングリッサー:剣の海』プロデューサー
シリーズの魂を守り、進化を恐れない。ゲームを始めた瞬間に「これぞラングリッサーだ」と感じる新たな『ラングリッサー』に
ご存じの通り、この7年間、シリーズが愛され続けてきた一番の理由は、プレイヤーの皆さんの惜しみない情熱にあります。ストーリーについて熱く語り合ってくださったり、戦術を深く研究してくださったりする姿を見るたびに、このシリーズが持つ強い生命力を感じてきました。だからこそ私たち開発チームも、もう一度新しいシリーズ作品を世に送り出し、『ラングリッサー』の魅力を次の時代へ受け継いでいきたいと考えたのです。
もちろん、シリーズへの想いが大きいからこそ、そのぶんプレッシャーも大きくなります。『ラングリッサー:剣の海』の開発は決して順風満帆ではありませんでした。市場環境もプレイヤー層も大きく変化したいま、私たちは何度も自問自答をくり返しました。
時代に合わせて大胆に変えるべきなのか。それとも、従来のスタイルを守り続けるべきなのか。
もし大きく変えすぎてしまえば、長年応援してくださったファンの皆さんが“ラングリッサーらしさ”を感じられなくなってしまうかもしれません。一方で、変化を恐れて現状維持に終始すれば、シリーズは新しい時代へ進化できません。企画を何度も作り直し、チーム内で何度も議論を重ねた末に、私たちがたどり着いた答えは、“シリーズの魂を守り、進化を恐れない。”ということでした。
『ラングリッサー』には絶対に失ってはいけないものがあります。兵種相性を軸とした戦略性、地形を活かした戦術、そして英雄たちが織り成す壮大な叙事詩――これらはシリーズの"骨格"であり"魂"です。そのため私たちは、それらを守ったうえで、むやみにシリーズの根幹を揺るがしてしまうような大胆な再構築ではなく、現代のプレイヤーが遊びやすいシステムへブラッシュアップし、ビジュアルも大幅に進化させました。
長年シリーズを遊んできたファンの皆さんには、ゲームを始めた瞬間に「これぞラングリッサーだ」と感じていただけること。そして初めてシリーズに触れる方にも、王道シミュレーションRPGならではの魅力を存分に味わっていただけること。それが私たちの目標です。
──少し回答が被ってしまうかもしれませんが、完全新作を作るにあたり、大事にしたポイントや気をつけたポイントなどを教えてください。
先ほどもお話しした“シリーズの魂を守る”ことは決して“変わらない”という意味ではありません。企画立ち上げの段階から、シリーズの本質をしっかり受け継ぎながら、あらゆる面で「進化」を実現することをチーム全員の共通認識としてきました。単なるスペックアップではなく、ゲームを始めた瞬間から、ビジュアルからシステムに至るまで、新しい時代の没入感ある“探索型戦略RPG”を体感していただきたいと考えています。
今回の“進化”は、大きく4つのポイントがあります。まずひとつ目は、戦略性の進化です。ラングリッサーの根幹である兵士システムを発展させ、“ダブル英雄×ダブル兵種”のシステムへ進化させました。
従来はひとりの英雄が部隊を率いていましたが、今作ではふたりの英雄が同時に出撃します。隊長と副隊長は状況に応じて切り替えることができ、それぞれの役割やスキルも変化します。さらに、ふたつの兵種を自由に組み合わせることができ、特定の英雄同士なら専用の“英雄協力技”を発動できます。そして、シリーズの醍醐味でもある両軍が激突する戦闘演出は、これまで以上の迫力で描かれます。

これまでのように、一つ一つ独立したステージを攻略するのではなく、生き生きとした世界そのものを冒険できる新世界を体験していただきたいと考えました。プレイヤーは森や町、王都、洞窟などを自由に探索し、謎解きや隠しシナリオ、様々な隠し要素を発見できます。さらに冒険が進むと、自分だけの拠点を築けるようになります。最初は小さな野営地だった拠点が、やがて巨大な軍要塞へと発展していく過程も目の当たりにすることでしょう。

高低差のある地形を導入し、より立体的な戦術が戦局を大きく左右します。さらに、戦場に存在する建造物や地形の多くは破壊可能です。たとえば城壁を破壊して突破口を作ったり、石橋を落として敵部隊の進軍を阻止したりと、戦場そのものを戦術の一部として活用できます。

私たちは最新技術をただ詰め込むのではなく、手描きならではの温かみや繊細さを最大限に活かすことを選びました。王道ファンタジーならではの深い味わいで、この華やかなビジュアルがあふれる現代においても『ラングリッサー』ならではの個性を守り続けたいと考えています。




クリナは礼儀正しく、とても好奇心旺盛な性格ですが、彼女の最大の魅力はなんといっても“究極のギャップ”にあります。旅を続ける中で、彼女は徐々に変身能力を身につけていきます! ふだんは主人公たちのお世話をしてくれる穏やかなドラゴンメイドですが、ひとたび変身すると、飛行能力と近接戦闘能力が一気に強化されます。変身後の破壊力は、まさに圧倒的。力強く豪快な攻撃で戦場を駆けるその姿は、ふだんの礼儀正しく家事をこなすメイドとしての姿とは大きな対比を見せます。ストーリーを進めていただければ、きっと多くの方に好きになっていただけるキャラクターだと思います。
──墓のようなものも見えていますし、ティザーPVでも悲劇的な雰囲気を匂わせていました。かなり戦争により疲弊した世界なのでしょうか?
物語の舞台は、大災厄、あるいは長きにわたる戦争を経た世界です。聖剣と魔剣の力の均衡は崩れ、大地には無数の墓標だけが残されました。資源は枯渇し、人々の信仰も揺らぎ、世界全体を覆う空気には閉塞感や絶望が漂っています。
ですが、そうした極限の状況だからこそ、人々が尊厳を守ろうとする意志や、生き抜こうとする希望はより強く、より美しく輝くはずだと考えています。本作は、人間の運命や選択をテーマにした、これまで以上に大人向けの戦争叙事詩になっています。
──本作の物語は従来のシリーズ作に何らかの関連がある時間軸なのでしょうか。それとも新たな世界設定となるのですか?
ただ、ひとつだけはっきりお伝えできることがあります。本作の舞台となるのは、「異変と霧に包まれた忘却の海」という新しい世界です。物語も独立した新しいストーリーとして展開されるため、『ラングリッサー』シリーズを遊んだことのない方でも安心して楽しめます。
その一方で、本作は紛れもなくシリーズ最新作です。これまでの作品とも精神的なテーマはもちろん、はるか過去にまでさかのぼる歴史の時間軸においても、思いがけない形で深く結び付いています。長年シリーズを遊んできた方なら、物語を進めるなかで「そういうことだったのか!」と思わず膝を打つような驚きと発見を味わっていただけるはずです。
本作を象徴する“ダブル英雄システム”で、戦術性が大きくパワーアップ。組み合わせ次第で1+1が2以上に
プレイヤーは自由に歩き回れる広大なフィールドを冒険できます。戦場で部隊を指揮するだけでなく 、戦闘以外の場面では王都や町、遺跡などさまざまなエリアを実際に探索し、自分の足で世界を巡ることができるわけです。道中には隠された宝箱や謎解き、状況によって発生するイベント、多彩な生態系との交流など、さまざまな発見が待っています。
つまり、“探索”という要素によって、プレイヤーは単にステージを攻略する存在ではなく、本当に『ラングリッサー』の世界を旅している感覚を味わえるようになります。そして探索によって得た素材や情報、装備などは、そのまま戦略や育成にもつながっていきます。

これまでの『ラングリッサー』シリーズでは、基本的にひとりの英雄が兵士を率いるスタイルでした。一方、本作ではふたりの英雄をひとつの戦闘ユニットとして編成できるようになっています。ふたりはお互いに連携しながら戦い、移動を共有したり、戦況に応じて隊長と副隊長を切り替えたり、組み合わせによっては強力な連携スキルや援護、防御、さまざまな複合効果を発動できます。
このシステムによって、1ターンの中で考えられる戦術の幅は飛躍的に広がりました。従来の兵種相性だけではなく、“どの英雄同士を組ませるか”“それぞれのスキルをどう組み合わせるか”といった新しい戦略性も重要になります。プレイヤーの発想次第で、単純な足し算ではない、“1+1が2以上になる”ような戦術を生み出せるのです。
──ゲームプレイトレーラーではカットイン演出や攻撃時の派手なエフェクトも確認できました。戦闘演出やビジュアル面の進化についても詳しく教えてください。


今回PVでご覧いただいた演出やカットインの進化は、大きくふたつあります。
まずひとつ目は、戦場そのもののスケールアップです。先ほどご紹介したダブル英雄ダブル兵種の編成によって、戦場にはこれまで以上に多くのユニットが入り乱れます。部隊同士がぶつかり合う瞬間の迫力やスケール感も、大幅に向上しています。
ふたつ目は、キャラクター表現の進化です。
従来の戦闘時のデフォルメ調を見直し、キャラクターの頭身バランスやモデルのディテールを全面的にブラッシュアップしました。 より魅力的で存在感のあるビジュアルとなり、 必殺技ではアニメさながらの演出を徹底的に追求しています。 カットインが入るたびに、まるでハイクオリティなアニメの名シーンを見ているような高揚感を味わっていただけるはずです。
私たちとしては、『ラングリッサー』が得意としてきた“軍勢同士の激突”と、“英雄たちの必殺技演出”を、もう一段階上のレベルへ引き上げたいと考えました。戦闘アニメーションを見るたびに、“何度でも見たくなる”と感じていただけるような体験をお届けしたいと思っています。
──戦闘中のフィールドで橋を破壊したり、川を凍らせたりといった戦術的な要素も見られました。こういった要素はほかにもあるのですか?
たとえば、炎属性の魔法で草むらに火を放ち、周囲へ燃え広がる爆発を引き起こすこともできます。高所から巨大な岩を落として敵部隊へダメージを与えることも可能です。
さらに、天候もリアルタイムで戦況に影響します。雨が降れば炎属性の威力は弱まりますが、その一方で雷属性の攻撃範囲や伝導効果は強化されます。
つまり、戦場は単なる固定されたマップではありません。プレイヤーが積極的に利用し、ときにはみずから破壊することさえできる、生きた戦場として設計しています。
レオン、エルウィン、シェリーたちは単なるゲスト出演ではなく、ストーリーに深く関わる存在として登場

本作において彼らは、 単なるファンサービスやゲスト出演という立ち位置ではありません。新たな物語の中で重要な役割を担い、この世界やストーリーに深く関わっていきます。
彼らが新たな主人公たちとどのように出会い、どのような物語を紡いでいくのか、ぜひ楽しみにしていただきたいですね。ほかのシリーズ作品のキャラクターについては……今回はまだ秘密ということで!
──楽曲に西木康智氏を起用した経緯についても教えてください
西木氏は『オクトパストラベラー』シリーズをはじめ、多くの作品で壮大なオーケストレーションを手がけてこられました。クラシカルな風格と冒険への高揚感を巧みに織り交ぜるその作風は、新たな物語となる『ラングリッサー:剣の海』にふさわしいものであり、叙事詩としての重厚さと、未知の世界へ踏み出す高揚感の両方を音楽で表現してくれています。実際に出来上がった楽曲を聞いたときの気持ちは「さすが西木先生!」のひと言につきます。
私たちは、シリーズを支えてきた音楽こそが『ラングリッサー』の礎であり、そこに新たな才能が加わることで、作品はさらに新しい命を宿すと考えています。西木氏のRPG音楽への深い理解と、岩垂先生が紡ぎ続けてきた『ラングリッサー』の魂。その二つが融合した本作のサウンドは、長年シリーズを愛してくださったファンには思わず胸が熱くなる懐かしさを、新たに作品へ触れる方には、王道ファンタジーならではの壮大なスケールを感じていただけるものになっているはずです。
──現在の開発状況や、リリースの目処などがあれば教えてください
──最後に、新作を待ち望んでいたシリーズファンに向けて、メッセージをお願いします。
これまでお話ししてきたように、“シリーズの魂を守ること”と、“新しい時代へ進化すること”。このふたつを両立させるためには、本当に多くの試行錯誤と積み重ねが必要でした。そして私たちは、開発者だけでプレイヤーの気持ちに寄り添った“いいゲーム”を完成させることはできないと考えています。だからこそ、これからも皆さんとよりたくさん交流し、意見をうかがう機会を大切にしていきたいと思っています。もう少しだけお時間をいただければ幸いです。そして、ぜひこれからも率直なご意見をお聞かせください。皆さんといっしょに、この新しい『剣の海』を最高の冒険の舞台へ育てていけることを、心から楽しみにしています。ありがとうございました。
ゲーム概要
- 略称:ラン剣
- ゲームジャンル:新・王道ファンタジー戦略RPG
- 価格:基本無料(アイテム課金あり)
- リリース日:未定
- 対応機種:iOS/Android/PC(Steam)













