子どもといっしょに遊ぶのにもおすすめしたい愛らしいゲームだが、一方で大人にこそ刺さる深いシナリオがそこにあった。
やさしい魔女を救うため、小さな使い魔たちが立ち上がる
ネズミは魔女から贈られた“魔法のカエルのバックパック”を背負い、空を飛んで移動する。空中ではワイヤーで木から木へ飛び移ることもできて、縦横無尽なアクションが可能。かわいい見た目とは裏腹に、某調査兵団さながらの、とてもアグレッシブなネズミなのだ。

たとえばフクロウと知恵比べをして勝つことで滑空の能力を入手したり、困っている魚を助けることで水中の移動手段を得たりと、動物たちと交流するたびにアクションの幅が広がっていくのが特徴だ。
本作はネズミたちの成長物語でもあるのだという。さまざまな動物と出会いクエストをクリアーしていくことになるのだが、ネズミはクリアーするたびに魔女のもとへ帰り、魔女は温かく迎えてくれる。
弱っている大人、この話を聞いてすでに泣きそうだった。
死の概念はなし。誰もが自分のペースで楽しめる安心設計
プレイヤーを捕まえようと襲いかかってくるフクロウやキツネといった危険な動物も存在するのだが、バトルに該当するようなシステムもない。敵に追い詰められたり、湖に溺れそうになったときは進行不可になるが、どこからか優しい魔女の“手”が現れ、ネズミを手前まで運んでくれる。理不尽なデスペナルティでプレイヤーを突き放さない、やさしい設計が魅力的だ。
そのぶんスタミナ管理が大事になってくる。スタミナの消費、回復については以下の通り。
- スタミナ消費:全力疾走、壁登り、滑空など
- スタミナ回復:地面に足をつけているとき、木の間をロープで移動しているとき、フィールドに張られた魔法のジップライン(ターザンロープ)で移動しているときなど
高い場所へ登るときや、空中を長く滑空するとき、湖で泳ぐときなどは途中でスタミナ切れを起こさないよう、ルートや着地ポイントを計算しながら進めることになる。
パズル要素は歯応えアリ!
世界観はどこまでも温かいが、物理演算をベースに設計されたパズル要素はけっこう歯応えがありそうだ。フィールドに約100ヵ所設置されているパズルには、協力が必要なギミックもある。

本作には完全にソロプレイでも楽しめるようシェード(分身)システムが搭載されている。シェードシステムというのは、最大3人の分身を作り出し、自分の動きをトレースさせてギミックを動かすことができるシステムだ。難易度設定はないが、すべてのパズルはソロプレイでもシェード(分身)をうまく使うことで絶対に解けるように設計されているとのこと。


ちなみに今回のハンズオンでは素材を集めて薬を作るシーンを確認できたのだが、レシピ本の手順を正確になぞるミニゲーム形式だった。“大釜を3回かき混ぜる”、“ふいごを6回ポンプする”といった指定を3回間違えると調合は失敗となり、やり直しに……。
意外とシビアだが、失敗しても素材そのものが失われるわけではないため、ほどよい緊張感を持って挑戦できる。



自分好みのネズミに! 豊富に用意されたカスタマイズ要素も
見た目はストーリー中のカットムービーにも反映される仕様になっているので、ムービー後も没入感を削がれることなくプレイできるのも個人的にはうれしいポイントだ。さらにマルチプレイ中のムービーならば、それぞれのネズミたちの姿が全員反映される。開発スタッフ曰く、このあたりの技術的な部分にもかなりこだわったという。
ここまで言及してこなかったがグラフィックも相当ハイクオリティで、木漏れ日の暖かさや透き通った空気感、みずみずしい木々の匂いまで伝わってくるような映像美を堪能できる。失礼ながら“ネズミのゲーム”というジャンルからは想像できないほどのクオリティで、筆者は度肝を抜かれてしまった。




ストーリーも大人に刺さる
また、ストーリーにも少し触れたい。今回のハンズオンで体験したのは記憶が薄れつつあるおじいさんのために、孫娘との夏の思い出の薬を作るというクエスト。
コンセプトを考えると、おじいさんが記憶をなくしたのは魔法の均衡が崩れたせいだと思うかもしれない。しかし大人がプレイすると、老いによって記憶を失っていくとも捉えられるだろう。この話を聞いただけで、筆者の涙腺は緩んでしまったが、皆さんはいかがだろうか。
開発スタッフいわく、こういったストーリーには明確に答えを出していないそうで、それはプレイヤーの解釈に委ねたいからだという。
2026年後半、マルチプラットフォームで発売予定
開発スタッフからも「サンドボックスとしても楽しんでほしい」というコメントがあったが、筆者も、何か目的がなくてもこの世界でネズミになって飛び回っているだけでも十分楽しめるのではないかと感じた。友だちもいっしょならなおのこと楽しそうだ(筆者には、いないけれど……)


北欧生まれの癒やしのオープンワールド型アドベンチャー『Hela: of Mice & Magic』。今回のハンズオンで、配信されたらぜひ遊んでみたいと思ったので、今後の続報にも期待したい。













