死のない世界をちいさなネズミが旅する『Hela: of Mice & Magic』。やさしいオープンワールドがスウェーデンより上陸。これはもはやデジタル森林浴

死のない世界をちいさなネズミが旅する『Hela: of Mice & Magic』。やさしいオープンワールドがスウェーデンより上陸。これはもはやデジタル森林浴
 スウェーデンの開発スタジオ“Windup Games”が手掛ける『Hela: of Mice & Magic』は、小さなネズミの視点で広大な自然を冒険するオープンワールドアドベンチャー。パズルを解いて世界の調和を取り戻していくシステムで、ソロプレイはもちろん、画面分割による協力プレイも可能。最大4人のオンラインマルチプレイに対応予定。
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 2026年にNintendo Switch 2、プレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S、PC(Steam)向けに発売予定の本作だが、ひと足先に“Summer Game Fest 2026”(サマーゲームフェスト2026)で実機を触ることができたので、その所感をレビューしていく。

 子どもといっしょに遊ぶのにもおすすめしたい愛らしいゲームだが、一方で大人にこそ刺さる深いシナリオがそこにあった。

やさしい魔女を救うため、小さな使い魔たちが立ち上がる

 物語の舞台は、年老いたやさしい魔女が暮らす世界。ある日魔女が病に倒れてしまったことで、何千年も保たれていた世界の魔法の均衡が崩れてしまう。そこで立ち上がったのが、魔女の使い魔である小さなネズミたちだ。プレイヤーはこのネズミとなり、魔女を救うために広大な自然へと旅立つ。

 ネズミは魔女から贈られた“魔法のカエルのバックパック”を背負い、空を飛んで移動する。空中ではワイヤーで木から木へ飛び移ることもできて、縦横無尽なアクションが可能。かわいい見た目とは裏腹に、某調査兵団さながらの、とてもアグレッシブなネズミなのだ。
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 とはいえスタート直後のネズミは基本的なアクションしかできない。世界を探索し、さまざまな動物たちと出会うことでその能力が解放されていく。

 たとえばフクロウと知恵比べをして勝つことで滑空の能力を入手したり、困っている魚を助けることで水中の移動手段を得たりと、動物たちと交流するたびにアクションの幅が広がっていくのが特徴だ。

 本作はネズミたちの成長物語でもあるのだという。さまざまな動物と出会いクエストをクリアーしていくことになるのだが、ネズミはクリアーするたびに魔女のもとへ帰り、魔女は温かく迎えてくれる。

 弱っている大人、この話を聞いてすでに泣きそうだった。

死の概念はなし。誰もが自分のペースで楽しめる安心設計

 ネズミが管理するのは基本的にスタミナだけで、いわゆるHPにあたるゲージはない。本作にはシステム上の“死”という概念は存在しないという。

 プレイヤーを捕まえようと襲いかかってくるフクロウやキツネといった危険な動物も存在するのだが、バトルに該当するようなシステムもない。敵に追い詰められたり、湖に溺れそうになったときは進行不可になるが、どこからか優しい魔女の“手”が現れ、ネズミを手前まで運んでくれる。理不尽なデスペナルティでプレイヤーを突き放さない、やさしい設計が魅力的だ。

 そのぶんスタミナ管理が大事になってくる。スタミナの消費、回復については以下の通り。

  • スタミナ消費:全力疾走、壁登り、滑空など
  • スタミナ回復:地面に足をつけているとき、木の間をロープで移動しているとき、フィールドに張られた魔法のジップライン(ターザンロープ)で移動しているときなど

 高い場所へ登るときや、空中を長く滑空するとき、湖で泳ぐときなどは途中でスタミナ切れを起こさないよう、ルートや着地ポイントを計算しながら進めることになる。

パズル要素は歯応えアリ!

 一般的なオープンワールドゲームでは、プレイヤーのレベルを上げたり特定のメインクエストをクリアーしたりすることで、徐々にマップが解放されていくシステムが主流。本作は動物たちと出会って移動アビリティを入手することで行ける場所やパズルの解きかたが広がっていくというシステムを採用している。

 世界観はどこまでも温かいが、物理演算をベースに設計されたパズル要素はけっこう歯応えがありそうだ。フィールドに約100ヵ所設置されているパズルには、協力が必要なギミックもある。
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アクションが苦手な友だちのヘルプをしてあげるようなこともできる。
 “協力”と聞いて身構えたあなた。私も最初はそうでしたが、どうかご安心あれ。

 本作には完全にソロプレイでも楽しめるようシェード(分身)システムが搭載されている。シェードシステムというのは、最大3人の分身を作り出し、自分の動きをトレースさせてギミックを動かすことができるシステムだ。難易度設定はないが、すべてのパズルはソロプレイでもシェード(分身)をうまく使うことで絶対に解けるように設計されているとのこと。
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このように分身を置くことで通れる道も。
 ただしプレイを見ている限り、シェードの使いかたはソロのときとはべつの思考をめぐらす必要がありそうで、友だちとの協力とは違う楽しみかたができそうだ。

 ちなみに今回のハンズオンでは素材を集めて薬を作るシーンを確認できたのだが、レシピ本の手順を正確になぞるミニゲーム形式だった。“大釜を3回かき混ぜる”、“ふいごを6回ポンプする”といった指定を3回間違えると調合は失敗となり、やり直しに……。

 意外とシビアだが、失敗しても素材そのものが失われるわけではないため、ほどよい緊張感を持って挑戦できる。
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自分好みのネズミに! 豊富に用意されたカスタマイズ要素も

 操作するネズミたちを自分好みのビジュアルに変えられるカスタマイズ要素も充実している。帽子やアクセサリーは約40種、ネズミ自身の毛並みも約15種あるので、組み合わせることで自分だけのネズミを作ることができる。

 見た目はストーリー中のカットムービーにも反映される仕様になっているので、ムービー後も没入感を削がれることなくプレイできるのも個人的にはうれしいポイントだ。さらにマルチプレイ中のムービーならば、それぞれのネズミたちの姿が全員反映される。開発スタッフ曰く、このあたりの技術的な部分にもかなりこだわったという。

 ここまで言及してこなかったがグラフィックも相当ハイクオリティで、木漏れ日の暖かさや透き通った空気感、みずみずしい木々の匂いまで伝わってくるような映像美を堪能できる。失礼ながら“ネズミのゲーム”というジャンルからは想像できないほどのクオリティで、筆者は度肝を抜かれてしまった。
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ストーリーも大人に刺さる

 本作の舞台は、開発チームの生まれ故郷である北欧スウェーデンの大自然をリアルに再現している。そこをちいさきものが冒険をする。心地よい環境音も相まって、癒しのエッセンスがたっぷり詰まっている。スタッフはハンズオンの中で本作を「デジタル森林浴」と言ったが、なるほど、いい得て妙である。

 また、ストーリーにも少し触れたい。今回のハンズオンで体験したのは記憶が薄れつつあるおじいさんのために、孫娘との夏の思い出の薬を作るというクエスト。

 コンセプトを考えると、おじいさんが記憶をなくしたのは魔法の均衡が崩れたせいだと思うかもしれない。しかし大人がプレイすると、老いによって記憶を失っていくとも捉えられるだろう。この話を聞いただけで、筆者の涙腺は緩んでしまったが、皆さんはいかがだろうか。

 開発スタッフいわく、こういったストーリーには明確に答えを出していないそうで、それはプレイヤーの解釈に委ねたいからだという。

2026年後半、マルチプラットフォームで発売予定

 聞けば、本作のボリュームは、メインクエストのクリアーまでは12時間から15時間想定。ただしパズル要素は人によって解くまでの速度が異なる点には留意したい。また、クリアー後もサブ要素としてのパズルを解いたり、カスタマイズ用の帽子やアクセサリーを集めたりと、やることはたくさんある。

 開発スタッフからも「サンドボックスとしても楽しんでほしい」というコメントがあったが、筆者も、何か目的がなくてもこの世界でネズミになって飛び回っているだけでも十分楽しめるのではないかと感じた。友だちもいっしょならなおのこと楽しそうだ(筆者には、いないけれど……)
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手懐けた動物には、友だちといっしょに乗ることもできる。開発スタッフといっしょにプレイしてみるこれはとても楽しかった。筆者にもいっしょにゲームを遊ぶ友だちがほしい……。
 発売時期は、2026年後半の発売に向けて鋭意開発中とのこと。もちろん日本語字幕とUIにも対応。プラットフォームはNintendo Switch 2、プレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S、PC(Steam)向けに展開し、さらに異なるハード間の友だちともいっしょにに遊べるようにクロスプレイにも対応予定だという。

 北欧生まれの癒やしのオープンワールド型アドベンチャー『Hela: of Mice & Magic』。今回のハンズオンで、配信されたらぜひ遊んでみたいと思ったので、今後の続報にも期待したい。
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