『リミットゼロ ブレイカーズ』レビュー。アクションRPGの「気持ちよさ」を突き詰めたゲームだった。敵体力を一気に削り、NPCを助けると感謝される。気持ちいい……

『リミットゼロ ブレイカーズ』レビュー。アクションRPGの「気持ちよさ」を突き詰めたゲームだった。敵体力を一気に削り、NPCを助けると感謝される。気持ちいい……
 アクションRPGでなにより大事なのは“気持ちよさ”だと思う。とくにその気持ちよさが、なににも邪魔されずスッと入ってくるとうれしい限り。
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 VIC GAME STUDIOS開発によるPC/スマートフォン向けアニメーションアクションRPG『
リミットゼロ ブレイカーズ』(LIMIT ZERO BREAKERS)。2026年6月11日(木)からクローズドβテスト“プロローグβテスト”が開催される。

 テストに先駆け、メディア向けにテストビルドでの先行プレイ期間が設けられた。さっそくプレイしてみたところ、アクション面はじつに気持ちいい。難しい操作がなく、キャラを交代していくだけで絶大な強化効果を発動できる。
ジャスト回避やパリィといったテクニックもけっこう狙いやすい。
“ブレイク”状態になった敵を攻撃すると、とんでもない勢いで体力を削れるのが爽快。
 このスッと入ってくる気持ちよさは、戦闘だけではなくストーリーでも発揮されていた。そのままプレイアブル化しそうなくらい個性的なNPCたちは記憶に残りやすく、再度登場したときに「ああ、あのときの」とすぐに思い出せる。

 そして、NPCを助けると感謝を示してくれて、助けてあげてよかったと思わせてくれる。これが意外なことに、バトルと同じくらい気持ちよかったのだ。なんと言うか、NPCとのやり取りが“きちんとしている”。
出番がストーリー序盤、1回だけのはずのNPCたちが生き生きとしている。
 今回は先行プレイのレビューを通じて、“気持ちよさ”の要因をお伝えしていきたい。なお、テスト版でのプレイということもあり、正式リリース版などとは仕様や画面構成などが異なる可能性がある点はご了承いただきたい。

ブレイクして追撃。単純明快なバトルフロー

 まずは本作の気持ちよさの主軸となる、バトルについて触れていきたい。なお、PC版をキーボード&マウスでプレイしたため、操作説明についてはキーボード&マウスのものに準拠。
3人のキャラクターでパーティーを組み、1~3の数字キーでいつでも交代可能。このメンバー交代がバトルのカギとなる。
 最初にバトルの概要から説明していこう。キャラクターにはそれぞれ、属性、クラス、種族が設定されている。とくに重要なのが属性とクラスで、後述するバトルシステムに大きく関わってくる。

 基本的な攻撃は左クリックの通常攻撃で、連打して連続攻撃をくり出せるほか、長押しで別の攻撃も出せる。右クリックは回避で、敵の攻撃タイミングを示す“眼光”に合わせて回避することでジャスト回避が成立。そこから左クリックで強力な反撃“ジャストアタック”につなげられる。
回避のタイミングがわかりやすく、ジャストの受付時間もかなり長い。筆者はこういった回避操作が苦手だが、それでもほぼ毎回成功できた。
 特殊な攻撃には“エネルギー”を用いる。このエネルギーは時間経過、攻撃を当てる、ジャスト回避の成功で溜まり、ゲージを2目盛り分を使用して“特殊スキル”が、3目盛り分を使用して“元素スキル”が使用可能だ。

 また、特殊スキルと元素スキルを敵に当てると“必殺スキルエネルギー”が溜まっていき、最大に達すると強力無比な“必殺スキル”を使用できる。
画面中央下と、画面右のキャラアイコン周辺にあるゲージのうち、緑色が体力ゲージ。黄色がエネルギーゲージだ。
必殺スキルを使用するとド派手なアニメカットインが入る。これも気持ちいい要素のひとつ。
 さらに必殺スキルを敵に当てていくことで、主人公たちが所有する“潜空艇”からの援護射撃“ウィーバーランス”が発動可能。敵を一発で無防備な“ブレイク”状態に持っていける。
ウィーバーランスの発動カットインもかなり気持ちいい。この緊急ボタンをカバーを叩き割りながら押すやつ、一生に一度はやってみたい行為だ。
 ここまでは基本的なシステム面の話。本作のバトルの気持ちよさを味わうには、先ほど少し触れたブレイク状態が重要になってくる。

 敵にはボスやモブを問わず“ブレイクゲージ”が存在し、攻撃で削ってゼロにすることでブレイク状態に突入。その場で行動不能なり、受けるダメージも大きく増える。
ブレイク中の敵には攻撃し放題。与ダメージ量も格段に増え、一気に体力を奪える。
 クラスには“先鋒”、“破壊”、“支援”の3タイプがあり、ブレイクゲージを削るのに適しているのが先鋒クラス。まずは先鋒キャラクターでブレイクを狙って殴りまくるのがバトルの基本だ。攻撃力が高くブレイク中の敵により大きなダメージを与えられるのが“破壊クラス”なので、敵がブレイクしたら破壊クラスに交代してスキルを叩き込んでいく。

 ブレイク中の敵に入るダメージが本当に大きく、かなり硬いボスの体力も目に見える勢いでごりごりと減っていく。役割分担に従うだけで、ここまで与えるダメージが増えるのかと驚かされた。
ボス戦だけでなく、通常エネミーとの戦いでもブレイクから大ダメージという流れは味わえる。

スキルを撃って交代。それだけで強化可能

 ブレイクを絡めたバトルの気持ちよさをさらに増幅してくれるのが、元素を用いた“順行元素反応”と“逆行元素反応”だ。やや難しそうな単語ではあるが、元素スキルを“順番に当てる”か“逆順に当てる”かの違いでしかない。

 たとえば、水属性は火属性の相手に強い。この関係に従い、水属性の元素スキルに続いて火属性元素スキルを当てると“順行元素反応”が起き、一定時間敵に与えるダメージが増加する。

 逆に、火属性の後に水属性を当てると“逆行元素反応”が起き、一定時間敵のブレイクゲージに入るダメージが増加する。
順行と逆行、ふたつの元素反応を使いこなすとさらにバトルが優位に進む。
 元素反応を起こすのはかなり簡単。元素スキルを使用した後にすぐに別キャラクターに交代すると、その交代先のキャラクターも元素スキルを自動で、しかもエネルギー消費なしで使用してくれるのだ。実質、ふたつのキー操作だけで大丈夫。

 筆者はアクションゲームがあまり得意ではなく、いろいろ考えると操作の手が止まりそうになる。そんな筆者にはこのシステムがありがたかった。余計な操作が必要なく、交代ついでに元素反応を起こせるのはじつにストレスフリーである。
交代時の元素スキル自動発動が想像以上に便利。元素反応をほぼ常時狙えるうえ、消費なしで発動するためエネルギーの節約にもなる。
 ストーリー最序盤でパーティーを組むふたりを使うと、より簡単さを理解しやすい。主人公である火属性・破壊クラスの“カイト”と、水属性・先鋒クラスの“リズ”だ。

 カイトが元素スキルを使ってからリズに交代。すると、逆行元素反応でブレイクダメージが増加した状態で先鋒クラスに交代でき、敵のブレイクゲージを削る体勢に入れる。敵をブレイク状態にしたら、リズが元素スキルを使ってからカイトに交代。順行元素反応で与えるダメージを増やしたうえで、ブレイクした敵を破壊クラスの攻撃力で一気に倒しにかかれる。
カイトとリズに、火属性・支援クラスのシオンが加わった初期パーティーは本当にバランスがいい。シオンが合間合間に攻撃力アップの強化を付与したうえで、元素反応を起こす機会も増える。
 今回のテスト版では、特定の防具のセット効果によってエネルギー回復量が増える効果が得られた。エネルギーを多く使えるということは、特殊スキルや元素スキルが連発できるということ。

 実際、このセット効果をつけてみるとスキルが多く使用でき、結果として必殺スキルやウィーバーランスもより早く発動できるようになり、バトルの快適さが格段に上がった。
攻撃力やクリティカル率も大事だが、エネルギー関連の効果もあなどれない。
 各スキルにはクールタイムが存在しないので、エネルギーの回復量を増やしまくれば将来的には連発が可能になるかも知れない。支援クラスのキャラクターなどは、エネルギー回復に特化するのもおもしろそうだ。

 また、特殊スキルは敵の攻撃タイミングに合わせて出すとパリィに変化し、攻撃を防御しつつ敵のブレイクゲージを削れる。エネルギーが潤沢になればパリィを狙える機会も増え、エネルギーを回復するジャスト回避とどちらを狙うか考えるのもいい。
わかりやすく気持ちいいバトルシステムで、キャラ育成の可能性も幅広い。将来性に大いに期待が持てる。

本当にNPC? 記憶に残るモブキャラたち

 バトルの気持ちよさが光る本作だが、バトル以外の部分でも気持ちよさが用意されている。ストーリーパートでの、NPCたちとのやり取りだ。アニメ調のグラフィックのおかげでアニメの中にいるかのような感覚で体験できるのはもちろん、そのストーリーがスッと頭の中に入ってくる感じなのだ。

  今回のテスト版では、記憶を失っている主人公・カイトが潜空艇“ウィーバーウェル”の乗組員たちと出会い、その仲間となって伝説の“神の書庫”を目指す冒険の旅を始めた序盤にあたる、チャプター2までのストーリーがプレイできた。
ストーリー全編が本当に抵抗なくスッと入ってきた感じ。ふと気が付くとストーリーが終わっていた。
 なぜスッと入ってくるのか、いくつかの要因はわかっている。まず、登場するNPCたちが個性的で印象に残りやすい。そのままプレイアブルキャラクターになったとしても違和感がないくらい、NPCたちの顔や服装といった造形がしっかり凝っている。
最初の村でのみ登場する元冒険者のじいさんたち。ここだけの出番のキャラとは思えないくらいキャラが立っている。
ストーリー上では数回話を聞くだけのNPCたちも、いわゆる量産タイプの見た目になっていない。ちゃんと名前がある存在として生き生きとしている。
 この印象に残るというのが意外と重要で、たとえばとあるNPCが「たいへんだー!」といった様子で主人公たちのところに駆けてくるシーンがある。そこでそのNPCがどんな職業で、どういう名前だったのかがしっかりと記憶に残っているだけで、「あそこでなにがあった!?」と緊張が走るのだ。
名前を言われて「ああ、あの人か」と脳裏に浮かぶ。これだけでストーリーへの没入感がだいぶ変わる。
 そしてもうひとつ重要なのが、そうしたNPCたちがちゃんと謝ったり、お礼を言ったりしてくれる点。メインストーリーの展開とはまったく関係ない要素だが、生きた人間としては当然あるべき反応だ。

 ストーリーのネタバレは極力避けたいので詳細は伏せるが、話が進むとともに主人公=プレイヤーが活躍していくにつれ、それに応じてこちらに向けられる感謝の念も強まっていく。感謝されるのが、バトルで大暴れする以上に気持ちよくなってきた。
会う人がみんな、すごく感謝してくれる。感謝されるっていいもんだなぁ。
カイトもこう言っているとおり、助けられるのを当然とせず、ちゃんと報いようとしてくれる気持ちが伝わってくるのもいい。
 こうした生き生きとしたNPCの存在が、主人公たちのやり取りとも噛み合って微笑ましい。ギャグタッチの展開も多く、それに関わるNPCが前述のとおりしっかり記憶に残る個性を持っている相手なので、浮いている印象がない。
コミカルな反応にかけては、主要メンバーよりNPCたちのほうが豊かかもしれない。
 RPGの壮大なストーリーのなかでは、世界を救うためには些事は投げ捨てろ、といった展開になることも多い。だからといって、街に生きている住人たちを無視してラスボスやヒロインのことばかり考えさせられるような展開は、改めて考えてみると遠慮したいものだ。

 早すぎる話だが、筆者としてはもし本作でラスボス戦に入ったとしても、街で出会い会話してきたNPCたちの姿と名前が脳裏に浮かび、彼らが生きる世界のために戦えると確信している。ふだんのバトルも、なんのために、誰のために戦っているのかはっきりとわかる。RPGのバトルには、こういう気持ちよさもあるのだ。

テスト版の段階で、続きが遊びたくて仕方ない

 今回のテストプレイでは、先述のとおりチャプター2までのメインストーリーをプレイできた。バトルのテンポのよさ、そしてストーリーも含めた全体的な気持ちよさもあって、あっというまに遊びきってしまった印象だ。そして続きがいまから気になりすぎる。こっそりチャプター3くらいまで遊ばせてくれませんか。
ストーリー終了後も、レイドボス戦やチャレンジコンテンツが用意されているのでやることには事欠かないものの、ストーリーの続きがやりたくて仕方ない。
 ちなみに、ステージごとに特殊な条件が設定されている“幻影楼閣”や、2パーティーを編成して挑む“偉業への挑戦”といったチャレンジコンテンツはかなりの歯ごたえ。レイドボスを狩って集めた素材で強力な武器を作り、しっかり強化していかないとまず全クリアーは無理そうだった。
筆者もストーリー終了後にすぐ挑戦してみたが、あっさりと時間切れで敗退。
武器作成に必要な素材はキャラクターごとに違うので要注意。あと、鍛冶屋のファイアルテさんがかわいい。
 テスト版ということもあり、バトル中の壁際でのカメラワークや、会話シーンでキャラがうなずき続けたりとエモーションが不自然に見える点といった、気になる部分もありはした。ただ、これらはUIなどと同じく、このあと順次直していける部分。いま気にすることでもない。

 むしろ後からそうそう直せない、ゲームの根幹的な部分はどうか。筆者としては再三述べてきたとおり、少なく簡単な操作で大きな気持ちよさが得られる戦闘パート、印象に残るNPCたちが心地いいストーリーパートなどといった方向性がかなり気に入った。気に入って没入できたからこそ、チャプター2終了まであっというまに感じられたのだろう。
気持ちよさこそアクションRPGの要。バトルもストーリーも気持ちいい本作、筆者が楽しめたのは当然だったとも言える。
 クローズドβテストを経て、さらにブラッシュアップされることにも期待できる本作。この“気持ちよさ”についてはぜひ、機会があれば多くの皆さんに体験してみていただきたいところ。今回のテストに参加できなかった人も、テストに参加する配信者の皆さんの番組などから感じ取れるかと思うので、ぜひご注目いただきたい。

担当者プロフィール

  • カイゼルちくわ

    カイゼルちくわ

    フリーライター。MMORPGとブラウザゲームを黎明期から遊び続け、ゲームセンターに『ストII』の数年前から通いつつPCゲームで夜を明かしていたおじさん。アーケードゲーム雑誌のライター業を経て以来、ほぼ全ジャンルのゲーム記事を受け持っている。

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