2026年5月22日から5月24日にかけて京都・みやこめっせで開催されたインディーゲームイベント“BitSummit PUNCH”。本イベントで出展されていた“IoliteGames(アイオライトゲームス)”の『NEXUS CODE』(ネクサスコード)の試遊リポートをお届けする。

「思考をコードに、情熱をその一撃に。」がコンセプトの本作は、カスタマイズした相棒AI“クロス”どうしをクロスデュエル(決闘)させる3Dプログラムオートバトル。もともとは『Robstar(仮称)』という名で開発が進められており、2024年には“デジゲー博”にも出展されていたタイトルだ。“子どもがプログラミングを学ぶキッカケになる作品”、“遊びながら論理的思考を学べる作品”を目指して開発されたという。
ホビーアニメ感が強いこのビジュアルも子どもに向けたがゆえのこと。カスタマイズした相棒メカで戦うなんて、まさに子どものロマン。クロスやクロスデュエルといった独特の呼称、デフォルメされたカラフルポップでメカメカしいそのビジュアルが、分厚い某漫画雑誌を読んでいた子ども時代の記憶を思わず蘇らせる。

もちろん、その特徴的なビジュアルに負けず劣らず遊びの部分も魅力的。クロスの動きを作るプログラムパート、実際に戦うオートバトルのデュエル(戦闘)パートの2パートを30秒ずつ、交互にくり返して相手の撃破目指す。プログラムと聞くと難しそうに思うかもしれないが、誰でも直感的に操作、理解しやすいゲームデザインとなっているので安心してほしい。
全体的にはプログラムで考えながら動きを作り、実戦でそれらを検証、その情報を活かしてまたプログラムし戦闘するといった流れが基本。この短いサイクルが試行錯誤を促し、シンプルながらも奥深いバトルが楽しめるような作りとなっている。
まず、プログラムパートでは、配布されるパネルを横並びに設置してクロスの設計する。パネルの種類はさまざまで、前後左右(のどれか)移動、攻撃、バリア、ジャンプ、特定条件下における行動変化(たとえば“〇〇m以上離れていたら前に出る”)など。それぞれの行動はシンプルだがじつに多彩なパネルが用意されている。

最初のプログラミング画面。ランダムに配布される上に並んでいるパネルを、そのすぐ下の空白部分に並べていく。

パネルの動きは左から右へ順に処理。右端へいったらまた左端へといった具合にループする。なお、この場合は、前移動→前移動→攻撃→バリア→回復といった動きだ。
かなりテクニカルなパネルもあり、シンプルながら幅広くクロスの動きを設計できる。とくに、可能性を感じられたのが“行動変化”系のパネルで、これらはその後の動きも設定できるという特性がある。要するに同じ動きをするだけだったクロスに、特定条件下で別の動きをさせられるのだ。
ふだんはメインのプログラム通りに動きつつ、“近づかれたら離れてバリアで牽制する”みたいな状況変化に対応できるということ。奥深い、少々玄人向けの要素ではあるが、うまくやればかなり柔軟な動きができるだろう。

赤いパネルが行動変化系のパネル。処理後の動きは下に並べて設計する。
オートバトルの戦闘パートも侮ってはいけない。オートなので見ているだけと思うかもしれないが、ここでもしっかりとプレイヤーが能動的に参加できる。
確かに基本は見守るだけではある。だがここは大事な検証パート。つまり自分が想定している通りに動いているのかどうかをチェックする場面なのだ。
接近戦をしたいのか、遠距離から撃ちたいのか、時間を稼ぎたいのかなど理想の動きはいろいろあるが、それらがうまくいっていない可能性もぜんぜんある。むしろそっちのほうが多いまである。もし想定通りでなければなにが原因かを探っておきたい。

想定通りにいかないこともしばしば。しかし、逆にそれがうまく刺さる場合もあり、それがギャンブル的快感に繋がる。
また、敵の動きもチェックしておくと、次回の戦闘で大いに役立つ。自分はもちろん相手も同じプログラムをループさせており、観察すれば敵がどんな戦いかたを目指しているのか見えてくる。それさえわかればその後のプログラムで対策も可能。戦闘パートは大事な大事な検証と対策の時間なのだ。

自分が処理中のパネルは左下、相手が処理中のパネルは右上に表示される。自分だけでなく相手を見るのも意外と重要だ。
さらに、必殺技も用意されている。必殺技はダメージを受けたり与えたりすると溜まるゲージが、MAXに達すれば発動可能。雷を落とす、極太ビームを撃つといった事前に設定した必殺技がプレイヤーの任意のタイミングで放てる。

クロスが光ったら必殺技が溜まった合図。逆に相手が溜まっているかもこの光りかたでわかる。

隙を見て極太ビームを発射。これを無事に当てるためにも敵の観察が重要になってくる。
そうこうすると「あーでもないこーでもない」といいながら動きを設計して、実戦で検証。うまくいっていればOK、ダメなら修正する。あるいは敵の対策をする。また実戦へ……という試行錯誤が必然と生まれてくる。出現するプログラムパネル、相手の動きもある程度ランダムなので臨機応変なアドリブ力も試される。毎度違った対戦も楽しめるので飽きにくいのもいい。
カスタマイズ性も高く、ボディやヘッド、腕、足、コアなどの各パーツを変更、編成可能。各パーツには出現するパネルのラインアップが設定されており、これによりプログラムの際に出てくるランダムなパネルの方向性をある程度コントロールできる。

試遊版のためデザインの変更はカラーバリエーションのみ。製品版では見た目もしっかりと変化するようだ。
今回はCPU戦のみの試遊だったが、個人的に製品版で期待しているのは、駆け引きが大いに活きてくるであろう対人戦。深い情報の読みあい、騙しあいが楽しめそうな予感がしている。
パーツカスタマイズでビジュアルも変化するので、きっと見た目である程度の作戦は看破されてしまうだろう。それでもそのまま行くのか、あるいは意表をつく動きを組むのか。相手にあわせて妨害したり、とにかく攻撃して短期決戦に挑んだり。出現パネルはもちろん相手の動き、時間帯、残り体力によっても動きは変わってくる。軽く遊んだだけでもそういった対人戦ならでは妄想が膨らんできたのだ。これは期待するしかないだろう。
『NEXUS CODE』は2027年リリース予定。ホビアニ好きには堪らないデザインでありながら、シンプルかつ奥深いプログラムバトルが楽しめる作品となっているので、この機会にぜひ注目してほしい。
