2009年ということは……筆者が当時遊んでから約17年。あと数年したら『龍が如く 見参!』の20周年に届きますよというくらい時間が流れている。
“変わる伝説、新たな歴史”というコンセプトや、2025年開催の龍が如く冠婚葬祭展で飛び出た「これからの方向性を指し示す大きなヒントが隠されている」という発言から、何かがあるのではないかと噂になっている本作。先行プレイの機会をいただいたので、どちらから遊ぼうかと迷いつつ両作に触れてみた。
記事内の大きなネタバレはある程度控えたりボカしているが、なにも知らずに楽しみたい人はご注意いただきたい。
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※レビュー記事のデータは発売前のものになります。
※ボタン表記とスクリーンショットはプレイステーション5版です。『龍が如く 極3』いま作るうえでの変化と新しい部分の味わい。コメディ要素は後期シリーズ寄り
『龍が如く3』をプレイしたのがかなり昔というのもあって、ストーリーの大まかな内容は覚えているが細かいところはうろ覚え。でも、やっているうちに「そうそう、ここで○○が出てきて……」とだんだん思い出してきて懐かしい気分になった。
ドラマシーンはオリジナル版からほぼ変わっていないところもあれば新規シーンもあり、セリフが同じでもボイスが付いていたり、逆に一部エピソードの流れが変わっていたりと、作品をよりよいものにするための苦悩と再構成を感じる。「いま、龍が如くスタジオが『龍が如く3』を作ったらどうなるのか?」という疑問への答えだ。オリジナル版では「う~ん、やりたかった展開はわかるがそれまでの過程がなぁ」と、個人的に思っていたところも作り直されていたので、強く響いたのだろう。
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サイドコンテンツが追加されてアサガオの子どもたちとの交流が増えたのもうれしい。ミニゲームや依頼などをこなして、最高のお父さんを目指して桐生を成長させていくものだ。桐生が家事を自信満々で引き受けるのは驚いたが、同時に「いや、できるの?」という不安も……。と、思っていたら遥たちも同じようなことを言うので笑ってしまう。
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そうそう、こういうのでいいんだよ。戦いもいいけれど、『龍が如く7外伝 名を消した男』や『龍が如く8』を遊んだ後だけに、穏やかな日常を見ているといろいろとこみ上げてくるものがある。彼が子どもたちのために不慣れな家事をがんばって、幸せな人生を送っている平和な光景。たったそれだけのことを、筆者は見たかったのだ。細かいところだけど、テンションがおかしいコメディシーンで誰かしら必ずツッコんでくれるのも好きだ。やり取りのテンポがいい。
見ていて気持ちがいい理由のひとつは、ギャグをかますだけでなく、子どもと接するときの桐生の声がいつもよりやさしいこと。桐生一馬という男は渋くて強い、あと怖い……みたいな印象が強いが、まっすぐに生きている他人を気にかけたり、放っておけないやさしさを持つ人間だ。子どもたちに寄り添う桐生からは、血はつながっていないけれど、“家族”として、そしてみんなの親代わりとして振る舞う温かさを感じる。
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遊んでいて気持ちのいいバトル演出
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過去作の『龍が如く6 命の詩。』から新ゲームエンジン(ドラゴンエンジン)による開発となり、その影響で桐生のバトルモーションも変わっていた。率直に言うと、当時は前のほうが気持ちよかったかなと残念に感じたのを覚えている。バトルの豪快さがやや欠けていると思ったからだ。その後の『龍が如く 極2』や『龍が如く7外伝』でも桐生を動かせる機会はあったものの、個人的にはかゆいところにちょっぴり手が届かない、もう少し爽快さがほしいという印象だった。
だが、今回の堂島の龍・極は、敵を叩きつける、ぶん投げるなど過去作で見た懐かしい技が復活。フィニッシュブロウの動きも「あ~、あったあった」と見覚えのある殴りと蹴り。過去のスタッフインタビューによると、『極3』の桐生は直近の作品より若いので、バトルスタイルも荒っぽく見えるように意識したという。圧倒的な力でねじ伏せる演出が多く、たしかにあのころの派手に戦う桐生に近づけていて気持ちがいい。
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一方の琉球スタイル。先ほど“8種の琉球武器”と紹介したが、瞬時にいろいろと切り替えて戦うのではなく、押すボタンや操作によってくり出す武器が変わるというものだ。
たとえば□ボタンはローチン&ティンベーを使い、□長押しだとヌンチャクで攻撃。△ボタンはトンファーなど、状況にあわせて武器を使い分ける戦い方がテクニカルでおもしろい。広範囲を攻撃できるのでエイクやスルジンの出番がとにかく多かった。ザコを蹴散らすのにちょうどいいし、ほかにも厄介な銃撃を盾でガードできるのも地味に強い。琉球スタイルはほどほどの難しさで抑えており、使いこなせないとまったく勝てないというわけではない。激しいアクション操作が苦手な人でも、複雑な攻撃を使いこなす楽しさを味わえる。
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『龍が如く3外伝 Dark Ties』“峯らしい”向き合い方。神田はやっぱり神田
峯の兄貴分の神田強はとにかくむちゃくちゃ。欲望に忠実な人間というのはこういうことなのか、コイツはどうしようもないな……といろいろツッコみたくなる。峯自身は冷めた目で見ているので、バランスは取れている? のかもしれない。
なお、外伝を始めるときに「エンディングには『龍が如く 極3』のストーリーの結末に関わるシーン描写が多く含まれています」という警告が出てくるので、『龍が如く 極3』→『龍が如く3外伝 Dark Ties』の順番で遊んでいくのをオススメしたい。どうしても外伝を遊びたい人は、ゲーム内で“最終章”と表示されたらいったん中断するのがいいと思う。
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メインストーリー以外でも峯と神田についてもっと知りたい。それを補完するような“神田カリスマプロジェクト”は彼らを掘り下げるのにちょうどよかった。ミッションや“善行クエスト”をクリアーして神田の評判を上げていくサイドコンテンツである。
もちろん実際に手を動かすのは峯。なんか彼への課題が多い気がするが、あの粗暴な神田の下で働くならこれがふつうなのかもしれない。ゲームとしてやっていることは『龍が如く7外伝』の赤目ネットワークに近い。
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街で起きている問題や依頼を解決していく善行クエストは、要はやっていることは人助けなのだが、これまでのシリーズとはちょっと方向性が違う。
たとえば、なにか問題が起きたときに桐生や春日であれば気にかけて助けてくれるだろう。そのとき彼らはよくないことは否定し、話によっては説得することもあるはずだ。しかし峯の場合となると、彼は裏社会の人間なので神田の評判上げという目的がなければカタギを助ける理由がない。それでも峯の中には放っておけない“何か”があり、一応は助けてくれる彼なりの向き合い方を見せてくれる。“不器用”とは簡単に言い表せない、繊細な内面のバランス。桐生たちとの対比がおもしろい。
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この原稿を書く時点で、『3外伝』はサブ要素含めてクリアー直前まで進めている。いま言えることは、『7外伝』、『8外伝』と比べると全体ボリュームが少なめなのが惜しい。わがままな言い方だが、峯にスポットライトを当てて本編を補完するエピソードがよく描けているからこそ、もっと彼らを見たかったな~と寂しい気持ちがある。
『龍が如く 極3』のほうはストーリー進行がまだ途中なのと、導入部分しか触れてないサイドコンテンツもあるので、“変わる伝説、新たな歴史”と思われる部分で触れたのは半分程度だろうか。「クリアーしてから評価しろよ」という声もあるだろう。もっともだと思う。言い訳になってしまい恐縮だが、『龍が如く』シリーズは個人的に思い入れが強いタイトルなので、プライベートで時間をかけて楽しみたい気持ちもあるのだ。そう思わせることも深い人間ドラマを描き続けてきたからこその魅力。
メインストーリーの話も進めたいが、アサガオでパパとしてのがんばりもまだまだだし、沖縄のレディースチームも助けないと……、なんなら街中で困っている人も放置しているし……。やることがとにかく多い。改変されたところも現時点では「なるほどね」と納得できるものなので、ここからどう話が転がっていくのか楽しみである。


















