“再構築”された少年たちの成長物語、その魅力とは?
スクウェア・エニックスよりNintendo Switch 2、Nintendo Switch、プレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S、PC(Steam/Microsoft Store on Windows)向けに2026年2月5日(※)、ついに発売された『ドラゴンクエストVII Reimagined(リイマジンド)』。
※Steam版は2026年2月6日発売。 ナンバリングタイトルではシリーズ屈指のボリュームを誇る『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』。2000年に発売されてから25年という時を経て、シナリオやバトル、ゲームバランスなど、さまざまな部分を“再構築(Reimagined)”して生まれ変わったのが、『ドラゴンクエストVII Reimagined』だ。
いままでのリメイク作品とは方向性を変えることで、また新たな「ドラゴンクエスト」を見せてくれる本作には、どのような思いが込められているのか。プロデューサーを務める市川毅氏にうかがった。
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市川毅(いちかわ・たけし)
スクウェア・エニックス所属。『ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島』のアシスタントプロデューサーをはじめ、「ドラゴンクエスト」シリーズの開発に従事。『ドラゴンクエストVII Reimagined(リイマジンド)』でプロデューサーを務める。
原作の空気感や物語の本筋はいじらないと決めていた
――ついに発売を迎えましたが、その前に“旅のはじまり先行プレイ版”のお話を。「ドラゴンクエスト」シリーズで無料体験版を発売前に配信したのは、2023年発売の『ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅』以来となりましたが、ファンに向けて「これが“再構築”です」と提示するすばらしい施策でした。
市川
ありがとうございます。体験できるのは冒頭からウッドパルナの物語に区切りがつくところまでとさせていただいていたのですが、とくに冒頭は、原作のプレイヤーの方々には強い印象を残している部分なので、“再構築”とはどういうものかを示すという意味でもお見せしたかったんです。「受け入れていただけるといいな」と祈るような気持ちだったのですが、多くのプレイヤーに受け入れていただけたのは、うれしかったですね。
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――メディアとしていろいろな情報を伝えていたのですが、やはり先行プレイ版での体験は何よりのインパクトを持っていました。原作では「いつになったらバトルが始まるの?」と思いながらプレイするのも原作体験のひとつでしたし、そこを気にしているファンも多かったと思うのですが、先行プレイ版ではっきりと“再構築”の方向を示してくれました。
市川
テンポよく物語を進められるだけでなく、物語を“再構築(Reimagined)”してよりキャラクターに感情移入できるようにしていること、“ドールルック”という人形をモチーフにしたグラフィックの魅力など、「『ドラゴンクエストVII Reimagined』はこういうゲームなんですよ」としっかりお伝えできたとは思います。
――先行プレイ版の配信はいつ決めたのでしょうか?
市川
「“再構築”とは何だ?」と多くのファンが思われるでしょうし、「『ドラゴンクエストVII』がどうなってしまうのか」と心配させるのはよろしくないだろうと。それならば、“再構築”した部分を見てもらったほうがその魅力を感じていただけると思い、開発の序盤で配信することを決めました。
――市川さんは本作が初プロデュース作とうかがいました。
市川
はい。「DQ」シリーズでは『ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島』(2018年発売)でアシスタントプロデューサーを務めたのが最初で、『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S』にも関わりました。
――たいへん失礼なのですが、いまおいくつですか?
市川
(2026年)2月2日に33歳となります。アーリーアクセスの開始日(2月3日)直前なので、気分的には嵐のような誕生日になるかと(笑)。
――その若さでナンバリングタイトルのリメイク作をプロデュースするというのは、なかなかのプレッシャーだったのでは?
市川
そうですね。『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』は、初代プレイステーションでは国内でもっとも売れたタイトルと言われていますし、シリーズファンの方々のあいだでも熱量の高い大きなタイトルなので、プレッシャーはありました。でも、ワクワクというか「すごく楽しみだな」という部分もあって。
初めて遊んだ「DQ」シリーズ作品は『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』(1998年発売)で、『DQVII』は小学校低学年のときにプレイした初のナンバリングタイトルだったのですが、「『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』はいっぱいバトルが楽しめたのに、これはいつになったらモンスターが出てくるんだろう」と思いましたし、じつは途中で挫折してしまったんです。
――当時は挫折したプレイヤーも多かったですから。ニンテンドー3DSのリメイク版も相当なボリュームでしたが、プレイステーション版もニンテンドー3DS版も遊んだ身としては、本作には「とにかく快適に遊んでほしい」という強い意志を感じました。
市川
“再構築”というコンセプトでリメイクするにあたって、より多くのユーザーのプレイスタイルや好みに合った形で楽しめるようにしたいと思っていました。
――難易度設定で入手経験値や獲得職業熟練度、獲得ゴールドまで調整できるのは驚きでした。
市川
昨今はプレイヤーによって、プレイ時間も含めて楽しみかたも難度の感じかたも異なります。多くの方に楽しんでいただくためにゲームを設計しているので、サクサクと進めたい場合でも、じっくりと遊びたい場合でも、好きなタイミングでプレイスタイルに合わせて調整できるようにしました。
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――その方向性は堀井雄二さんも同じ認識だったのでしょうか?
市川
堀井さんとは、それも含めて企画の段階から最後までお話しさせていただきながら開発を進めました。最初に主人公のドールをお見せして、人形をモチーフにした“ドールルック”というビジュアル表現を説明しました。
さらに、バトルとシナリオを中心に「このような形で“再構築”したいと考えています」とお話しさせていただいて。「バトルはあまりわかりづらくしないでね」とアドバイスをいただきました。
――原作ファンからしてみると、あの難しい謎解きも魅力のひとつではあったのですが……。
市川
原作の空気感であるとか、物語の本筋はいじらない形にしようと決めていました。原作に思い入れのある方にも違和感なく、かつ現在のゲームとしても遊びやすくなるようにテンポを調整する意識しました。
なので、謎解きを簡単にするという方針ではなく、原作のエッセンスは踏襲しつつ、ミニマップを搭載するなどして、より謎解きがしやすくなるように、というイメージで制作しました。
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――“ドールルック”というアイデアは最初からあった?
市川
「DQ」シリーズといえば鳥山明先生のキャラクターデザインなのですが、『DQVII』の鳥山先生のデザインには、かわいらしい独特の特徴があると思います。
そのかわいらしさを表現しつつ、原作が持っていた独特な空気感にもマッチしたビジュアル表現を検討していく中で、人形をモチーフにした映像作品やゲームが世界中で受け入れられていることもあって、“ドールルック”は本作が目指す表現に合うのでは? と考えました。
――プレイステーションでシリーズ初の3Dポリゴンになった作品ですし。
市川
シンプルに“最新の3DCGにする”のではなく、鳥山先生が描いたイラストの空気感をどのようにして表現できるか、を考えた結果が“ドールルック”になりました。
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仲間のキャラクターのゲーム内CG(画像右)は、実際に作成した大きな人形(画像左)をスキャンして作られている。
――キャラクターのあたたかさを見事に表現していますが、同時に「難しいことに挑戦したな」と思いましたね。
市川
メインキャラクターは、人形や模型などを製作しているスタジオ・ノーヴァさんといっしょにリアルなドールを作り、その人形をスキャンしてゲーム内のモデルを起こしています。
その際に、主人公は漁師の息子で、マリベルはお嬢さまで、キーファは王子様で……と、それぞれで育ってきた環境や性格が違うことを意識して、衣装や小物の素材の選定などにも、すごく時間をかけて作りました。
――そのこだわりはもちろん、表情も自然でスルッとゲームの世界に入り込めます。キーファの顔も、イラストを最初に見たときは「ちょっとゴツイかな」と思ったのですが、実際に動いている画面を観ると違和感はまったくなかった。
市川
アクションに合わせた表情や動きなど、開発会社のヘキサドライブさんとかなりじっくりと開発しました。ボイスも合わさって、キャラクターの魅力はしっかりと伝わると思います。ゲームモデルをフィールドに置いたり、映像のカットシーンを作ったりして、少しでも違和感があるような部分は適宜、修正しながら進めました。
――メインキャラクターに限らず、“ドールルック”という世界観は損なわれていませんね。
市川
町の人やモンスターは、人形を制作せずにグラフィックを起こしているのですが、“ドールルック”というコンセプトに合わせて全体を整えるため、素材感を意識して作っています。
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市川
キメラだったら羽の部分とか、ドラゴンだったら鱗の感じとか、動物っぽいモンスターならもさっとした感じとか……。ゴーレムであれば、パッと見たときに年月を感じさせるようなグラフィックにしたりと、細かい部分まで意識しています。
――フィールドもすごく手作り感があって、世界観がすごくまとまっている印象です。
市川
被写界深度や光を調整して、カメラ距離を遠近で選択できるようにして、ジオラマを覗き込んでいるような視点を表現しています。また、原作のプレイヤーには印象深い操作だった、カメラの回転機能も残しています。
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――本リメイクでは原作のプレイ体験をかなり意識されたかと思いますが、どのようなコンセプトで開発されたのですか?
市川
そうですね。本作は“再構築”による変化をメインにお見せすることを第一にしていますので、その意味でも『DQVII リメイク』ではなく、『DQVII リイマジンド』というタイトルにしました。
グラフィックやゲームシステムだけではなく、物語も“再構築”しているのですが、原作の体験を損なうものではありません。
『DQVII』の独特さはいまの時代にこそ魅力
――HD-2D版の“ロト三部作”に続くリメイクは『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』なのでは? という声もありましたが、そうしなかった理由は?
市川
まず、2000年の発売から四半世紀という節目を迎えたことがあります。また、シリーズ内でもダークな世界観と不条理をはらんだ独特さは、いまの時代にこそ魅力的に映るのでは、と考えて、”順番”は意識せずに、提案させていただき、実現に至りました。
――過去の世界の問題を解決して現在の世界をよくするという物語の立て付け上、どうしても不条理に感じる物語になりますよね。
市川
あの不条理に思える物語こそ、いまの時代にこそ刺さるのではないか。そこがいちばん大きな理由となりました。そして、物語を“再構築”する中でテンポよく進められて、かつ濃密なシナリオ体験を目指すため、いくつかのストーリーをカットしました。
『DQVII』はショートストーリーの連続という構成になっていますが、物語の大筋と関りが薄い部分はカットもしくは一部のシナリオの内容を変えたり、シナリオの順番を変更しています。ただのシェイプアップにならないように追加エピソードを用意したり、いつでも石版を使えるようにしているので、原作のファンも新鮮な体験を楽しめると思います。
ただ、やはり『DQVII』の物語は膨大なので、ひとつのエピソードを調整しただけでも、物語全体を大きく調整しなければいけなくなることがあります。なので、シナリオの“再構築”はかなり慎重に検討しました。
――大人になったキーファが描かれる新エピソードは話題になりました。大人になるまでのあいだ、キーファに何が起こったのか……そのあたりが描かれるのでしょうか?
市川
詳細はネタバレになるのでお話しできませんが、ぜひ自分で確かめていただきたいですね。シナリオ全体の構成を検討している中で、ある決断をしたキーファのその後を描くシナリオを作りたいとなりまして、堀井さんに提案させていただいたところ快諾をいただいたので、新エピソードとして大人のキーファを作ったんです。
ほかにも物語を補完するようなエピソードが随所に散りばめられているので、楽しみにしてください。
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――ちなみに、本作はマルチエンディングでは……。
市川
発売前に少し話題となっていましたが、マルチエンディングではありません。ひとつの結末に向けて物語は動いていきます。
――各所で訊かれていると思うのですが、想定プレイ時間は?
市川
ほかと同じ回答になってしまうのですが、プレイヤーによってプレイスタイルが変わるので、一律に何時間とはお答えできません。ただ、少なくとも原作よりテンポよく遊べるようになっています。
――“再構築”と言えば、バトルのシステムも細かい部分まで調整されていますね。
市川
バトルの大きなコンセプトは“通常の戦闘はサクサク、強敵戦はじっくり”というものです。バトルスピードを“ふつう”、“はやい”、“超はやい”の3段階から選べるのも、ある程度レベルの差が開いているモンスターであればフィールド上で攻撃するだけで経験値やゴールドがもらえるのも、レベル上げを手軽に楽しんでもらうための仕様です。
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市川
本作には職業のかけもちを追加しているので、職業の組み合わせを楽しんでいただきたくて。強敵との戦いでは、その蓄積を活かしてじっくりと考えていただければと思います。
シンボルエンカウントにしたのも、バトルしたいときは自分から仕掛ければいいですし、探索に専念したいときはモンスターを避ければいい。ダッシュ移動ができるのも、先述した通り、さまざまなプレイヤーのニーズに応えることが本作の目的だったので、テンポよく冒険できるために実装しています。
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――オートバトルが快適すぎて、逆に悪いことをしているような気分になってしまいます(笑)。
市川
AIもかなり調整しています。先行プレイ版も3時間くらいで遊べると思いますが、テンポを重視しすぎて原作のゲーム体験を損なわないようには注意しました。
原作をプレイした方でも違和感がないような形にすることが大事で、細かい部分までひとつひとつ意識しながら仕様を決めていきました。『DQVII』を初めてプレイする人も、すでに原作などで体験している人もストレスなく楽しめるようにしています。
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――フィールドの大きさは原作と同じですか?
市川
ドールルックのキャラクターと違和感がなく、とくに移動のテンポ感が失わなれないようにギュッとフィールドをまとめている部分はあります。
――ダンジョンや町はそこまで変わっていない印象ですよね。ただ、カジノや移民の町、世界ランキング協会などが削除されました。
市川
先に言ったように、シナリオの再構築に合わせて物語の大筋と関係の薄い部分はカットしました。カジノに関しては海外でレーティングが上がってしまうので、世界中のいろいろな年齢の方にプレイしていただくためにも削除しました。ただ、カジノにあったラッキーパネルは楽しめます。
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市川
また、やり込み要素として“闘技場”を用意しました。通常とはひと味違う形でバトルが楽しめるコンテンツなのですが、豪華な景品が獲得できるのでぜひチャレンジしていただきたい内容となっています。本編のクリアー後も楽しめるエンドコンテンツともなっているので。
DLCの“伝説への道”では“ロト三部作”に登場する魔王たちと闘技場で戦えるのですが、伝説の魔王らしく手強いバトルが体験できます。
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――エンドコンテンツと言えば、“謎の異世界の洞窟”みたいなものは?
市川
本編のクリアー後に楽しめるコンテンツはプレイステーション版やニンテンドー3DS版のファンも期待されていると思うので、そのあたりはしっかりと作っています。
――モンスター職は原作で人気の要素のひとつでしたが、職業のかけもちという形で転職のおもしろさを表現しています。ただ、これは大きな賭けだったのではないでしょうか?
市川
モンスター職をどうするかは、かなり議論を重ねました。ただ、“再構築”にあたって全体のボリュームを考えたとき、人間職に絞って、ふたつの職業を兼ね備えるというユニークなシステムにしたほうがバランス的にふさわしいと考えました。
堀井さんにも基本職、上級職、マスター職という人間職に絞ることを相談したところ、モンスター職が持っていたおもしろさを“モンスターの心”というアクセサリーにして表現するというアイデアをいただき、いまの形にまとめていきました。
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市川
レベルデザインに合わせてバトルデザインもイチから見直したので、簡単すぎず難しすぎず、戦術をじっくりと考えられて、しっかりと成長の達成感があるものを目指して、バランスを調整しています。成長に合わせて新しい呪文や特技もどんどん増えていくので、いろいろと試してほしいですね。
――強モンスターを倒せば、強いモンスターの心が手に入りますし。
市川
強モンスターは序盤から出てくるのですが、多くの島で待っています。基本的にモンスターの心はどれも強力で、優れたパッシブ効果を発揮します。
強さとしては、その島に関連するシナリオのボス級モンスターと同等か、ちょっと強いくらいのイメージなので、ボス級モンスターを倒してから挑むことをオススメします。ただ、戦略を練れば勝てない相手ではないので、挑むタイミングは自由です。本作では移動もしやすくなっているので、後でまとめて挑むのもアリですね。
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―― “バーストチャージ”での“職業とくせい”も育成要素の魅力になっています。
市川
『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』の“テンション”や『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』の“ゾーン”のように、バトルの流れを変えるような要素が本作にも欲しいと考えていて。本作は職業が特徴のひとつなので、そこに紐づいた要素として“バーストチャージ”を採用しました。
発動条件はいろいろあるのですが、ダメージや敵の数とかターン数であるとか複雑なので「よきところで発動します」とだけ(笑)。いろいろな職業を組み合わせて、強敵と対峙したときにうまくハマったときの気持ちよさを体感していただきたいですね。
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――ダーマ神殿まで行かなくても、アイテムの“ダーマの水晶”を使えば好きなときに転職できるのは衝撃でした。
市川
転職システムも再構築しています。かけもちの組み合わせを変えるなど、転職する機会も多いと思うので、手間を減らすためワンボタンで転職できるようにしました。
設定で獲得経験値を増やすこともできるので、いろいろな職業を楽しんでください。全職業をマスターすることも、もちろん可能です。
――ちなみに、市川さんがお好きな職業は何ですか?
市川
序盤はやはり、僧侶はひとりパーティに入れたいですね。僧侶の職業とくせいが仲間全体のHPだけでなく状態異常も回復するものなので、心強いと思います。
中盤以降は、物語の関係もあって海賊を入れていました。スーパースターも好きですね。スーパースターはほかの仲間がバーストしやすくなるという職業とくせいを持っているので、バトルの起点として活躍しますよ。
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"再構築"された部分での発見も楽しんでほしい
――本作の開発において、市川さんが「このゲームはすごいことになる」と確信したタイミングはありましたか?
市川
ドールルックのモデリングが完成したときでしょうか。最初に実際のドールが完成したとき、ある程度は「こういった形の見た目になります」と理解できましたし、皆さんに驚いていただけるだろうと思っていました。
そこから開発が進んで、ゲームにドールルックのキャラクターを入れ込んで、さらに一部のシナリオが遊べるデータができあがったとき、「これは遊びやすいバランスだし、テンポもいいし、原作の空気感もあるぞ」と、いい作品になると確信しました。
――個人的には、ユーザーインターフェース(UI)も「DQ」らしさを残しつついまのデザインになっている点に、本作が「DQ」シリーズにとってエポックメーキングな作品になると感じました。
市川
ありがとうございます。UIの“再構築”も大きなチャレンジのひとつで、かなり試行錯誤を重ねました。伝統的なウィンドウ形式のUIをアレンジしつつ、メインメニューなどは大きく変えています。
当然、これまでの「DQ」プレイヤーにも違和感がないようにデザインして、さらにいままで「DQ」をプレイしたことのない方やPCゲーマー、海外のプレイヤーにとってもなじみのあるUIを目指したので、「遊びやすい」と言っていただけるとうれしいですね。PCで「DQ」をプレイされる方も増えたので、キーボードやマウスでも快適に操作できるようにしています。
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――市川さんは個人的に『DQVII』最大の魅力はどこにあると思いますか?
市川
『DQVII』の主人公はもともと、ふつうの漁師の息子で、ただの少年なんです。そんな少年がいろいろな世界を通じて自分の宿命を知り、成長していく。不条理でダークな物語を、少年の成長の物語が大きく包んでいる。
この構造が『DQVII』の魅力だと思います。シナリオを“再構築”している部分はありますが、その魅力は失わないようにしました。
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――選ぶのはすごく難しいと思うのですが、市川さんお気に入りのエピソードは?
市川
私はオルフィーのエピソードが好きですね。動物と人間が……という、よく考えるとけっこう不条理な話なのですが(笑)、動物の反応とかキャッチ―でかわいらしく、「DQ」の持つユニークさやあたたかみが感じられますし、『DQVII』らしさがギュッと凝縮されていると思います。
――先行プレイ版でウッドパルナのエピソードを体験して、ひさびさに「ああ、『DQVII』はこういうゲームだった!」と思い出しました。
市川
初めて『DQVII』をプレイした方は驚かれるかもしれませんね。私が「DQ」の大きな魅力と思うのは、やはりシナリオなんです。すごく壮大なスケールの物語が描かれる中で、どこかあたたかみのあるエピソードやシナリオ、ちょっとしたギャグがあるのが「DQ」の魅力だと思っています。その魅力は『DQVII Reimagined』でも大事にしているので、皆さんも「ダークな世界観の中にあるあたたかみ」を体験してほしいですね。
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市川
また、ボイスが付いたことでキャラクターに命を吹き込まれたというか、より感情移入ができるようになったので、そのあたりも楽しんでいただければと思っています。「DQ」の主人公はプレイヤー(あなた)なのでバトルボイス以外はしゃべらないのですが、ほかの仲間も含めてかなりのボリュームのボイスを収録しています。
冒険の途中でリアクションのセリフも聴けるので、パーティメンバーどうしでたくさん話してみてください。イベントシーンも早送りができるのですが、膨大なシナリオを通して「このキャラクターはこんな性格なので、こんなふうにしゃべるんだ」とディレクターやシナリオライター、声優さんと綿密に打ち合わせたので、ぜひ。
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――『DQVII』を初めて遊ぶプレイヤーに、本作の魅力をお聞かせください。
市川
「DQ」シリーズの主人公はあなた、いわばプレイヤーである皆様なので、ぜひこの世界に没入していただきたいですね。本作で描かれる世界の不条理と、その先を越えた少年の冒険物語、そして少年の成長を体験していただきたいと思います。
――原作を知っているファンには?
市川
あらためて原作やニンテンドー3DS版のなつかしさを追体験していただきつつも、“再構築”されて新しくなった部分での発見も楽しんでいただければ。おそらく、本作は原作ファンの方ほど、「こんなに遊びやすくなっているのか」と驚かれると思います。“再構築”ではありますが、そこを“進化”と捉えていただけるとうれしいですね。
シナリオに触れるとネタバレになってしまうので多くは語れませんが、いろいろな短編が大きな物語に集約されていくという『DQVII』の魅力はしっかり体験できるので、よろしくお願いします。