憑依、弾き、スキルを活用して怪物を殲滅。オリエンタル&ホラーテイストが魅力のアクションアドベンチャー
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“野狗子”の読みは“やくし”。 人間に擬態してその脳を食らうという、未知の怪物の名称だ。 おぞましい敵との戦いが描かれる本作は、『SILENT HILL』、『SIREN』などで知られるゲームクリエイター外山圭一郎氏が設立したBokeh Game Studioが開発を手掛けたことでも話題となった。
本作冒頭のシーンでは、ネオンが輝く雑然とした街“九龍”の様子がスタッフロールとともに映し出される。カメラが路地裏へと移動したところで、今度は道端の野良犬がクローズアップ。“憑依”のコマンドに従うと犬に乗り移り、操作可能となるという流れだ。
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ここでプレイヤーは主人公が肉体を持たない存在であることを知る。しばし犬となって街をさ迷うも、憑依したのが人間ではないためきちんと思考できないところや、臭いを頼りに進んでいく様子がどことなくユーモラス。
つぎに初めて人間へ憑依するのだが、プレイヤーが取り憑いたのはどう見ても一般女性。主役級のオーラを微塵もまとっていない、ただのモブキャラなのがおもしろい。続いて一般男性に憑依したところで、主人公には記憶がないことが判明。肉体も持たず記憶も失っているなんて、いったい何があったんだ……。などと考えているうちに、いきなり怪物に遭遇!
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この場面では逃走して難を逃れるものの、いざバトルが始まると“宿主”である人々は怪物にあっけなく倒されてしまう。憑依中に宿主がやられるたびに画面左下の魂(ライフ)が減少し、すべてなくなるとゲームオーバーに。つまり、本作のバトルはライフが減る前につぎつぎと宿主に憑依しては戦うことをくり返す、いわば総力戦なのだ。
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宿主となる一般人の体は脆く、回復手段はあるものの、基本的には使い捨て。筆者は命が軽い点に最初戸惑ったが、ゲームを進めるうちに不思議と「これも本作のバトルシステムの特色なんだな」と受け入れられるようになっていった。
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さらに、弾きを連続で成功させると時間の流れが遅くなる“ブラッドタイム”が発生し、敵に集中攻撃を浴びせられる仕組みとなっている。とはいえ、さまざまな方向からの攻撃をその都度弾くのは至難の業。ボスによっては何度もやられて攻略法を見つけていく必要もあり、アクション性を重視した本作のゲームデザインには驚かされた。
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ちなみに、ステージを探索する際は“ブラッドジャンプ”で足場を飛び移ったり、街にたたずむ一般人に取り憑いて高所へ移動したりできる。雰囲気抜群の九龍の街を歩くのはそれだけでも楽しく、観光気分でついつい足を延ばしてしまうような魅力が、この世界にはある。
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それに加えて、野狗子の視界を乗っ取って擬態中の人間を特定する“サイトジャック”では、敵を追い詰めていく高揚感までもが味わえる。用途は異なるものの、敵の視界を借りるこのシステムに『SIREN』シリーズの“視界ジャック”を連想し、思わずニヤリとしたプレイヤーもいたのではないだろうか。
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本作のBGMは『SILENT HILL』や『LET IT DIE』など数多くの作品で楽曲を制作してきた山岡晃氏が担当。都会的で軽快な曲や不安げな旋律が、猥雑とした九龍で巻き起こるサスペンスドラマを盛り上げている。
刺激に満ちた世界観と意欲的なゲームシステム。未プレイの方は、この二大要素が織り成す尖ったホラーゲームを体験し、謎に包まれた物語を解き明かしてみてほしい。
画面写真はPS5版のものです。















