2023年7月20日にリリースされたスマートフォン向け睡眠ゲームアプリ『 Pokémon Sleep』 (以下、『ポケモンスリープ』)。サービス開始から2周年とちょっとを迎え、世界中の人々の睡眠をエンターテインメントに変えてきた。
2024年11月には、開発の主軸が“株式会社SELECT BUTTONと株式会社ポケモン”から“株式会社ポケモンワークスと株式会社ポケモン”の2社へと段階的に移管されることが発表された。
インタビューでは1周年からの1年に実施されたイベントの振り返りから、今後の開発体制、オススメの寝顔など、本作のキーマン4名に話を訊いた。
さらになんと、より充実したアプリ運営、さらなる発展を目指して今後の開発を担う人材を大募集チュウ! ポケモンにかかわる仕事をできるまたとない機会。“ポケモンを描く仕事”、“UIデザイン”、“『ポケスリ』の展開を考えるプランニング”、“睡眠とゲームを結びつけるエンジニアリング”に興味があるクリエイターの方は、インタビュー内容も要チェック。
募集職種
高草真生(たかくさ まさお)
株式会社ポケモン ポケモンスリープ推進室
『ポケモンスリープ』リードコーディネーター
小澤菜朋(おざわ なほ)
株式会社ポケモン ポケモンスリープ推進室
『ポケモンスリープ』リードデザイナー
藤井亜未(ふじい あみ)
株式会社ポケモンワークス 京都スタジオ
『ポケモンスリープ』共同ディレクター
宮原佑輔(みやはら ゆうすけ)
株式会社ポケモンワークス 京都スタジオ
『ポケモンスリープ』リードクライアントエンジニア
悪夢に包まれたダークライイベントと、祝福ムードの2周年イベントを振り返る
――早いもので、リリースから2周年と少しが経ちましたね。まずはこの1年を振り返って印象的だったイベントについてお聞かせください。2025年3月に行われた“クレセリアVSダークライ”のイベントはいかがでしたか?
藤井
これまでの『ポケモンスリープ』は穏やかで温かい雰囲気のイベントが多かったなかで、突然フィールドが悪夢に包まれるというシリアスな展開のイベントを開催しました。リサーチャーの皆さんが力をあわせて“ねむけパワー”を集めて悪夢を振り払うという、ストーリー性のあるイベントに仕上がったと思っています! また幻のポケモンが初登場となり、そういった意味でも『ポケモンスリープ』の新たな価値を提供できたのではないでしょうか。
闇に包まれたフィールドのBGMをこれまでの『ポケモンスリープ』のイメージとはまったく異なるものとしてディレクションしたのが印象的で、その雰囲気も含めて楽しんでいただけていたらうれしいですね。
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――とくにイベント後半で映画『劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド・パール ディアルガVSパルキアVSダークライ』の楽曲でもある『オラシオンのテーマ』のアレンジが流れたときは、驚きながらも感動しました。
藤井
本当にあの場面で素敵な楽曲のアレンジを流すことができて、よかったです! 開発側としてもぜひ起用したい楽曲だったんです。個人的に『ポケモンスリープ』へ本格的に携わるようになってから初めて、SELECT BUTTONさんや株式会社ポケモンさんといっしょにいちから作り上げたイベントだったので特別な思い入れがありました。しかも、これまでの『ポケモンスリープ』とは毛色の異なる体験を提供するということでなおさら慎重に、かつ楽しんで取り組めました!
――基本的には毎日ひとりでコツコツとプレイするゲームなので、全ユーザーで協力してねむけパワーを集めるような体験は新鮮でした。開発段階で苦労したポイントはありますか?
宮原
全リサーチャーで協力する“みんなのねむけパワー”システム、“ひらめきのたね”を使ったダークライの育成システムという2種類の新要素、これらを主軸として、ほかにもサーバーとの連携や新UIの実装など、やるべきことが多くてスケジュールとの戦いは本当にたいへんでした。ですが実際にユーザーさんたちが盛り上がってくれている様子を見たら、本当にやってよかったなと思えました。
――ダークライは仲間にする方法も特殊でしたね。
宮原
そうですね。幻のポケモンということで特別な体験を提供したいという思いはありつつ、イベントの進捗によって仲間にできなかった方が出てしまうというのは避けたいと考えていました。かといって、簡単すぎるとそれはそれでゲーム体験としておもしろくありません。そのあたりのバランスをどう取るかについては、たくさん議論を重ねた部分です。
――無事に目標が達成されて悪夢が晴れていく様子は見ものでした。続いて、2025年7月には2周年イベントが開催されました。こちらの反響はいかがでしたか?
藤井
ホウエン地方に生息するポケモンたちが新登場したことに加え、新機能“フォトモード”や“おいわいフラワー”、新しいどうぐ“まっしろミント”など、本当にたくさんの新要素を実装しました。3年目に突入した『ポケモンスリープ』が、これからもさらにパワーアップしていくぞ、というのをお見せできたのではないかなと思っています!
――とくにフォトモードは幅広い層から大好評ですよね。このイベントでとくにこだわって制作した部分はありますか?
藤井
『ポケモンスリープ』のコンセプトは“朝起きるのが楽しみになる”ことです。そのため毎日のプレイ体験でもっともワクワクする瞬間を朝に用意しており、このイベントでもその軸を外さないように試行錯誤しました。その結果うまれたのが“おいわいフラワー”です。このデザインは小澤さんが担当くださったんです。
小澤
植えるタネによって咲く花の色が変わるようにデザインしたのですが、それに加えて植えた順番によってユーザーごとに花の見えかたが変わるように設計しました。皆さんの意思を反映させることで、ポケモンたちといっしょに2周年をお祝いしている感覚を強く持ってもらいたかったので。
高草
じつは、開発段階では鉢植えのタネに水やりをすることで花を咲かせるというシステムも検討していたんですよね。
藤井
そうなんです。朝昼晩の食事と同じタイミングで水をあげると少しずつゲージが貯まっていって、満タンになると花が咲くというような構想もありました。ですが、毎日定期的に水をあげるとなると1日3回の食事以外にもさらに日中のプレイを増やしてしまうことになります。それは『ポケモンスリープ』らしくない体験になってしまうのではないかと考え直し、夜までにタネを植えて朝に花が咲くというシンプルなものになりました。
――今後のイベント開催やコンテンツ追加の予定について、可能な範囲で教えてもらえますか?
藤井
まずは2025年11月6日から新フィールド“アンバー渓谷”が登場しています。新たにタツベイやナックラー、イシズマイといったポケモンたちの寝顔が発見されていますので、ぜひご期待ください! また、今後も“クレセリアVSダークライ”のように生態や特徴にあわせた形で特別なポケモンを登場させたいと考えています。ユーザーの皆さんのプレイ状況やご意見も踏まえたうえで、新機能の実装も目下検討中です。諸々について発表できるのはもう少し後になるかと思いますが、こちらもお楽しみにお待ちください!
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――リリース当初は100種類以上だった寝顔も、いまではかなりの数になりましたね。
小澤
現在、『ポケモンスリープ』で発見されているポケモンは200種類以上になりますので、寝顔の種類はもっとたくさんですね。これでもかなり増えましたが、これまで発見されているポケモンたちは1000種類以上いるので、欲を言えばすべてのポケモンと出会えるようにしたいところです。
――みなさんの“イチオシ寝顔”があれば、ぜひ教えてください。
高草
私はムシャーナの“ふゆうすりすり寝”です。一見すると目が開いているので起きているように見えますが、寝顔図鑑にも書かれているとおりムシャーナは目が開いているときこそ睡眠状態で、逆に閉じているときは覚醒しているんです。ポケモンの生態がよく表れていて、『ポケモンスリープ』らしい寝顔だなと思います。より珍しい“ゆめのけむり寝”も、あっと驚く寝顔なのでぜひ見てみてほしいです。出会うにはそれなりにねむけパワーをためる必要があるので、たくさん眠ってくださいね(笑)。
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小澤
やっぱりぜんぶがイチオシなのですが……ひとつ挙げるとするならラグラージの”どろあそび寝”です。ラグラージは硬い手で岩を砕くほどのパワーを持っていますが、この寝顔は、力を使い果たして泥の中で無防備に眠ってしまっているんです。ふだんのたくましい姿とのギャップがとてもかわいらしくて大好きです。起きているときには見られないすがたが見られるのが『ポケモンスリープ』の魅力ですね。
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宮原
私のイチオシはドードリオの“みはりさぼり寝”です。ドードリオは3つの頭のうちひとつが見張り番をしてほかのふたつは眠るのですが、この寝顔ではその見張り役が寝てしまって、残りのふたつが呆れたように睨みつけているんです。でも叩き起こしたりはせず、なんだかんだ代わりに見張ってあげるやさしさが感じられて、好きですね。
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藤井
私はあえて王道で、ニャオハの“ふみふみ寝”を推したいです。とにかく“くさねこポケモン”らしい動きがかわいいんです! かくんかくんと舟をこいでいたり、体を伸ばしたり、前足をペロペロ舐めたりと、ひとつの寝顔にニャオハの愛らしさがぎゅっと詰まっています。ぜひ最初から最後までじっくり見てほしいです。
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――どれも魅力的でいいですね、自分では気づけない魅力もたくさんあって。ユーザーの皆さんのイチオシの寝顔も聞いてみたくなりますね。
藤井
ぜひ聞きたいです! お願いします!
【Xで#ポケスリオススメ寝顔展覧会 を付けて投稿してみてくださいね! byファミ通】
“精神”も受け継ぐ開発移管。そして睡眠データが示す日本の課題とは
――株式会社SELECT BUTTONから株式会社ポケモンおよび株式会社ポケモンワークスへと開発主軸の移管が為されている真っ最中だと思いますが、詳しい状況について教えてください。
高草
前回のインタビューでも弊社の宇都宮(宇都宮崇人氏。株式会社ポケモン COO 『ポケモンスリープ』総合プロデューサー)からお話ししたとおり、開発の移管自体は最初から契約で決まっていました。2024年の7月ごろには藤井さんや宮原さんたちに参加していただいて、徐々に移管を進めてきております。いまはまだSELECT BUTTONさんもいっしょに開発を行っておりますが、ゆくゆくはポケモンとポケモンワークスの2社を中心とした体制へと完全に移行する予定です。
なおこれに際して、ただ単に技術や運営サイクルを継承できればいいとは考えていません。『ポケモンスリープ』がこれまでに築き上げてきた思想や信念もしっかりと受け継いでいけるようにチーム一丸となって日々邁進しています。
――ポケモンワークスのおふたりは、『ポケモンスリープ』に参加された際にどんな印象を持たれましたか?
藤井
“日中にがっつり遊ぶのではなく、プレイ時間は少なくても心に残るようにしたい”という思想がとてもユニークで素敵だなと感じました。睡眠のため、毎日少しずつ続けてほしいアプリだからこその考えかたで、通常のゲームアプリとは違うなと感じます。
宮原
トラブル対応の際にもプレイヤーの皆さんの睡眠を妨げてはいけない、という“ユーザー第一”の姿勢が本当に徹底されていると感じます。システムに不具合があってその日の夜は睡眠計測ができないとなってしまった場合、ただゲームを遊べないということ以上の影響を与えてしまうことになります。そのため可能な限り即座に対応するという意識が非常に高いです。
――そうした運営の中、多くのユーザーが継続的にプレイされている印象です。実際の継続率はいかがでしょうか。
高草
毎晩の睡眠を計測する習慣が一度ついたかたの継続率は非常に高い状態を維持しています。昨年からスマートウォッチにも対応しておりますが、スマートフォンで計測しているユーザーさんよりもスマートウォッチで計測しているユーザーさんの方が継続率が高いという結果も出ています。もともと健康意識が高い方々からも、睡眠計測にエンターテインメント性を付加して提供できていると思うと、とても喜ばしいことだと感じております。
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――睡眠データといえば、筑波大学との共同研究についても話題になりました。こちらについても詳しく教えてください。
高草
はい。世界トップレベルの睡眠研究所である“筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)”と合同で“睡眠と労働生産性”に関する新たなる調査を実施いたしました。本調査のテーマは“ソーシャルジェットラグ”です。簡単に言うと平日と休日で入眠・起床時間のズレを起こしてしまうことで、“社会的時差ぼけ”とも呼ばれています。睡眠時間だけで見れば十分な長さを確保していても、このソーシャルジェットラグが発生していると心身の不調に繋がってしまいます。
――非常に心当たりが……。
高草
今回の調査では、『ポケモンスリープ』で測定したユーザーさんの睡眠データと労働生産性に関するアンケート調査を分析したところ、ソーシャルジェットラグによる経済損失はなんと日本全体で年間1兆円にものぼることが試算されました。
――1兆円の損失!!!!
高草
驚きですよね。一方で、『ポケモンスリープ』には“ねむりの約束”といって毎日何時に眠るのかをポケモンと約束する機能があります。今回とはまた別の調査では、アンケート回答者の約50%が「約束の時間があるから、予定を切り上げて睡眠を優先したことがある」と回答されています。これからも『ポケモンスリープ』を通じて、人々の睡眠を少しずつ良くしていくお手伝いをしていきたいと考えています。
――ただの睡眠計測アプリではなく、エンターテインメントとして提供している『ポケモンスリープ』だからこそ、健康を意識する層だけでなく、幅広い層から睡眠に関するデータを集められるのでしょうね。
高草
今後もスマートデバイスの対応機種を増やしたり、現状の加速度センサー以外の睡眠計測の方法がないか検討したりと、睡眠計測アプリとしての利便性も上げていきたいと考えています。またゲームとしてもさらなる進化を続けていきます。定期的なイベント開催や新たなポケモンの追加を行いつつ、朝起きるのが楽しみになる睡眠ゲームアプリというコンセプトを守って運営を続けてまいります。
ポケモンワークス京都スタジオが始動! 新しい仲間を大募集
――より充実したアプリ運営、さらなる発展を目指して、株式会社ポケモン、株式会社ポケモンワークスともに人材を募集されるとのことですが、その前に株式会社ポケモンワークスという会社について改めて説明をいただけますか?
高草
株式会社ポケモンワークスは、株式会社ポケモンと、株式会社イルカの2社から生まれた開発チームです。「ゲームやサービスの開発・運用を通じて、世代や国・地域を超えてポケモンの世界を広げ、豊かな体験を作っていくこと」をミッションに掲げ、その名のとおりポケモンにフォーカスしてゲームやサービスを開発しています。現在は『Pokémon HOME(ポケモンホーム)』や『ポケモンスリープ』のほか、今後リリース予定の『Pokémon Champions(ポケモンチャンピオンズ)』の開発も担当しています。
藤井
2025年9月にはポケモンワークス京都スタジオが新設されました。このスタジオは現在『ポケモンスリープ』をメインで担当しております。現在はSELECT BUTTONさんとともに働きながら『ポケモンスリープ』のよさを勉強させていただいているところです。
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――ちなみに、『ポケモンスリープ』以前は、ポケモンワークスのおふたりはポケモンとどのような関わりかたをされていたのでしょうか?
藤井
私自身はもともと、とある開発会社におりまして、業界歴はかれこれ20年ほどになります。前の会社で『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』(以下、『ポケモン S・V』)に委託として携わるようになり、一部の企画を担当していました。
宮原
私も『ポケモン S・V』には藤井より数ヵ月遅れくらいで合流しました。そこで一部の実装に携わっていました。
――『ポケモン S・V』の開発にも携わっていたのですね。『ポケモンスリープ』では現状どのような体制で開発をされているのでしょうか。
高草
株式会社SELECT BUTTON、株式会社ポケモン、そして株式会社ポケモンワークスの3社合計で約50名の開発体制を敷いています。それに加えて協力会社さんやフリーランスの方々にもご協力いただいております。
小澤
アートチームでは株式会社ポケモンの社内デザイナーと外部の協力会社さんとで連携して制作を進めています。ポケモンのイラストやアニメーションにエフェクト、それにUIとキービジュアル、各種アセットなどすべて担当しています。協力会社さんも含め30名程度のチームです。もっとたくさんのポケモンたちとの出会いをお届けしたり、より充実した遊びを提供したりするためには、さらに人手が欲しいという状況です。
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――今回は株式会社ポケモンと株式会社ポケモンワークス京都スタジオで、それぞれ人材を募集されています。具体的にどのような職種を募集されているか教えてください。
小澤
株式会社ポケモンでは、アートチームの2職種でメンバーを募集しています。まずはリードUIデザイナー。ゲーム内UIの遷移検討からプロトタイプ制作、組み込み素材制作などを行っていただきます。スマートフォンゲームのUIデザイン経験が豊富であることは前提として、『ポケモンスリープ』は一般的なゲームとは異なるツールアプリのような側面もあるので、その特徴を理解してUI制作をしていただける方を求めています。
小澤
もうひとつはポケモンの寝顔を描くイラストレーターです。『ポケモンスリープ』の寝顔イラストは、すべてベクターデータで制作しています。そのため、Adobe Illustratorを使用してベクターイラストが描けることが必須です。そのうえでポケモン1匹1匹と真剣に向き合い、その立体感や形状の魅力を細部まで最大限大切にして描いてくださる方をお待ちしています!
――ベクターデータでの制作とのことですが、下書きをもとにパスを引いてデータとして起こせる力があるといいのか、いちからイラストを描ける力が必要なのか念のためお聞かせいただけますか?
小澤
ベースとしてポケモンたちの姿をご自身の手でいちから生み出せる方、ラスターでも高クオリティのイラストが描ける方ということになります。ゲーム内での使用はもちろん、グッズなどでイラストを大きく印刷することもあるため、きれいなベクターデータを作れる技術も求められます。
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――以前にもアートについてお話を伺いましたが(※)、こだわりを表現するために特殊な作りかたをされているんですよね。具体的に、ポケモンの寝顔はどのような手順で生み出されるのでしょうか。
※アートのこだわりについては以下のインタビューを参照小澤
寝顔の制作は、大きく5つの工程に分かれています。 工程は下記のとおりです。
- 寝顔ポーズの考案:開発チームとアートチームでアイデアを出し合う。
- ラフスケッチ:決まったポーズをスケッチに起こす。
- 絵コンテ:株式会社オー・エル・エムというアニメ『ポケットモンスター』を制作している会社にて、アニメーションの動きを具体的に示す絵コンテを作成。
- ベクターイラスト化:スケッチをもとに、ベクターデータでイラストを清書。
- アニメーション:Spineというツールを使い、動きをつける。
アニメーションは、2Dスケルトンアニメーションツールを用いつつもコマアニメのようなイメージで制作しており、どの瞬間を撮影してもポケモンの魅力が伝わるように、1コマ1コマイラストを調整しています。
――ポケモンワークスで募集される職種についても教えてください。
藤井
ポケモンワークスではプランナーとクライアントエンジニアの募集を行っています。プランナーは現在、京都と東京あわせて約10名のスタッフが開発に携わっています。おもにゲーム内でのイベントの企画や機能策定、ゲームバランスの調整にUI仕様の策定、お知らせテキストの作成など業務内容は多岐にわたります。また若手のスタッフが多く活躍してくれているので、彼らを導いてくれるリードプランナーになれるかたを強く求めています。
宮原
エンジニアも京都と東京にそれぞれ在籍し、合わせて30名弱です。とくに京都スタジオはクライアントエンジニアに特化した構成となっています。こちらでもクライアントエンジニアのリーダーとなれるかたを求めています。Unityでの開発経験が豊富なかたで、かつ睡眠計測のコアな部分で使用されるネイティブプラグインの技術に知見があるとなお、ありがたいです。
――株式会社ポケモンおよび株式会社ポケモンワークスで働くことのメリットとなる部分をぜひお教えください。
藤井
プランナーについて言えば、『ポケモンスリープ』のすべてに関わることができます。またポケモンワークス自体も新しくできたばかりの会社ですし、京都スタジオに至っては2025年9月に設立されたばかりです。
しかし、株式会社ポケモンと株式会社イルカという2社の大きな支えがあり、新設会社としての自由度がありながら、安定感も兼ね備えている点が大きな特徴だと思います。クリエイターとして、何かに安心して挑戦できる場というのは非常に経験になりますし、価値があるのではないかと考えています。
宮原
エンジニアとしては、ほかのゲームではなかなか触れることが難しい“睡眠”という分野に挑戦できることが最大の魅力だと思います。まだまだ解明されていないことも多く、環境面でも身体面でも個人差が大きく難しい分野です。そこへITの側面から介入していくということ自体がとても知的好奇心をくすぐる、やりがいのある仕事だと感じています。
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小澤
じつは、ポケモンを描ける仕事って弊社でも意外と少ないんです。しかもほかのゲームではなかなか見られない、『ポケモンスリープ』だからこそ表現できるポケモンの寝顔を新しく描く機会もあります。ポケモン好きとしてはとても名誉なことだと感じています。また会社全体としても“ポケモンのため”を最優先にする文化が根付いています。
通常、仕事には当然納期と予算があって、クリエイティブのクオリティだけを考えるのは難しいことが多いです。しかし、弊社では“ポケモンの魅力を引き出すため”であれば、それらに必ずしも縛られない判断をする場合もあります。そのため自身のクリエイティブにとことん没頭でき、モチベーションもどんどん湧いてきます。クリエイターとしてこんなに伸び伸びと働ける会社はなかなかないのではないかと思います。
高草
ポケモンを愛してくださる方にとって、最高の環境であることは間違いないです。その一方、愛情の大きさだけが重要なわけでもないと考えています。弊社に「ポケモンに興味がない」という人はもちろんいませんが、その興味の持ちかたも人それぞれです。ポケモンを愛してくださる世界中の皆さんを楽しませたいという思いを強く持っていただくことがいちばん重要だと思っています。
そのうえで、弊社アートチームのクオリティを求める熱量とポケモンへの愛、そして技術力はどれも非常に高く、とっても自慢のチームなんです。その一員として新たに加わっていただけることを期待しております。
――我々から見ても、『ポケモンスリープ』に限らず株式会社ポケモンでは、さまざまな部署の方と、いつどこで会ってもコンテンツへの情熱に満ち溢れているなぁ~と感じますね。ほかに、チームや会社の「ここはいいぞ!」というところはありますか?
小澤
では、私からもうひとつ! 業務に使用するPCやペンタブレットなどの機材まわりはかなり融通が利きます。私もUnityを扱う都合でかなり性能の高いPCを用意してもらいましたし、「どうしてもこのデバイスでないと描けない、業務効率が落ちる」ということであれば特定のメーカーのデバイスを用意してもらえます。別の部署では液タブをデスクにドンと構えて作業している人もいます。先ほどお話ししたことと合わせて、クリエイターとしてとてもいい環境だと思います。
――ペンタブレットなどは指定のものでないと描けない方もきっといますよね。大事です。ふだん仕事をしていて喜びを感じる瞬間についても教えてください。
高草
睡眠がメインのタイトルなので、街中でプレイしている人を見かけることはほとんどないのです。だからこそ、実際に楽しんでくれているリサーチャーの方に出会えたときはそれだけで本当にうれしいなと実感しました。この夏に渋谷でポップアップイベントを開催しまして、たくさんの方にご来場いただきました。壁一面のメッセージボードでも収まりきらない量のみなさんの熱量のこもったコメントに感激しました。
小澤
『ポケモンスリープ』でしか見られないポケモンたちのすがたがたくさんあります。ポケモンファンの皆さんが、好きなポケモンの初めて見るすがたに喜んでくださる瞬間がいちばんうれしいです。そして、こんな一面もあるんだという新たな発見からポケモンを好きになってくれる瞬間もすごくうれしいです。それだけでも、『ポケモンスリープ』に関われてよかったなと思えます。
宮原
私も、プレイヤーの皆さんからの反応を見られるのがいちばんうれしいです。自分たちの作ったイベントや新しいポケモンの登場に対する反響の声が、いつも励みになっています。とくに「定期的に眠れるようになって健康が改善されています」というようなお声をいただいたときに、その人の健康にいい影響を与えられたことを実感できて、本当にうれしくなります。
藤井
ポケモンが大好きなので、ポケモンのゲームに携われること自体がとてもうれしいです。また、ゲームは健康の面において悪者にされがちな存在だと思いますが、そんなゲームを通じて睡眠の大事さを啓蒙できる、人々の健康に貢献できているのだと思うと、やりがいを感じますね。
――それでは最後に読者の皆さんへのメッセージをお願いします。
宮原
いつも『ポケモンスリープ』を遊んでいただき、ありがとうございます。これからも皆さんの睡眠に寄り添い、いっしょに眠っているポケモンたちの新たな一面をより多く届けていきたいです。新機能やイベントはもちろん、操作性もさらに向上させ、よりよいゲーム体験を目指していきます。皆さんの生活の一部として、このアプリがいっしょに歩んでいけるよう邁進いたしますので、引き続きよろしくお願いいたします。
小澤
いつも『ポケモンスリープ』を遊んでくださり、本当にありがとうございます。これからもポケモンたちとの新しい出会い、UIやイベント演出を通して毎朝のワクワクをお届けしていきます。皆さんが朝起きてポケモンたちの寝顔と出会った際に、思わず心が動かされるような体験を提供するべくアートの面から『ポケモンスリープ』を盛り上げていきますので、引き続きよろしくお願いします。
藤井
日ごろから『ポケモンスリープ』で遊んでくださっている皆さん、これからもポケモンたちのことをよろしくお願いします! もし、まだ遊んでいないんだけどもインタビューを読んでくださった方がいらっしゃいましたら、いますぐアプリをインストールして今日からポケモンたちといっしょにぐっすり眠ってくださいね。これからも楽しい企画盛りだくさんで『ポケモンスリープ』を運営していきますので、ぜひぜひ末永くよろしくお願いします。
高草
日々遊んでいただいている皆さん、本当にありがとうございます。『ポケモンスリープ』は、これからも長期にわたって運営を続けていきます。全力でがんばりますので、引き続きよろしくお願いいたします。そして、もしこの記事をご覧になってご興味を持たれたクリエイターさんがおられましたら、ぜひいっしょに開発をしたいです! ご応募お待ちしています!
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