2025年7月に20周年を迎えた『アイドルマスター』(アイマス)シリーズ。それを記念して、ブランドの垣根を超えたキャスト陣による対談企画をお届け。
本企画では、シリーズの原点である『アイドルマスター』の765プロオールスターズより、天海春香役の中村繪里子さんに対談相手を指名いただいた。その相手とは、『アイドルマスター SideM』伊集院北斗役の神原大地さん。養成所時代から仲であるという、ふたりの『アイマス』における歩みに迫る。
※本対談は2025年7月上旬に実施しました。
※本対談は、週刊ファミ通2025年8月14日号(No.1909)に掲載した内容に加筆、修正を行ったものです。中村繪里子さん(ナカムラエリコ)
11月19日生まれ。神奈川県出身。初めて受けたオーディションで天海春香役に抜擢。おもな出演作に、『ヤマトよ永遠にREBEL3199 』(桐生美影役)や『Caligula -カリギュラ』(ミレイ役)、『えとはなっ! ~干支っ娘・花札バトル~』(八俣クシナ役)、『OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者』(コルネリア、ドロテア役)など。
神原大地さん(カンバラダイチ)
8月30日生まれ、大阪府出身。出演作に、『ときめきメモリアル Girl’s Side 2nd Kiss 』(クリストファー・ウェザーフィールド役)、『魔法使いの約束』(カイン役)、『number24 』(東坂虎之進役)、『七つの魔剣が支配する』(トゥリオ=ロッシ役)、『爆丸レジェンズ』(ハウルカー役)、『真・三國無双 ORIGINS 』(郭嘉役)など。
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お互いに名前で呼び合う同志は『アイマス』デビューからお互いの活躍を見守る
──今回は、中村さんのご指名で、神原さんとの対談を企画させていただきました。
中村
『アイドルマスター』は20周年を迎えますが、私の声優人生は『アイドルマスター』から始まっているんです。『アイドルマスター』と出会わなかったら、人生をドロップアウトしていたかもしれないぐらいで。
だから、いま生きていられるのは、『アイドルマスター』のおかげといっても過言ではありません。そんな声優人生を歩み始めて間もないころからいっしょにがんばっているのが大地なんです。ですので、今回対談の企画をいただいたときに、大地とお話しできたらと思いました。
神原
繪里子とは養成所時代の同期で、プライベートでも交流があり、仕事関係なく遊ぶ仲なんです。また『アイマス』と出会い、コンテンツが大きくなるにつれて、(天海)春香とともに看板として現在まで活躍している繪里子の存在を間近で目の当たりにしています。
そんな彼女に指名してもらえたことはとても光栄です。そして、Jupiterのオーディションに向かうときに偶然出会って「絶対に受かってね!」と声を掛けてくれて、いまではいっしょに活動もできている繪里子とぜひ対談したいと思い、喜んでお引き受けしました。
中村
そういえば、私たちはお互いに名前で呼んでいますが、私のことを「繪里子」と呼んでくれるのは、ファンの方か、765プロのメンバー数名だけなんです。声優仲間には苗字や名前にさん付けで呼ばれているし、妹がいるから家族からはおねねと呼ばれているので。改めて、古くから親しく交流していたんだなと実感します。
神原
僕がJupiterに加入したときは、すでに繪里子には繪里子のファンがいて。加えて、『アイマス』に男性アイドルが登場するのは、当時としてはセンセーショナルということもあり、最初は「中村さん」と呼んでいました。始めのころは、ラジオで共演したり、ともにステージに立つこともありませんでしたから。
中村
そうだった。そもそも養成所の講師の教えで、私も大地も名前で呼んでいたんです。その名残で、ずっと名前呼びだったんですが……。
神原
共演したときに、急に「繪里子」と呼ぶと、事情を知らない人にとっては不愉快になると思い、お互いの仲のよさを知っていただくまでは、「中村さん」と呼んでいました。
中村
懐かしいね。Jupiterに加入したころといえば、当時は『SideM』ができることなんてまったく想像もしてない状態だったよね。すでにでき上がっているコンテンツに後から参加することは怖くなかった?
神原
疑問はあったかも。当時は、養成所で繪里子のほかに長谷川明子ちゃん(※星井美希役)とも知り合いで。ふたりが『アイマス』と出会って活躍している姿を見ていて、すごいコンテンツだと感じるとともに、女性が活躍する場だとイメージしていました。ですので、男性アイドルとしてのオーディションのお話をお聞きしたときは疑問に感じました。
実際、合格して間もないころは、どのような反響がくるのか不安でもありました。だからこそ、プロデューサーさん方にも受け入れていただけるように、自分で全アイドルをプロデュースしました。
中村
え、本当に!? 知らなかった!
神原
僕はやるとハマっちゃうから、全員ぶんクリアーするまでプレイしたんだよね(笑)。
自分で実際に遊んで、『アイマス』の魅力を知って、アイドルとプロデューサーの関係値を勉強しました。アイドルとともに成長して絆を築いていく過程が『アイマス』のよさで、彼女たちと切磋琢磨していくのが、新たに登場するJupiterであるということも理解できました。そこから、Jupiterが登場してもきっとプロデューサーさんには受け入れてもらえると自信が持てたので、僕も迷いなく演じさせていただくことにしました。
中村
当時はゲームのみで、ゲームはアニメなどと違ってプレイ状況によって得られる情報量に差が出てしまうので、(伊集院)北斗のことをしっかり知ってくれる人がどれだけいるのか、私は不安でした。情報量の格差が出てしまうことに、ある種もどかしさも感じていました。
神原
それは僕も感じていました。彼らは、立場としては敵対しているんですが、悪い子ではないんです。とても魅力のある子たちだということを、限られた登場シーンの中でお伝えするのがとても難しかったですね。ですので、当時取材をお受けしたときに、「とにかくプレイしてください!」とお話しした記憶があります(笑)。懐かしいなぁ。
中村
そんなJupiterは、もうすぐデビュー15周年だね。
神原
『アイマス』は20周年ですし、『SideM』も10周年を迎えました。こうした『アイマス』のメモリアルな時期をともに迎えることができるのはとても素敵だなと。いまではブランドの垣根を越えて、合同ライブが開催されたり、ともにステージに立つこともあります。それを機に、『SideM』に触れてくださる方もいらっしゃる。逆に『SideM』のプロデューサーさんが765プロのアイドルや、ほかのブランドにも興味を持っていただけることもあるようで。『アイマス』全体の広がりを感じています。そのことが本当にうれしいです。
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北斗のエンジェルちゃんたちへの想いをリスペクトし、自身も多くの提案を行いライブを作り上げる
中村
最初に共演したのは、2019年のバンナムフェス(※1)だよね?
※1“バンダイナムコエンターテインメントフェスティバル”のこと。【関連記事】
神原
そう、すごく時間がかかっちゃったよね。やっぱり、女性と男性のアイドルの共演に違和感を覚える方もいらっしゃったと思います。ただ、歴史を積み重ねていくにつれて、お互いのよさを知ってくださり、熱心にプロデュースしてくださったからこそ実現できたことなのだと思います。
そんな懐の広い皆さんのおかげで『アイマス』は広がり続けていますので、僕もアイドルの魅力をより多くの人に届けるために、たくさんバンダイナムコさんにご提案させていただいています。
──どういったご提案を?
神原
たとえば、最初のころは全員が揃ったときに新曲や未披露曲をお届けしたいというのが共通認識としてありました。ただ、3人が揃わない期間が長くなってしまうと、そのぶん、新しいJupiterの姿をお見せするまでお待たせしてしまいます。
中村
ゲームの中だと3人の新しい魅力を楽しめるのに、ライブだと見ることができないのは歯がゆいよね。
神原
そう。みんなをガッカリさせたくないんだよね。定番曲を届けるのも大事だけど、Jupiterの魅力はそれにとどまらない。いろいろな見せかたができるし、それは定番曲にもまったく引けを取らない。Jupiterは新しい魅力を放ち続けているからこそ、その姿をお見せするのが大事なのかなと。ですので、3人が揃わなくても、新曲や未披露曲をお届けしようと提案したことがあります。
僕は、北斗がエンジェルちゃんのために魅せかたにこだわっているのをとてもリスペクトしていますし、僕もそうでありたいと考えているので、そういう風にたくさん意見させていただいています。
なので、皆さんにもたくさん意見を出していただけると、僕もモチベーションとなってよりがんばれるので、これまで以上に発信してくださるとうれしいです。
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『アイマス』は文化祭のように運営とプロデューサーがいっしょに作り上げているのが魅力
中村
私は、今年の3月に“ハッチポッチ2(※2)”に参加しました。 “ハッチポッチ”は、いろいろな組み合わせのもと、これまでなかったものをお見せするのがコンセプトなのですが、プロデューサーさんが好きなメンバーたちで、架空のDay3のセットリストを考えてくださったのを知って。そこには夢とワクワクがたくさん詰まっていました。
※2“THE IDOLM@STER 765 MILLIONSTARS HOTCHPOTCH FESTIV@L!! 2”のこと。中村
『アイマス』はプロデューサーさんと作り上げていくコンテンツなので、皆さんが好きを発信してくださると、それがつぎのライブにつながるかもしれない。そうしてアイドルの新しい魅力が一層広まっていくと思いますので、ぜひプロデューサーさんにはたくさん希望や願いを発信してほしいです。
神原
僕らでは想像できないような、いろいろなおもしろい考えを持っているプロデューサーがたくさんいるから、それを叶えていけたら、ぜったい楽しいはず。ライブのセットリストも、演者の出番のバランスとかを考慮せず、純粋に「観たい!」というプロデューサーの想いが詰まっているのも素敵だよね。そこから、ライブの可能性もより広まるだろうし。
中村
そういう意味では、いま8月の単独ライブの準備が着々と進んでいて。そのライブでは、セットリストのアンケートも募集していて。プロデューサーさんが意見を出してくれるからこそ、スタッフさんたちも触発されて、いままでにないセットリストができあがると思います。ですので、今回のアンケートのような機会があったときも、存分に意見してくださるとうれしいです。本番では、私がビックリしたように、プロデューサーさんを驚かせつつも楽しんでいただける内容になっていたらうれしいですね。
神原
『アイマス』の流行に拍車をかけたのは、プロデューサーが動画投稿サイトで自由にアイドルをプロデュースしてくださったのも要因のひとつとしてあると思います。そんな皆さんのプロデュースを見て、相乗効果でより魅力が広がっていったのかなと。
中村
それはわかる! 何というか、永遠に文化祭をやっているような感覚なんだよね。
神原
そうそう。ふつうは、自由にやりすぎるとストップがかかると思うんだけど、『アイマス』はそうではなくて、プロデューサーとバンダイナムコさんがいっしょにコンテンツを盛り上げようと活動している。そんな、文化祭のような取り組みで作り上げられている『アイマス』が大好きなんだよね。
バンダイナムコさんの懐も大きいからこそ、プロデューサーにも自由に活動し続けてほしいですし、僕も表に出る以上、プロデューサーに遠慮なくプロデュースしてほしいと発信し続けています。
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過去をしっかりと振り返ることで、未来へと歩んでいくことができると感じた『SideM』の10thライブ
中村
ライブといえば、『SideM』は10thライブツアーが開催中だよね。お疲れさま!
神原
ありがとう! メモリアルなライブだから、僕もめちゃくちゃ楽しみで、本番も夢中になってステージに立っていました。僕が楽しみにしていたのには理由があって。それは『ミリオンライブ!』の10thライブを見させてもらって、感動したからなんだよね。
中村
最後の公演は全員が揃ったりもしたんだよね。みんな本当に努力してた。
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神原
ちょうどそのころ、“IM@S MUSIC ON THE RADIO”で中村温姫さん(ロコ役)とパーソナリティを担当していて。そこで、10年間の活動の思い出や、それの集大成である10thライブに向けての意気込みをたくさんお聞きして、その想いに同じ演者としてたくさん共感できて。
そうして、皆さんの想いを受け取った中で迎えた本番では、僕の大好きな楽曲もたくさん披露されて。僕の『ミリオンライブ!』に関する思い出と、皆さんの思い出がつぎつぎとフラッシュバックした結果、ずっと泣いていました。
中村
私は、大地が泣くところを見たことがないから、それほど感動したんだね。
神原
めちゃくちゃ素晴らしいライブだったから、今度は『SideM』でも10thライブを迎えるんだと思うととても楽しみで、存分にパフォーマンスさせていただきました。
そんな10thライブでお届けする楽曲に10周年記念曲『SUPREME STARS !!!』があるんだけど、仮歌をもらったときにある疑問が思い浮かんで。
――疑問ですか。
神原
『SUPREME STARS !!!』は、歴代の『SideM』の楽曲のフレーズが散りばめられていて、過去のエピソードが思い返されて確かにエモいのですが、『SideM』は前職の経験を経て、未来へと歩んでいるアイドルたちのコンテンツだから、あまり過去の楽曲のフレーズが入り過ぎているのは、後ろ向きに捉えられないかと不安になったんです。
中村
確かに、過去を懐かしむのは楽しいけど、その先のことが楽曲の中で描かれていなかったら、ちょっと不安に思っちゃうかも。そこでアルバムを閉じちゃう人だっているかもしれないよね。
神原
エンジェルちゃんたちがそう感じてしまうのはもったいないなと。北斗もずっと前を向いていますから。過去の栄光にすがるのではなくて、新しくゼロから歩きだして、いまは315プロのみんなと肩を並んで歩いているから、そこが伝わるのかどうかが不安で。
ただ、スタッフさんから、「過去をしっかりと振り返ることも大事で、過去の経験で得たものを再認識できるから、未来へと歩んでいくことできる」と考えもご提示いただいて。CDバージョンではプロデューサーへのセリフも収録していて、そのことを強く認識してもらえるようにもしているとのことだったので、僕もその想いに共感して、信じて届けることにしました。
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目の前にプロデューサーがいてくれる空間を守ることが『アイマス』でいちばん大事
神原
いまの話に少し関連することで、この機会に繪里子に聞いてみたいことがあって。ライブをやるときは当然アイドルとして出演しているから、自分はみんなをエンジェルちゃんとして考えていて、ライブの会場のどこかにプロデューサーがひとりだけいるという認識でいるんだよね。
だから、エンジェルちゃんとして北斗を見ているときに、プロデューサーへの言葉を使うと、ちょっと違うんじゃないかと感じて。そこは、どう考えているの?
中村
劇場版『アイドルマスター』(※3)の中で、アイドルとしてステージに立つ、その向き合いかたは人それぞれでいいと思うと後輩に助言するシーンがあって、それがすごく印象に残っていて。
※3……2014年1月25日に公開された、劇場版『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』のこと。中村
そこから、会場にいるプロデューサーさんのことを「プロデューサー」と呼ぶんだけど、それ自体はどうでもいいと思うようになったの。プロデューサーさんのアイドルへの向き合いかたはそれぞれ異なっていて、それが原因で、もしかすると「自分はプロデューサーと名乗れるのか」と思う方もいらっしゃるんじゃないかなと。
でも、私はいま目の前にみんながいてくれることが大事で、その空間を守ることが『アイドルマスター』でいちばん大事なことだと思っているの。だから、記号として「プロデュサーさん」という言葉を使うけれど、それ自体は重要ではないと考えているの。
あと、私と春香は別の人間とも捉えていて。ライブの感想で「春香がそこにいた」と書いてくれる人がいて、それはとてもうれしいんですけど、春香がお届けするライブは別にあるという感覚なんです。
『アイドルマスター』のライブは、春香が目指してプロデューサーと作り上げるステージとは違うという感覚があるから、プロデューサーさんに呼びかけるときは「あなた」と呼ぶようになりました。「あなたがいてくれて本当にうれしいです」と自然に言うようになって。私は、ひとりをいっぱい見ている感覚なのかな。
自分たちだからこそお見せできるステージを大事に
神原
その感覚は同じで、プロデューサーに呼びかけるときは「あなた」って言っているかも。それと、アイドルと自分自身は同じなのかというところも同じで、少し前に寺島(拓篤)くん(天ヶ瀬冬馬役)とそんな話をしていたんだけど、僕も寺島くんも「自分たちのJupiterと、北斗たちのJupiterは別」という考えでした。
やっぱり、僕たちのJupiterは、自分と寺島くんと松岡(禎丞)くん(御手洗翔太役)の3人なんだよね。だから、松岡くんが来られなかった10thライブでも、いろいろな演出案があった中で、松岡くんのパートは僕と寺島くんで分担したりして、僕たちのJupiterとしての輝きをお届けすることにしました。
Jupiterの3人が揃ってほしいのは当然そうだとは思いますが、でも、ふたりだからといって寂しいなとは思わせたくないんです。Jupiterはそんな弱いユニットじゃない。どんなときでも、Jupiterは最強だから。
それと自分たち演者の都合で、北斗たち、Jupiterのよさも出し切れないということはあってはならない。自分たちがいるから、彼らももっと輝ける。そんな存在であり続けたいんです。なので、自分たちとアイドルたちは別だと認識しつつ、そのときの自分たちだからこそお見せできるステージを大事に考えています。そこから、北斗たちも引っ張っていけるように攻めの姿勢は忘れずに取り組んでいます。
中村
私たちは、ユニット活動を行っているわけではないので、少し羨ましくも感じます。一方で、そこが私たち765プロオールスターズの強みでもあるのかなと考えています。誰と組んでもいいし、誰と組まなくてもいい。どの曲も全員の曲。その自由度の高さが魅力だと思います。ただ、その自由度の高さが故に、それぞれメンバーたちがひとりで戦わないといけない場面もあったかもしれません。だからこそ、直接的ではないけど、支えとなる存在でありたいとみんなが共通認識として持っていたから、全員が乗り越えられたんじゃないかなとも思っています。
神原
いまの話を聞いていてふと思ったのが、みんなが歌う共通曲でもなんとなく、「この人の曲だよね」と定着しているのがすごいなと。
中村
アーケード版のころからある『太陽のジェラシー』は全員が歌える楽曲なんだけど、春香のラストライブに『太陽のジェラシー』を選んであげると、パラメータが上昇するみたいなギミックがあって。そういった意味で、持ち歌感はあったんだよね。だけど、全員が歌える楽曲だから、持ち歌だという感覚を持つのが遅くて。
ソロ曲を初めて書き下ろすようになったのが、『MASTER ARTIST』シリーズからなので、ゲームが稼動してから約2年後で。そこで、持ち歌の概念が私の中でようやく生まれたんだよね。その前には『MASTERPIECE』シリーズがあって、そこではアイドルは選抜されているけど、収録されている楽曲は全員が歌えるから、765プロの曲というイメージを長く持っていたかも。
その中で、「全体曲だけどこのアイドルに合う曲だよね」という認識をプロデューサーさんとスタッフさんたちが持っていてくれたから、私も春香として『太陽のジェラシー』を自信を持って歌えたんだと思う。
神原
そう考えると、不思議なスタートだよね。
中村
そうして765プロの楽曲の歴史が始まってからしばらくして、後輩アイドルの『ミリオンライブ!』のみんながデビューして、CDやライブでカバーしてくれて。私たちがライブ活動を頻繁に行わなかった時期でも、曲はお休みすることなく歌い紡いでくれたのが、本当にうれしいです。
神原
ほかの人たちが歌い続けてくれたからこそ、色褪せず輝いているわけだからね。
中村
そんな『ミリオンライブ!』のみんなにも助けられながら、私たちは10周年を迎えたんだけど、当時は正直ここで終わりだと思っていたの。その後に続く保証なんてなかったし、10周年の後の1年間の予定も言えていなかったから。なので、「悔いなくここで終わってもいい」、「もうこの先がなくても後悔しない」、大袈裟な言葉かもですが、「明日死んでもいい」という心意気で、みんなライブに取り組んでいて。だけど、いまはほかのブランドの子たちががんばってくれているから、後を託せる状態になっているのがうれしくて。
神原
いまは、『アイマス』に出たいって言ってくれる子たちもいっぱいいるよね。
中村
そうなの。みんなが憧れる存在になっているのが本当にすごいなと。そうして、ブランドは広がり続けて、お互いが支え合っているので、みんなも恐れずに、悔しい思いをして泣いちゃうかもしれないけど、全力の姿をプロデューサーさんたちに届けてほしいなと思っています。
ステージを作り上げる同志としてその過程もいっしょに楽しみたい
──おふたりがこだわりを持って取り組んでいるライブですが、もし、おふたりでステージに立つことがあったら、歌ってみたい楽曲はありますか?
神原
もし、いっしょに出演させていただけるなら、個人的には『GO MY WAY!!』とか、『キラメキラリ』を歌ってみたいです。ただ、春香と北斗の接点と考えると、あまりなさそうなので、僕と繪里子だったら、ハム蔵といぬ美(※4)で『TRIAL DANCE』もありかなと!
※4……我那覇響の家族であるハムスターの“ハム蔵”を中村繪里子さん、犬の“いぬ美”を神原大地さんがそれぞれ演じている。中村
あー、なるほど(笑)。そう、いままでとくに触れてこなかったんですけど、私たち、(我那覇)響の家族なんです!
神原
だから、沼倉(愛美)さんと3人で『TRIAL DANCE』もありなんじゃないかな!
中村
めちゃくちゃおもしろくなりそう! 響(沼倉さん)がたいへんそうだけど(笑)。私は、『恋をはじめよう』です。女の子4人で披露したことがあるんですが、そのときに、なんて動きがダイナミックでおもしろい曲なんだと感激して。とくに最後の、ヘンテコなポーズ(笑)。あれを本家とやりたいです。
神原
“恋を始めるポーズ”って名前がついているアレね(笑)。僕らが自由に挙げているように、プロデューサーたちもどんどん発信してくれたうれしいです。
中村
ライブでやってみたいことではないんだけど、私はずっと実現を願って発信していることがあって。ギャグみたいに思われているかもしれないけど、サーティーワンアイスクリームさんと315プロにコラボしてほしいんだよね。サーティーワンアイスクリームの商品で、アイスクリームを3種まで選べるトリプルポップはあるけど、コラボのときには5つにしてもらって楽しめるようにするとか。
神原
それはいいね! 北斗だったらこの味が好きそうかもと考えたり、5つまで選べるなら、例えばCafeParade(※「Cafe」の「e」はアキュート・アクセント付き)たちをイメージしてみたり。いろいろな楽しみかたができそうだよね。
中村
私が考えているように、ゲームの中だけに留まらない活動なども提案してくれたらうれしいですね。
――2025年12月に、“MOIW2025(※5)”が開催されることも発表されました。初のシリーズ6ブランドの合同ライブということで、意気込みを聞かせてください。
※5……THE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WORLD 2025のこと。中村
10周年のときは、これで終わっても後悔しないと取り組んでいましたが、今回は『アイドルマスター』の未来が確実にある状態です。自分たちがどうにかしないとブランドそのものが終わってしまうかもという状態ではないので、みんなに背中を預けながら歌えるのがとても楽しみです。
神原
前回の合同ライブから新しい仲間も増えていますので、どれほどすごいライブになるのか、いまからワクワクが止まりません! 前回の“MOIW2023(※6)”では、Jupiterとしては沼倉さんや長谷川明子ちゃんたち元961プロのみんなと『BRAND NEW FIELD』を歌えたのが本当に思い出深くて。
※6……“THE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WORLD!!!!! 2023”のこと。【関連記事】
中村
あれは本当にエモかった!
神原
ほかには、『シンデレラガールズ』の『Tulip』を『SideM』のみんなと歌えたのも印象的でした。僕たちなりに本家の皆さんに見劣りしないように見せかたを工夫して披露して、それをプロデューサーたちに受け入れてもらえたのがうれしくて。
中村
違法『Tulip』と言われていたり(笑)。
神原
そういう意味では、女の子のアイドルたちによる脱法『ムンナイ』(『MOON NIGHTのせいにして』)も盛り上がったよね(笑)。物騒なネーミングだけど、それも含めて楽しんでもらえて、話題にもしてもらえたのが、すごく『アイマス』らしくて素敵だなと。
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中村
プロデューサーさんたちは、私たちがそういったスラング的なことを知らないと思っていらっしゃるかもしれないけど、じつはすごく知っているし、理解しています! そこを私たちも楽しませてもらっています。
神原
そうなんだよね(笑)。少し話は変わるけど、JupiterとDRAMATIC STARSで初めていっしょにライブをやったときに、北斗が画面を通り過ぎると何故か問題が解決する動画みたいなものが流行していたのを参考に、そのライブで僕が再現したら、一部の人にめちゃくちゃ受けていて。
一同 (笑)。
神原
そんな、プロデューサーが楽しんでいるネタを僕ら演者も取り入れて楽しいことをやり合うような関係性がずっと続いてほしいと思っているんです。それが、僕の好きな『アイマス』だから。なので、12月の合同ライブでも僕らは好きにやると思いますので、プロデューサーたちにも好き放題楽しんでもらえたらうれしいです。
──それでは最後に、プロデューサーさんにメッセージをお願いします。
神原
『アイマス』ブランドも『SideM』も、いろいろなところからプロデューサーさん、そしてエンジェルちゃんたちが入ってきてくれていると感じています。自分の中では、プロデューサーが作りたいものをアイドルとしてステージで表現したいと思っています。ですので、最近興味を持っていただけた方も「これは提案してはいけないのかな」、「迷惑なのかな」と考えすぎず、プロデューサーたちの想いを存分に発信していただきたいです。
僕たちは、ともにステージを作り上げる仲間ですし、作り上げる過程も楽しんでほしいです。皆さんの声を聞いて僕も全力で応えていきたいと思いますので、これからも熱心なプロデュースをよろしくお願いします!
中村
20年前は、同じ作品で今日までともに活躍する未来は見えていませんでした。そんな大地とお話をさせてもらえて、私は私なりの意見を提示することができました。同じ考えや、そうでない考え。お話しする中で、私もたくさん刺激をもらえました。そして、『アイドルマスター』もそういう存在であり続けられたらなと感じました。
アイドルへの向き合いかたは人それぞれだけど、好きという想いさえぶれなかったら、どのような向き合いかたをしていても、立派なプロデュースだと思います。私と大地も、考えかたが違っている部分もあるけど、想いに共感しているから交流が続いている。あなたのまわりにもそういった存在が絶対にいます。いま見つからなくても、これから見つかるはず。
ですので、諦めずに『アイドルマスター』が好きだと発信し続けてほしいですし、そこから想いを共感し合える同僚さんとともに、これからもプロデュースをしてほしいです。そして、その姿を私たちにも見せてくれたらうれしいです。
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