1998年にコナミ(現コナミアミューズメント)より誕生した音楽シミュレーションゲーム『pop'n music』(ポップンミュージック。通称、ポップン)シリーズ。2025年6月30日に、最新作ロケテストの開催が突如発表された。
当時の発表によると、最新作の試遊は2025年7月5日~7月6日に東京レジャーランド秋葉原店で開催(後に大阪でも開催)。詳細は発表されなかったものの、ファンは久しぶりの展開に心踊らせてロケテスト当日を待った。
果たして、ロケテスト当日にその詳細は明らかになった。最新作の正体は久しぶりの新筐体だったのだ。関連ワードはX(Twitter)で複数トレンド入り。現役プレイヤーのみならず、かつて遊んでいた人たちも注目するほど反響は大きかった。


東京・大阪でのロケテストからしばらく後、コナミアミューズメントさんから「『ポップン』最新作を遊んでみませんか?」とお誘いをいただいたので、さっそく取材へ行くことに。取材場所のオフィスに到着し、会議室でやるのかなと思ったが、違う場所らしい。いったいどこでやるのだろうか。

あった。
取材用のスペースと奥に鎮座する新筐体。ゲームセンターで遊ぶのとはひと味違う、なかなかレアな光景である。
せっかく試遊するのであれば開発スタッフに話も聞きたい。取材現場に現れたのは、これまで『ポップンミュージック』シリーズの楽曲制作をはじめ、『BEMANI』シリーズの制作にも多く携わってきたDes-ROWプロデューサー、wacディレクターである。ロケテストの反応や今後の展開など、新筐体に触れつつ訊いてみた。

Des-ROWプロデューサー(左)とwacディレクター(右)。

プレイ担当のトニオ國崎。『麻雀ファイトガール』のBEMANIイベントで聴いた『Sing a Song Sign』が忘れられず、約13年ぶりにポップンに復帰。難度ノーマルまでしかクリアできない実力なので、プレイングについては温かく見守ってください。
画面はでっかく43インチ、リフレッシュレート120Hzへ進化。新たな“ポップ君ボタン”も
音楽に合わせて上から降ってくる“ポップ君”に合わせて、9つのボタンを叩いて演奏する本シリーズ。2010年に出た筐体と比較すると、かなり大きくなって迫力を感じる。ワイドモニターは32インチから43インチへ、リフレッシュレートは120Hz対応となっている。


側面にはイヤホンジャックが追加。このテスト筐体では正面付近にあり、お腹に当たってしまうかもしれないので、穴の位置はもう少し端に寄せる予定とのこと。
これまではボタンを押して遊ぶ楽曲を選んでいたが、メイン画面の下についているタッチパネルで操作できるようになり、ここでオプション設定なども変えられる。もちろん、これまで通りボタン操作での曲選択も可能だ。なお、タッチパネル画面の表示や配置は取材時点のものであり、これから修正・調整予定である。この記事の写真は参考程度に考えておいてほしい。



歴代バージョンやレベル順、ほかのコナミ音ゲーなど、いろいろな基準で曲を探せる。

オプション画面。新機能として判定調整機能が追加された。


プレイ画面のタイプ変更。新筐体の画面サイズに合わせたノーマル(左)、旧作に合わせたスリム(右)の2種類がえらべる。
新筐体の中でも目立つのが、新しく両端に置かれた“ポップ君ボタン”だろう。現時点では赤ボタンがHIDDEN、青ボタンがSUDDENの切り替えに対応している(※)。初めて触ってみたが、押した感触は少し硬めに感じた。
※HIDDENは画面下部を隠し、SUDDENは画面上部を隠す。隠れる範囲は調整できる。プレイヤーによるが、目線の固定や認識範囲の調整などに使われる。 試遊中にスタッフに聞いてみたところ、新筐体の9ボタンのバネの重さはこれまでのものより軽くなるそうだ。筆者がちょっと硬いと感じたポップ君ボタンも、合わせて軽くするように調整するという。



途中でポップ君の落下速度が変化する『JOMANDA』でSUDDEN切り替えの試運転。

叩かれるポップ君ボタン。
ポップ君ボタンのデザインはスタッフのとある一声。思い入れが深いタイトルだからこそやりたい展開も
試遊がいったん終わり、ここからは開発インタビューの時間。それぞれ席に座り、まずは新筐体がどういったきっかけから生まれたのか質問をぶつけてみた。

Des-ROW
もともと僕は『ポップン』の音楽を作っていた人間なんですけど、仕事がいろいろ変わって『ポップン』と離れている時期がありました。外から見ていて「まだ変えないのかな、新しいの作らないのかな……」とずっと思っていて。「そろそろやろうよ」なんて思いながら月日が経って……。自分が新筐体を作れるような立場になったら絶対やりたいと思ってました。で、なったから「さぁやるぞ」って始まりです。
――急にズバーンといきましたね。
wac
間がすっ飛ばされてる。
Des-ROW
昔からすごい思い入れが深いタイトルなんです。
wac
前の筐体が15年前ですから、『ポップン』新筐体を作ろうっていう機運は高まっていたと思います。
――ポップ君ボタンなどの新要素はどのように生まれたんですか?
Des-ROW
まずポップ君ボタンはですね……最初“ここ”に付けていたんですよ。

ここ。
――側面に?
wac
そうか。そうだったなぁ。
Des-ROW
ただ、この位置だとお腹に当たるので両端に移動させました。

イスに座って落ち着いた状態で始まったインタビューだが、すぐに立ち上がって新筐体の周りに移動する我々。ゲームが好きすぎる。
Des-ROW
いつもの9ボタンを使うのはもう決まり切っていて、新しい筐体を作るんだったら新しいことをしないとつまらないかなと。最初はただのデカいボタンだったんですよ。スタッフで集まって「なんか足りないね」という話をしてました。

我が子のように愛でられるポップ君ボタン。
――まぁたしかにデザインが物足りないというのは少しわかります。
Des-ROW
そこから、『ポップン』が好きなハードウェアセクションのスタッフが「これ、ポップ君がいいんじゃね!?」と言って、「それだ!」と。
――すごいシンプルですけど革命みたいな瞬間ですね。ぱっと見の『ポップン』らしさがよく表れています。
Des-ROW
実際ハマりましたね。ただ、新しくボタンを増やすとなると、位置調整がたいへんで。
――あ、そうか。両端のボタンを押すとき、ポップ君ボタンが近すぎると手が当たるかもしれないんですね。
wac
そうですね。最初は距離が近かったので、どんなプレイスタイルでもぶつからないようにと。(プレイヤーが)ケガをしないように気を付けるポイントがいろいろあるんです。

もともとはポップ君ボタンがもう数センチほど近い位置にあったらしい。こういう工業系の工夫はアーケードゲーム筐体ならでは。
Des-ROW
ちなみに、ポップ君ボタンは塗装じゃなくて、そういう色の樹脂で作られています。叩きすぎて色が薄くなったらイヤじゃないですか。
――色を塗ったものだと、叩いているうちにだんだん剥げますよね。
Des-ROW
100万回叩かれても大丈夫なように。

せっかくなので愛でられるポップ君ボタンをもう一度。かわいいですね。
――ほかの新要素だとモニターのサイズも大きくなってリフレッシュレートも変わりましたよね。やっぱり新しくするなら120Hzは絶対出したいとか?
Des-ROW
120Hzは基本として、その中でいちばんいい性能のモニターを探していたら43インチになりました。
wac
120Hzの43インチ設定は変わらずその方向で進める予定です。モニターが大きいと、情報をいっぱい載せられるのがいいですよね。FAST/SLOWやほかの表示とか。キャラクターも大きく見せられますし。


――遊んでて思ったんですけど、昔のイラストの画質がよくなってませんか?
Des-ROW
大きくきれいに映すために全部直しました。
wac
さらに初期のキャラクターはそのまま拡大するとドット感が目立ってしまうので、きれいに見えるように作り直しています。もちろんまだ開発中なので、製品版ではもっとよくなると思います。


――新規アニメーションのデザインですが、こちらもまだ開発中でしょうか? ロケテストのときは「Live2Dっぽい?」と反応している人もいましたけど。
wac
Live2Dではないですね。いままでと同じアニメーション技術を使って表現しています。
――完成が楽しみですね。



立ちっぱなしのままUI調整談義が盛り上がったが、いったん着席することに。
ロケテ時の反響から伺えるポップン愛。気になる“新曲”というのは……
――東京と大阪でロケテストが終わった後ですが、手ごたえはどうでしょうか。
wac
総じてよかったですね。もう何年も(ロケテストを)やってなかったんですよ。最初の告知は「新筐体を出す」とは言ってなかったですし、そこで当日判明して喜んでいる声も出ていました。
Des-ROW
筐体は1台しか出せなかったので、抽選応募式にさせていただきました。
wac
ありがたいことにたくさんの応募をいただけまして、なかなかの倍率でした。
Des-ROW
プレイできなかった人には本当に申し訳ないなと思いながらも、「できないけど見に来た」という人もいらっしゃって。僕も見に行ったんですけど、いろいろ話しかけてくれる人もいてうれしかったです。

――具体的にどのあたりが好評でしたか?
wac
筐体のデザインが『ポップン』らしくていい、という声はたくさんいただきました。あとはモニターの仕様とか。判定調整機能の要望も多かったですし。
Des-ROW
俺たちの知ってる『ポップン』が新しくなって、曲のジャンル名が復活して、イヤホンジャックも付いて帰ってきたと。
wac
望まれてることはできる限り全部詰め込んで……というのが今回狙ってるとこなので、そこは過不足なくいきたいと思ってます。
――Webアンケートもありましたが、現時点で修正点などありますか?
wac
ボタンをちょっと軽くしたり、こういうオプションやあのモードが欲しい!……。あとはキービームが目立ちすぎてもうちょっと短くしたい、オフにしたいとかそういう声もありました。
Des-ROW
逆に「このまま出してほしい」って声もあったよね。
wac
もろもろ要望をいただいているので、慎重に進めて可能な限り反映できたらなと思っています。
――キャラクターや曲が多いシリーズですが、過去作のようにスタッフコメントや紹介ページなど用意される予定はありますか。
wac
個人的に自分はああいうページが大好きだったので、キャラクターや新曲紹介とかやっていきたいと思っています。
Des-ROW
やります!
wac
簡単に言うなぁ(笑)。
――コナステの『pop'n music Lively』のこれからの展開はどうでしょうか。
Des-ROW
『Lively』は新筐体のリリース後にもいっしょに合わせて盛り上げていきたいと考えています。機能的に整ってないとこがけっこうあるから、そういうのはちゃんとしたいですし。
wac
そうですね。『Lively』にある機能をこちらに入れたり。こちらの機能を『Lively』に入れたりとか、やれることはいっぱいあると思うので続けていきます。

――前に公式X(Twitter)で「ポップンにゆかりあるアーティストの新曲をいっぱい準備しているみたい……?」と発表されていましたよね。「ヒップロックの新作やZuttとか」の部分がすごい気になります。
wac
あれ「言っていい」って言いましたよね。
Des-ROW
いや、あそこで言うと思ってなかった。
wac
嘘でしょ(笑)。確認したって。いやいやいや。

Des-ROW
ビックリした。がんばって作ろうと思ってます。
wac
当時のサウンド担当もいろいろ立場が変わったりとか、音楽以外の仕事をしてる人も、自分も含めて多いので。でも気持ちだけは。たまに曲を作ると楽しいんですよね。
Des-ROW
気持ちだけは前のめりで。
――もしかするとその……最近曲を作ってなかった人が参加したりも……?
wac
あるかもしれないですね!
――めちゃくちゃアツイですね。楽しみにしています。

――すみません、あと最後に……。


スッ。
――筐体の寸法だけスケールで測らせてください。モニターが大きくなった分、立って見たときの感覚とか変わる人がいるかもしれないので、高さだけ……。
というわけで許可をいただき、筐体の高さをスケール(※)でざっくり測っていく。
※「スケールじゃなくてメジャーだろ」、「いやコンベックスだろ」と呼び方が分かれそう。

急に測量を始める。
公式Xでの発表では「コントローラーの高さや遊ぶ時のモニターまでの距離や角度は同じまま」とのことだったので、とりあえず床からの高さやボタン部分の幅をチェック。最後に測ったメモを残しておくので、参考になれば幸いだ。ポップ君ボタンの幅を素で調べ忘れていたのは許してほしい。
【新筐体(目安)】
- 床~ボタンパネルまでの高さ:約90cm
- 床~43インチモニター下限:約110cm
- 床~43モニター上限:約160cm
- ボタンパネルの全幅:約108cm
- モニター幅(フレーム含む):約103.5cm
- 筐体全高:約230~240cmあたり

筐体との比較。身長168cmのライターが並んでこのくらいの大きさ。