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『パタポン』の精神的後継作『ラタタン』はリズムアクションをベースにした戦略性・中毒性のある骨太タイトル。ローグライト要素が生む奥深さにハマりそう【BitSummit the 13th】

byヒゲメガネ長谷部

更新
『パタポン』の精神的後継作『ラタタン』はリズムアクションをベースにした戦略性・中毒性のある骨太タイトル。ローグライト要素が生む奥深さにハマりそう【BitSummit the 13th】
 2025年7月18日~7月20日まで京都・みやこめっせで開催されるインディーゲームの祭典“BitSummit the 13th(ビットサミット ザ・サーティーンス)”。本記事では『Ratatan』(ラタタン)を紹介していく。
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シンプルで楽しい基本システムの裏に隠された罠。それは可愛すぎる問題

 『パタポン』のクリエイターが送る新作ということもあり、注目を集めている『ラタタン』。その注目度は数字にも表れており、2023年8月から始まったクラウドファンディングでは初期設定のゴールが2000万円だったところ、実際にはその10倍以上となる2億円超が集まり、ここでも話題になった。

 ゲームの基本システムは『パタポン』に近いところがあり、ラタタンと呼ばれるプレイヤーが操作するキャラがリズムコマンドを奏で、コブンと呼ばれるミニオンがそれに従ってアクションをとっていくというもの。リズムコマンドは難しくなく、どのボタンをどんなタイミングで打っていくかで効果がかわる。
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 『パタポン』では複数ボタンを組み合わせたコマンドが多かったが、『ラタタン』ではひとつのボタンのみを使うコマンドで均されているのも特徴と言えるだろう。
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どのコマンドもひとつのボタンをリズムに合わせて押すだけなので、手元がバタバタしない。アクション要素もあるため、この設計はうれしい。
 『パタポン』との最大の違いとして、プレイヤーが直接操作するキャラクター(ラタタン)がいる、という点が挙げられる。『パタポン』はリズムに合わせてコマンドを入力し、それによってすべてをコントロールしていたが、リズムコマンドとは別に操作する存在がいるのだ。

 コブンたちはラタタンを中心にアクションをするようなので、とくにコブンたちを自分のもとに集合・整列させるコマンドでは、自分(ラタタン)がどの位置にいるかが重要。またラタタン自身にもHPが設定されているので、敵の攻撃を避けつつコマンドを入力する、アクションゲームとしてのスキルも重要だ。

 リズムを聞き、コブンの位置や敵のアクションを見て、適切にコマンドを入力したり敵の攻撃を避けたりと聞くと、かなり慌ただしいゲームに思えるかもしれないが、そんなことはない。実際にプレイをしてみると、敵の攻撃はそこまで苛烈ではなく、リズムも聞き取りやすい。リズムは体で覚えられるし、コマンドもワンボタンをリズムよく入力するだけなので、手元は意外と静かだ。

 ただし、だからと言って難易度が低いわけではないのが本作のおもしろいところ。詳しくは後述するが、アクション要素以上に戦略性も大事なゲームなので、かなり骨太なアクションゲームになっていると感じられた。
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敵の動きはよく見ておかないとダメ! ほかに気を取られている隙に、コブンがこんがり焼き上がってしまうことも。ごめんよ、コブンたち……。
 また本作には意外なところに落とし穴がある。ラタタンもコブンも敵もかわいすぎるのだ。プレイ序盤では、彼らの姿やセリフに目を奪われてダメージを受けることも出てくるだろう。
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ふと出てくる吹き出しに目を奪われる。コブンたち、ワードチョイスかわいすぎんか?
 でもそれでも許せちゃう。だってかわいいんだもん。

ローグライク要素

 リズムコマンド×アクションというゲームのイメージが強かった本作だが、ローグライトのテイストも用意されている。用意されているというか、これがかなり重要(だと思う)!

 『ラタタン』ではステージの途中、バトルの区切り目などにアイテムを取得するパートが挿入される。そして入手アイテム候補の中に、“ラタカルタ”というスキル情報が書き込まれたカードが出てくることがある。
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 このラタカルタの内容は非常にバラエティ豊かで、たとえば“攻撃をヒットさせると敵に毒を付与する”とか、“ラタタンの周囲に定期的に爆発を発生させる”など、効果も属性も多岐にわたっているのだ。プレイにおいては、どんな“ラタカルタ”を選んで取得していくかは大きな分岐点にもなるだろう。

 また、ステージでどんな“ラタカルタ”を入手できるかは完全にランダム。チャレンジするたびに違うプレイ体験が得られるようになっている。
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 ラタタンそれぞれに個性があり、どのような部隊を編成するかによっても戦いかたは変わってくるため、自分のプレイスタイルにあわせた“ラタカルタ”のチョイスが、ステージ攻略のカギになりそうだ。

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デモ版で選択できたラタタンたち。見た目はもちろん能力もまちまちだ。

育成&編成でオリジナルのリズム部隊を作れる

 ステージに挑む前に、使用するラタタンやコブンの武器を変更することもできる。ラタタンにはそれぞれ個性があり、何を得意とするかもそれぞれで異なっているので、ラタタンの個性にあわせてコブンが持つ武器を変更するのも、攻略のポイントになるだろう。
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 ちなみに、コブンに装備させられる武器は8種類。製品版ではラタタンも8人登場するということなので、組み合わせはかなりの数にのぼり、編成も奥が深そうだ。
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 またステージ中で拾い集めたアイテムやクエスト報酬として得られたアイテムを消費して、コブンやラタタンを強化できるシステムも。育成要素の上限がいかほどに設定されているかは不明だが、編成や強化をこだわり続ければ、かなりの時間プレイできることは間違いなさそう。
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 今回のデモ版プレイでは体験できなかったが、本作は最大4人のマルチプレイも実装されるという。みんなで集まってワチャワチャとステージに挑むさまは、想像するだけでも楽しそう! マルチプレイの仕様など気になる点もあるが、これについては続報を待つほかないだろう。

ゲームオーバーになってもなお遊びたくなる、中毒性のある骨太なリズムアクション

 最後に総じてのレビューをまとめておこう。

 ラタタンやコブンの可愛さに目を奪われると、確実にダメージを負うことは冒頭でも記した通り。しかしそれを差し引いても、ゲームの難易度はしっかり設定されているのを感じた。

 敵が攻撃の予備動作をしたら、ラタタンはもちろんコブンもちゃんと逃さないとこちらのリソースが削られてしまう。しかしコブンを逃がすにはまずラタタンを逃がし、そこにコブンを集合させるか、攻撃前に防御(ガード)のリズムコマンドを送り、ダメージに備えておかなければならない。

 またコブンの編成や手にれた“ラタカルタ”を最大限に活かすためには、立ち回りをちゃんと考える必要もある。シンプルなアクションではなく、編成や“ラタカルタ”というローグライト要素が戦略性を生んでおり、『ラタタン』のバトルはかなり奥深く、歯ごたえのあるものとなっている。

 しかしだからといってそこに理不尽さを覚えることはなく、リズムに乗って遊ぶ楽しさがすべてを優しく包みこんでくれているのも、本作の大きな特徴。触っているだけで楽しいゲームなので、トライアンドエラーが苦手な人でも楽しくプレイを続けられるだろう。「気がついたら延々とプレイしていた」という状況が生まれても不思議はない、中毒性を持つゲームのように感じた。

 アーリーアクセスのリリースタイミングは延期が発表されたが、それでも期待が募る作品。プレイ可能になったタイミングでいち早く遊びたい人は、ウィッシュリスト登録を済ませておこう!
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集計期間: 2025年07月20日00時〜2025年07月20日01時

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