『アイマス』“如月千早武道館単独公演”という文字面に勝るものはない。楽曲の予習範囲はすべて。“OathONE”の担当者に気になることを直撃

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『アイマス』“如月千早武道館単独公演”という文字面に勝るものはない。楽曲の予習範囲はすべて。“OathONE”の担当者に気になることを直撃
 バンダイナムコエンターテインメントは、2025年3月26日に『アイドルマスター』シリーズの765プロダクションに所属するアイドル“如月千早”の日本武道館単独公演“OathONE”を2026年1月24日に開催することを発表した。

 音楽の聖地とも呼ばれる日本武道館のステージに如月千早がひとりで立つということで、大きな話題を呼んだ。そんな同公演について、制作に携わるスタッフにインタビューを実施。開催の経緯、本公演に込めた想いや意気込み、さらにセットリストの予習範囲など、気になることを聞いた。

 なお、本インタビューは5月2日に発表された追加公演の決定前に実施したものとなるが、追加公演についても新たにコメントをいただいたので、記事の最後にご紹介。追加公演のアソビストアプレミアム会員向け最速先行申し込み受付は5月25日23時59分まで実施中となっているので、こちらもお忘れなく。
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吉本行気氏よしもと たかおき

AE事業部 765プロダクション クロスメディア課 マネージャー。MIRAIKEN Studio及びMR事業全体を担当。“OathONE”でも事業全体のビジネス枠組み設計やMR戦略を担当している。文中は吉本。

石田裕亮氏いしだ ゆうすけ

AE事業部 765プロダクション クロスメディア課 アシスタントマネージャー。“電音部”統括ディレクター/『アイドルマスター』シリーズ 「“MR”-MORE RE@LITYプロジェクト」 プロデューサー/961 PRODUCTION presents 『Re:FLAME』/“THE IDOLM@STER M@STER EXPO LIVE SHOWCASE AREA”クリエイティブプロデューサー。MR事業全体のクリエイティブを担当。コンセプト設計や演出構成など公演内容の制作を務める。文中は石田。

“如月千早武道館単独公演”のインパクト

――今回は会場が武道館ということで、『アイマス』シリーズのMRライブとしては最大規模になるかと思いますが、プロジェクトはいつごろから動き出されていたのでしょうか?

吉本 
構想自体は1年ほど前からありました。これまでは、菊地真と萩原雪歩による“はんげつであえたら”の前橋(ベイシア文化ホール)だったり、星井美希、四条貴音、我那覇響による“Re:FLAME”の京都(ロームシアター京都 メインホール)だったり、2000人くらいのキャパシティーの会場で開催してきました。私たちも初めてのことだったので、技術的な制約などもあり、そのくらいの規模感での開催になっていたのですが、「いつかもっと大きな会場で見ていただきたい」という想いがありました。そうしたときにせっかく大きな会場で開催するのであれば、「皆さんにとって特別な1日になるようにしたい」と考えたのがキッカケです。そこから武道館を意識し出したのはいまから半年くらい前です。
石田 
それと同時に『アイマス』シリーズが今年で20周年なので、「特別なことができるといいよね」ということもありました。おかげさまで、アイドルたちのライブが浸透してきていたということも後押しになっています。

吉本 
MRライブは、最初はコアなイベントになっていたかなと思いますが、昨年の“アイマスエキスポ”なども経て、より多くの方に観ていただけるようになってきていたので、タイミング的にもいまがベストかなと判断しました。

――“アイマスエキスポ”の(天海)春香、(秋月)律子はソロでしたが、これまで単独で開催された公演としては、“はんげつであえたら”では真と雪歩のデュオ、“Re:FLAME”では美希、貴音、響のトリオというようにユニットで行われました。そんな中で、千早は単独でと最初から決めていたのでしょうか?
吉本 
大きな会場でやりたいとなったときに候補として武道館という案が挙がりました。武道館は音楽の聖地とも呼ばれていますし、そのステージに立つのであれば、やはりユニットではなく、ソロのほうが覚悟なども伝わるでしょうし、インパクトもあるだろうと。そうしたときに誰が相応しいかと議論をする中で、如月千早が立つ姿を見届けて、その気持ちを皆さんと分かち合いたいなと思いました。

石田 
シンプルに「武道館にアイドルがひとりでステージに立つのはカッコよくない?」という気持ちもありました。

――それこそ、初代『アイドルマスター』では、ルートによっては武道館でライブをするという展開もありましたからね。

石田 
そんな中で、いろいろなスタッフから「武道館にソロで立つなら千早でしょう」という意見が出ました。今回はそういったアイドルがひとりで武道館のステージに立つという過程も皆さんといっしょに作っていけるといいかなと思って、いつもより早く発表させていただきました。

吉本 
MRプロジェクトとしては、特段の予定調和やルート決めをしているわけではないので、本当にその時々の最適な形をつねに模索し続けています。なので、もしかしたら765プロオールスターズ全員で武道館に立つということもあったかもしれないです。でも、今回は武道館にアイドルがひとりで立つということをプロデューサーの皆さんは観たいだろうと思いましたし、我々も観たかったので、千早単独での開催という形になりました。

――先ほど大きな会場で開催するとなったときに武道館が候補に挙がったというお話がありました。同じ規模感で『アイマス』シリーズとも関わりの深い会場としては幕張メッセなどもあるかと思いますが、やはり武道館にこだわられた感じでしょうか?

吉本 
めちゃくちゃ意識しましたね。やはり一発目を武道館でやりたいと思いました。もちろん、ほかの会場も素晴らしいですが、先ほどもお話しした通り、武道館は音楽の聖地ということもありますし、“如月千早武道館単独公演”という文字面に勝るものはないのではないかと。

――本当にすごいインパクトでした(笑)。順番が前後してしまいましたが、これまで765プロオールスターズのアイドルたちのライブとしては、“はんげつであえたら”、“Re:FLAME”、そして、“アイマスエキスポ”で春香と律子のソロ公演が行われていますが、反響などはいかがですか?

吉本 
とても好評いただいている印象です。昔から応援してくださっている方にも最近の元気な姿をお届けすることができましたし、世代によってはCGライブのほうが見慣れているという方もいらっしゃるので、そういった方々にも興味を持っていただけているのかなと。現地に足を運んでくださったり、配信で視聴してくださる方々の年代の幅も広がっていますし、男女比的にも女性の方が徐々に増えてきています。ライブの内容についても、さまざまな反応をいただいたり、プロデューサーの皆さんどうしで意見を交換し合ったりしていただけているようで、我々としても手応えを感じています。

石田 
それこそ765プロダクションは今年で20周年なので、会場に足を運んでくださるのは、歴戦のプロデューサーが多いのかなと思っていたのですが、10代の方もたくさんいらっしゃって驚きました。先ほど、吉本からも少しお話しした通り、若い世代の方々には、CGライブのほうが馴染みがあるという方もいらっしゃるので、「『アイマス』でCGライブをやっているなら行ってみよう」というような形で足を運んでくださっているのかなと。さらにそこから昔から応援してくださっている方々から、これまでのアイドルたちの変遷などを聞いたり、交流を深めてくださっているのかなと思っています。

吉本 
やはり765プロダクションはつねに新しい挑戦の最前線にいて、時代を切り開いてきてくれたアイドルたちなので、そういったものとの相性もいいのかなと思っています。

石田 
今回の記者会見もそうですよね(笑)。
――確かに、最初にアイドル(千早)が記者会見をやると聞いたときは、「どうなるんだろう?」という疑問はありつつ、「おもしろそう!」と思いました(笑)。ちなみにいまはまだ、いろいろと内容を詰めている段階かと思いますが、演出面などで新しい挑戦をされる予定などはありますか?

吉本 
武道館という会場でやるからには、エンターテインメントをしっかりやり切らないといけないと思っています。そこには、会場に足を運んでくださっているプロデューサーの皆さんとステージに立つアイドルとの関係値をもっともっと作っていかないといけないと感じています。そのための挑戦と言いますか、そういったことを意識した取り組みを行っていきたいなと考えています。

石田 
じつは回を重ねるごとに演出だったり、音だったり、技術的なチャレンジだったり、いろいろ進化させています。なので、今回もさらに一段上がったものを見せられるようにがんばりたいと思います。

――たとえば、“はんげつであえたら”では、ストーリーと連動したライブだったのに対して、“Re:FLAME”は星井美希、四条貴音、我那覇響の3人が961プロダクションに所属していたらというif的な要素はありつつも、歌や音楽だけでの純粋なライブという印象がありましたが、今回はどちらに近い雰囲気になりそうでしょうか?

吉本 
また違った軸になるかもしれないです。

石田 
正直、いまの段階ではいろいろなコンセプトがあって、まさに詰めている段階なので、そこも含めて楽しみにしていただければと思います。

――楽しみにしています。

吉本 
あと単純に開催まで1年近くあるので、それだけ時間があると技術もかなり変わってくるんですよね。

石田 
半年でもかなり変わってきますからね。

――そんなにも技術の進歩は早いんですね。話は変わりますが、“はんげつであえたら”では『Halftone』、“Re:FLAME”では『REALIZE!!!』という新曲がありました。ということは、今回も新曲はあるのでしょうか? しかも今回はソロでの公演ということで、歌う曲数も多そうなので1曲と言わず、もう何曲か期待したいところですが。

吉本 
どうなんでしょうね(笑)。

――『アイマス』シリーズのMRライブは現地と配信とではかなり見えかたが異なり、それぞれ違った楽しみがあるように感じていますが、今回もこれまでと同様になりそうでしょうか?

吉本 
これまでと近しいタイプになるとは思います。ただ、武道館は会場の形状がかなり独特なので、どういう風な作りにすればいいのかという部分の技術検証などが必要だと感じています。

石田 
これまではホールだったので、基本的には同じような作りをしていましたが、武道館は特殊なので作りかたを考えないといけないなと。

吉本 
そのあたりについては、これからの準備期間でしっかり詰めていきたいと考えています。ただ、技術や手法は変わるかもしれませんが、思想の面ではこれまでの公演と同様に配信では“アイドル本人がいちばん魅力的に見えるようにする”ということを大切にしたいと思います。

――ちなみにこちらも詳細はまだ詰めている段階かと思いますが、いわゆる楽曲の予習範囲はどのようになりそうでしょうか? 先日の“Re:FLAME”追加公演では、まさかのドラマCD『THE IDOLM@STER Eternal Prism』シリーズから『Melted Snow』、『黒い犬』、『ストレートラブ!』の3曲が披露されましたが……。

石田 
予習範囲はすべてです。

吉本 
1年近くありますので、全曲しっかり予習していただければ(笑)。

――わかりました(笑)。それでは、ファンの方にメッセージをお願いします。

吉本 
できる限り最高の舞台を用意できたと思いますので、私たちはそこに向けて準備を進めていきますが、ライブはお客さんが入って初めて完成するものなので、ぜひその瞬間を皆さんに見届けてほしいですし、私たちもいっしょに見届けたいです。

石田 
制作は引き続き“はんげつであえたら”、“Re:FLAME”のチームになりますので、さらに進化した形を見せられればと思っています。今回は会場が大きいので、千早のプロデューサーさんだけではなく、他のブランドも含めて『アイドルマスター』シリーズのことを好きな方や、これまでシリーズのことを知らなかった人も含めて、より多くの方に足を運んでいただけるとうれしいです。

追加公演のコメント

 追加公演についておふたりから新たにコメントをいただいたので、最後にご紹介。

吉本 
多数のお申込み、誠にありがとうございます。“アイドルマスター単独武道館公演”という新しい挑戦に運営としても不安を抱えながら記者会見を迎えましたが、思いがけない反響があり、当初の想定以上の応募をいただくことができました。皆さまからの熱いご期待にお応えしたいという思いから関係各所と調整を重ね、関係者の皆さまのご協力のおかげで、追加公演を開催できる運びとなりました。皆さまからの温かいご支援に、心より感謝申し上げます。

石田 
みなさまの想いによってシナリオがリアルタイムに書き変わっているという感想です……! ライブが終わっていったいどんな景色になるのか……しっかりと準備を重ねさせていただきますが、ステージを真の意味で完成させるのはみなさまの想いだと思っているのでいっしょにその景色を創り上げていただけるとうれしいです。

公演概要

イベント名:如月千早武道館単独公演「OathONE」
日時:
 2026年1月24日(土)16:00開場/17:00開演
 2026年1月25日(日)15:00開場/16:00開演 ※追加公演
場所:東京・日本武道館
出演アイドル:如月千早
主催・企画:株式会社バンダイナムコエンターテインメント
制作:株式会社バンダイナムコミュージックライブ
[2025年年5月11日13時00分修正] インタビュー対象の方のプロフィールを追記しました。
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集計期間: 2025年05月12日04時〜2025年05月12日05時