作家デビューを目指す見ず知らずの女性ふたりが、作家のアイデアをシミュレーションできるマシンに閉じ込められて、互いに協力して世界からの脱出を目指す物語が展開されていく。SF、ファンタジー世界での冒険は、分割画面で進行していくので、お互いの視点を確認しつつ、協力プレイを楽しむことができる。
また、本作では、一方のプレイヤーがゲームを所持していれば、もう一方のプレイヤーはゲームを所持していなくてもいっしょにプレイできる“フレンドパス”に対応。EAアカウントを持っていれば、PS5×PCのようにクロスプラットフォームでのプレイも可能なので、所有しているゲーム機が違っていても遊べるのは、うれしい仕様だ。
本記事では、そんな『スプリット・フィクション』のレビューをお届けする。合わせてプレイ動画もどうぞ!
見ず知らずの作家ふたりが巻き込まれたのは、お互いのアイデアの世界
■ミオ・ハドソン
ジャンル:SF
性格:堅苦しい。決断力がある。現実主義者。内向的。

ジャンル:ファンタジー
性格:カリスマ的。共感的。楽観主義者。外交的。

ふたりは、とある出版社から作家デビューの話を持ちかけられ、会社へ赴いてみたところ、作家のアイデアを実際にシミュレーションできるマシンへ接続されることを余儀なくされる。


マシンとの接続を危惧したミオは開発者と揉め、先に接続されていたゾーイのアイデア世界へ入ってしまう。

ゾーイのファンタジー世界へ事故によって入ってしまったミオは、アイデア世界から脱出しようとするが、ゾーイも巻き込む形でふたりでミオのSF世界へと転送。ふたりは急な出来事の連続に混乱しつつもミオのSF世界から脱出することに成功するのだが、またもやゾーイのファンタジー世界へと戻ってきてしまう。

しかし、戻ってきたファンタジー世界は、ゾーイが頭の中で思い描いていたトロールが街を襲う物語で、出版社も知りもしないアイデアの世界だったのだ。

ファンタジー世界をなんとか脱出したふたりは、SF、ファンタジー世界のどちらでもない狭間のような世界へとたどり着く。そこで、マシンは接続した作家のアイデアを抽出して奪っていることを知ったふたりは、互いに協力してふたりのアイデア世界を冒険し、マシンからの脱出を目指していくこととなる。

互いに価値観や作品のスタイル、考えかたなどがまったく違うふたりが、冒険を経ていくにつれて、どのように寄り添い合い、どのような結末を迎えるのか。ふたりの作家のアイデアを冒険しつつ楽しんでいくのが本作の醍醐味となる。

アイデア世界の冒険は、まるで映画の世界にいるかのような没入感
SF世界では、とある惑星でのシューティングやアクションが、また、近未来でサイバーチックな都市を舞台に、迫りくる敵と争いながら躍動感のあるバイクアクションなどが楽しめた。


ファンタジー世界では、大自然が豊かで落ちついた雰囲気がありつつも、奇妙な植物やかわいらしい大きな動物が存在していて、まさに驚きの連続。

ふたりのアイデア世界を冒険するのは、まるで映画の世界に入ったかのような没入感があり、迫力のあるサウンドや演出によって作品に引き込まれていくことだろう。
そして、何よりプレイ画面の描きかたがすごいのだ。ステージの道中にはベンチが設置されているところもあり、座ってみるとシームレスに分割画面がひとつの画面になるなど、細かいながら一枚絵として見られるようになっていたのは驚いた。

また、ステージに登場してくるボス戦もおもしろい要素が満載。
SF世界で某ステルスゲームに登場してきそうな巨大なメカやヒーロー映画に登場してきそうな悪役との戦闘、ファンタジー世界では平和な世界を脅かすネコとの戦いやファンキーなサルとのダンスバトルが楽しめる。ステージごとにどのようなギミックやキャラクターが登場してくるのか、楽しみな気持ちが湧いてくることだろう。



アクションが苦手な人も得意な人も楽しめる難易度


ステージ道中は、協力してある程度スムーズに進行できても、ボス戦ではお互いの状況を確認し合えるほどの余裕はなく、互いのことを信頼して挑んでいく必要があるように感じた。
たとえば、ミオのSF世界で登場するマシンとの戦闘では、ミオ側はダメージを通すために敵の弱点を露出させ、ゾーイにダメージを与えてもらおうと動くこととなる。しかし、ゾーイ側は、敵による攻撃を避けつつ数少ない攻撃の機会に備えなければならないのだ。

そんな感じで、ボス戦はギミックを理解するまでに時間がかかり、お互いの様子を確認し合えるほどの余裕があるわけでもないので、ボスを倒せたときの達成感は素直に声が出るほどうれしかった。
また、道中に設置されているギミックを攻略する際は、お互いの意見を出し合いながら攻略していくことが必要となるので、片方だけがたいへんで、もう片方は楽にプレイできるというわけではない。しっかりと協力プレイとしての楽しさを味わえるのは、本作の魅力のひとつだと感じた。


ステージごとに、互いに違ったアビリティを使用し進んでいけるのも楽しいところ。
SF世界でサイバーニンジャとなり、ミオはカタナでの攻撃や重力を操って特定の壁や天井を行き来することができる。また、ゾーイはグラビティ・ウィップと呼ばれるムチを使用して攻撃や設置物を持ち上げてギミック攻略を進められる。


ファンタジー世界では、ミオはツタを移動したりして草木を叩いてステージギミックを発動できるゴリラや水中を移動できる魚のようなモンスターに変身可能。一方のゾーイは、連続ジャンプや特定の場所でステージを行き来できる妖精や森の力を利用してギミック攻略に挑める樹のモンスターに変身することができるのだ。

各ステージで、新たなアビリティやギミックが登場するので、新たなステージに挑む際にどんな能力が使えるのか楽しみつつ物語を進めていけるのは、うれしいポイントだ。
豚となって、ウィンナーに⁉ 物語の本編以外にも楽しめるポイントが満載


お互いのプレイヤーが好きなゲームや映画などがそれぞれ異なれば、それぞれ気付けるポイントも多くなり、「ここは、◯◯◯◯をモチーフにしているっぽい!」などと教えあうことで、より本作を楽しめそう。制作陣もそんな楽しみかたをしてほしいという思いを込めて、こういった要素を入れているかと思う。
ほかにも、前作『It Takes Two』のストーリーに登場した象のぬいぐるみが道中に設置されていたりして、前作をプレイした方には「あのときの象だ!」と懐かしさを感じさせるポイントも盛り込まれている。


本作には、本編で冒険するステージ以外にも、ふたりのアイデアを基にしたサイドストーリーを楽しむことができる。
時限爆弾をふたりでラリーしながらゴールへと運んでいくバラエティー番組のようなSF世界のサイドストーリーを始め、骨の鮫が闊歩する砂時計の中をイメージしたファンタジー世界のサイドストーリーなどで、また違ったふたりのアイデアを冒険することができるのだ。
中でも、とくに体験してほしいのは、ゾーイのアイデアによるスーパー豚のサイドストーリー。

これは、ひとりはおならでジャンプすることができる豚になり、もうひとりは身体をバネ状に伸ばすことで高い位置の段差を乗り越えることができる豚として、ステージ攻略に挑んでいくサイドストーリーだ。


メルヘンなファンタジー世界を豚となってギミックを攻略していくだけではなく、ステージ終盤には、なぜかウィンナーになってしまって、驚きの展開が待っていた。

筆者は、怒涛の展開に笑いながらプレイしていたが、ラストの展開に驚き、なぜこのような結末を迎えるのか。クリアー後に語られるゾーイのアイデアにまつわるエピソードを聞いて、「なるほどな!」となったが、実際にアイデアとして体験してみると、少し恐ろしい感じもした。
怒涛の展開に驚いたが、本作ではサイドストーリーも楽しい。ぜひともしっかりと遊び尽くしてほしい。
ふたり協力専用プレイだからこその魅力が詰まっていた
そういった仕様により、始めるまでになかなか腰が上がらない方もいるかもしれない。でも、興味を惹かれている方はぜひともプレイしてみてほしい。筆者は仲のよい友人兼ファミ通.com編集者とプレイしたのだが、時間を忘れて遊んでしまうほど熱中した。
物語や演出を味わうだけでも楽しいが、仲のよい友人らとプレイすることで一層楽しさが増し、より本作を味わうことができるだろう。
クリアーしてもお互いにキャラクターを変更すれば、体験していない操作でもう一度楽しむこともできる本作。出版社の陰謀により、巻き込まれたふたりの作家の冒険に興味を持った人はぜひプレイしてみてはいかが。

『スプリット・フィクション』
- 発売日:PS5パッケージ版/2025年3月6日発売、ダウンロード版/2025年3月7日発売
- 対応プラットフォーム:PS5、Xbox Series X|S、PC(Steam/Epic Games Store/EA App)
- 発売元:エレクトロニック・アーツ
- 開発元:Hazelight Studios
- 価格:各6900円[税込]
- ジャンル:アクション
- 対象年齢:CERO 15歳以上対象























