『SYNDUALITY Echo of Ada』最新バージョンレビュー&インタビュー。遊びやすさとカスタマイズ性が向上、ゲームの方向性が定まった。協力任務もより楽しく

by西川くん

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『SYNDUALITY Echo of Ada』最新バージョンレビュー&インタビュー。遊びやすさとカスタマイズ性が向上、ゲームの方向性が定まった。協力任務もより楽しく
 バンダイナムコエンターテインメントより、プレイステーション5、Xbox series X|S、PC(Steam)にて発売予定の『SYNDUALITY Echo of Ada』(シンデュアリティ エコー オブ エイダ)。発売予定日や価格、販売形態は未定となっている。

 これまで試遊会やクローズドβテストなどを実施している本作だが、新たにクローズドネットワークテスト(CNT)を実施する。

■クローズドネットワークテスト概要
募集日程:2024年8月23日~9月3日
テスト実施日程:9月13日17時00分~9月16日16時00分

 それに先駆けて、都内某日にてメディア試遊会が実施された。本記事では、次回CNTに使用される最新バージョンを試遊した感想とともに、二見鷹介プロデューサーへのインタビューをお届けしよう。
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ゲーム全体の安定感がアップ

 本作は人型メカ“クレイドルコフィン”に乗り込み、地上に散らばる物資を集め、地下の拠点に持ち帰るサバイバルTPS。モンスター的な敵となるNPC“エンダーズ”のほか、ほかのプレイヤーも同一のマップに登場。

 ほかのプレイヤーが敵か味方になるのかは、プレイヤーしだいというPvPvE型のシステムで、いわゆる“ルートシューター”といったジャンル名で呼ばれるタイトルだ。詳しいシステムなどは、
前回の先行プレイで紹介しているので、合わせてチェックしてみてほしい。

 全体的にはこれまでのバージョンと大きく異なるものではないが、まず感じたのはゲーム自体がブラッシュアップしているようで、動作のモタつきやグラフィックのチラつきなどが減り、全体的な安定度が感じられた。

 幾度か試遊していることもあり、ようやく製品版に近づいてきたんだなと実感。プレイしないと伝わりにくい部分だが、端的に言えば「より手触りがよくなった」といった感じ。
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 プレイヤーは相棒となるアンドロイド“メイガス”とともに戦っていく。デフォルトで選択できるメイガスの種類は2種だったが、今回より4種にアップ。見た目はカスタマイズ可能なので、種類というよりは性格が4タイプになっていて、それぞれでセリフも異なる。
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ゲーム冒頭の導入がより丁寧に

 ゲームプレイ自体はそこまで大きく変わらず、地上に出撃してアイテムを集めるなどして、ミッションを達成しながらゲームを進めていく。

 ただし、その前提となる段階が大きく変更されていた。これまでは“ミッションに提示されているからなんとなくやる”くらいの目標になっていたが、チュートリアルを兼ねた序盤で、出撃するたびにプレイヤーの目的をひとつひとつ教えてくれる動画が流れるようになった。

 難しい動画ではなくコミカルに描写されていて、簡単に「鉱石を掘って持って帰ってきてね」といった動画や、「ほかのプレイヤーは基本味方のはずなんだけれども、敵になるかもしれないよ」といったことを教えてくれるのだ。
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コミカルなアニメーションでチュートリアルが合間に入る
 ミッション内容もそれにマッチしているため、序盤のミッション達成の流れをわかりやすく、そして比較的安全にチュートリアル的な期間を乗り越えられそうだ。もちろん、たまたま危険なプレイヤーたちに囲まれたら、倒されてしまうかもしれないが。
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解放されるアイテムも追加されているとのこと。
 また、本作は物資を集めて自分のガレージを大きくしていくことが目標のひとつになっているが、どこから改築すればいいのか序盤にチュートリアルが提示されるようになった。
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 このあたりの“何をすればいいのか”という手順の解説や、提示の方法が丁寧に見直され、国内ではまだなじみの浅い“ルートシューター”へ、すんなり入り込んでいけるように誘導しているのだと感じた。

 なお、チュートリアルを抜けると協力ミッションが解放され、もしゲーム側から提示されたら協力者を地上で探していっしょに任務へ挑むことができる。解放はしたものの、試遊では残念ながら提示されなかったので体験できなかったが、プレイヤーキラー(賞金首)の討伐などもあるようだ。
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バトルについて

 地上活動についてのプレイフィールはこれまで通りながらも、より細かな部分に調整が加えられている。いちばん大きなのはエモート機能が強化されたこと。これまでも使用できたが、発動方法がやや特殊だったので、エモートの存在を知らない人も少なくなかったように感じる。
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 そのため(エモートを使わずに)“ジャンプでピョンピョンして、敵意がないことをアピールする”みたいな人も多かった。それはそれでキュートなのでアリなのだが、より近くのプレイヤーに向けて気軽にエモートをくり出せるようになったため、意思疎通がしやすくなった印象だ。
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 これまで、NPCであるエンダーズはかなり強めの印象だったが、今回は少しだけバランスが抑えられ、きっちり気をつけてさえいれば、そこまで脅威ではないかなといったところ。食らうダメージは相変わらず大きいが、耐久値など、もしくは自機の攻撃力が見直されていそうだ。

 また、同じくNPCの盗賊クレイドルは一方的に攻撃できるようなことが少なくなり、しっかり射線を自分で作って反撃してくるようになった印象。これまでは、自分は攻撃できるがNPCからは攻撃できないという、安全地帯を探してから一方的に攻撃するという攻略法が有効だった。しかし、今回のバージョンではそこを突破してくるような動きになっている。とはいえ、ある程度は一方的に攻撃できるシーンもあったので、安全地帯を探す作戦が完全に無効というわけではなさそうだ。
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 アクション面では、ジャンプにブーストゲージを消費するようになったので、ピョンピョンしながら戦うゲームでは(少しだけ)なくなった。対人戦ではブーストゲージの管理が重要になってくるだろう。移動中に跳ね回って遊ぶこともしづらくなった。まあいいか。

 また、これまではできなかったブーストダッシュ中のリロードが可能に。さらに、アイテムを拾っている最中にもリロードができるようになったので、リロード関連の手触りはカジュアルになった。
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クローズドネットワークテストに応募しよう!

 全体的に大きな変更点はないものの、遊び始めた人たちがより遊びやすく、序盤のゲームの流れをつかみやすくなった印象を受けた最新バージョン。今回、対人戦は体験できなかった。

 ちなみに前回のプレイテストでは筆者の印象だとかなり平和的で、対人戦に発展することが少なかった。今後のクローズドネットワークテスト(CNT)でプレイヤーたちの動向がどうなるのか気になるところだ。少なくとも“対人戦をしなくてはならない”というゲームではないので、対戦部分で消極的になってしまう人も、ぜひCNTに応募してみてほしい。
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メイガスはコスチュームも自由に変更可能
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コミカルなデザインのものや『ゼビウス』のTシャツを手に入れることもあった。

プロデューサーインタビュー

 最後に、本作のプロデューサーを務める二見鷹介氏へのインタビューをお届け。

二見鷹介氏ふたみ ようすけ

『SYNDUALITY』(シンデュアリティ)企画・原案・プロデューサー。(文中は二見)

――前回のクローズドβテストでは、ユーザーからどのような反応をいただきましたか?

二見
 本作は“倒されるとアイテムをロストしてしまう”という、コアゲーマー以外にはなかなか特殊なゲームルールです。それがストレスになっているという声もあれば、やはりそこが「緊張感があって楽しい」といった声もあります。“ルートシューター”と呼ばれるジャンルが大好きな方々は、開催期間中ずっと遊んでいただけた印象があります。

 ただ、まだゲームバランス的に至らないところがありました。たとえば「ショットガンが強すぎた」といった意見がありましたね。そういった部分には手を入れて、今回よりよいバランスで遊んでいただけるのではないかなと思っています。

 もちろん、初めてこの手のジャンルに触れたようなプレイヤー層からも、楽しかったという意見を多くいただけました。あまりなじみのない“ルートシューター”の緊張感を楽しんでいただけたようなので、入り口としてはある程度うまくいっているのかなと感じています。
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――以前、インタビューでお聞きしたときには「プレイヤーたちが協力的なのか、それともバチバチに奪い合うのか、実際にやってみないとわからない」と言っていましたよね。実際に前回のプレイテストに参加した印象ではかなり平和な印象を受けました。

二見
 平和でしたね。僕自身もテストに参加しましたが、多くのプレイヤーが挨拶を返してくれたりして、奪い合うような展開は少なかったです。

――ゴール地点で知らない人といっしょに脱出できたこともたくさんあって、この手のゲームにしてはある意味、予想外でした。

二見
 僕もありました(笑)。ただ、後ろから撃って倒してしまったこともあって。そのときは心が痛かったです。

――(笑)。皆さん、ちゃんと協会員としての教えを守って遊んでいる印象でしたね。日本人と海外のプレイヤーでPvPをやるか否かの差はありましたか?

二見
 海外のほうが、PvPへ積極的に参加しているプレイヤーが約10%ほど多いですね。それでも数値的には低めで、対人戦をするよりも、出会った人たちとの一期一会を楽しんでいるプレイヤーが多いんだなと、僕もプレイを通して感じていました。

――実際に、PvPを好むのか、それともPvEそ好むのかといったデータは取れましたか?

二見
 PvEが好きという人が7割~8割で、PvPは2~3割でした。ただ、PvPを実際にプレイしたという人は5割でした。実際に戦っている人は少なくないのですが、PvE寄りで遊びたいという人が多いようです。

――テスト期間が3日しかなかったので、そういった雰囲気もあったのかなと思いました。

二見
 体験していただいたのは、全体のほんの序盤です。賞金首側にならないとゲットできない装備品やアイテムがあったり、もし襲われたとして倒した際に、使うことのできない武器を見たりすることもあるでしょう。そのあたりで「ちょっとゲットしてみたいな」と思ったら、奪う側に立ちたくなるかもしれませんね。

 また、ミッションなどでもちょっとしたそういった要素があります。PvPを若干促しながらも、どういったプレイスタイルで製品版を遊んでいいただけるのかは、今後も気になるところです。
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――それでいて協力要素も強化されているので、見知らぬ人と力を合わせるミッションも楽しめると。

二見
 はい。ランダム的に発生するものですが、結晶を採掘したり大型の敵を倒したり。賞金首を倒すという内容もあります。ゲットできる報酬がとてもいいのでできるだけ協力したくなるようには調整していますが、どうプレイするのかはプレイヤーの自由ですね。

――ゲーム的にはいちおう、ロールプレイの幅として残している要素なんですね。

二見
 協会員は協力メイン、賞金首はプレイヤーキルメインみたいなロールだと思っていただければと。いちばんやっかいそうなのは、協力したり賞金首的行為をしたりするグレーゾーンの人ですね。もちろん、それもアリだと思います。

 以前から賞金首の懸賞金ランキングはありましたが、今回から賞金首を狩る人たちのランキングも付いてます。バウンティーハンターとしても活動できるので、対人戦が好きだけど協会員でいたい人も、対人バトルを楽しんでもらえるような形にしました。
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――だからと言って、決して対人戦に参加しなくてはならないゲームではないんですよね?

二見
 ときには身を守るために戦う必要はあるかもしれませんが、強制的にはしていません。NPCの盗賊にも賞金首がいたりして、それを狩るようなPvEだけの楽しみかたも可能です。プレイヤーとは戦わずしてミッション達成や、ガレージを大きくするようなプレイもできます。

 ただ、やはりふとしたときにプレイヤーに出会ったときには、きっと緊張感が走ると思います。それが敵なのか味方なのか。そして、強大な敵だった場合逃げるのか、それとも仲間を集めて戦うのか。そういったプレイの幅は、前回よりも広がったと思います。

 ちなみに賞金首どうしでも、いちおう結託できます。ですが賞金首が本当に結託するのか、といったことろで。賞金首どうしで顔を合わせたときのほうが、緊張感があるでしょう。
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――試遊やプレイテストを重ねてきましたが、今回の主目標はどこになるのでしょうか?
二見
 今回はネットワークテストがメインです。メイガスはプレイヤーのプレイの統計データを集めて、プレイヤーそれぞれに対してアドバイスをくれます。じつは前回のβテストの後半には、その処理がすごく重かったんですよ。各メイガスが蓄積したデータ量が膨大になってしまって、各シーンに合わせてアドバイスをするたびに、プレイヤー全員がカクついたりしてしまって。

 そういった反省からネットワークまわりの最適化を図りつつ、ネットワーク情報をさらにブラッシュアップしていくのが目標です。

――今回初めて参加したい人に向けて、アピールポイントはありますか?

二見
 ゲーム序盤の目的であったり、何をするのか、何をしないほうがいいのかといったルール的な部分を、スムーズに学べるようになったのかなと思います。「何をすればいいのかわからない」といった意見も多かったので、細々とした部分を整理しています。

 以前は単なるTPSみたいなノリで、とりあえず出撃して攻撃して散っていく、みたいな人も少なくなかったようで。これから遊ぶ方々は、今回のテストで本作の楽しみかたをわかっていただけるんじゃないかなと思います。

――今回はメイガスの種類も追加されていますよね。

二見
 メイガスだけでなく、髪型なども追加していますし、よりかわいく、よりカッコよく見えるようにカスタマイズしやすいです。ガレージを改築したときの生活感が増えていて、しゃべってくれる内容も増えています。
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――以前お聞きしたときには、メイガスそれぞれが“プレイヤーへの戦況報告をしてくれる”ために、あまりにもセリフが膨大すぎて、現在も収録中だと言っていましたよね。

二見
 いまもまだ追加収録しています(笑)。一般的なRPG作品の主人公だと、アクションに使用するボイスって約100~200セリフくらいなんですよ。メイガスは1体ごとに2000以上は用意されているとお話しましたが、「これを入れたいよね」、「まだ足りないよね」と議論を重ねて、ついこのあいだ500セリフくらい追加しました。
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待機中の生活感がより強調されているそうだ。
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――膨大すぎますね(笑)。前回のプレイテストの意見から、とくに取り入れてよかったポイントはありますか?

二見
 リロードまわりの調整は、プレイヤーのストレスになっていた意見が多かったので、快適にできるようにしました。なるべく動き回って、遮蔽物を利用しながら戦えるようになったと思います。ただ、ジャンプにブーストゲージが必要なので、以前よりも機敏に動き回るような戦法は難しくなっています。

 あとは武器なども含めて全体的なバランスを調整していて、今回のテストでも再度確認したいと思っています。

 また、依頼のバリエーションが増えました。目標はある程度同じようなものが多かったのですが、よりロールプレイの幅を知ることができたり、各ミッションを達成すればマップ全体を一度は回るような仕組みにしているのでマップを学びつつ、体験も少し変わるかと思います。

――前回、低レア素材のほうが見つけにくいみたいなところもありましたが……。ウィッシュリスト機能を使えば、ある程度は見つかるのですが。

二見
 アイテムの配置類はまた見直して配置しているので、前回よりも見つけやすいかと思います。とはいえ、また今回の意見を聞いて、アイテム入手の頻度や配置など、そういった部分についてまた意見をいただければと思います。

 ウィッシュリストについては、すみません。正直に言うとバグがあって、ウィッシュリストがうまく機能せずに、見つけにくさにつながってしまっていました。今回そこは改善してるので、ウィッシュリストを活用していただければと思います。また、メイガスも見つけた素材の位置をふわっと覚えてくれるので、プレイを進めるとより見つけやすいでしょう。

――今回はクローズドのテストですが、オープンβは予定していますが?

二見
 そのあたりも検討しようと考えています。前回、今回ともにネットワークまわりを注力して見ることができると思っています。それがうまくいけば、つぎはサーバー負荷などを見るターンだと思いますから。どこかで開催したいなとは考えていますが、いまのところは検討前の段階です。

――最後にクローズドネットワークテストへの応募を迷っている方々に向けて、ぜひアピールをお願いします。

二見
 本作は国内でもめずらしい、TPSのルートシューターです。コアゲーマーの方々に評判なこともあり「難しそう」と、ハードルが高いイメージを持たれると思います。ほかのゲームですと、基本的にはたったひとりで挑むことになると思いますが、本作は最初からメイガスという相棒がいます。勝ったときも負けたときも、いっしょに喜んで悲しんでくれる存在がいるため、ゆっくりとメイガスとともにゲームを遊んでみてください。

 また、本作はオンラインゲームですが、フレンド機能がなく、フレンドと出撃などもできません。ネットワーク上で起こるほかのプレイヤーとのコミュニケーションは本当に一期一会ですので、ある意味刺激的な体験ができるかと思います。TPSが好き、ロボットものが好き、キャラクターカスタマイズが好きとか、何かしらの部分で気になった人は、ぜひ応募してみてください。
[IMAGE][2024年8月23日19時55分修正] 一部表記に誤りがあったため、該当の文章を修正いたしました。読者並びに関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。
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