虫ハンター
Today's text 江野本ぎずも
先日の中目黒目黒のブログを読んで、気になったことがありました。この人までお役立ち日記を書いてしまったら、どうでもいいこと書いてるのオイラひとりだけになっちゃう! ってことではなく、上位になったらガンナーと言えども防御力200は必要だということ。オイラはすでにハンターランク29になっており、上位ももう間近まで迫っています。しかし、防御力は96。……絶望的な数字です。こんな紙装備では上位クエストに出るのもはばかられるってもんです。取り急ぎ、上位になるまでに少しでも防御力を上げておいたほうがよさげです。
新たな防具を作ることも考えたのですが、よくよく見てみると現在の所持金は763ゼニー。……こちらも絶望的な数字。どう考えても、いまから素材を集めて防具を一新するまえにハンターランク30になってしまうでしょうし、上位になればまた入手できる素材も増える。ならば、現在の装備を強化するほうが理に適っているというもの。どこから手をつけようかと武器工房でじっくり検証してみたところ、あるひとつの素材を持ち合わせていないために腕と頭の装備を作ったはいいが強化できずにいたことがわかりました。その素材とは、”モンスターの体液”。お恥ずかしながら、ハンターランク29になるまで、モンスターの体液を手に入れたことがなかったのです。ご存知ない方のために書いておくと、入手方法はランゴスタかカンタロスという『モンハン』の二大巨虫からの剥ぎ取り。これまで、虫から剥ぎ取れるものなんてタカが知れているだろうと決めつけて、手を出してこなかったのでした。けれど、いざ入手しようと決めたら、こんなに簡単なものはありません。思い立ったが吉日! フロンティアクエストの”カンタロス大発生”、つまりカンタロスの40匹討伐に出かけたのでした。
▲どこにいてもランゴスタが寄ってきてウザいです。
それにしても、相手が虫というのはなんともモチベーションが上がらないものです。第一、40匹ともなると捜すのがもうたいへん。シラミ潰しに樹海の全エリアを巡り巡って、地を這いずりまわるカンタロスを見つけては片手剣を一閃二閃。タイミングよく避けやがった日にゃあ右往左往して剣を振り回すはめになり、もどかしいことこの上ない。しかも、ただ倒すだけではなく剥ぎ取らなくてはいけないのです。そのために持っていった武器は、毒属性付きのデッドリィタバルジン。うまく毒らせることができた虫を後ろからジトーッとつけ回し、毒の効果で倒れたところに駆け寄って剥ぎ取る。そしてまた、振り出しに戻って虫捜し……。そのくり返しに辟易としてどうにもしかたがなくなったころ、あることを思い出したのです。
えーっと、一応予告しておきますね。勘のいい方なら、「なんか雲行きがアヤシイ!」と気づかれたかもしれませんが、まさに予感的中です。虫嫌いの方には、これ以上読むことをオススメしません!!
オイラにはかなり昔から疑問に思っていたことがありました。それは、なぜゴキブリはひっくり返って死ぬのか、ということ。たとえばモスのように丸々とした体躯ならば、横倒しになった瞬間にクルリとひっくり返って仰向けになってしまうこともあるでしょう。でも、ゴキブリはあんなに薄っぺらいのです。ゴキブリが横倒しになっているところは想像できません。絶命の瞬間、最後の力を振り絞って前転しているのか、あるいは後ろ足で立ち、前足で空をかくうちに後ろ向きに倒れてしまったのか。じつはかなり真剣に調べたこともあるんですが、その方法はわからないまま。どうやら交尾するときも仰向けになっているらしいことがわかって、妙にゲンナリさせられただけでした。
さて、カンタロスももれなく最後は仰向けになっています。そう気づいたとき、オイラは心の中で狂喜乱舞しました。『モンハン』が、この長年の疑問に答を与えてくれるかもしれない! 悶々として眠れなかった日々よ、さようなら! それは、モンスターの体液欲しさに熱い視線を送っていなければ見落としてしまうほどの一瞬のできごとでした。毒を浴びたカンタロスは、まるで命が爆ぜるかのごとくに少しだけ跳ね上がり、後ろ向きにコテッと倒れたのです。極々自然に、さりげなく……。当然のことながら前転もしなければ、力んだ挙句に後ろへ倒れることもなく、一瞬にして仰向けになったのでした。でもコレ、意外に現実世界でも起こりうると思えるほど自然だったんですよ。おそらく、いままさに倒れんとしているカンタロスの様子をつぶさに見たことがある人は少ないかと思います。声を大にして言いますが、これは必見ですよ!! オイラは今後、断固としてカンタロスとゴキブリの死に様同一説を信じたいと思います。
それにしても、虫嫌いの人にとってはこのクエスト、拷問でしょうねえ。虫なんて見るのもイヤ、っていう女性ハンターも多いことでしょう。虫の利用価値なんて、「キャー怖いー」などと言って好きな男の腕の中に飛び込む口実くらいのもの。あるいは、「昨日、マンションにゴッキーが出たから泊めて?」とかわいく言って、狙ってる男の家に転がり込むためのもの。本当に欲しいもんを手に入れるためには、虫だろうがなんだろうが利用しないとあとで後悔しますからね。……ハッ! その手があったか!!!! どうしてもモンスターの体液が欲しい女性ハンターは、「虫嫌いだから、カンタロス倒して?」と頼み込めばいいのだ! 「キャー、虫気持ち悪ーい」と言って逃げ回っていたら、男気溢れる男性ハンターがバッタバッタと退治してくれる、かもしれない。ちなみに、モンスターの体液はレア度4なので、ブランドバッグをねだる要領で「モンスターの体液が欲しーの」なんつってめぐんでもらうことはできないので注意。そんな虫のいいことは通用しません(虫だけに)。「だったらひとりでなんとかするわいな」という方には、やはりカンタロス40匹討伐がオススメです。40匹と言うと気が遠くなりますが、半数くらい倒してからエリア7に行けば大量に湧いて出てくるのであっという間。ただし、ウジャウジャと無限に湧いては前から後ろから刺されまくり、脚の毛まで見えそうなほど巨大なヤツまで現れるので、本当に虫嫌いの方は止めておいたほうがいいかと。
▲”カンタロス大発生”のタイトルにふさわしいウジャウジャっぷり。
やべえ! 最後に役立ちそうなこと書いてるじゃんよ! と小さく言ってみたりして……。