あたしMなんです。
Today's text 江野本ぎずも
ファミ通猟団の面々がつぎつぎに上位(ハンターランク31以上)に突入するなか、いまだハンターランク20の江野本ぎずもです。もはや周回遅れの様相を呈してきていますが、なぜこんなにも差が開いてしまったのか? 答えは簡単、オイラここんとことっても忙しかったんです(言い訳全開)。もうね、みんなが楽しそうに狩をしているあいだ、ひとりさみしく原稿を書いていたわけですよ。ああ、それなのに……! オイラの席からは、女尻笠井のモニターが丸見えなのです。味気ない文字ばかりが並んだ自分のPCからヒョイと目を移せば、砂漠だの火山だの、フルフルだのレイアだのが見えてしまうのです。8月8日から配信された新モンスター、ヴォルガノスの狩猟クエストなんて、チラ見どころかガン見してましたわ。どんな小さな情報も聞き逃すまいと耳ダンボにしてましたわ。はっはっはっは。え、仕事はどうしたのかって? もちろん、手は止まりまくり、原稿間違えまくり。「100万本売れるソフト」と書こうとして、「100万本売れる大剣」と書いてました。あやうくそのまま、上司である大塚番長の原稿チェックに提出するところでしたよ。てへ。でもアレですね、「100万本売れるガンランス」と書いていたら、番長も気づかずスルーしてたかもしれないですね。
さて、そんなわけで、猟団メンバーとはなかなかいっしょにプレイできていないのですが、夜中におうちでこっそり遊んでおります。見知った人たちといっしょのクエストも楽しいですが、野良クエストでの一期一会もまたいいものですね。先日、まだハンターランクが一桁の方とごいっしょすることになりました。当然、クックやダイミョウザザミ、ババコンガあたりのクエストになるわけですが、回復系アイテムはもちろん、エリア移動するまえに倒せちゃうのでペイントボールも地図すらもいらない状態でした。が、ここであたくし、ひらめいてしまったのであります!
ハンターランク20になるまで、オイラはずっと片手剣一辺倒で過ごしてきました。ちなみに持っているのは、デスパライズ、デッドリィタバルジン、フロストエッジ、フェザーソードの4本。おもに麻痺属性つきのデスパライズを使っていて、氷属性に弱いモンスターと戦うときにはフロストエッジを引っ張り出してきていました。でも、このさき片手剣のみでは太刀打ちできない敵も出てきそうだと不安にかられ、戯れに作ってみた武器がいくつかあったのです。知り合いに「斬破刀が手軽に作れて使い勝手がいい」と聞いて強化している最中の鉄刀【神楽】(太刀)。さびた棒状の塊からできちゃったナイトスクウィード(ランス)。同じく、さびた塊からできちゃったクロスボウガン改(ライトボウガン)。野良クエでは慣れない武器を使って皆様にご迷惑をおかけするわけにもいかず、かといってきっちり練習するほどの時間もなく、ほったらかしていた得物たち。そう、格下のモンスターと相対するいまこそ、アレを試すべきときなのだ!
まずは、太刀でクックにチャレンジ。何度か攻撃を当てただけですが、4人パーティーを組んでいるのでソッコーで討伐成功。でも、以前からうすうす気づいてはいたんですけど、重い武器はちょっと苦手かも……。強力な一撃を放つことができるのはわかっちゃいるけど、抜刀や、刀を振り下ろす、収めるなどひとつひとつの行動の"間"にストレスを感じてしまうのです。続いてランスを試してみるも、やっぱり何か違和感がある。ゴツくて勇壮な武器で巨大モンスターと対峙するのが、『モンハン』の醍醐味のひとつだとは思うんですけどね。もう少し慣れたら、おもしろさがわかるものなのかも。その点、ライトボウガンはいい! おもしろい!! 片手剣とはまったく違うおもしろさがある。モンスターの背面や横にへばりついて、隙あらば斬ってかかるという片手剣スタイルとはまったく違います。敵と距離をとるので当然ですが、視野が圧倒的に広くなる。もういままでの『モンハン』とは別のゲームか、ってくらい新鮮な感覚です。
そこで気づいたんですけど、いままでのオイラにとってクックは足でした。クック討伐を思い浮かべようとしたら、クックの右足と左足があって、そのあいだに自分がすっぽり収まってる情景が浮かぶんです。あの特徴的な耳や、エリマキトカゲもびっくりの走りっぷりや、のどをいがいがさせて炎交じりの痰を丸めている(?)顔も印象的だけど、クックと言えばあの骨と皮ばかりで貧相な足なんですよ。何せ片手剣士的には、攻撃を当てやすく、尻尾フリフリ攻撃をされても安全な場所。いかにして潜り込むか、そればかりを考えている最終目的地。短い『モンハン』人生のほとんどをクックの股間で過ごしてきた気すらします。
▲クックの股間にすっぽり!
話は戻って、いっしょにクエストに出ていたパーティーメンバーは、『フロンティア』こそ始めたばかりながら、歴代シリーズをプレイしてすべての武器の長所、短所を知り尽くしている(と思しき)弓使いとライトボウガン使いでした。慣れない手つきでライトボウガンを操り、当たった当たったと大喜びしていると、苦笑交じりにさまざまなアドバイスをしてくれたのです。なかでも印象的だったのは、「ガンナーは一撃必死」とのお言葉。これ、一撃で仕留めろ、ではなく、一撃受けたら死を覚悟せよ、との意味なのでお間違えなく。ガンナー専用の装備は防御力が低めな上、ガードができないから生まれた言葉なのでしょうが、オイラにはそんなの関係ねえ!!!!! なぜなら、裸同然でクエストに出ていたから。そうなんです。剣士装備しか持っていないので、着るもんがないのです。そんなにわかガンナーにとって、怒り状態のババコンガは最悪の相性でした。動きが速い上にトリッキーなので、ちょっと油断しようものならまさに一撃必死。何度も昇天させられたのでした。「隙あり!」とスコープで姿を捉えた瞬間、あの意地汚なそうな顔がドアップになって近づいてくる恐怖といったら! ……ヤミツキになりそうです。じわじわと体力を削られ、いつ回復薬を使おうかと頭を悩ませながら昇天してしまう片手剣に比べると、なんて気分爽快。これからはときどき、裸ガンナーとしてこのマゾヒスティックな楽しみを味わおうとひそかに思ったのでした。
▲武器をボウガンに持ち帰ると一瞬にして裸にされるイヤンなシステム。誰かにモニ
ターをのぞかれてやしないかとドキドキします。むしろヤミツキなのはこっちかも……?