クーラードリンクの悲劇
Today's text 江野本ぎずも
先日まで配信されていたバサルモス2頭の討伐クエスト。マカライト鉱石などがザックザク取れるとあって、ありがたく利用させてもらったハンターも多いんじゃないでしょうか。もれなくオイラも行ってきましたよ! バサルモス初対面にして、ホロ苦〜い思い出になりましたが……。
その日は珍しく先輩のたぐちんに誘われ、同じ部署内のメンバー4人でパーティを組みました。バサルモスについて事前に知っていたことと言えば、火山にいるということくらい。クーラードリンクを持てるだけ持ち、回復薬だけはしっかり補充しましたが、「4人もいれば楽勝だろう」とピクニック気分で出かけたのでした。しかし、初めて会うバサルモスは強かった! 否、堅かった! 近接武器ばかりのパーティだったので、うまく腹にもぐりこんで攻撃できた人以外は弾かれるわ、尻尾で吹き飛ばされるわ。まあ、初対面だけに5倍増しで手強く感じたってのが真相なんですが、冒頭から体力を削られまくり、毒霧攻撃に何度となく引っかかって、回復薬を文字どおり水のようにゴクゴクと飲むはめになったのでした。
ふと気がつくと、バサルモスとまともに渡り合っているのはたぐちんひとり。あとのへなちょこふたりは、クエスト開始からものの数分で連続2オチをきめて以来、汗をダラダラと垂らしながらバサルモスを遠目に睨みつけるのが関の山。それでも、なんとかたぐちんの役に立とうと奮起したオイラは、元気いっぱいに突進をくり返すバサルモスの後ろをヨタヨタと追い回していました。「俺、ちょっとベッド」。へなちょこのひとりが、もう何回目かの戦線離脱を宣言。この人、ちゃんと回復薬持ってきたんでしょうか? さっきから、何度も戦場を抜け出してはベースキャンプに戻り、体力を回復させています。さらに追い討ちをかけるように、もうひとりのへなちょこが「クーラー切れたから寝てきます」。おいおい、おめえさんたちよう、狩ちうもんをなめとんのちゃうんかい!!!
「クーラーあげるから待って」。怒り心頭で呼び止めました。のんびり昼寝なんかしてたらバサルモス2頭を倒せるはずもなく、何よりたぐちんに申し訳が立たんのです。クーラードリンクを渡して、ふたりでたぐちんの待つ前線へと馳せ参じよう。そうしよう。ひとまず、バサルモスの攻撃を避けてエリアを移動。アイテムを渡すには、渡すには、えーっと、渡すにはどうするんだったかな……
ゴキュッ、シャキーーーーーン!!
て、うをーーーーい! 勢い余って自分で飲んじゃったよ。しかも、これが最後のクーラードリンク。さらにさらに、自分はさっき飲んだばっかり。何をどう間違って、渡すはずのアイテムを自分で使用してしまったのかはナゾですが、とにかく取り返しのつかないことをしてしまったことはわかりました。まるで嫌がらせのように目の前でクーラードリンクを飲み干されたへなちょこは、しばらくして静かに言いました。「やっぱ寝てくるわ」……もはや止める手立てはありませんでした(当たり前)。
はてさて、その後もしばらく戦いは続きました。ひとり黙々とバサルモスに挑み続けるたぐちん。ベッドと戦闘エリアをひたすら往復し、ある意味サバイバルを展開するへなちょこふたり。そして、責任を感じたオイラはクーラードリンクの効果が切れ、最後の回復薬を使い切っても戦場に立ち続けました。はっきり言ってしまえば、毒を受けてヤバイと思い、ベースキャンプに戻る途中で息絶えました。クエストはもちろん、失敗。ドンドルマの酒場に戻って、たぐちんに「ごめんなさい」と声をかけたところ、彼は「ドンマイ」とひと言だけ残してそそくさと出ていってしまいました。残された我々3名は、「解毒薬持っていけばよかったね」、「いやー暑すぎるっしょ」と慰め合ったのですが……よく考えたら、クーラードリンクを無駄使いした挙句、体力も残っていないくせに無理をしたオイラがいちばんの迷惑ヤローだったわ。ド、ドンマイ!!
▲クーラードリンクを5個しか持てないのってキツくないっすか?