初めてのひとりクエ
Today's text 江野本ぎずも
ファミ通猟団の諸先輩たちは、新マップ”樹海”だ、新モンスター”ヒプノック”だと、正式サービスが開始されてから若返ったかのように狩りに明け暮れておりますが、わたくし江野本ぎずもは、相も変わらずダイミョウザザミやババコンガ相手にヒーヒー言いながら暮らしております。すでにハンターランクは11。なのに、ベテランハンターについて回っているだけなので、実力のほどは……。これではいかん、と一念奮起。初めてのおつかいならぬ、初めてのひとりクエに行ってきました。
相手に選んだのは、イャンクック亜種。はっきり言って、クック討伐はすでに何十回もこなしており、もはや敵ではありません。ヤツの動きは完全に見切っている。しかも、こちとら最近武器を強化したばかりで、毒属性つきの片手剣、ポイズンタバルジンを持っているのです。このあいだまで何の変哲もないハンターカリンガ改で戦っていた相手。よほどうっかりしない限り、やられるわけがない。正直、いまさらクックなんて、という気持ちも心のどこかにあったのです。同時に、頼る者のいないひとりクエストにビビる自分もいて、「亜種は初めてだから、ちょっとお顔を拝見してみるのも悪くないかも」と無理になっとくして出かけたのでした。
道中、ブルファンゴとじゃれ合ったり、採集にいそしんだりしながら、悠然と狩場を回っていきました。なんと言っても、倒せないはずはないクック。出会ったが最後、一気に蹴散らしてやるのだから、たまにはひとりで大自然を満喫するのも悪くありません。クエスト開始から10分もたったころ、クックとご対面。いつもみんなと狩をしているときのように、いけるときだけいく戦法でゆっくりと敵の体力を削っていきました。相手の攻撃はほぼ回避。何度か切り刻むと、クックはポイズンタバルジンの毒を浴びて口から紫色の泡を吹き、こりゃたまらんとばかりにお空へ飛び立っていきました。あっ!! ペイントボール投げ忘れちった! でも、問題はナッシング。ヤツが立ち寄りそうな場所くらい、だいたい知ってるんだもーん。フィールドをぐるぐると巡ってやっとクックに再会し、今度はもれなくペイントボールをペタリ。これで無駄に走り回ることはなくなると思いきや、攻撃を受けてもすぐに飛び立つクック。何度も携帯食料を使ってスタミナを回復し、ハアハアと肩で息をしながら追いかけるオイラ。……なんか、戦っている時間よりも捜している時間のほうが長くないっすか!? 余裕で敵を追いつめているはずが、徐々にいつもとは違う感覚が襲ってきたのでした。
パーティーで狩りをするときは、敵に集中砲火をあびせかけることができる。相手の攻撃はメンバーの中のひとりに向かうので、残る全員でバックから狙えば一気に追いつめられるのだ。対して、ひとりで戦う場合は攻撃を避けることに意識を集中していると、どうしても手数が減ってしまい、討伐に時間がかかる。ひとりクエは、時間との勝負、そして回復系のアイテム数量との勝負なわけです。『モンハン』歴の長い人には言うまでもない常識でしょうが、なんせオイラには初めての経験。けっきょく、1回目のひとりクエは死ぬこともないままに、時間切れで終了となったのでした。
ドンドルマの酒場に帰ってくるなり、ドスドスとカウンターのおねーちゃんのところへ向かい、さきほどと同じクック亜種を受注。命の危険を感じることもないままにクエスト失敗とは、なっとくがいかんのです。すべては、ひとりクエに慣れていなかったため。時間の使いかたさえ覚えてしまえば、こっちのものです。まったく、クックのくせに恥をかかせてくれやがって、と鼻息荒く2回目のクエストに出発。さきほどの経験を活かして剣を抜くよりさきにペイントボールを投げ、攻撃を受けるリスクを冒してがんがん攻める、攻める、攻める……。いい調子で相手を追いつめたところで、闇雲に突っ込んでいき1オチ。まだ1回昇天しただけだから大丈夫、と同じ調子で猪突猛進して2オチ。さすがに自分の愚かさに気づいて慎重に戦いを進めるも、足を引きずり、何度も倒れこむクックを見て、「いける!」と油断したところに火の玉攻撃をモロに食らって3オチ……。……ダメじゃん!
ひとりクエって難しいですね。『モンハン』の奥深さを知った夏の夜でした。
▲正面から行きすぎです。反省。