アメリカ・サンフランシスコにて開始された、ゲーム開発者向けカンファレンス“GDC 2018”。同イベント内で行われた展示会“GDC Expo”のプレイステーションブースに出展されていたインディーゲーム『Donut County』を紹介しよう。

 同作は“PlayStation Experience 2017”にも出展されていたものだが、改めて概要を説明すると、これはプレイヤーが“穴”を操作して楽しむパズルゲーム。プレイヤーは穴を操作し、フィールド上にあるものをどんどん飲み込んでいく。すべてのものを飲み込めば、ステージクリアーだ。

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 穴は、何かを飲み込むごとに少しずつ大きくなっていく。まずは小さいものを飲み込んで、穴を拡大するのが吉だ。また、飲み込めずとも、穴を利用すれば活路が開けることもある。たとえば大きなやぐらのようなものがあったとして、その脚となる部分を穴で引っ掛ければ、やぐらを倒せる。すると、やぐらの上にあるものが落ちてきて飲み込めるというわけ。

穴を少しずつ大きくしていけば……
やがてキャラクターだって飲み込めるようになる。
ヘビを飲み込んだら、ヘビの体が穴からはみ出した! これを利用して、スイッチを押すなどしてギミックを解いていく。

 パズルを解く際、使用するのは左スティックだけ。穴を動かす以外、できることは何もないのだが、シンプルながら、ついついやり続けてしまう。なんでもかんでも穴に飲み込まれていく様子はシュールで、すべてを飲み込み終えたときには、なんともいえない達成感が味わえる。

 しかし、そもそもなぜプレイヤーは穴なのか。詳細は不明だが、開発者のBen Esposito氏によると、この穴は、BKなるアライグマのキャラクターが操作しているもの(プレイヤーは、この悪役的存在であるBKとして物語を体験するわけだ)。アライグマのテクノロジーカンパニーが、この穴を利用して、人々のゴミを盗もうとしている……らしい。

 BKのせいで、ゲームの舞台となる“Donut County”の人々は、全員穴に飲み込まれてしまった。999フィート地下の世界で、人々は「どのようにして穴に落ちたか」を語る。そのシーンを回想するような形で、パズルが進んでいくようだ。

これがBK。穴を操作していた側だが、自分も穴に落ちてしまう。
BKと仲よしの女の子ミラ。
地下の会話シーンで、彼らが無事でいる姿が見られるので、穴で飲み込んじゃっても、背徳感をあまり感じずに済んでいる気がする。

 トレーラーを見ると、“火を飲み込んだ後にトウモロコシを飲み込むと、ポップコーンとなって噴き出てくる”といった、ユニークな仕掛けが用意されていて、眺めているだけでも楽しい。ほかにはどんな仕掛けが待っているのか、そして地下世界の人々はどうなるのだろうか? 本作は、2018年配信予定。対応プラットフォームは、プレイステーション4、PC、iOSを予定している。