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パズル界の巨匠が10年をかけて作った『オーダー オブ ザ シンキングスター』はまさにパズルの楽園。解けた瞬間の快感がクセになる、1000以上のステージが待ち受ける。ほぼ一生遊べちゃう!?【レビュー】

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 Theklaによるパズルアドベンチャー『Order of the Sinking Star』(オーダー オブ ザ シンキングスター)の家庭用ゲーム機版が、2026年10月29日にリリースされた。本作は根強いファンを持つ『The Witness』や『Braid』を手掛けたクリエイター、Jonathan Blow(ジョナサン・ブロウ)氏による最新作で、なんと10年をかけて制作された超大作だ。その歳月にふさわしく、多彩なパズルステージが1000以上詰め込まれた、パズル好きにはたまらない1本となっている。そんな本作をプレイした模様をお届けしよう。
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※この記事はPLAYISMの提供でお送りします。

誇り高き女王だけど、異世界転移したらパズルだらけなので解きまくります

 『Order of the Sinking Star』は甲冑に身を包んだ女王が、異世界に迷い込むところから始まる。この世界には緑溢れる庭園や薄暗い鉱山、小さな島々などがあり、プレイヤーは女王を操作して各地を探索することになる。
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 行く先々には星型のエンブレムがあり、それに触れるとパズルのステージへと遷移する。パズルは見下ろし視点の『
倉庫番』スタイルで、障害物を移動させたりしながらゴールを目指すものとなっている。
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 しかし、パズルで操作するのは女王自身ではなく、そのステージごとに決められたキャラクターたちだ。彼らはそれぞれ異なる能力を持っており、たとえば戦士のヴァレンスならクリスタルなどの物体を押せるし、盗賊の少女ティフならそれらを引ける、魔法使いのイシドールなら向き合った対象と自分の位置を入れ換えることができる。
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 キャラクターの能力を駆使してステージをクリアーすると、再び女王のいる世界に戻り、新たなパズルステージに挑めるようになる。このようにメインとなるオーバーワールド(いわゆるワールドマップ)では女王を操作しつつ、各エリアのパズルは固定キャラクターを動かすという2段構えとなっているのだ。
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 さらに、オーバーワールドにもパズル要素があり、各エリアにゲートやスイッチなどの仕掛けが置かれている。これらを操作することで、つぎのエリアに進めるようになるのだが、仕掛けを解放するには星型エンブレムのパズルステージをクリアーする必要がある。要するに、パズルステージをクリアーしていくと、オーバーワールドで行ける場所が増えていく、ということだ。

 エリアを進むと、少しずつ景色が変わってくるのも見どころ。Theklaの人気作『The Witness』の風景の美しさ、そのセンスが本作にも受け継がれているようだ。
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オーバーワールド上の仕掛けは、そのエリアのパズルステージと同じテーマになっている。

プレイヤーへの挑戦状!? キャラクター能力もみずから探り当てる快感

 『Order of the Sinking Star』には操作のチュートリアルが用意されているが、以降のパズルステージで解法を教えるヒント機能などはなく、自力で解くほかはない。先ほど挙げたキャラクターの能力もとくに説明があったわけではなく、操作しているうちにわかったことなのだ。
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新しいルールが登場したときは、銘板で解説されることもある。
 近年はヒント機能があるゲームも少なくないなか、本作はほぼノーヒントで、プレイヤーを突き放しているように見えるかもしれない。確かに詰まったときは苦しいが、それでも「このキャラクターをどう使えばいいんだろう?」、「この仕掛けを作動させるには?」と、あれこれ試して解法に気づいたときの小さな喜びに病みつきになってしまう。
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 それに、プレイヤーに寄り添ったステージ構成になっているのも見て取れる。新たな要素が加わったときのパズルステージはシンプルで、実践型チュートリアルのようだ。そこで勝手をつかんだら、つぎのステージではそれを応用する仕掛けが待っている。

 体感として、グンッとカーブを描くように難度が上がっている印象もあるが、「さっきのが解けたんだから、これも解けるよね?」と言われているような気がして、必死に食らいつきたくなる。パズルを解き続けることで、つねに自分の頭脳の限界を更新していくような感覚にもなった。
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 各エリア終盤のステージなどはかなりの歯応えで、もう、わからないときは本っ当にわからない。脳疲労というのを身をもって感じるほど、クタクタになる。そんなときはひと晩寝るか、オーバーワールドの別の方角に行って気分転換してみると、案外スルッと解けたりするものだから、またパズル沼にズブズブとハマってしまう。
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別のエリアへの高速移動を叶える簡易マップが用意されている。各エリアの太陽マークからアクセスしよう。

異世界の東西南北に難問奇問が待っている

 オーバーワールドは、スタート地点である“クロスロード”を中心に四方に広がっており、方面ごとにパズルのスタイルや登場キャラクターが異なっている。それぞれの特徴とその魅力を紹介しよう。
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【運び屋の英雄たち】
 北側の地には、キャラクターを切り換えながら解くパズルステージが連なっている。序盤から操作できるのは3人のキャラクターだが、エリアを進んでいくと新たなキャラクターが登場する。なお、操作できるキャラクターはステージごとにあらかじめ決まっている。
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ゴブリンに隣接したマスに入ると攻撃されてしまう。また、火を吐く竜の正面も避けねばならない。
【鏡の島々】
 東側では、商人の男性が“鏡の試練”に挑む。その名の通り、島に置かれた鏡が反射する先に移動できるというのが大きな特徴だ。合わせ鏡にしたり、クリスタルを映して移動させたりとさまざまな鏡の使いかたがある。
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移動先が水上だと、鏡の中を通ったあとに溺れてしまうので要注意だ。
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合わせ鏡に飛び込んだら、商人が増えちゃった!
【飛び石】
 南側では、しゃべる船と船乗りの少女が、島から島へと渡っていく。道中に落ちている“飛び石”は、押すと弾みながら向こう岸に着地する性質がある。ここではステージがつながっており、飛び石をつぎのエリアに持ち越すこともある。
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飛び石が起こす波で葉っぱを移動させたり、さらにその上に飛び乗ることもできる。
【ビーム放射器の宝庫】
 西の鉱山では洞窟探検家を操作し、集めた宝石でビーム装置を起動させていく。ビームにはいくつかの種類があり、たとえば黄色のビームを浴びているあいだは岩などを破壊できるなど、さまざまな効果が得られる。

 また、意味ありげな場所で宝石を捧げると、行動範囲を広げてくれるアイテムが手に入ることも。この鉱山は何層ものフロアで構成されており、フロア自体も広い。
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広域マップは慣れると見やすいが、上下左右がループしているので不思議な感覚に陥る。
 どの方角から攻略するかはプレイヤー次第だが、先に北や東で本作のパズルに慣れてから、難度の高い南と西に挑むのがよさそうだ。また、“英雄と鏡”のように、ふたつの方角の要素が組み合わさったエリアも存在する。
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※開発中の画面です。
 ちなみにパズル攻略中であっても、メニューからいつでもオーバーワールドに戻れる。離れた際の盤上が保存されているので、戻ってきたときも前回の状況から再開できる。
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一度クリアーしたステージに再挑戦することもできる。星型エンブレムの上で右スティックを倒せば、わざわざステージに入らずともパズルの内容が確認できるのが便利。

試行錯誤するプレイヤーのモチベを支える便利機能

 本作では、女王も含めたキャラクターを1マス動かすたびに、1ターン(1手)としてカウントされる。もしミスしてしまっても、ひとつ前の行動に戻るアンドゥがワンボタン(Switch 2版ならXボタン、PS5版なら△ボタン)で可能だし、1手どころか何十手も戻せたりする。

 さらに、ボタン長押しで連続アンドゥすることもできるのだが、処理スピードが速くてもはや動画の早戻しを見ているかのよう。この辺りは、さすが時間操作パズル『Braid』を生み出したスタジオだと感心してしまう。もちろん、ステージの最初からやり直すボタンもある。
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 また、キャラクターを切り換える際、ボタンを押して順ぐりに交代できるほか、右スティックを対象の方向に倒すことでダイレクトに選ぶこともできる。“運び屋の英雄たち”ではキャラクター切り替えを頻繁に行うし、登場人物が多いステージではとくに重宝した。
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ストーリーもまるでパズルな群像劇

 本作はただパズルを解くだけでなく、キャラクターの断片的な会話から物語を紐解いていく推理要素もある。それこそ名前から探っていく状態で、仲間に呼ばれてようやく判明するなんてことも少なくない。

 それでもキャラクターボイスのおかげで人物像はすぐつかめたし、日本語テキストも自然だった。また、これだけ多くのパズルステージに会話が用意されており、しかもフルボイスというのもすごい。
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“運び屋の英雄たち”のキャラクターたちは、悪事を企む“判事レイナード”を捕まえるべく追っている。
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“鏡の島々”の商人は死期が近いと知り、心残りだった鏡職人の試練を再び受けることに。イカダに乗った見届け人との会話や自身の独白により、商人の半生が明らかになっていく。
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“飛び石”の船乗りの少女は、しゃべる船を足止めしている各地の封印を解除していくことになる。彼女は軽口を叩きながらも、しゃべる船といいコンビになっていく。
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“ビーム放射器の宝庫”の洞窟探検家は、研究のためだと口走りながらも、集めた宝石を売って稼ごうとしている様子。彼は、鉱山の奥で宝石を求めるトカゲ(?)と出会うが……? 
 そして、人っ子ひとりいないオーバーワールドを歩む女王は、元の世界へ帰れるのだろうか。ちなみに、この世界に呼び寄せられた人間は彼女が初めてではないようで、その先駆者のボイスメモがあちこちに残されている。声の主は、なんとなく現代人のような印象もあるけれど……?
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 本作のストーリーはこのように独特な手法で語られているため、正直、最初はワケがわからずとまどったが、ふと、この世界に飛ばされた女王と同じ状況なのだと思いいたった。

あれ、このコ意外と好きかも……? 推しキャラクターを勝手に発表!

 
 『Order of the Sinking Star』は、個性豊かなキャラクターも魅力のひとつ。筆者もプレイするうちに、いつの間にかお気に入りのコが増えていった。ここでは個人的に推したいキャラクターをピックアップ!

【憎めないおじいちゃん・イシドール】
 イシドール、愛称・イジーは、“運び屋の英雄たち”で序盤から登場する魔法使いで、先述のように対象と位置を入れ換えられる能力を持っている。これは事故で身についた力なのだとか。

 この入れ換え能力がね、便利で不便なんですよ! 一瞬で移動できるのはいいんだけど、仲間や敵がいるのを忘れて振り向こうものなら、ボンッとワープしちゃう。というか、むしろイシドールがふつうに歩けるほうが珍しい。彼がうっかりワープをしないように、先に仲間を移動させておいて、入れ換えるというひと手間が往々にして必要になるので……。だけれど、彼は魔法研究に熱心なオタクといった性格で、妙な親しみを感じてしまうのも確か。
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【艶やかな吟遊詩人】
 吟遊詩人は、奏でる音楽で味方も敵も、クリスタルですら引きつけてしまう能力を持っている。音楽の範囲内に入った対象を、一定の距離を保ったまま誘導できるのが重宝する。彼女自身も大人の女性らしい魅惑的な語り口で、男性陣との会話シーンは見ていてほほえましい。また彼女の能力で、ふだんなら絶対踊らなそうな味方キャラクターが踊っている姿が見られるのもイイ。
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【無敵で無口な聖女様?】
 杖を持った僧侶のようなキャラクターは、不思議な力に守られているようで、敵の攻撃を受けてもへっちゃら。その一方で、クリスタルなどを押したり引いたりはできない。出会って間もないころは、盾扱いするのはちょっぴり気が引けたが……。

 彼女はしゃべらないのだが、最初はイシドールのオタトークに閉口しているだけなのかと思ってしまった。
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【渋いドルイドにドキッ】
 ドルイドは触れた対象をクリスタルにしたり、戻したりできる能力を持つ。仲間をクリスタルにするときは、毎回「ヒッ」と怖くなるが、固まっちゃえば敵の攻撃も効かないので非常に助かる能力だ。彼の低いボイスと、任務に忠実な仕事人という様相にもシビレる。
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パズルファンが行き着く、ひとつの終着点

 今回『Order of the Sinking Star』をプレイしてみて、パズルゲームの究極体を見たような気がした。これだけのボリュームで、ステージの大小はあれど、かさ増しのための雑なパズルなんて見当たらない。どれもが良質で、「はあ~、なるほど」と唸らせられたり、「解けた! 私って天才!!」と気分をアゲてくれる。

 難しいステージは解いていて本当に疲れるけれど……。こんなに真剣に考えたパズルはこれまでになかったかもしれない。「ココを通りたいけど、ゴブリンがジャマだから、先にああしてこうして」と、1手先、2手先、いやゴールまでの道筋を思い描いたり、それが何も思いつかないときには、とにかく動かしてみたり。つねに脳みそフル回転で、プレイ中はいつもあっという間に時間が過ぎていった。

 行き詰まってしまったときは、家族の知恵を借りることもあった。自分では思いつかなかった方法が出てきたり、話すことで問題が整理されていったり。もしヒント機能があったら見てしまうだろうけど、そうなれば小躍りするほど喜べなかったと思う。(ヒント機能をつけないでくれてありがとう!)

 いろいろな形でパズルを解き進める楽しさを長く味わえる本作は、パズル界のエンドコンテンツというか、パズル好きが最終的にたどり着くパズル天国なのだと思った。

『Order of the Sinking Star』製品概要

  • 対応プラットフォーム:Nintendo Switch 2、プレイステーション5、PC
  • 発売元:PLAYISM
  • 開発元:Thekla
  • 発売日:Switch 2版とPS5版は2026年10月29日発売、PC版は2026年10月9日発売
  • 価格:3400円[税込]
  • 対象年齢:IARC 3歳以上対象
  • ジャンル:パズル・アドベンチャー
  • 備考:PC版のパブリッシャーはArc GamesとGamirror Games

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