ロゴジャック広告

gamescom主催者インタビュー。日本メーカーの特徴はクラフトマンシップとデザインへの非常に強いこだわり。10月29日からは“gamescom asia x Thailand Game Show”が開幕

gamescom主催者インタビュー。日本メーカーの特徴はクラフトマンシップとデザインへの非常に強いこだわり。10月29日からは“gamescom asia x Thailand Game Show”が開幕
 2026年10月29日より、タイ・バンコクにてゲームイベント“gamescom asia x Thailand Game Show 2026”が開催される。本イベントは毎年ドイツ・ケルンで行われるヨーロッパ最大のゲームイベント“gamescom”のアジア版で、さまざまな発表や試遊が行われる見通しだ。
広告
 2026年8月26日~30日の期間にドイツ・ケルンで行われた“gamescom 2026”は、世界131ヵ国から36万8000人が来場。また開催日前夜に行われた発表イベント“Opening Night Live”ではさまざまな新情報が発表され、世界中のゲームファンが大きく盛り上がった。gamescomはこうして年々その影響力を増し、来場者数などの規模も拡大し続けている。

 そんなgamescomを運営する主催者サイドは、世界市場をどのように見ているのだろうか? イベント主催者へのインタビュー記事をお届けする。

Felix Falk氏(フェリックス・ファルク)

game(ドイツゲーム産業協会)マネージングディレクター

Tim Endres氏(ティム・エンドレス)

ケルンメッセ gamescom ディレクター

新技術、新作、新ハード。成長し続けるグローバルゲーム市場

――はじめに、フェリックス・ファルクさんとティム・エンドレスさんが、gamescomにおいてどのような役割を担当されているのか教えてください。

ティム
 ケルンメッセにてgamescomのディレクターを務めています。この役職では、gamescomの戦略的・企画的な開発、そして会場体験全体およびデジタルプラットフォーム全体の統括を担当しています。パートナーであるgame – The German Games Industry Associationとともに、私たちはgamescomを、現地イベントとグローバルなデジタルプラットフォームの両面で形作っています。

フェリックス
 私はgame – The German Games Industry Associationのマネージングディレクターを務めています。私の担当領域は、gamescomの戦略的な発展から、政策立案者との折衝におけるゲーム業界の利益代表まで多岐にわたります。gamescomの共同主催者およびブランドオーナーとして、私たちはケルンおよび各地域版のgamescomにおいて、あらゆる出展者、来場者、ファンにとってのgamescom体験の向上に努めています。

――例年と比較して、gamescom 2026で大きく変わったところ、進化したところをお教えください。

ティム
 核となる部分は変わっていません。ファンの皆様には、主要な出展者やハンズオンでのゲームプレイ体験から、コスプレ、eスポーツ、コミュニティのハイライト、そしてケルンならではのユニークなフェスティバルの雰囲気まで、gamescomを象徴するすべてに今年もご期待いただけます。さらに、会場全体にわたって数多くのサプライズや新しい体験も用意しています。この多様性とエネルギーこそが、gamescomを特別な存在にしているのです。

 世界中のファンに向けたデジタル体験の拡充も継続しています。“Opening Night Live”は引き続き大きなオープニングショーとして位置づけられ、今年からはIGNが制作を手掛ける“gamescom awesome indies”の開発にも投資し、gamescom出展のインディーゲームに、より一層の国際的な認知を与えています。

――gamescomや東京ゲームショウをはじめ、ゲーム市場の拡大に伴い、世界中でさまざまな展示イベント、開発者向けカンファレンスが実施されるようになりました。その中でgamescomはどのような個性、役割を発揮するイベントであるとお考えでしょうか?

ティム
 gamescomならではの役割は、ゲームというエコシステム全体をひとつの場所に集約することにあります。gamescomは大規模なビジネスプラットフォームであり、コンシューマー向けのお祭りであり、メディアの舞台であり、開発者同士の交流の場であり、そしてゲーム文化そのものを祝う場でもあります。ほかにはない特徴は、その規模と雰囲気の組み合わせでしょう。ファンは新作ゲームをみずからの手で体験でき、企業は世界中のオーディエンスにリーチでき、開発者は長く続くビジネス関係を築くことができます。

 同時に、gamescomはゲームを取り巻く文化全体も反映しています。それにはコスプレ、eスポーツ、コンテンツクリエイター、アニメ、マンガ、ボードゲーム、トレーディングカード、そしてますます存在感を増しているアジアのポップカルチャーも含まれます。

 もうひとつの重要な要素は、ハイブリッドな性格です。“Opening Night Live”や“Awesome indies show”、“gamescomスタジオ”といった番組は、イベントの範囲をドイツ国外にまで広げ、日本を含む世界中のファンが主要な瞬間をデジタルで追体験できるようにしています。10月29日に開催される“gamescom asia x Thailand Game Show”や、2027年4月22日から開催される“gamescom latam”を通じて、重要な地域のゲームコミュニティともつながっているのも大きな特徴です。

 gamescomを特別なものにしているのは、単一のイベントやひとつの側面ではないのです。私たちは全方向に向けてアプローチをしており、フォーマットに対するハイブリッドな発想で体験や場を提供しています。過去にほかのイベントがうまくいかなかった場面でも、gamescomが成功できた理由は数多くあるのです。

――ゲーム市場においては、Steam Machineの登場などハードウェア分野での競争について、欧州視点でどのように見ていますか?

フェリックス
 より広い視点で言えることは、プレイヤーが柔軟性をますます重視するようになっているということです。Steam Machineが欧州市場にどれほどの影響を与えるかは、まだ見極めが必要ですが、プレイヤーにとってゲームハードの選択肢が増えるのはいいことです。さらに、競争はイノベーションを促進するので、このコンソールのリリース後にどのような発展が見られるのか、私たちも楽しみにしています。gamescomにとっても、これは会場での体験の多様性を高め、デベロッパーやパブリッシャーがプレイヤーにリーチする手段を増やすという点で、わくわくする話題です。

――日本国内シーンでは近年、『めっちゃカメレオン』(MECCHA CHAMELEON)など、インディーゲームの隆盛が目立つようになりました。グローバル市場におけるインディーゲームの盛り上がりに関してどのように見ていらっしゃいますか? インディーゲームがもたらす市場への影響と、今後の予想なども含めてお話しいただけますと幸いです。

フェリックス
 インディーゲームの勢いは、世界のゲーム市場におけるもっとも前向きな発展のひとつです。インディーチームは極めて高いレベルの創造性をもたらし、焦点を絞ったアイデア、大胆なアートスタイル、独特なメカニクス、あるいは深く個人的な物語を提示してくれます。同時に、開発ツールの向上とグローバルな流通チャネルの発達により、小規模なチームでも世界中のプレイヤーにリーチすることが可能になっているのも興味深い点です。

――gamescomには日本のメーカー・クリエイターも多数参加しています。現在の日本のメーカー・クリエイターにはどのような特徴や傾向があると考えていますか?

ティム
 私たちはいつも、大手パブリッシャーから新興のインディーチームまで、日本の企業やクリエイターをgamescomにお迎えできることをうれしく思っています。日本企業とgamescomの関係には長い歴史があり、私たちはそれを誇りに思っています。日本ならではの特徴として際立っているのは、クラフトマンシップとデザインへの非常に強いこだわりです。日本のゲームは明確なアイデンティティを持ち、キャラクターや世界観への徹底した作り込みが見られ、コミュニティとの深いつながりを持っていることが多いです。

 欧州のファンは、日本のゲームに対して長く、そして非常に情熱的な関係を築いてきました。多くの日本発のフランチャイズが、世界中の何世代ものプレイヤーに影響を与えてきました。たとえば『
ダークソウル』、『ファイナルファンタジー』、『ゼルダの伝説』などが代表例の一部です。

 日本のパブリッシャーに関する傾向として、gamescomをふたつの重要な目的のために活用しているという点があると感じています。ひとつは、西洋のプレイヤーから直接フィードバックを得て、グローバル市場向けにゲームをさらに磨き上げること。もうひとつは、コミュニティとの長期的な関係を築き、あるいは深めることです。けっきょくのところ、gamescomほど多くのゲームファンを惹きつける場所はほかにありません。日本企業がこれほど多くのファンと交流できる、これ以上の場はないのです。

――2026年のグローバルゲーム市場のトピックといえば、アメリカ、EUで議論された“Stop Killing Games”や“Stop Destroying Videogames”も印象的です。この議論がもたらすゲーム市場への影響をどう捉えていらっしゃいますか?

フェリックス
 オンライン要素に体験を依存しているゲームには、サーバーが必要です。アクティブなプレイヤー数が減少した場合でも、企業は運営継続が商業的に成り立つかどうかを判断できなければなりません。ほかのあらゆる製品と同様に、成功しなくなったサービスは最終的に終了することになります。しかしだからといって、プライベートなコミュニティサーバーへの移管は、実現可能な解決策とは言えません。企業には、未成年者の保護、マルウェアや問題のあるコンテンツからの保護、著作権で保護されたライセンスの維持といった、実質的な責任があるからです。その責任こそが、安全で質の高いプレイ体験の前提条件なのです。

 とはいえ、ゲームを文化的資産として保存していくことは、それ自体重要な課題です。そして、私たち社会が書籍や映画など、ほかのメディア形式を保存する方法を見出してきたのと同じように、ゲームについてもいい解決策を見出さなければならないと考えています。

――そのほか欧州のゲーム市場ならではのトレンドや、印象的な出来事があれば教えてください。

フェリックス
 欧州において明確に見て取れるのは、ゲーム市場が複数のレベルで広がりを見せているということです。一方では、つぎに何が来るかに強い焦点が当たっています。新しい技術、新しいビジネスアイデア、新しいスタジオ、新しいクリエイティブなフォーマットです。gamescomはまさにそれを直接的に反映しています。なぜなら、業界のつぎのステップを形作る企業、開発者、クリエイター、コミュニティが一堂に会する場だからです。

 同時に、ゲームコミュニティはゲームそのものを超えて、より活発かつ可視化されるようになっています。ファンはただプレイするだけでなく、活動を組織し、社会的な取り組みを支援し、寄付を募り、コミュニティが集う場としてゲームを活用しています。こうした関わりかたは、ゲーム文化のますます重要な一部になりつつあります。そして最後に、オーディエンス自体もより幅広くなっています。いまやゲームは世代を超えてプレイされており、親世代や祖父母世代も含まれます。これにより市場は、コンテンツの面だけでなく、誰がどのようにゲームを日常生活に取り入れているかという面でも、より多様になっています。

――来年以降のgamescomはどのような進化を見せてくれるのでしょうか? すでに予定している、構想している新要素などがありましたらお教えください。

ティム
 私たちはつねに将来に向けた計画を立てていますが、同時にゲーム業界の急速な変化に対応できるだけの柔軟性も保っています。

 gamescomは市場とそのコミュニティとともに進化していかなければなりません。企業からの需要は引き続き大きく伸びており、私たちはすでに、今後数年間で出展者や新たなフォーマットのために追加のスペースや新たな機会をどのように生み出せるかを検討しています。また、現地の来場者と世界中のファンの双方にとっての体験を継続的に向上させたいと考えています。これには、ハイブリッドフォーマットのさらなる発展、ビジネスおよびネットワーキングの機会の強化、デベロッパー支援の拡充、そしてgamescomを特別なものにしているゲームやポップカルチャーの多様性を、さらに広く伝えることが含まれます。

担当者プロフィール

  • ヒゲメガネ長谷部

    ヒゲメガネ長谷部

    Steam歴15年のPCゲーマー。イラストにはヒゲがなく、現実では(ほぼ)メガネをかけていないため、ペンネーム詐欺と言われている。好きなゲームジャンルはFPS、シミュレーション、サバイバルクラフト。

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

週刊ファミ通最新刊
週刊ファミ通表紙
購入する
ebtenamazon
電子版を購入
bookWalker