
Ed Beach氏(エド・ビーチ)
Firaxis Games『シヴィライゼーション VII』クリエイティブ・ディレクター
大型無料アップデートは最高の“『Civ』体験”を提供するために
単一文明で時代を駆け抜ける機能“時代違いの文明”を実装したのは、『Civ』シリーズの根幹をなす伝統が単一の文明で最後までプレイすることにあったからです。最初に『シヴィライゼーション VII』で文明の時代移行(チェンジ)を導入した際は、歴史における文明の成長や変遷を反映した新しい試みを行いたいと考えたためでした。しかし、プレイヤーからのフィードバックに耳を傾け、“Firaxis Feature Workshop”でともに開発を進めた結果、従来のサンドボックス的な体験(単一文明でのプレイ)と、時代ごとの文明チェンジによるシミュレーション体験のどちらかを、プレイヤー自身が意味のある選択として選べるという目標を達成することができました。
新システム“成功”を導入したのは、従来のレガシーパスでは各時代が提供する要素(とくに外交や拡張主義的な戦略)をフルに探求しきれなかったためです。また、レガシーパスはプレイヤーにとって強制感や一本道感を与えるものになってしまっていました。“成功”はレガシーパスに代わるものであり、勝利条件とは切り離された独立したチャレンジとして、達成することで報酬を獲得できます。これは任意で挑戦できるため、プレイヤー自身の好みのプレイスタイルに合わせた勝利への道のりを描くことが可能です。
また、勝利条件についても全面的な見直しを行いました。以前は、レガシーパスを完了するかどうかという選択肢に近く、さらにゲーム終盤(最後の3分の1)において、複数のパスを完了しても十分なインパクトが得られないという問題がありました。その結果、現代に入ると狙う勝利条件をひとつ選び、それに向かって他国とレースをする形となり、その時代が提供するすべての要素ではなく、意図していたよりも狭い範囲の要素にしか集中できなくなっていたのです。
新しい勝利条件は、文明間でのより緊迫した争いを生み出し、互いのスコアを逆転しようと直接競い合う設計になっています。ポイントとなるのは、スコアに寄与する多様なアプローチを用意することで、試合ごとに現代のさまざまな要素をより深く体験できるようにした点です。さらに、序盤から圧倒的に優勢でスノーボール(一気に優位を広げること)状態になった場合は、探検の時代の時点で勝利を確定させることも可能になりました。

なかでももっとも大きいのは、経済関連のゲームプレイにおける新たなハブとして完全に刷新された“商業画面”です。この新画面では、資源、貿易ルート、財宝船団などに関するより多くの情報が一目でわかるようになっています。さらに、ドラッグ&ドロップや、全資源の検索・フィルター・一括解除機能といったQoL(クオリティ・オブ・ライフ)改善も施されています。
また、ゲームのガイドとなり基本システムを紹介してくれる“助言者評議会”も新たに導入しました。ゲームの重要なシステムにまだ慣れていない場合は、助言者のアドバイスに従うことで定期的なヒントを得ることができます。
ゲーム進行の改善も行いました。時代移行の体験がよりスピーディーかつスムーズになったほか、“時の試練”を乗り越えて見事勝利を収めたプレイヤーには、自身の帝国を称える新たな“勝利の瞬間”ムービーが再生されるようになりました。
なお、私たちは“時の試練”アップデート後も手を止めていません。その後のアップデートでは、ホットシート機能(1台のPC/ハードでの交互プレイ)、アーキペラゴ(多島海)やシャッフルなどの新マップ、政府および幸福度のシステムの大幅改修、和平協定の改善、指導者関係UIの改善、そして追加コンテンツ“文武両道”コレクションの配信などをしてきました。

――これらのアップデートに関して言えば、プレイヤーからの不満点を解消するために実装したという意味合いが強い感じでしょうか?
時代ごとに文明を変える革新的なプレイを楽しみたい方にはそのスタイルを継続できるようにしつつ、従来の『Civ』のような体験を求めているサンドボックス指向のプレイヤーには伝統的な遊びかたを提供できるようになったことで、“革新”と“柔軟性”のすばらしいバランスを実現できたと自負しています。
――アップデートに対するユーザーさんからの印象的なフィードバックがありましたらお教えください。

“文武両道”コレクションでは、東アジアの歴史の奥深さを探求した
――新指導者として豊臣秀吉を起用した理由を教えてください(やはり大河ドラマ……?)。李舜臣は豊臣秀吉との流れからおのずと導き出された感じでしょうか。
日本の“天下人”のふたり目として、彼、秀吉は混沌とした戦国時代において日本をひとつにまとめ上げました。下級歩兵(足軽)からキャリアをスタートさせた秀吉は、織田信長にもっとも信頼される家臣のひとりとなり、勇敢な武人として、また芸術のパトロン(保護者)として頭角を現しました。本能寺の変による信長の死の後、主君の仇を討った秀吉は天下統一の偉業を推し進め、やがてその視野を朝鮮半島やその先へと広げていくことになります。

一方、李舜臣を採用した理由については、彼のような“海軍提督”を専門とした指導者がほかに存在しなかったためです。この点に着目し、彼には海戦に関連する多数のゲームプレイ上のボーナスを付与することができ、既存の指導者陣の中でも非常にユニークな存在とすることができました。
名将・李舜臣提督は、義務感と強い決意に満ちた人物でした。裏切りに苛まれる波乱の生涯を送りながらも、義務から逸れることはなく、牢獄に入れられても王の呼び出しに応じました。壊滅的だった朝鮮海軍の残骸から強力な艦隊を再編し、圧倒的な戦力差の敵に対して味方を勝利へと導いた彼の功績は、部下や民衆にとっての英雄として歴史に刻まれています。
歴史に計り知れない影響を与えたこの両者は、まさに『シヴィライゼーション VII』の指導者としてふさわしい存在です。
――豊臣秀吉や李舜臣を指導者とするにあたってこだわったポイントをお教えください。
秀吉の固有アビリティ“偉大なる統一者”は、陸上ユニットの攻撃時に補正がかかるほか、占領した都市において、文化系建造物の生産力にボーナスが得られるようになっています。これは、日本の天下人としての彼の歴史的功績を正確に表現したものです。
李舜臣の固有アビリティ“三道水軍統制使”は、古代に社会制度“規律”を研究した後に“艦隊司令官”を訓練できるようになり、港と規律の両方を揃えるとコストなしで艦隊司令官を獲得できます。さらに、海上ユニットで敵を撃破するとその戦闘力に応じた科学力を獲得できるほか、科学関連の建造物を建設した際にすべての艦隊司令官が経験値を得られ、同時に一定のゴールドボーナスも獲得できます。これは、彼が海を支配していた事実を反映した性能となっています。
――追加された新文明のゲームプレイ上のポイントや特徴について教えてください。

戦国日本は、侍と大名、そして日本の封建社会を描いた数々の古典的な物語の舞台となった時代を表現しています。固有アビリティは、軍団司令官が戦闘で獲得した経験値1につき文化力と科学力を増加させます。固有施設“茶室”は食料と幸福度を増やし、隣接する区域ごとに文化力を引き上げます。固有ユニット“忍”はステルス能力を持ち敵から姿を消すことができ、“妨害工作”によって敵の陸軍司令官を再出撃(強制スポーン)させます。さらに“侍”は高い戦闘力を誇り、一定数の敵を倒すことで自動的にアップグレードされます。

高麗は学術と芸術の中心地であり、仏教の学問的拠点となりました。固有アビリティ“兵曹”は、みずからが開始・支援したアクティブな“外交努力”からの文化力を増加させ、町の固有施設からの文化力と、都市の固有施設からの影響力を高めます。

李氏朝鮮は、儒教の深化、強固な防衛、そしてバランスの取れた政府によって500年にわたり平和が続いた時代です。固有アビリティ“文治主義”は、首都における専門家上限を増加させる一方で、そのほかのすべての都市における専門家上限を減少させます。また、朝鮮は設定された都市上限数からスタートしますが、町であってもティア1の科学・文化系建造物を直接購入することが可能です。

――今後の有料追加コンテンツの展望をお教えください。



















