『ビースト・オブ・リンカネーション』相棒犬・クゥが表情豊かなのは「エマといっしょにいるとうれしいから」。魂を込めて開発したひとりと一匹の旅【インタビュー】

『ビースト・オブ・リンカネーション』相棒犬・クゥが表情豊かなのは「エマといっしょにいるとうれしいから」。魂を込めて開発したひとりと一匹の旅【インタビュー】
 2026年8月4日にいよいよ発売となる、プレイステーション5(PS5)、XBOX Series X|S、PC(Steam/Microsoft Store)向けソフト『Beast of Reincarnation』(ビースト・オブ・リンカネーション)。
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 ゲームフリークが手掛ける完全新作として、注目を集めるアクションRPG。主人公・エマと相棒犬のクゥが、穢れが蔓延しあらゆる生物が“腐蝕体”へと変わった終末世界を冒険していく。

 そんな本作のディレクターを務める古島康太氏にインタビューを実施。完成までの経緯や気になるポイントなどについて聞いた。
『ビースト・オブ・リンカネーション』相棒犬・クゥが表情豊かなのは「エマといっしょにいるとうれしいから」。魂を込めて開発したひとりと一匹の旅【インタビュー】

古島 康太フルシマ コウタ

ディレクター ゲームフリーク 開発本部 開発一部 副部長

世界やキャラクターの年表まで作成した、こだわりの物語

――本作は“植物”がテーマのひとつになっているとのことですが、このアイデアはどこから生まれたのでしょうか?

古島
 まず本作のコンセプトとして、ひとりと一匹で過酷な世界を旅して、相棒の頼もしさや温もり・寂しさを描くというものがありました。

 ならばできるだけ世界が滅んでいるほうが、過酷でありお互いの絆を育める。そこで、人工物が廃れて植物が生い茂っているような、遠い未来が舞台にふさわしいと考えました。

 緑のほうが生き生きとしているイメージが強いため、この世界の敵は植物にするのが筋が通るなと思ったんです。そこから腐食体という存在や、エマやクゥのアクションを落とし込んでいったという流れでしたね。
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――キャラクターデザインも、世界観設定のイメージから決まったのでしょうか?

古島
 本作の舞台は、幾度も崩壊と再生をくり返している世界です。工業が廃れてしまうため、一般的な服のような工業製品が作りづらい。ただ日本の着物のように、布を帯で巻いて着るというような文化的な概念がなくなることはないと思うんです。そこで、和風な服装のキャラクターが多くなっています。

 エマは浄化兵という特殊な立場なので、服の素材も特別製です。ベースは和装なのですが、よく見ると軍服のような雰囲気になっています。
『ビースト・オブ・リンカネーション』相棒犬・クゥが表情豊かなのは「エマといっしょにいるとうれしいから」。魂を込めて開発したひとりと一匹の旅【インタビュー】
――なるほど。ほかのキャラクターたちもそのような形で固まっていったのですね。

古島
 それでいうと、いちばん最初に舞台となる世界とキャラクターごとの年表を作りました。

――最初に年表ですか!?

古島
 キャラクターのバックグラウンドやこれまでの生きかたがキャラクター造形には重要なので、それを深堀りするためにシナリオと並行しながら作成しました。

 そういったなかで「このタイミングで生まれたなら、この技術は発展しているな」というような形で、デザインにも落とし込んでいきましたね。

――古島さんは、本作で初めてシナリオを担当したとお聞きしましたが、そうとは思えない作り込みですね……。

古島
 初めてだからこそ、すべてに理屈がないと不安だったのかもしれません(笑)。ちなみにじつは年表を作るのは、ゲームフリークの文化でもあるんです。
『ビースト・オブ・リンカネーション』相棒犬・クゥが表情豊かなのは「エマといっしょにいるとうれしいから」。魂を込めて開発したひとりと一匹の旅【インタビュー】

相棒犬・クゥが頼りになるようなバランスに

――本作では、攻撃よりも防御に重きを置いている印象を受けました。アクションを作るうえで、重視したポイントはどのようなところでしょうか?

古島
 アクションゲームを作る際はコンセプトが大事だと考えていて、まずクゥが活躍できるアクションは何だろうと思案しました。

 そこで重要視したのが受け流しです。敵の攻撃を弾くことでゲージが溜まり、それを使ってクゥの強力な“開花技”を使用できます。強大な敵の攻撃をしのぎきって、その結果クゥが助けてくれるというシチュエーションが生まれやすくしました。
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――難易度のバランスも、クゥの活躍を前提として設定されているのでしょうか?

古島
 そうですね、クゥをもっとも頼もしく感じるバランスを目指しました。たとえば敵がすごく弱かったり、エマひとりでなんとかなってしまうと、クゥがいらなくなってしまいます。

 そこでクゥが強い敵を足止めしてくれたり、命からがらな状態で助けてくれたり、アイテムや敵の場所を教えてくれるといった、頼りになるタイミングが生まれるようにしています。

 一方で、クゥを頼るのをプレイヤーに押し付けないというのも大事にしています。自然に頼もしく感じられたり、バトルをいっしょに成し遂げる感覚を体験できるように心がけています。

――なるほど。ちなみに、クゥのキャラクター設定で気を付けたポイントはありますか?

古島
 主人公のエマと並び立ったときに、目線が同じにならないといけないと考えました。エマとクゥが対等な相棒であることを、目線の高さで示したいなと。そこで、身体の大きさ的にも違和感のないウルフドッグをイメージしています。

 また、エマとクゥは相互的に設定やキャラクターデザインが決まっていきました。エマの服の黒色にあわせて、クゥの毛色は白色にする、というような流れですね。
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――クールなエマに対してクゥは明るいような印象を受けたのですが、そういった対照的なイメージを意識されているのでしょうか?

古島
 そうですね。あと単純に、クゥはエマといっしょにいるとうれしいんですよ(笑)。だから表情も明るくなっちゃうんです。

――かわいい(笑)。

魂を込めて開発した、ひとりと一匹の旅

――移動がストレスフリーな点も印象的でした。スキルツリーのように、段階的に開放する形にしなかったのはなぜでしょうか?

古島
 世界が崩壊しているということは、フラットな地形ではないということで、開発初期から高低差のあるマップを意識して作っていました。ただ高低差があると、移動を制限したときに抜けられなくなる場合があるんですよね。そこで、移動に必要な要素は制限するべきではないと。

 本作のマップは立体パズルのようになっていて、マップの上方などにアイテムがあると「これどうやって行くんだろう?」と考えられる、ゲーム体験ができるようになっています。
『ビースト・オブ・リンカネーション』相棒犬・クゥが表情豊かなのは「エマといっしょにいるとうれしいから」。魂を込めて開発したひとりと一匹の旅【インタビュー】
――本作は、ゲームフリークさんで初めてUnreal Engine 5で開発したとのことですね。利用してみた利点などはありましたか?

古島
 ブループリント(※)のおかけで、プロトタイプを作りやすいのは大きかったと思いますね。開発にあたって、まず自分ひとりでUnreal Engine 5を使用して試作をしていたのですが、直感的にできてビジョンを示しやすいのは利点でした。
※機能ブロックを線でつなぎ、視覚的にプログラムが作れるシステム。
――いよいよ発売となりますが、楽しみにしているユーザーのみなさんにメッセージをお願いします。

古島
 これまでゲームフリークが作ってきたゲームとはジャンルが異なる作品ということで不安に思われていたところもあると思いますが、徐々に情報が出るうちに「本当におもしろそう」というお言葉をいただけたことが、励みになりました。

 よいものを皆さんにお届けできるよう、我々の魂を込めて作ってきましたので、ぜひ安心してエマとクゥの旅を楽しんでいただければと思います。

      担当者プロフィール

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