翌15日にはD23会場で『キングダム ハーツ』シリーズのディレクター・野村哲也氏とCo.ディレクター・安江泰氏も参加した“DEEP DIVE into KINGDOM HEARTS PANEL”も開催された。
本稿では、そのパネルセッションの模様についてリポートする。
野村哲也氏のサプライズ登場にファン歓喜
このお二方の登壇は事前にアナウンスされていたが、ここでサプライズゲストとして『キングダム ハーツ』シリーズの生みの親として野村哲也氏が紹介されると、観客からは悲鳴に近い歓声が。
あまりステージ上には立たない野村氏だけに、ファンにとっては貴重な機会となった。
ナンバリングは意外性のあるワールドを入れることをつねに意識
初代『キングダム ハーツ』開発当初、ディズニーのワールドとしてどの作品が候補だったかを問われた野村氏は『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』を挙げた。これは『ピーター・パン』や『ピノキオ』などのセルアニメのワールドだけではなく、ストップモーションで作られた『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』が入ることで「意外に感じてもらえるだろう」との理由から。
この“意外性のあるワールド”は、ナンバリングを開発する際はいつもひとつは入れるよう意識しているという。
また、ワールドの選定にはディズニー側からのリクエストもあるようで、Gadd氏によると『リトル・マーメイド』のワールド(アトランティカ)を推した際は、テクノロジーの進化によって水の表現が実現できるようになったというのも、その理由のひとつだったようだ。
安江氏からは、開発者目線でワールドが語られ、ゲームというメディアがインタラクティブな体験ができるのが特徴なだけに、そのワールドで“どんな体験をさせられるか”といった視点で開発していることや、さまざまな世界観のアトラクションが楽しめるディズニーランドのように、各ワールドごとに異なるユニークな遊びが楽しめることを重視していることが語られた。
さらに野村氏からは、ソラのメインストーリーの進行とテーマが近しいワールド、というのも選考理由のひとつにあると説明。『キングダム ハーツIV』で言うと、ソラは一方の側面から見ると“死の世界”にいるのだが、これは『リメンバー・ミー』のミゲルと同じような立場ゆえ、同作がメインストーリーとの相乗効果も高めやすいワールドと言える。
丁寧に再現されたワールド制作のこだわり
キャラクターの見た目や行動原理が映画版と違和感ないかといった点はもちろんだが、エフェクトやカメラワークなどの気付かれにくい細部に至る点も含め、作品ごとの特徴に忠実に合わせて作られていることなどが紹介。これら細部のこだわりが“映画の中で実際にプレイしている感覚”をより深めるうえで重要だという。
安江氏はそうした作品ごとの異なるアイデンティティーを忠実に再現したうえで、キャラクターたちが協力したり、戦ったりすることが『キングダム ハーツ』シリーズの魅力で、長く愛される理由のひとつだろうと語った。
その例として『リメンバー・ミー』のワールドではミゲルはギターを、ヘクターは骨をヌンチャクなどのように駆使してバトルすることが語られている。
また、野村氏はゲームオリジナルの物語(ソラの物語)においても、それぞれのワールドのキャラクターの個性が際立つ物語になることを重視しており、プレイヤーがソラを通じて、そうした物語を体験できることが『キングダム ハーツ』というシリーズの本質だとコメント。
王様が本の世界をグイグイ進むユニークなワールドも
安江氏はどのワールドも思い入れがあるが、現時点で言うと『キングダム ハーツIV』のスカラ・アド・カエルムの本の世界を挙げた。
これはロングバージョンのトレーラーにも収録されていたが、王様(ミッキー)を操作し、本のような世界の中を進むユニークな世界になっており、薄っぺらになったり折り紙で作ったような形になったりと、さまざまな形状に変化することができるようだ。
また、折り紙の飛行機に変化すると飛ぶこともできるという。この“折り紙ミッキー”の特徴を活かしたパズル要素もあるとのこと。

野村氏はハデスやマレフィセントなどヴィランたちが登場するワールドを挙げ、『キングダム ハーツIV』でもすでにハデスは登場しているが、マレフィセントも重要な役割を担うとのこと。
加えて、『キングダム ハーツIII』では構想だけで実現できず、『キングダム ハーツIV』ではその構想からさらにパワーアップさせて実現できたワールドもあるといい、それが「自分たちはスゴイと感じているワールド」(野村氏)とのことなので期待したい。
『キングダム ハーツIV』の各ワールドはかなり広い!?
安江氏はリアルな街並みを再現するために、東京の各地を巡り写真を撮りまくったというエピソードを披露。
さらにゲーム内ではかなり広いワールドになるため、キーチェーンをグラップリングフックのように使って移動したり、滑空したり、スピーディーで爽快感のある移動手段がいろいろ用意されているという。
物語の側面では、『キングダム ハーツIV』ではこれまでとソラが置かれている立場が異なり(ソラがいるクァッドラトゥムは裏側の世界との位置付け)、さらに過去シリーズの物語との関係性も考慮する必要があることから、構成担当のスタッフも交えて、ストーリーを強化しているとのこと。
2027年には確実にリリース
Gadd氏は支えてくれるファンのおかげはもちろん、世代を超えて愛されている理由に友情や喪失、希望など普遍的でどの世代の誰にでも共感できるテーマがあるからだろうとコメント。
加えて、野村氏とディズニーの“物語とキャラクターの融合”はまさに魔法のような効果があり、『キングダム ハーツ』シリーズが特別なコラボであることにも触れた。
安江氏もファンの方々の支えに感謝しつつ、『キングダム ハーツIV』が2027年に確実に発売されることを約束(会場から大きな拍手)。
野村氏もファンのサポートがあり、それが長く開発を続けてこられた励みになっているたことを感謝。25周年に向けて計画していることに触れ、「いまはもう30周年のことを考えています」との発言も。「アニメもがっつり関わっているので、そちらも楽しみにしていただければと思います」。
『キングダム ハーツIV』、アニメシリーズともに続報も楽しみにしたいところ。
ソラとリクの初めての掛け合いが実現!?
実際のボイスの収録現場でも調整が必要なときもあるというが、OsmentさんやGallagherさんを始め、役者陣が臨機応変に対応してくれたおかげでうまくいったことも多々あるという。それを聞いたOsmentさんとGallagherさんは壇上でグータッチ。
そんなOsmentさんとGallagherさんはソラとリク同様、良好な関係性が見てとれるが、じつは一度もいっしょに収録したことはないという。「それはボイス収録の奇妙な側面のひとつですね(笑)」(Osmentさん)、「そういう意味では25年近くにわたってソラを探し続けていたんです。今日、会えてよかった(笑)」(Gallagherさん)

















