メディアミックスへつながる“ワルキューレ”の原点

『ワルキューレの冒険 時の鍵伝説』は、ナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)から発売されたアクションRPG。
冨士宏氏が描いた美しいパッケージのビジュアルとコミカルなドット絵のギャップも相まって、後にナムコを代表する看板キャラクターへと成長した“ワルキューレ”が初登場した作品だ。
1986年は、『ゼルダの伝説』(2月21日発売)や『ドラゴンクエスト』(5月27日発売)などが発売され、“RPG”というジャンルが家庭用ゲームで一気に浸透していった象徴的な年。本作も「アクション性を取り入れたロールプレイングゲームの決定版」と銘打って登場し、RPGの普及や人気獲得に大きな影響を与えた1本と言えるだろう。
2025年末から2026年始にかけて未公開資料やイラストなどの貴重な資料を詰め込めるだけ詰め込んだ書籍・サントラCD・ゲームなどのセット“『ワルキューレの冒険』40周年記念公式記録全集”が受注販売され、ファンのあいだで話題を呼んだのも記憶に新しいところだ。
ゲーム開始時にワルキューレの“星座”と“血液型”を入力するユニークなシステムが採用されていて、組み合わせによって能力値や成長傾向が変化する仕組みになっていた。いまでもそういった情報を入力する作品はあるが、1986年当時としてはかなり珍しい試みだったんじゃないかな。
『ワルキューレの冒険』はキャラクター性を前面に押し出す作品ではないのだが、本作に強く惹かれたのはやはりワルキューレの存在によるところが大きいだろう。
羽根飾りのついた兜に金髪の三つ編み、大きな盾に剣という凛々しくも美しい姿は多くのゲームファンを魅了したに違いない。『時の鍵伝説』のドット絵はイラストと少々違う印象だが(笑)、続編『ワルキューレの伝説』からはイラストそっくりになっている。
森、砂漠、山岳、雪原などの広大なフィールドを冒険できるのもワクワクしたポイントのひとつで、斧で木を切り開き進んでいけるのがおもしろかった。なんと昼夜の概念もあり、これが冒険している感覚を一層強めてくれていた。
移動中は敵が四方から出現して襲ってくるシステムだが、剣と魔法を使って倒していくアクション要素の強いものになっている。
敵を倒すと経験値が入り、宿屋で休むことでレベルアップする。また、宿屋に泊まると“キーワード”が表示され、これを入力することでコンティニューができた。バッテリーバックアップ機能(セーブ)を搭載していなかったため、ゲームを中断・再開する手段としてキーワード方式を採用。当然ながら、書き間違いによる悲劇も全国で生まれていたことと思う。
人気を集めたワルキューレは、その後も前述した『ワルキューレの伝説』(1989年/アーケード)やスピンオフ『サンドラの大冒険 ワルキューレとの出逢い』(1992年/スーパーファミコン)などへとシリーズが広がり、冨士宏氏が描くコミックやドラマCDなどメディアミックスも展開していった。もちろん、現在でもナムコを代表するヒロインのひとりとして親しまれている。
いま『ワルキューレの冒険 時の鍵伝説』で遊びたいならNintendo Switch用に展開されている『ナムコットコレクション』が手っ取り早くておすすめだ。
ハムスターから配信されているNintendo Switch及びプレイステーション4(PS4)用『アーケードアーカイブス VS. ワルキューレの冒険 時の鍵伝説』というアーケードゲーム向けに調整されたバージョンも存在する。














