【漫画の裏側を語る!】『チェイサーゲーム』原作コラム 『デバッグルーム』シーズン2 外伝 おばあちゃんの弁当箱編

【漫画の裏側を語る!】『チェイサーゲーム』原作コラム 『デバッグルーム』シーズン2 外伝 おばあちゃんの弁当箱編
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実際にあった怖い話シリーズ

 お届けしてきた西川さんの新入社員時代のエピソードは、これまでにも説明してきたとおり、ほぼ実話にまつわるエピソードでした。

 外伝回である今回の『おばあちゃんの弁当箱』というエピソードも残念ながら実話です。

 これも実際には西川さんではなくて、当時のシネマティック担当者に対して言ったセリフだったと思いますが、西川さんで代用させていただきました。

 絵作りが全体的に本当に地味でほぼ茶色だったんですよ。

 セピアな回想シーンとかでもないんですよ?

 ふつうに現在のシーンを表現するのに、ほぼ茶色て。

 あまりにも地味で、意味もなく茶色にまとまっていたので、こう表現したのでした。

 言われた本人は(作中の)西川さん同様に最初は「???」と意味が分からないようでした。

 けど、ダメなものはダメなので丸っと全部作り直してもらいました。

泥水を啜(すす)るのがそんなに好きなんだな

 今回のエピソードを制作するにあたって、西川さん以外のメンバーにも少しだけ取材を行いました。

 すると、ディレクターの石橋から「過去にこんなことを言われたことがあります」と言われました。

 開発中のゲームの進捗データをチェック中に、松山がおもむろにこんなことを言ったらしいです。

 「泥水をすするのがそんなに好きなんだな、お前らは。いいよ、思う存分泥水をすすれよ、啜ったらいい。この先は間違いなく泥仕合やぞ? 覚悟しろよ、いいよ、オレはいくらでも付き合うよ。泥仕合上等だよ」

 「そんなこと言いましたっけ?」と石橋にも再度確認を取りましたが「間違いなく言いました」って返されました。

 そうか、間違いなく言ったのか、この俺が。

 うん、言ったんだろうな。

 けど信じられないなぁ、こんな横暴な言い回しをわざわざするかなぁ? 本当に? 言ったの? 俺が? あ、そう、じゃあ、その時はスマンかった(あまりにも理不尽過ぎて言い回しも酷すぎたのでこっちは採用しませんでした)。

あまりにもカジュアルに「殺す」とか言っていた時代

 なんでもかんでも時代のせいにしてはいけませんが、やっぱり時代的な背景もあったんじゃないかと思います。

 たしかに開発室で部下に対して「殺すぞ?」なんて発言は、絶対にしてはいけませんよね。

 けどそれだけ一生懸命だったってことは信じてください。

 あと誰に対しても言ってたわけではありませんからね。

 西川さんや石橋みたいに人間強度が高い人間にしか言ってませんからね。

 で、そうやってチームを率いているリーダーが私から叱咤激励という名の殺意の波動を全身に浴びている姿を、周りの部下たちが黙って聞きながら「自分はあんなことを言われないように気をつけよう」と、静かに学びの場を領域展開していただけなんですけどね。

 それも昔の話ですからね。

 いまでは開発室では絶対に「殺すぞ」なんて発言はしませんからね。

 ものすごく優しく指導していますよ。

 いや、違うな、そんなこともないな。

 というか、ぜんぜんダメ出しをすることがなくなったんですよ。

 昔と変わらずデータのチェックは定期的にやっているんですけどね。

 ほとんどのデータが一発でOKなんですよね。

 なぜならば、私がチェックをする前に西川さんや石橋が何度も修正指示をした上で完了したものが私のところに上がってきているわけですからね。

 もうなにも指摘するところがないくらいに完璧に仕上がっているんですよ。

 あれ? じゃあ、やっぱり西川さんや石橋が私から浴びてきた叱咤激励は効果があったということでいいですか?(成長したなぁ、お前ら。今度美味い酒を飲もう、ごちそうさせてくれ)。

編集部コメント

 過去の壮絶な叱咤激励を今こうして笑い合えるのは、ふたりの間に強い信頼関係があるからこそですね。一発OKの完璧な仕事ができる会社になったのも、こういった歴史あってこそなんですね。

 次回のマンガは7月20日更新予定です。お楽しみに!

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