ゲームの魅力を語るうえで、“自由度の高さ”は重要とされる要素だ。では、ゲームで求められる“自由”とは具体的にはどういうものなのか。

NCは2026年9月にPC向け新作MMORPG『AION2』(アイオン2)をグロバーバルでリリース予定だ。2026年5月末に、メディア合同の試遊会が開催され、本作をプレイさせていただいて、改めて冒頭のような考えが頭をよぎった。自由度って何だろう。

『AION2』では空を自由に飛べる。ものすごい解放感。


細かな設定ができるのはキャラクター自身だけでなく、衣装も色や質感を変えられる。
空を自由に飛び、自分だけのキャラを作れる。この時点で、いわゆる“自由度が高い”と評価すべきかと思う。だがちょっと待ってほしい。注目点はそこだけじゃない。

画面下、ずらりと並ぶショートカットスロットが筆者の肩をつかんでガクガクと揺さぶった。
スロットに入ったスキル各種と、赤い回復ポーション。この見た目、このプレイ感覚。自由度に続き「あっ、これMMORPGだ」という記憶とともに懐かしさが押し寄せてきた。MMORPGの多くは他人とのマルチプレイや役割分担を重視していて、むしろ自由度は下がるのではと身構えたが、どうやら本作を楽しむうえでは、そんなことは気にしなくてもいいらしい。

ダンジョンではタンクが大量の敵を集め、ヒーラーが癒し、アタッカーが殲滅する。この流れ、もはや由緒正しいMMORPG以外の何物でもない。
自由度とMMORPGらしさ、両方がうまくまとまった本作。今回は3時間ほど体験プレイさせていただいたので、リポートを通じて、その魅力をお伝えしていきたい。
なお、画面写真については開発中の環境のものとなるので、正式版とは仕様などが異なる可能性がある点はご了承いただきたい。
マップの広さは前作の36倍。広大な世界は自由にあふれている
最初に、キャラメイクを含む冒頭部分をプレイさせてもらった。
『AION2』はMMORPG『タワー オブ アイオン』の続編にあたり、前作で描かれた“アイオンの塔”が崩壊してから200年後のアトレイアが舞台。主人公=プレイヤーは天族、魔族のいずれかの種族の半神“ディーヴァ”として覚醒し、この地を巡る。


魔族側のゲーム冒頭部分から抜粋。前作にあった“アイオンの塔”は崩壊し、世界情勢もかなり変わっているようだ。

バトルはノンターゲティング形式(従来のターゲティング形式でもプレイできる)。マウス左クリックで基本攻撃、右クリックで強攻撃、Shiftキーで回避。
しばらく進めていくと、瓦礫に埋もれていた主人公が救出されるところでキャラメイクに入った。プリセットだけでもかなりの数が用意されており、肌の色はもちろんオッドアイや髪のツートーン化など、カスタマイズの幅はとてつもなく広い。
筆者が称賛したくなったのは、体形面のカスタマイズ。あえて具体的には言わないが、だいぶボリューミーにできるのがすばらしい。これもまた自由の表れか。ちなみにムキムキマッチョ老人や、ぽっちゃり中年なども自在に作成できた。キャラメイクだけで1日遊べる。

筆者はプリセットをベースにする派。すぐにキャラメイクも終わるだろうと思っていたが、そもそもプリセットの数が多すぎやしませんか。

頬や目はもちろん、鼻だけでもこの設定項目数。

筆者が言いたいことは、これでだいたい伝わるかと思う。すごいな。
この後、キャラカスタマイズの自由度の高さに改めて驚かされることになる。ある程度ゲームを進めた段階のキャラクターを試す時間のときのこと。衣装の見た目も細かくカスタマイズできるのだ。

ここまでできるのはとても珍しいように思う。
そもそも衣装の数の多さに驚かされたのだが、衣装デザインのカスタマイズが可能という点には衝撃を受けた。衣装の部位ごとの色を変えるだけでなく、その質感を変えたり、柄のパターンを追加変更したりと、かなり凝った変更が可能なのだ。

頭部や胴部など、衣装を部位ごとに分けて装着できるのもありがたい。


この通り、色や質感どころかパターンまで変えられる。


もとのグラフィックが美麗なぶん、色や質感を少し変えるだけでもかなり印象が変わっておもしろい。
キャラメイクの時点で自由度に圧倒されたわけだが、ゲームプレイ自体も非常に自由。まず、移動手段としてファストトラベルももちろん用意されているが、翼で自在に飛び回るのが気持ちいい。飛行専用のスタミナのようなエネルギーゲージがあるため延々と飛び続けられるわけではないが、着地すればすぐに回復するし、ゲージを回復するポーションを飛行中に飲むことも可能だ。

翼もさまざまな種類が用意されている。衣装に負けていない。


いざ飛行。隣の浮遊島にはるか遠くのエリアなど、気になったところ、目に入ったところへと自由に飛んでいける。
空を飛べばどこまでも行けるこの世界、じつは広さも相当なもの。前作のフィールドと比べると、何と36倍もの広さがあるという。また、各地にはダンジョンなど冒険できるスポットも数多く口を開けていて、ダンジョンにいたってはソロ用/パーティー用をすべて含めると200以上になるとのこと。
各地のダンジョンなどの冒険スポットのほかにも、あらゆる敵モンスターを“ペット”にできるシステムも用意されているため、メインストーリーを放り出して自分好みのペットを探す旅に出るのもいいだろう。


フィールドが広大過ぎるため、試遊時間だけではとても飛び回りきれなかった。空を飛ぶ巨大なクジラが気になって、追いかけ続けてしまったのも原因だが。


ペットは連れ歩くだけでなく、騎乗もできる相棒枠だ。ペットで出場するレースゲームもある。
マルチプレイは役割分担が大切。これぞMMORPG
続いてソロでのボス戦“悪夢”と、各メディアが手を取り合ってマルチプレイのダンジョン“遠征”を体験。フィールド探索があまりに自由すぎたので、こちらはいったいどうなるのかと身構えていたのだが、想像以上に“MMORPGらしさ”がしっかりと感じられた。
まずソロでのボス戦だが、いざ戦おうと改めて画面を見直してみると、じつにMMORPGらしいというのが第一印象。画面下、ショートカットスロットにずらりとアイコンが並んでおり、最近のオープンワールドRPGなどとはかなり異なるUIだ。

PC向けのタイトルだからこそのスロット数。古株MMORPGプレイヤーの筆者としてはなじみ深い光景だ。
こうなると操作がたいへんそうと心配になるかもしれないが、じつはそうでもない。スキルには基本となる“マスタリースキル”12個と、クールタイムが比較的長くて強力かつ特殊な効果が多い“スティグマスキル”各種(数字キー)が用意されている。
ふだん意識して回すのは1~4キーのスキルと、Q&Eキーですぐに出せるマスタリースキルだけでもよく、ほかのスティグマスキルをそこに適宜挟み込んでいく感じでも十分に戦えるようになっている。移動はWASDキーで行うので、その近くにあるQキーとEキーはとても押しやすい。

スキルアイコンの多さに怯む必要はない。実際の操作は単純明快だ。スロットを自分が使いやすい順番に並べ替えられたりと、ここでも自由度が光る。

危険な攻撃は発動前に予兆範囲が出るので回避もしやすい。ただし予兆なしの通常攻撃もそれなりに痛く、回復ポーションがありがたかった。
ソロバトルである程度練習したところで、いよいよマルチプレイでのダンジョン“炎の神殿”に挑戦。筆者はソロで使った“グラディエーター”で参加することにした。やたら硬くてダメージを受けなかったのが気に入ったからだ。

グラディエーターは硬いうえに攻撃力もかなり高く感じた。大剣というのもロマンがあっていい。
なお、ここからは役割分担の話にもなるので、本作の8つのクラス(職業)について簡単に解説しておこう。
グラディエーター
グレートソードを振るう攻撃型前衛。継戦能力も高く、サブタンクとしても戦える。
テンプラー
盾と片手剣で戦う防御型前衛(タンク)。防御スキルやヘイトコントロールに長ける。
アサシン
短剣二刀流で、瞬間高火力を叩き出す攻撃型前衛。隠れ身や機動力で敵の背後を狙う。
レンジャー
弓で戦う後衛職。間合いを管理しながら継続ダメージを得意とする。
チャンター
杖(棍)で戦う万能クラス。パーティ強化、サブヒーラー、サブアタッカーとさまざまな役割をこなす。
クレリック
回復と支援に特化した後衛職。回復力は随一で、状態異常解除も担当する。
ソーサラー
火と氷の攻撃魔法を連発する後衛職。範囲火力に秀でる。
スピリットマスター
精霊を召喚して一緒に戦えるクラス。継続ダメージや状態異常を活用する。
最初のダンジョンにはグラディエーターふたり、テンプラーひとり、レンジャーひとりという超脳筋パーティで挑戦することになった。ダンジョンの道中にはかなりの数の敵がひしめいており、一瞬だけ怖気づいたが、回復ポーションだけでも当初はなんとかなった。

思ったよりも道中の敵が多い。タンクの出番だ。

高火力のレンジャー(後衛)が集めてしまった敵のターゲットを、横から殴って自分に移す。すごく前衛をやってる感があった。
途中、さすがにグラディエーターがひとり倒れてしまう事態になったが、ダンジョン道中ではチェックポイント“キベリスク”で復活可能。すぐに合流し、まずは小手調べの中ボス戦へ。


中ボスはとんでもない攻撃をしかけてきたが、攻撃の予兆範囲のおかげで初見でも対処しやすい。
攻撃予兆のありがたさが、ここで改めて染みわたる。ジャスト回避のタイミングを合わせやすく、前衛でも被弾を減らしやすい。
中ボス撃破後はダンジョンの最深部へと進み、いよいよボスと対面だ。戦闘開始後すぐくらいには、ジャスト回避にも慣れてきたので楽勝だろうと思っていた。


派手な攻撃が多いが、回避でなんとでもなる。そう思っていたのだが……。

画面端から壁が迫ってきた。その中で空いている部分に飛び込んで回避しなくてはならないギミックが発動。
さすが大ボス。ギミックもしっかり用意されていた。いきなりの初見ギミックに阿鼻叫喚となるパーティ各員。グラディエーターの頑丈さがなかったら、筆者はここで倒れていたかと思う。
ただし、こちらも一方的にやられてばかりではない。攻撃を重ねて敵の“グロッキーゲージ”を削り切ると、ボスがダウンして一定時間行動不能に。このあいだにEキーを連打すると特殊な追撃をくり出し、パーティメンバー全員でボスをぼっこぼこにできる。

追撃ではグラディエーターの大剣でも、高速めった斬りを連打できて非常に気持ちいい。
続いて、同じく遠征のダンジョン“クラオ洞窟”にも挑戦した。先ほどプレイした“炎の神殿”は上位にあたるが、“探検”から“征服”と難度を上げることで、下位のクラオ洞窟も歯ごたえのあるダンジョンになるらしい。
ただし、今度はレンジャーだったメンバーがクレリックを出してくれたおかげで、道中の安定度が段違いだった。テスト用に無敵モードになってたりしないかと心配になったくらいだ。

もはや慣れてきた一同は通常の敵を回避するために壁際をこっそり進軍。この光景も、昔ながらのMMORPGではおなじみだ。


大ボスが岩陰に隠れないと即死する攻撃を放ってくる。私の画面では避けていた(MMORPGあるある)。
タンクによるタゲ取り、ヒーラーのありがたみ、壁際のこそこそ移動、さまざまなボスギミック。たった2回のマルチプレイだけでも、「MMORPGだなぁ」と思わせてくれる要素が山盛りだ。
フィールドがオープンワールドRPG寄りな印象だったので、MMORPG要素よりもソロでの自由度を重視しているのかと勝手に心配していたのだが、杞憂だったようだ。間違いなく、本作のマルチプレイは由緒正しいMMORPGスタイル。そこに回避のしやすさや、グロッキー状態への追い打ちなどといった気持ちいい要素も加わっている。

これでもかというほど昔ながらのMMORPGスタイルなのだが、いまどきのゲームらしい遊びやすさもある。
筆者としては、古のMMORPGプレイヤーと、最近のゲームに手軽さを求めるライトユーザー、両方の側面が同時に満たされた印象だ。どちらの属性のプレイヤーにも、本作のダンジョンアタックは十分に楽しんでもらえると確信している。
ミニゲームやペット集め、何をやっても楽しい
バトル系コンテンツのつぎは、アトラクションミニゲームが多数用意されている“シューゴ フェスタ”に挑戦。ミニゲームダンジョン内のポイントアイテムを集めつつ、幽霊に見つかると自分も幽霊になってしまう“亡霊回避”では、幽霊状態を他プレイヤーに押し付けられるため醜い争いが勃発。だいぶわちゃわちゃ楽しめた。

こういうゲームは鬼側になったときが楽しい。
続いてプレイした“神秘的なトラック”では、ペットに騎乗してのレース対決が楽しめた。スピードアップアイテムをひたすら集めれば勝てるかと思いきや、スタミナ回復アイテムも取らないと大きく失速してしまうので、アイテム争奪戦が熱い。

ペット自慢の場としても楽しそう。ドッグランで愛犬を自慢し合うような感覚だ。
最後に“このタイルじゃない?”でも対決。青い正解のパネルの位置を暗記し、ポイントアイテムを走り回って集めてから正解パネルの位置に戻ってくるというゲームで、ポイントアイテムが近くに出てくるかどうかの運に恵まれて筆者は1位になれそうだったところ、記憶違いで1回不正解のマスのところに戻ってしまい、マイナス点で2位陥落。悔しい。


まさかワンミスで1位を逃すとは。リベンジの機会をいただきたい。
これらのミニゲームも、本作ではひまつぶしだけでは終わらない模様。もらえる報酬に高レアアイテムらしきものがあり、かなりおいしいようなのだ。冒険やダンジョンアタック以外にも、しっかり報酬がもらえる別の遊びが用意されているのも、プレイの幅広さの一環と言えるだろう。

今日は何をしようか、どれから遊ぼうかと選べる選択肢が多く、何をしても報酬がしっかり得られる。
今回のハンズオンでは時間が足りなかったので実行できなかったが、ペット探しの旅はぜひやりたい。今回乗れたペットも、冗談みたいなものからかわいいものまで非常に多彩で、集めがいが大いにありそうだったのだ。ついでに“神秘的なトラック”で、変わったペットを自慢してみたい。


かわいいペットやかっこいいペットだけでなく、乗るともはやシュールギャグになりそうなペットも。
戦闘面でもまだまだ楽しめそうな要素があった。スタッフの方に1回、ソロボスバトルを代わりにプレイしてもらったところ、同じキャラを使っているのに討伐タイムの差が2倍くらい出てきたのだ。
バトルアクションにはモーションキャンセル可能な部分が随所にあり、連続攻撃をかなり高速化できる。格闘ゲームにおける“コンボ”だろうか。気軽にプレイできる部分と、突き詰めればすさまじいダメージ効率をたたき出せるという部分が、本作ではどちらも楽しめる。

バトルそのものも、自分のプレイスタイルに合わせられる。これもまた自由度。

とはいえバトルコンテンツそっちのけで、空を飛び回りながらカスタムした衣装でスクショ撮影にこだわるのもいい。
ゲームで求められる自由とは何か。『AION2』に触れたうえで思うのは、「何でもできる」ではなく「やりたいことが選べる」ことが大事ということ。何も示されていない状態で「何でもできる」と言われても、楽しみを見つけるのはひと苦労。何ができるか、多彩な選択肢がしっかり示されているのは非常にありがたい。
『AION2』には、昨今のゲームらしい広大な世界の自由度と、古参プレイヤーも認める由緒正しいMMORPGらしさ。ほかにもさまざま楽しみが並べられている。まるで、好きなものを自由に好きなだけ持っていけるランチビュッフェのよう。正式サービスインを迎えた暁には、皆さんにもぜひ好きなように、好きなだけ楽しんでいただきたい。