ハローキティをはじめ多くのキャラクターを世に送り出しているサンリオが、2026年4月21日に初の自社ゲームブランド“Sanrio Games(サンリオゲームズ)”を立ち上げた。
Sanrio Gamesの第1弾タイトルは『サンリオ パーティランド』。さらに3年間で10タイトル程度のリリースを計画しているという。
今回は、そんなSanrio Gamesのゲーム事業部ゼネラルマネージャーを務める田邉勝義氏にSanrio Games立ち上げの経緯やブランドが目指すところについて、『サンリオ パーティランド』を開発するG-STYLEの開発部 部長・小林幸広氏にはサンリオキャラクターが多数登場する同作ならではの特徴や魅力についてお話しをうかがった。
田邉勝義氏(たなべ かつよし)
サンリオ
ゲーム事業部ゼネラルマネージャー
ゲームブランド“Sanrio Games”の立ち上げから携わり、全タイトルの開発統括を担う。『サンリオ パーティランド』のプロデューサーを務めながら各タイトルのプロデューサーを束ね、ブランド全体の成長を牽引。
推しのサンリオキャラクターはポムポムプリン
小林幸広氏(こばやし ひろゆき)
G-STYLE
開発部 部長
さまざまなゲームタイトルの開発に携わった経験を持つプロジェクトマネージャー。『サンリオ パーティランド』ではその経験を活かして開発チームを後押しする役回り。
推しのサンリオキャラクターはハンギョドン。
ゲームからサンリオキャラクターの魅力を世界中に届けたい

――4月に発表されたSanrio Games始動のニュースには驚きました。これまでもサンリオのキャラクターのゲームは古くはファミコン時代からも発売されていましたが、なぜいま、自社ゲームブランドを立ち上げたのですか? その狙いをお聞かせください。
田邉
サンリオは“グローバルIPプラットフォーマー”を目指していくことを長期ビジョンとして掲げております。物販事業やライセンス事業のほか、サンリオピューロランド(以下、ピューロランド)のようなテーマパーク事業、スポーツ支援活動などさまざまなジャンルで展開していますが、それらのファンの皆さまを循環させて、サンリオ圏をもっと拡大させていきたいと考えています。
そのためには、やはりゲームというコンテンツは必要不可欠だと考えています。とくに海外でサンリオファンを増やしていくには、世界中で人気のゲームという形が入り口としてすごく効果的です。
――海外ではハローキティも人気ですし、ゲームも多くのファンに親しんでもらえそうですね。
田邉
そうなるといいですね。とはいえ、ハローキティ頼みにならないよう多くのサンリオキャラクターが登場しますし、あわせてゲーム発の新規IPの開発も視野にいれています。
――Sanrio Gamesから人気キャラクターが生まれるかもしれないと。これまで、ライセンスアウトという形で各社からサンリオキャラクターのゲームが発売されていましたが、自社ブランドで展開することの意義やどんなメリットがあるとお考えですか?
田邉
サンリオ社員が長年培った、キャラクターへの知見を活かした企画力がありますので、「これだったら、サンリオファンの皆さまに喜んでもらえる」という、ポイントを押さえた作品作りができると考えています。
サンリオには数多くの個性豊かなキャラクターたちがいるのですが、ビジネスとして見たときに、なかなか日の目を見ないキャラクターもいるんです。ですが、Sanrio Gamesならばそういったキャラクターたちにもフォーカスすることができます。ゲームでそうしたキャラクターたちが脚光を浴び、さらに人気になることが、サンリオにとっての今後につながるなと私個人は考えています。
――ちなみに、2026年5月現在でサンリオのキャラクターはどのくらいいるのでしょうか?
田邉
450以上ですね。『サンリオ パーティランド』では、その中から145以上のキャラクターが登場します。
――145以上のキャラクターが登場するのもスゴイですが、サンリオのキャラクターとしては半数にも満たないとは。あらためてサンリオのキャラクターたちに歴史も感じます。
田邉
自社ブランドで展開することの意義ですが、もうひとつは自社で開発費を出し、企画から携わってゲーム制作をするからこそ、さまざまなチャレンジができると思っています。
たとえば、ピューロランドなどと連携して、『サンリオ パーティランド』のミニゲームをピューロランドで実際に体を使って体験できるアトラクションを作るといったデジタルとリアルとの融合。
また、サンリオショップでグッズを購入すると、そのキャラクターが身につけている衣装がゲーム内で手に入れられるとか、グッズからゲームへ、ゲームからグッズへと、そういった循環をゲームを起点に作っていけたらいいなと思っております。
――先日発表された開発・販促費に100億円を投じ、2029年3月までに10タイトル程度をリリースするという目標からも、Sanrio Gamesにかける本気度が伝わってきますが、その中にAAA級のタイトルもあったりするのでしょうか?
田邉
将来的にはあるかなと思います。ただ、まずはゲームでサンリオキャラクターたちを世界に広めたい、届けたいと考えています。そこから、いろいろなチャレンジをしていきたいですね。
――今後も他社にライセンスアウトする形でのゲーム展開も継続されるのでしょうか?
田邉
もちろんです。サンリオがいろんなチャレンジをすることによって、ライセンシーの皆様に「こういうジャンル、方向性もアリなんだ」という可能性を見せられたらと考えています。そのためにも、Sanrio Gamesはある程度チャレンジングな作品も作っていきたいと思っています。
デジタルでキャラクターとの絆を結ぶ『サンリオ パーティランド』
――『サンリオ パーティランド』以外にも開発中のタイトルはあるかと思いますが、同作を自社ブランド第1弾とした理由は何かありますか?
田邉
語ると少し長くなってしまうんですけど、私がサンリオに入社したのは2024年の1月でした。その当時から、代表取締役社長の辻󠄀(朋邦氏)から「グローバルIPプラットフォーマーを目指していきたい」という思いを聞いていました。それを実現するために、「何がサンリオにとっての強みか」を私なりに考えていたとき、自分が4~5歳くらいのころにバッドばつ丸の鉛筆を持っていたり、けろけろけろっぴの靴下を履いたりしていたことを思い出したんです。そういう幼少期のサンリオキャラクターとの接点というのは重要だなと。ですが、小学校に上がって数年もすると、自分もそうですが人によっては、その接点が途切れる期間があるなと感じました。
――たしかに、マンガ、アニメ、ゲームなど触れるコンテンツも増えてきますし、流行のものにも意識が向くようになりますし。
田邉
そういう期間にデジタルでサンリオキャラクターとの接点を持ってもらえないかな、ということで、その世代にも普及しているNintendo Switchに狙いを定めました。
そして開発を始めるにあたり、これまでもお付き合いのあったG-STYLEさんが、Switchでもいろんな作品を作られていたので、「協業でやらせてもらえませんか」とお話したんです。
――G-STYLEとしては、お話を聞いたときはいかがでしたか?
小林
弊社には、以前からそういったジャンルのゲームを多く作ってきたスタッフがおりますし、サンリオ大好きというスタッフもたくさんいますので、こちらからもぜひ、とアピールさせていただきました。
――ちなみに、G-STYLEは北海道を拠点にされている企業ですが、これまで携わった作品をご紹介いただけますか?
小林
G-STYLEは設立から25年ほど経った会社で、札幌に本社があります。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、札幌はかつてハドソンもありましたし、ゲーム制作に関わるクリエイターさんがたくさんいらっしゃる土地なんですね。G-STYLEにも元ハドソンの超ベテランから若いスタッフまで揃っております。これまでは、おもにコンシューマーゲームとCGデザインの制作をやってきました。直近で携わったタイトルは『桃太郎電鉄2 ~あなたの町も きっとある~』ですね。ベテランスタッフはパーティゲームを得意とする人も多いです。


――パーティゲームというジャンルは、Switchではとくに競合が多いかなという印象があります。その中で『サンリオ パーティランド』の売りとなる部分はどこでしょう?
小林
『サンリオ パーティランド』は、サンリオさんが企業理念として掲げられている“みんななかよく”をメインテーマにしていますので、全編協力プレイで楽しむパーティゲームとなっています。チームを組んでCPUと対決するミニゲームもあるんですけど、基本的には、協力プレイで遊ぶミニゲームが中心です。ひとつひとつのゲームは、おおよそ1分くらいでサクサク遊べるものになっていますので、みんなとワイワイ楽しめるものになっています。
――やはり、ファミリーやキッズ層を意識していらっしゃるのでしょうか。
小林
そうですね。やはりお子さんたちがパーティゲームで遊んでいるのを見ていると、ゲームが上手な子もいれば、ちょっと苦手そうな子もいるなと。我々としても「みんながいっしょに盛り上がれるものを作りたい」という思いがありましたので、協力プレイで目標を達成するタイプのゲームにしようとなりました。そこが今回の『サンリオ パーティランド』でいちばん推したい部分になっています。
――かつて『サンリオ タイニーパーク』(※)というタイトルもありましたが、そちらを参考にされたりはしましたか?
※『サンリオ タイニーパーク』……1990年代後半からPC版として展開後、2022年にスマートフォン向けにリニューアルしサービス展開。現在はサービス終了している。小林
『タイニーパーク』はもちろん、ほかのサンリオ作品もなるべく触れるようにして、おもしろいと思った部分のエッセンスは参考にさせていただいています。ただ、そのまま同じミニゲームが入っているわけではないですし、逆に被らないように気をつけました。


いろいろな年代から登場キャラクターをチョイス。全員知ってる?
――145以上のキャラクターが登場するというのも大きなポイントかと思いますが、これだけの数を当初から出そうと予定されていたのでしょうか?
小林
当初の予定よりだいぶ増えましたね(笑)。キャラクターの選定もすごく苦労しました。1974年に誕生したハローキティから、2023年にデビューした、はなまるおばけまで、いろんな年代のキャラクターをできるだけ登場させています。いまのお子さんだけでなく、お父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃんまで知っている、なじみ深いキャラクターが出てくるというのが本作の特徴のひとつにもなっています。
――毎年恒例の“サンリオキャラクター大賞”の順位も選定に影響していますか?
小林
もちろんサンリオキャラクター大賞は参考にしています。ですが、エントリーしていないキャラクターもたくさん登場するので、もしかするとプレイヤーさんによってはゲームで初めて知るキャラクターも出てくるかもしれませんね。そこで新たにそのキャラクターのファンになってもらえたら、私たちとしてはすごくうれしいなと思っています。
――人気だけが選定基準ではないのですね。
小林
ええ、『サンリオ パーティランド』にはミニゲームが45種類以上収録されるのですが、いずれもキャラクターの世界観をモチーフにした内容になっているんです。たとえば、パティ&ジミーだったらローラースケートのミニゲーム、マロンクリームならミシンで刺繍するミニゲームというように。そういった世界観のバリエーションや実現性も考慮しながらバランスを取りつつ選定していきました。
――キャラクターに合わせた世界観も再現していると。
小林
はい。ですので「このキャラクターを出したいんだけれど、この世界観をゲームで表現するのが難しいな」と、泣く泣く出演を見送ったキャラクターもいました。
逆に「この世界観は、すごくおもしろいゲームができそう」というキャラクターは、わりと制作の早い時期から登場が決定し、形になっていきました。
――そんなミニゲームの中で、小林さんがお気に入りのものを教えていただけますか?
小林
どれも思い入れはありますし、オススメなのですが、個人的に印象深いのが『シナモロールのホームランダービー』です。このミニゲームでは、シナモンが耳でボールを投げてくるんですよ。
――えっ、耳で!?
小林
はい(笑)。このミニゲームは、じつは最初期に作ったものなんです。本格的に制作を開始するにあたり、キャラクターたちがどこまでやっていいのかを見極めるための“基準線”を引くために、思い切ってシナモンに耳でボールを投げてもらうことにしたんです。でも、それが思いのほかかわいくてですね(笑)。サンリオの皆さんにもとても喜んでいただけて、ホッとしたのを覚えています。仕上がったゲームも、本当にシナモンがかわいいので、ぜひ皆さんにプレイしていただきたいですね。
『シナモロールのホームランダービー』自体も手応えのあるものになりました。パーフェクトまであと少しとなったときの緊張感がたまらないので、皆さんで集まったときにこのゲームを遊んでいただくとより盛り上がるかなと思っています。

キャラクターの3D化は発見の連続
――登場キャラクターが145以上ともなると、初めて3D化されるキャラクターもいたのでは?
小林
はい。サンリオさんといっしょに資料を確認しつつ制作していったのですが、「このキャラクターの後ろ姿ってこうなっていたんだ」といった新たな発見もたくさんありましたね。
資料も紙だけでなく、ぬいぐるみの情報をいただいたり、弊社から「こんな感じでしょうか」とご提案させていただくこともありました。
動きについても新規で制作したキャラクターがほとんどです。明確に「このキャラクターは、こう」というルールが決まっていないキャラクターも少なくなかったので、サンリオさんに監修していただきながら、いっしょに作り上げていきました。
――数十年間、誰も見たことがなかった後ろ姿やアクションが明かされるキャラクターもいるわけですね。
小林
はい。これも本作の売りのひとつなのですが、ゲームの中で写真を撮る機能、“フォトモード”があるんです。そこでキャラクターをアップにして見ることができますよ。
――キャラクターの3D化で、とくに手応えを感じたキャラクターはいますか?
小林
かしわんこもちや、おウメばあちゃんが思い浮かびますが、どのキャラクターも3D化するおもしろさがありました。

サンリオ パーティランド【PV第1弾】より
――これはずっとキャラクターを推していたファンにはたまらないですね。
小林
そう感じていただけるとうれしいですね。ゲーム中でキャラクターたちと会話すると、シールがもらえるのですが、これもファンの皆さんに喜んでいただきたくて加えたものです。いわゆるコレクション要素ですが、シールは80種類以上ご用意しており、ゲーム内のシール帳に貼りつけられるようになっています。シールをきっかけに、あまりなじみがなかったキャラクターの名前も覚えてもらえたらと思っています。
ちなみに、シールをコンプリートするにはミニゲームをプレイするだけではなく、キャラクターたちとの会話や、パーティランド内を巡って、いろいろなことをしていただく必要があります。
――長く遊べる仕組みも盛り込まれているのですね。
小林
はい。シールはほかにも活用できまして、これはダウンロード版の早期購入特典になるのですが、プレイヤーさんの分身となるアバター用のTシャツがあるんですけれど、この特典Tシャツにシールを貼ることもできるんです。ぜひTシャツをゲットして、シールでのコーディネートを楽しんでいただければ。アバター自体もいろいろカスタマイズできますよ。
――推しキャラのTシャツが作れちゃうんですね。ますます発売が待ち遠しいです。発売日は10月29日予定とのことですが、開発は順調でしょうか。

小林
いままさに、佳境中の佳境ですね(笑)。皆さんに楽しんでいただけるものとして形にはなっていますので、現在はデバッグなどで品質の向上を図っているところです。
ただ、開発スタッフから「これも入れたい」といった要望がちょくちょくあり、私としては「いまから!?」と思わないでもないですが(笑)、でもゲームがよりよいものになるならやろう、ということで進めています。まとめる立場としてはたいへんです(笑)。
――対応プラットフォームは、Nintendo Switch、Nintendo Switch 2とのことですが、今後、ほかのプラットフォームでの展開はお考えでしょうか?
小林
これまでのライセンシー様のタイトルでは、SteamなどPCで発売されているものもありますので、『サンリオ パーティランド』も可能性があれば今後、チャレンジしていきたいと思っています。ただ、まずはSwitch版、Switch 2版に注力したいと思っています。
――Switch版とSwitch 2版に何か違いはありますか?
小林
グラフィックの違いくらいですので、どちらでも同じように楽しんでいただけます。
田邉
『サンリオ パーティランド』のプロジェクトは2024年ごろに立ち上がったものなのですが、その当時、我々はSwitch 2の情報をまったく知らなかったものですから、Switchベースで制作を進めていました。今回はSwitch 2でもプレイできるように間に合わせたという感じです。
――ではSanrio Gamesや、『サンリオ パーティランド』について、最後にひと言のアピールいただければと。
小林
本当にたくさんのサンリオキャラクターが登場しますので、ファンの皆さんにぜひプレイしていただきたいですし、ゲームを通じて、キャラクターのファンになっていただけるとうれしいです。
また、協力プレイ中心のゲームとなっていますので、誰かといっしょに遊ぶのはもちろん、ひとりで遊ぶときもキャラクターたちが助けてくれます。これまでにない遊びのミニゲームもたくさんありますので、ぜひ皆さんに体験していただきたいなと思っています。
田邉
サンリオショップやピューロランドなど、ファンの方々がリアルに集う場はいろいろありますが、新たにゲームでもこの『サンリオ パーティランド』をきっかけにみんなで島に集まるといったワクワク感をお届けしたいですし、これからも長く続いていく作品にしたいと考えています。
将来的に450以上のキャラクターを3D化したいので、『サンリオ パーティランド』の第2弾、第3弾が続けられたらと思っています。ですので今回、推しのキャラクターが登場せず残念に思われた方も、希望を持っていただけたらうれしいです。発売前にも、6月末の“サンリオフェス2026 in みなとみらい”(※)などで試遊できる機会を設ける予定です。
※サンリオフェス2026 in みなとみらい…… パシフィコ横浜(神奈川)をメイン会場に6月27日、28日に開催されるサンリオのイベント。2026年サンリオキャラクター大賞の結果発表ステージや、サンリオキャラクターたちとの撮影会などが実施。みなとみらい駅周辺でもさまざまな催しが企画されている。詳細は公式サイトで。 あわせて、パッケージ版の数量限定特典として、オリジナルデザインのハローキティのミニマスコットホルダーがついてきます。これがまたかわいいので、予約(6月10日より開始)もご検討ください!
