たとえば、同じ8000円のゲームでも“総額10億円のクルマに乗れるゲーム”と、“総額100億円のクルマに乗れるゲーム”なら、なんとなく後者のほうが夢がある(気がする)。もちろん、総額が高ければゲームとして優れているわけではない。それでも、“ふだん絶対に触れられない超高級車を好き放題走らせられる”というのは、レースゲームならではのロマンだ。
そこで今回は、人気レースゲーム6タイトル(『グランツーリスモ7』、『Forza Horizon 5』、『首都高バトル』、『The Crew Motorfest』、『ギア・クラブ アンリミテッド』、『Project Motor Racing』)に収録されている車両を独自基準で集計し、総額、平均価格、中央値、最高額車両などを比較。もっともコスパのいいレースゲームを探ってみた。
ちなみに、本来は『Forza Horizon 6』の発売前に掲載したかったのだが、1000台以上もの計測で予想以上にデータ集計に時間がかかったため、この時期の掲載となってしまった。そのため「なんで5? 6じゃないの?」というツッコミはご容赦いただきたい。もし『Forza Horizon 6』の総額が気になる方がいたら、ぜひ同じルールで集計し、結果を教えてほしい。
集計ルール
- 価格は発売当時の新車価格を参照。中古価格は含めない
- 貨幣価値の差を考慮し、2000年以前に発売された車両は今回は対象外
- 実在しない車両、一般販売されていない車両は対象外
- 1車種で複数モデルがある場合、もっとも価格が高いエディションを参照する
- 外国産車は現代レートで円換算
- ゲームの本体価格がブレるため、本編購入後、無料で取得できる車両のみを対象
- 有料DLC追加車両や過去作連携など特殊条件で入手できる車両は対象外
- 1ドル:157円
- 1ユーロ:185円
- 1ポンド:213円
- 1元:23円
- 1オーストラリアドル:113円
総額ランキング
| 順位 | タイトル | 総額 | 計測台数 | 平均価格 | 中央値 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | Forza Horizon 5 | 164億5317万0667円 | 326台 | 5046万9849円 | 1495万4000円 |
| 2位 | The Crew Motorfest | 157億5068万6196円 | 181台 | 8702万0366円 | 1939万円 |
| 3位 | ギア・クラブ アンリミテッド | 40億6248万0644円 | 39台 | 1億0416万6170円 | 1259万9074円 |
| 4位 | グランツーリスモ7 | 37億4157万4336円 | 160台 | 2338万4840円 | 746万2500円 |
| 5位 | 首都高バトル | 3億3638万6552円 | 56台 | 600万6903円 | 375万9434円 |
| 6位 | Project Motor Racing | 2億2920万円 | 5台 | 4584万円 | 2989万円 |
第1位:『Forza Horizon 5』総額164億5317万円
集計対象車両は326台と、今回調査したタイトルの中では圧倒的。そのうえで、ブガッティ・シロンなど数億円級ハイパーカーを多数収録しており、総額は164億円超えという、とてつもない数字になった。
平均価格も約5046万円と高水準。単純に“高いクルマを大量に運転できるゲーム”として見ると、トップクラスの夢が詰まっている。
第2位:『The Crew Motorfest』総額157億5068万円
こちらは収録台数こそ181台と『Forza Horizon 5』より少ないものの、平均価格は約8702万円とトップクラス。さらに、収録最高額車両としてブガッティのラ・ヴォアチュール・ノワール (新車価格1100万ユーロ)を収録しており、その価格は約21億円。今回調査した中でも断トツの最高額車両となっている。
“超高級車を操る体験”という意味では、もっともラグジュアリーな作品かもしれない。
第3位:『ギア・クラブ アンリミテッド』総額40億6248万円
総額ではトップ2に大きく離されるものの、平均価格は1億416万円と今回最高。つまり収録台数は少ないが、とにかく高級車だらけという極端な構成になっている。
中央値は約1259万円なので、一部の超高額車両が平均値を大きく押し上げている形だが、“スーパーカー博覧会”としての濃さはかなり強い。
第4位:『グランツーリスモ7』総額37億4157万円
総額だけを見るとやや控えめだが、160台という収録数を考えれば十分すぎる数字だ。中央値は約746万円で、比較的現実味のあるスポーツカーや市販車が充実していることがわかる。
また、最安値車両がスズキのキャリイ KCというのも『GT7』らしいポイント。超高級車だけではなく、軽トラでレースできるゲームというのは、逆に作品の懐の深さが表れている。“見慣れた日常的なクルマでレースしたい”という人にはピッタリのタイトルだ。
第5位:『首都高バトル』総額3億3638万円
ただし、収録車両は比較的現実的な価格帯の国産スポーツカー中心で、中央値は約375万円。プレイヤーが“がんばれば買えそう”と感じるラインアップになっているのが魅力とも言える。
高額スーパーカー路線ではなく、“現実の延長線上にある走り屋文化”を重視しているのが数字にも表れているのだろう。
第6位:『Project Motor Racing』総額2億2920万円
とくに中央値約2989万円という数字が特徴的で、ふつうの市販車よりも、高額車中心のラインアップで構成されていることがわかる。
“収録されている車両の濃さ”という意味ではかなり独特な存在だ。
平均価格ランキング
| 順位 | タイトル | 平均価格 |
|---|---|---|
| 1位 | ギア・クラブ アンリミテッド | 約1億416万円 |
| 2位 | The Crew Motorfest | 約8702万円 |
| 3位 | Forza Horizon 5 | 約5046万円 |
| 4位 | Project Motor Racing | 約4584万円 |
| 5位 | グランツーリスモ7 | 約2338万円 |
| 6位 | 首都高バトル | 約600万円 |
『ギア・クラブ アンリミテッド』は、平均価格だけで見れば圧倒的。つまり、価格の多寡は気にせず網羅的にクルマを収録するのではなく、高級車に特化していることが数字から見えてくる。
一方、『グランツーリスモ7』や『首都高バトル』は、より現実的な価格帯の車種も幅広く収録している傾向が強かった。
中央値ランキング
| 順位 | タイトル | 中央値価格 |
|---|---|---|
| 1位 | Project Motor Racing | 約2989万円 |
| 2位 | The Crew Motorfest | 約1939万円 |
| 3位 | Forza Horizon 5 | 約1495万円 |
| 4位 | ギア・クラブ アンリミテッド | 約1259万円 |
| 5位 | グランツーリスモ7 | 約746万円 |
| 6位 | 首都高バトル | 約375万円 |
中央値トップは『Project Motor Racing』。
今回の集計ルールでは、一般発売されていないレースカーなどを対象に含めないため、集計台数は5台と少ない。しかし高価格帯中心の構成になっており高級車しかないことがわかる。
逆に『グランツーリスモ7』や『首都高バトル』は平均値と同じく、手が届きそうな価格帯の車種を多く収録している結果と言えそうだ。
最高額車両ランキング
第1位:ブガッティ・ラ・ヴォアチュール・ノワール

今回調査した中で、もっとも高額だったのが『The Crew Motorfest』に登場するブガッティ・ラ・ヴォアチュール・ノワール。
現実でも世界最高峰クラスの超高級車として知られており、ゲーム内で気軽に乗り回せること自体がかなり異常だ。現実ではまず手が届かないクルマを乗り回せる、レースゲームならではの魅力をまさしく体現していると言えるだろう。
第2位:ブガッティ・シロン

ハイパーカー界の象徴ともいえるブガッディ・シロンも複数作品に登場。
『Forza Horizon 5』ではオープンワールドを爆走でき、『ギア・クラブ アンリミテッド』では高級車コレクション的な楽しみ方ができる。
第3位:ランボルギーニ・ヴェネーノ

『グランツーリスモ7』ではランボルギーニ・ヴェネーノが最高額。
比較的現実的な車種も多い作品だが、こうした数億円級のスーパーカーもしっかり押さえている。
除外車両数ランキング
| 順位 | タイトル | 除外車両数 |
|---|---|---|
| 1位 | Forza Horizon 5 | 92台 |
| 2位 | グランツーリスモ7 | 72台 |
| 3位 | The Crew Motorfest | 70台 |
| 4位 | Project Motor Racing | 65台 |
| 5位 | 首都高バトル | 25台 |
| 6位 | ギア・クラブ アンリミテッド | 6台 |
最多となったのは総額ランキングでも1位となった『Forza Horizon 5』の89台。レース仕様車はもちろん、特殊モデルまで幅広く収録しているため、価格を定義しづらい車両もダントツで多かった。
『グランツーリスモ7』や『The Crew Motorfest』はVision Gran Turismo系コンセプトカーやショーカーなどが除外対象となり、『Project Motor Racing』もレーシングカー中心の構成から同程度の除外数になっている。このあたりは除外数も接戦だ。
逆に、『ギア・クラブ アンリミテッド』は除外数がわずか6台。市販されている高級スーパーカー中心という、かなりわかりやすいラインアップになっていた。
“現実に買えるクルマを集めたカーライフ系”なのか、それとも“夢のマシンを集めたモーターショー系”なのか。これもひとつのゲームの個性と言えるだろう。
数字で見える“ゲームの個性”
『Forza Horizon 5』は大量収録による物量でトップを獲得した一方、『The Crew Motorfest』は超高額ハイパーカー路線、『ギア・クラブ アンリミテッド』は高級車特化型と、それぞれ方向性がかなり異なっていた。
また、『グランツーリスモ7』や『首都高バトル』は、“現実に存在するカーライフの延長線”として楽しめる価格帯が多く、数字以上に親しみやすさを感じる結果になった。
もちろん、ゲームのおもしろさは車両価格だけでは決まらない。これは何度でも言う。“車両総額が高い=ゲームとして優秀”ではない。しかし、8000円で何十億円分ものクルマを乗り回せるという事実は、レースゲームというジャンルの夢を改めて実感させてくれる。
つぎにレースゲームを買うときは、収録台数だけでなく、総額にも注目してみるとおもしろいかもしれない。まぁ集計は本当にたいへんだけど……。














