本記事では、短期連載として実際に収録されている内容を紹介します。年100回以上専門学校や大学で講演をしている松山社長が実際に生徒から聞かれた質問をもとに、連載第3回はクリエイターとしての心構えについて、本書の“第六章:作りたいものが無いんです”から、一部抜粋して掲載します。
作りたいものがないんです
“描きたいものがないんです。先生達はよく“とにかく何でもいいから描きなさい”って言われるんですけど、そんなに描きたいものって簡単に浮かんでこないんです。どうしたらいいですか?”
また同時に、
“ゲームソフトを作るときのアイデアとかってどうしたら浮かんでくるんですか? アイデアってどうしたら生まれるんですか?”
という質問もいただきました。
これは私がゲームクリエイターでありふだんゲームソフトを作っているからこそ、こういった質問をして少しでも自身の作品作りのヒントを掴むために出てきた質問であることを理解しました。
いつもみたいに“あー、なんもわかってねーなお前”とは不思議と思いませんでした。
なぜならその人が“足掻いている人”だったからです。
むしろ、なんかうれしくて(私にしては)随分とやさしく話をしたと思います。
“うん、何も間違ってないよ、きっとあなたは正しい。「そこ」で悩んでるんだったら大丈夫。簡単だよ、あとは「やるだけ」だから、いい? わかりやすくシンプルに言うよ?”
“描け”
“「なんでもいい」んだって。いや、わかるよ、「なんでもいい」は描けない、おかしなものは描きたくない、描く以上はちゃんとしたものを描きたい、人にキチンと見せられるものを思いついたら作品としてお披露目出来るようにしたい、だから「なんでもいい」って言われても簡単には描けない、そう思ってるでしょ?”
“だから描けないんだって。実際にあなたは描いていないでしょ? ちゃんとしたもの? キチンと見せられるもの? そんなものを完璧に思いつく日がいつか来ると思ってる? 来ないよ? そんな日、ずっと来ない。待っていたってそんな日はやってこないんだよ。わかる、わかるよ、俺だっていままで読んできた沢山のおもしろい作品たちっていうのは、みんなどれも作者がずっと明確に温めてきた間違いのない信念をぶつけて形にしたメッセージの塊のような、魂を完璧に描き連ねたものだって思っていたし信じていた。けど、実際はぜんぜんそんなことじゃあない。もちろんボンヤリとしたメージはあったのかもしれないけど描いてきた人たちはみんな口をそろえて「こう」言うよ”
“ぜんぜん考える時間もなくてなんとなく描いてました。とにかく毎週毎月の時間に追われて原稿と向き合っていまの自分が最大限に楽しいおもしろいと思うものをただぶつけてきました”
ってね。
“実際にそうなんだよ。描くしかないんだって。準備不足でも、思いついてなくっても、なんだっていい(うるせえ、ガタガタ言うな)今日のお昼ご飯のときに友人と話したエピソードでもいい、ネットでくだらないニュースを見て思ったことでもいい、テレビの芸人の話でもいい、遊んだゲームの感想だって構わない、とにかくまずは「なんでもいい」からカタチにするんだ。1ページでも1コマでもいい、描く、まとめる、そして発表する、SNS でもなんでもいいから人に見てもらえる場所に晒す、ここまでがワンセット”
“人に見てもらった瞬間から「ソレ」は作品になるんだよ。「読者」がいて初めてソレは作品になる。だから、描いて、見せる、発表する。そうすると反応が少なからず返ってくる。「無反応」だって立派な反応なんだよ、じゃあ、「つぎ」はひとりでも誰かから反応を貰えるようにするためにはどうすればいいのか、ってことを初めて考えられる。そして対策と戦略が生まれる。そしてそれをくり返す。たぶん、あなたの今の感覚では「出版社に作品を持ち込んで編集者に読んでもらう」以前の感覚だよね? だって読んでもらう作品どころか、何を描けばいいのかすらも思いついてないんだから”
“大丈夫、描け”
“描くしかないんだって、あなたにも、俺にも他に道なんてないんだから”
“自分にはコレしかなくて、これがいい、これがベスト! ってまずは最低限そう思ってくれ。そうじゃないとまたブレる。「ひょっとしたら自分には向いてないのかも」って思ってしまうから。少なくとも自分の墓穴くらいは自分で掘って、そして退路を失くそう、とっくの昔に決めた事だから、たぶんきっとソレがいつだったのかも思い出せないけど、もうとっくに選んだ道の果てに「今」があるんだから、そう思い込め”
“そうすると自然と描けるよ”
“机に座って、描く”
“なんでもいいから、描く”
“無理矢理でもいいからひねり出して、描く”
“おもしろくなくても、描く”
“おもしろくないことにショックを受けながら泣きながら、描け”
“そしてそれを人に見せて晒して恥をかいて情けない思いをして悔しいと思いながら復讐を込めて、描け”
“何もネタが浮かばないカラッポな自分に絶望した日のことを思い出して泣きながら、描け”
“描け”
“繰り返し、描け”
“そうしたら、きっと、「作品」が生まれるよ”
ここまで伝えて“あ、最後にもうひとつ。マンガ『左ききのエレン』を100回読んでそれからまた、描け”って言いました。
完璧に伝わったと思います。
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