サービス終了したのになぜか“終わっていない”ゲームがある。その名も『マジカミ』。ゲーム内に「無限の可能性を信じますか」という重要なフレーズがあり、ファンは“終わらない世界”を信じた。
シュレーディンガーの猫と同じである。観測されなければ結果は確定しない。ファンが終了を認めなければ、そのゲームは終わらない。ゲームの歴史は力技で刻み続けていい。
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これが『マジカミ』。サ終したのに周囲が活況。どうして?
※この記事は『ティンクルスターナイツ』の提供でお送りします。 『マジカミ』は魔法少女RPGだ。拳で解決天真爛漫熱血ヒロインと控えめ(伏線)な幼なじみの温かい関係やギャルとおたくの友情など、みんなが好きなものをふんだんに描き、ピンチでも明るい未来を諦めず、ときには敵の幹部を仲間にし、かわいくてセクシーな衣装でデッキを構築して悪魔に立ち向かう。
ストーリーは、重い。悲惨な目に遭うしわりと死ぬ。プレイヤーは何もできない悔しさに拳を握りしめ、同時に青少年はむずむずする。お子さんの目はふさいだ方がいい。
そんな大人向けゲームは2023年10月31日に諸々の事情で幕を下ろした。はずだった。
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でも死んでいなかった。
それがいまや格闘ゲームになってSteamで全世界配信中だ。どうしてRPGがいきなり格ゲーになるのだ。意味がわからないだろう。
僕は長く『マジカミ』を見ているが、このスピード感にはいまだに納得していない。さらに、
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クラウドファンディングの成功により、ストーリーを完結させたオフライン版を開発→無事に発売。極めつけは、
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サービス中のオンラインゲーム『ティンクルスターナイツ』(クルスタ)とコラボである。どうしてサ終済みの『マジカミ』をコラボ相手に選ぶのだ。
『クルスタ』は変身ヒロイン学園ものRPG。変身ヒロインで学園もの。この時点ですでに数え役満に片足を突っこんでおり、チア、水着、ぴっちりボディスーツ、ふわふわのかわいいドレス、ほぼ紐など、いろいろな衣装のキャラがアニメーション(Spine)でよく動く。その揺れに刮目せよ。
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バトルではキャラごとの攻撃タイミングを合わせて一気に攻撃すると気持ちいい。そしてよく揺れる。
コラボ内容も気合が入っていた。いろは、花織、ここあ、陽彩が登場するイベントストーリーが展開され、人気キャラの陽彩(上の画像の悪魔みたいな服装の女子)はアイテム交換で確定入手可能。ありがたい。
ここまでさせる『マジカミ』の魔力は何なのか。その秘密を紐解きたい。
※『ティンクルスターナイツ』はアダルトゲーム版もありますが、この記事では全年齢版を取り上げています。格闘ゲーム『MGCM Combat Edition』に込められた執念と愛情
『マジカミ』格ゲー『MGCM Combat Edition』の制作を、中心に立って走らせたのはひとりのファン。
彼は無限の可能性を信じて待つだけでは飽き足らなかった。盗んだバイクでは走り出さず、ちゃんと公式に許可を取って(大人なので)愛したキャラと世界観で夜の闇をぶっ飛ばした。
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公認二次創作格ゲーは基本無料で20キャラを使用可能(DLCキャラは各300円)。クオリティも一定の評価を得ているようで、EVO Japan 2024/2025のサイドイベントにも採択されている。どうかしてる(EVO Japan側も)。
話を聞きたいけど、開発者のくまくまさんは一般の方だから難しいかもしれない。わざわざ時間を取ってもらうのも悪いしなあ。
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表示が小さいので見にくいが、くまくまさん(左)のアイコンは『マジカミ』の陽彩。右側が本記事担当のミス・ユースケ。
と思ったら時間をもらえた。ありがたいことですね。
ユースケ
どうしてそんなことするんですか?
くまくま
そこから?
ユースケ
正気じゃないなと思って。
くまくま
自覚はあります。
ユースケ
あるんだ。
くまくま
まず、キャラが好きだった、バトルが好きだった、世界観が好きだった。そういう『マジカミ』の魅力があります。
くまくま
『マジカミ』がリリースされたのってコロナ禍が始まった時期(※)じゃないですか。
※『マジカミ』PC版は2019年6月26日、スマホ版は2020年6月11日に正式サービス開始。コロナ禍は2019年末から始まっている。くまくま
世界がたいへんで、仕事の疲れもあって、癒しがほしかったんですね。そのときに『マジカミ』の広告が流れてきて。
ユースケ
ストーリーは癒しとは真逆なのに(わりと死ぬので)。
くまくま
誤算でした。でも大丈夫です。陽彩ちゃんがかわいいから。
ユースケ
カメラオフだけど、まっすぐな瞳をしているんでしょうね。
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『クルスタ』コラボでも陽彩は登場する。くまくまさん、よかったですね。
くまくま
あと、製作費12億円(※)というのも気になってしまって。金額がすべてじゃないけど、それだけかけているなら悪いものじゃないだろうと。
※12億円:当時の『マジカミ』は“製作費に12億円かけたブラウザゲーム”をキラーワードにプロモーション展開。「11億円が広告費だろ」などと揶揄されたものの、実際にはかなり効果があったらしい。くまくま
その後、暴露記事で「本当は四捨五入して13億円だった」と読んで笑いました。
ユースケ
12億円広告の効果が実証されてしまった。こんな傑物を輩出したんだから。
くまくま
「キャラがかわいい魔法少女RPGか、なるほど」と期待して始めたら、第1話の戦闘からすごかったんですよね。
くまくま
敵が歌付きのBGMで踊りながら出てくる。そんなゲームあります? 3Dのモーションにはケレン味が効いていて格ゲー映えしそう。ほんとにすごくよくて。
ユースケ
わかるなー。
くまくま
これは格ゲーにするべきなので、格ゲーを作って、
ユースケ
うん?
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「原作の声優さんに依頼して録り下ろしボイスも入れました」
ユースケ
肩を作る前に160kmのストレートを投げ込まないで。
さらりとすげえことを言ってきた。
『マジカミ』では二次創作作品などを募集する参加型企画“投稿大賞”を実施していた。くまくまさんの格ゲー風ムービーは最優秀賞を受賞。その流れで本格的な格ゲー制作にのめり込んでいく。
発想の飛躍は当然として、それを形にする行動力は何なんだ。何がくまくまさんを突き動かしたのか。さっきから理解が追いつかないので順を追って説明してほしい。
ユースケ
そもそもゲーム制作の経験はあるんですか?
くまくま
プログラミングはちょっと好きで、ミニゲームを作ったことくらいはあります。
ユースケ
もしかして本格的なゲーム制作は今回が初めて?
くまくま
そうですね。前から自分の格ゲーを作りたくて内々でやってたんですけど、反応が芳しくなくて。
くまくま
『マジカミ』だと運営さんも周りの人も褒めてくれる。だからここまで進められました。
ユースケ
(小っちゃい子と同じモチベだ……)
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小っちゃい子と同じモチベで作られた格ゲー。
ユースケ
でも、それで格ゲーなんて難しそうなものを作れるものなんですか?
くまくま
がんばりました。
ユースケ
がんばったんだ。
原作声優の起用を諦めかけてからの急展開
『MGCM Combat Edition』は運営側に確認を取って公認二次創作ゲームとしてSteamで公開されている。百歩譲ってここまでは納得するとしよう。まだ気になることはある。
ユースケ
原作と同じ声優さんを起用するってどういうことです? おたくの夢すぎる。
くまくま
Steamに公開する前に運営さんに聞いたんです。そしたら「権利上、声優さんの声の流用はやめてほしい」と。それはたしかにそうなので、最初はボイス未実装でした。
声優さんに依頼する際は使用用途の範囲を決めておくものだ。“ゲームで使用”のほかには、たとえば“CMや関連動画で使用”など。ふつう、二次創作ゲームに使うことは想定しない。当たり前である。
くまくま
だったら別で録ればいいんじゃないかなって。
ユースケ
豪傑か?
やるからにはオリジナル版と同じ声優さんにお願いしたいが、どうやればプロに依頼できるかよくわからない。
くまくま
X(Twitter)のアカウントがわかる方にはDMで「お願いできないでしょうか」と問い合わせてみたんですね。
ユースケ
行動力についていけないんだよな。
くまくま
みなさん丁寧に対応してくださったんですけど、「事務所のルール的に個人の依頼は受けられない」という方もいて。まあ仕方ないですよね。
色のいい返事をしてくれた人もいるが、費用の問題もある。何せ全部で30キャラもいるから。
くまくま
せめてデュナミスフィアだけでも本人の声を使いたかったんですよ。おもしろいかなと思って。
デュナミスフィアとは『マジカミ』の変身アイテム。魔法少女アニメにおける魔法のステッキや変身コンパクトだ。ボイス担当の呉よしたかさんはナレーションを中心に活躍する声優で、個人からの依頼も受け付けていた。いやっほう! とばかりにさっそく連絡。
事態はここで急展開を迎える。
くまくま
そしたらですね。デュナミスフィア役の呉さんが、
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「声優さんとの出演交渉、うちでやりましょうか?」
呉さんはXENOREXという音響制作会社を経営しており、本家『マジカミ』でも収録を担当していたというのだ。ドキュメンタリー番組だったら一瞬BGMが止まった後に主題歌が流れるパターンである。
ユースケ
くまくまさん→呉よしたかさん(XENOREX)→声優さん。三点方式だ。
くまくま
うまくいきすぎて自分でも「やらせみたいだな」と思っています。
しかも、声優兼社長兼音響ディレクターなので、収録に関する一切をお任せできる。原作声優陣フルで見積もりを取ったらさすがの金額になったが、ギャラ交渉もがんばってくれた。強力なバッファーをデッキに組み込み、原作声優フルボイスが現実味を帯びる。
ユースケ
(ゲームの)外でもデュナミスフィアは無限の可能性を信じる人の味方だったのか……。
じつは、僕はボイス実装の立役者・呉さんと付き合いが長い。彼は昔からeスポーツ大会などでイベント設営にも関わっていた。いわゆる“現場”が好きなタイプなので、自分からバリバリ動く人を応援したいのだと思う。
くまくま
費用はかなり抑えてもらったんですけど個人で払うには厳しい額で。なので『マジカミ』に習ってクラファンをやりました。支援してくれる人がいれば、示しもつくかなと思い。
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ユースケ
そこは計算高いな。クラファンやってどうでした?
くまくま
たいへんですよ……。見様見真似でやって、自分ひとりだったらやばかったです。いろいろな人に手伝ってもらって、何とか。
『マジカミ』はもともとアダルトゲーム。ファンは大人なので各種の手続きに慣れているのだ。僕は、社会人の最強スキルは“手続きが得意”だと思っている。
クエストを手伝ってもらう感覚で仲間たちの力を借り、クラファンを切り抜けた。200万円で設定し、最終的には180%達成を果たしている。
ユースケ
『MGCM Combat Edition』は基本無料ですよね。有料にして売り上げを収録のギャラに充てる手もあったのでは?
くまくま
本編の応援が目的なので。公開時は本編のクラファンをどうにか成功させたかったんです。格ゲー勢にも知名度を広めたくて。
ユースケ
Big Love…
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無料だったら話題になる可能性が高い。想定通り格ゲー勢にも広まり、けっこう応援してもらえたとのこと。
無料配信は『マジカミ』のためだった。その奉仕の精神は何なんだ。
くまくま
きっと闘う人が好きなんです。話は重いけどずっと鬱展開じゃなくて、上がるために一回落ちるだけ。落ちたように見えてもエネルギーを溜めているだけ。
「絶望(本家のサ終)があったからこそ新しい可能性が生まれて、因果の果てに二次創作ゲームに原作と同じボイスがついたのでは」と、くまくまさん。
くまくま
あがく力が『マジカミ』の本質なんだと思います。
死を忌避するのは生物の本能。まるでひとつの生命体のように『マジカミ』はあがき続けた。『MGCM Combat Edition』のキャッチフレーズは「無限の可能性は終わらない」。『マジカミ』がうたう「無限の可能性を信じますか」のアンサーと言える。
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話を聞いている最中、僕はずっと真顔でした。すごすぎる。
と、おわかりだと思うが、冷静に考えてもまあまあおかしい。このアクセルべた踏み精神状態は格ゲー作者のくまくまさんのみならず『マジカミ』ファン全域に伝播。ほら、ゾンビにかまれるとゾンビになるって言うじゃないですか。
クラファン専門家が軽く引くレベルの熱量
アツいファンが大量発生したからこそクラファンは大成功を収め、『マジカミ』はオフライン版として奇跡の復活を果たした。
開発側としてはファンの手元に残るオフライン版を用意したいものの予算不足→クラウドファンディング挑戦。ここまでは最近よく聞く話だが、やっぱりファンの行動力はおかしかった。
設定額は5500万円と高めだ。その壁を軽やかに突破し、最終的な支援額は261%達成の1億4382万8442円に到達。「助けに来たぞ!」と数千人が金を握りしめてドドドドドッとはせ参じたのである。まるで少年マンガの最終回。そんなに来たら敵が泣くと思う。
ここまで情熱的な応援はなかなかない。だって、2023年のCAMPFIREクラウドファンディングアワード(※)で総合賞を獲得したのだから。
※CAMPFIREクラウドファンディングアワード:大手クラファンサービス“CAMPFIRE”の表彰イベント。『マジカミ』のプロジェクトはおよそ1万件の中からトップに選出された。すご。 内情を知りたいものの、『マジカミ』チームは解散しているだろうから難しそう。僕は主要スタッフと仲よくさせてもらっているが、最近は連絡を取っていないので野垂れ死んでいるかもしれない。
と思ったら連絡がついた。
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『マジカミ』プロデューサーのジブP(下段左。いつも身に着けていたかぶりものを合成)と開発コアスタッフのコウホウ石原さん(下段中央)。余計なことを言わないように『クルスタ』PR担当者(上段のふたり)も同席。
ユースケ
野垂れ死んでいなかったんですね。ホッとしました。
ジブP
ひと言目がそれ?
石原
「そんなわけないでしょ!」と自信を持って言えないのが悔しい。
初手からの冗談には理由がある。この気安さが重要な役割を果たしているからだ。気安いからファンとの間に壁がなく、巡り巡ってくまくまさんの格ゲー制作にも結びついている。
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ジブP「半身は吹き飛びました」 石原「何とかやっています」
ユースケ
『マジカミ』ってずっと逆境に立ってません?
ジブP
最初にPC版を出して、PCだけだとしんどいからアプリ版も出して、起死回生を狙って……。
石原
その後も何度も甦ってますね。格ゲーにコラボに。
ジブP
僕らが何かをやったわけではなくて(ファンに)生かしてもらってます。
ユースケ
クラファンが始まって、支援はすぐに集まったんですか?
ジブP
おかげさまで。CAMPFIREさん的に「過去の実績からいって、これくらいの進捗ならいいペース」って基準があるみたいなんですね。
石原
それをドカーンとぶち抜いてしまい。
ジブP
返礼品が狩りつくされました。めぼしいものは根こそぎ瞬殺。
ユースケ
山賊だってもっと品がありますよ。
石原
高い方から売れていったんじゃなかったっけ。
ジブP
始まった瞬間に50万円のやつ(公式のコスプレ衣装付き)がふたつ売れて、
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「始まって5分で100万円(※)のやつが売れました」
※100万円のやつ:実際の価格は99万9999円。用意された返礼品全種類(コスプレ衣装など一点ものを除く)に加えて、ジブPが実際に着用していたかぶりものが付属。ユースケ
5分で100万払うなよ!!!!!!!
ジブP
その方には配送せずに直接手渡ししたんですけど、いまだに夢だと思ってます。
石原
本物の足長おじさんだったのかもしれない。
ユースケ
「おれが助ける」で実際に動く人が多かったわけですよね。ファンの熱量が高いということ?
石原
熱量もそうですし、独特のお祭り文化? みたいなものはあるかもですね。CAMPFIREさんから「最初にお祭りをやったほうがいい」とアドバイスされて、たしかにそうだなと。
ジブP
それでクラファン開始日に様子を見守る生放送をやったんですよ。概要を説明してるときに100万円のやつがいきなり売れて現場がざわつきました。
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開始から数日経った頃にページを見たらほぼ焼野原だった。
石原
クラファンの空気がそもそもポジティブ。もちろんサ終はよくないけど、全部楽しんでくれている。
ユースケ
正体がわからないんです。『マジカミ』って何なんだろう。
ジブP
ほんとに。何なんでしょうね。
ユースケ
あなたはわかってくれ。
石原
いろいろなゲームに関わってきましたけど、『マジカミ』は独特ですよ。少しくらいならミスも笑ってくれる。そこはほかと違ったかも。
ジブP
バグがあっても「『マジカミ』らしいな」って。そういう温かさは絶対にありました。ただ、やばいバグのときはめちゃくちゃ怒られました。
ユースケ
それはそう。
ジブP
“ユーザーさんと近い距離で運営する”はコンセプトのひとつでした。それがうまくいったのかもなと思います。
ユースケ
二次創作グッズを作ってほしいとか、初期から言い続けてましたもんね。
石原
酸いも甘いも楽しんでくれる人が多かった。仲間内みたいな遠慮のない意見もいただきましたし。ありがたい話ですよ。
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![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/63565/8d8e50596d727805d32815f69bc0e7c5.jpg?x=767)
3周年記念イベント“本気マジフェス”の様子。ファンメイド作品の展示もあった。
ユースケ
支援金はどうなりました?
ジブP
ほぼ使い切りました。
石原
ちょっと赤字だったかな。
ジブP
これで儲けようなんて1ミリも考えずに設計していたら、オフライン版の開発が想定より延びてしまいまして……。
ユースケ
オフライン版は何人くらいで作ってたんですか?
ジブP
(販売を担当する)DMMさんとやり取りするスタッフなんかも数に入れて……5人くらい?
ユースケ
5人!? そりゃ頭も回らなくなるわ。
石原
担当分の作業が終わってチームから抜ける人もいて、メインで動いたのはそれくらいですね。たいへんでしたけど、何とか完遂できました。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/63565/a64b8299d1597b8a5c7b9cb9c88642f6c.jpg?x=767)
オフライン版はDMM GAMESで販売中。大人向け版も用意されているので購入時には要注意。
『クルスタ』とのコラボについては、シンプルにオファーをもらってとてもうれしかったとのこと。
ジブP
サービス終了が決まってから、「ほかのゲームとコラボしないんですか?」みたいな質問が来ることもあったんです。
石原
期待されるのはうれしいけど、終わった後のコラボってどうなんだろという気持ちも少々。ユーザーの心証もありますしね。
複雑な気持ちも理解できる。サービスを終了させてしまった自分たちが評価されていいのかな、みたいな。それでもファンは『マジカミ』が前に進むことを望むのだと思う。
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『クルスタ』で魔法少女たちの活躍を見られて、ファンもうれしいはず。僕は起動したら『マジカミ』のBGMが聴こえてきてうれしかった。
これまでの話を総合すると「『マジカミ』は諦めない人たちに助けられている」だろうか。魔法少女RPGのメッセージが伝わっているようで何だかうれしい。同席している『クルスタ』PR担当者の発言もアツかった。
PR担当者
プロモーション担当になったとき、当時の先輩から「『マジカミ』がおもしろいことやってるから、ああいうのを参考に勉強するといい」と言われました。
ジブP
それはやめたほうがいいです。
石原
再現性ゼロですよ。
ユースケ
マジックミラー号でイベントやったりドラフト会議やったり金の話を暴露することになりますからね。
条件反射で止めてしまった。ゲームのプロモーションには変わったアイデアも大切だというのはわかる。ただ、『マジカミ』はやりすぎだったから参考にしにくいと思う。
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![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/63565/ca538c343179bf0fbdfab6cd10469afd.jpg?x=767)
ファミ通.comでもいろいろな記事を作った。なお、製作費12億円暴露記事は2020年の記事なのに、ゲーム開発の貴重な資料としていまだによく読まれている。ドラフト会議記事は東京ヤクルトスワローズファンから好評だった。
PR担当者
『マジカミ』と同じ場所に広告を出したかったんですよね。渋谷駅(京王井の頭線)のホームも予定していたんですけど、先約が埋まっていたりして、叶いませんでした。
聞いた瞬間、思い出が甦った。感情をがくがくと揺さぶられて「うわー!」と声が出た。渋谷駅ホームと言えば、ファンからの感謝のメッセージが掲示された場所だ。そんなところでいまの『マジカミ』の姿を見たら泣いてしまう。危なかった。
これはあの人の話も聞いておかないといけない。
ファンたちを強く結びつけた応援広告
『マジカミ』サ終にあたり、ファンたちは力を合わせて応援広告を出した。掲出場所に選んだ渋谷は『マジカミ』の舞台。これだけでもう涙がにじむ。
発起人のこあぐらさんに当時の気持ちを聞いたところ、少し考えて「投稿大賞がきっかけなんです」という返答があった。
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ここでも投稿大賞だった。「二次創作作品を作ってみんなで楽しもう」という火種は、いつしか大きなパワーになっていたみたいだ。
こあぐら
VTuberとかの界隈では応援広告文化が盛んなんですね。「○○さんの誕生日おめでとう広告を秋葉原駅に出しました」とか。
こあぐら
(投稿大賞で)そういうのをやりたいと考えていたときにサービス終了を知りました。二次創作系の知り合いと話していたら「ありがとうを伝えたいよね」となって、いろいろな人の声を集めようと。
こあぐら
それで、私が声掛けをして、デザインの上手な人にポスターを作ってもらいました。
ユースケ
渋谷に出したのがアツいですよね。渋谷駅近辺で探したんですか?
こあぐら
広告代理店さんの中で、応援広告向けのプランを用意してるところもあるんですよ。いまは個人の応援広告が盛んだからですかね、個人でも申し込みやすい。
「へぇー!」と膝を打った。職業柄、僕はふつうの人より広告事情に詳しいつもりでいたが、個人向けのプランがあるとは知らなかった。勉強になる。
駅や電車の広告と言うと、いろいろな場所や車両に同じものがたくさん貼られているイメージがあるが、1ヵ所だけピンポイントでも出せるらしい。
こあぐら
1~2枚だったらけっこう安いんですよ。
何だかうれしくて、僕も見に行った。
こあぐらさんは「ほかの界隈で流行っているものを真似しただけなので、私は大したことやってないんですけどね」と謙遜する。いやいや、別分野のものを持ってくるってすごいことですよ。
ちなみに、こあぐらさんは年に一度のペースで大規模オフ会を主催している。2025年2月の会場は東京・ベルサール浅草橋だった。ここは2022年に『マジカミ』オフラインイベント“本気マジフェス”が行われた場所。言わば聖地。
こあぐら
仲間内で「ベルサールでやろう」って案が出たんですよ。メインホールは無理でしたけど、調べたら(同じ建物内の)会議室なら使えそうだったので。
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しかも、会場側と打ち合わせをして豪華なケータリングも準備。有志による物販や展示コーナーも用意した。大人の気遣いが心にしみる。
ユースケ
参加費はたしか6000円でしたよね(僕も参加した)。で、集まったのは50~60人。無料イベントでもそこまで集客するのが難しい時代なのに。
こあぐら
みんなが手伝ってくれますから。さすがに的確な指示を出しにくい規模ですけど、何とかやってます。
ユースケ
これまでに大きなイベントを主催したことはありました?
こあぐら
ないですないです。飲み会の予約くらい。
ユースケ
どうしてここまでやるんですか?
ここまでのものを続けるのはたいへんだ。参加費をいただいているとはいえ全体で見れば赤字。苦労も多いから、こあぐらさん自身に直接のメリットがあるとは言い難い。
こあぐら
その……ファンの交流の灯を絶やしたくないなと思って。
彼は控えめにそう言った。格ゲーを作ったくまくまさんによれば『マジカミ』の本質はあがく力。こあぐらさんのあがきは、僕にはとてもまぶしく見えた。
『クルスタ』コラボの理由は「魔法少女たちがかわいそうだったから」
きっと『マジカミ』には行動を起こさずにはいられない何かがある。“魔法少女”に焚きつけられた人はほかにもいた。
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これ。
そう、『クルスタ』の開発/運営スタッフである。一般的に、コラボは勢いのあるIPと行うものだと思う。企画・監修を担当するかんなぎれいさん、どうして『マジカミ』なんですか?
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イラストレーターとしても知られるかんなぎれいさん。これは前にインタビューさせてもらったときの写真です。
かんなぎ
これまでに『クルスタ』でやったコラボは、原作に当たる『ティンクル☆くるせいだーす』と自社ブランドのスタジオくまさん関連だけ。外部コラボは『マジカミ』が初なんですよ。
ユースケ
初の外部コラボがサ終ゲームって、正気じゃないのでは。
PR担当者
ユースケさん、すぐに正気を疑いますね。
かんなぎ
初ということで、外部コラボとしてどういった形がいいかをマーケティング部署と相談しつつ、ユーザーアンケートも参考にして、慎重に決定いたしました。
ユースケ
めちゃくちゃ計算されていた。
かんなぎ
その中で候補にあったのが『マジカミ』です。(ストーリー的に)辛い展開も多く、キャラがかわいそうというのも感じてました……。明るいストーリーの『クルスタ』とのコラボで幸せになってほしいと思いまして。
ユースケ
精神が『マジカミ』に浸食されているのでは?
かんなぎ
大丈夫です。
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『クルスタ』はストーリーもビジュアルも明るめ。
「『マジカミ』の物語は惹き付けられる魅力がありつつも、ハードコアだから好き嫌いが発生しやすい系統なのかな」と、かんなぎさん。『クルスタ』とコラボするならハッピー感は譲れなかったらしい。
かんなぎ
明るいお話を『マジカミ』のヒロインたちに楽しんでもらって、これからも新しい可能性につなげてもらいたい。そんな気持ちがありました。
ユースケ
キャラクター側に感情移入してコラボが始まることってあるんですね。かんなぎさんは『マジカミ』やってました?
かんなぎ
遊んでましたよ。すごくやり込んだというわけじゃないですけど。ビジュアルや音楽のクオリティが高く、ほんとにセンスがいいですよね。『クルスタ』で参考にさせていただいた部分も多いです。テンポやゲームの見せ方ですとか。
ユースケ
褒められるとうれしい……。
かんなぎ
サービス終了は個人的にもショックでして。もう一度触れられる機会を設けたかったのもコラボの理由のひとつ。『クルスタ』も変身ヒロインものなので相性がいいんですよね。それに、
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「大人向けシーンの表現も可能なので」
ユースケ
信念が伝わってきますね。
かんなぎ
今回のコラボは、『クルスタ』内の劇中劇“魔法少女プリティーサチ”が基軸となっています。幸運の魔法少女サチとその仲間がみんなを幸せにするというストーリー。
かんなぎ
『クルスタ』ユーザー様にはプリティーサチのいつもの明るくコミカルなノリを、『マジカミ』ファンの皆様にはキズナストーリーのような方向性のキャラ同士のつながりを楽しんでいただきたいですね。
かんなぎ
そして、久しぶりにバトルで元気に活躍する彼女たちを応援してください!
ユースケ
ところで、かんなぎさん。
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「かおりん(朝永花織)のおっぱい、大きくなってませんか?」
※コラボイベントに登場する朝永花織は控えめな胸で人気(記事前半の伏線回収)。かんなぎ
無限の可能性を信じた結果です。
ユースケ
そっかー。
『クルスタ』に魔法少女が大集合。これはきっと新春劇場版
ここで改めて、2026年1月13日(火)から1月30日(金)まで『マジカミ』とコラボ中の『クルスタ』について説明したい。
『クルスタ』はDMM GAMESが提供する、PCブラウザ、iOS、Android 、PC(DMM GAME PLAYERダウンロード版)で展開中の変身ヒロイン×本格バトルRPG。往年の人気美少女ゲーム『ティンクル☆くるせいだーす』シリーズの精神的続編である。
『クルスタ』の世界では人類、神族、魔族が世界の垣根を超えて共存していて、主人公の緋宮クロトは三種族の学生が集う学校の“星徒会長”にして当代の“魔王”。宿命を背負ったヒロインたちが彼のもとに集い、戦いと青春のストーリーが描かれる。
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ハーレム感よりも熱さや青春要素のほうが強め。
最大の特徴は、『ティンクル☆くるせいだーす』でも好評だったバトルシステム。5つのラインの上を敵味方それぞれの行動タイミングを示すノーツが動く画面構成で、見た目はリズムゲームのよう。
中央のライン(ACTバー)に到達したキャラの行動をコマンドで選択。味方のノーツを加速させたり敵を押し返したりといった戦略が視覚的にわかりやすく、バトルのテンポがいい。瞬間的な判断で発動スキルを選ぶなど、リアルタイムバトルの要素もある。
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独特なバトル画面で魔法少女たちが大活躍。
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中央のライン(ACTバー)に同タイミングでノーツが到達した味方と合体攻撃をくり出す“ユニゾン”。決まるとめちゃくちゃ気持ちいい。
『マジカミ』×『クルスタ』コラボ紹介
今回のコラボでは『クルスタ』側の主人公たちは登場しない。『マジカミ』からは魔法少女が、『クルスタ』側からも“魔法少女トレジャー☆サチ”とその仲間たちが駆けつける。
ストーリーのどこを切り取っても魔法少女。やっていることはほぼ劇場版女児向けアニメである。やや無理があるので力強く言い切ってしまった。
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魔法少女がこれでもかと言わんばかりに集合。
『マジカミ』側から登場するのは、いろは、花織、ここあ、陽彩の4名。『クルスタ』世界に合わせてアニメーション(Spine)でよく動く。揺れたりする。
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コラボ限定“[Magica2026]いろは” 。ガチャで入手可能。
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コラボ限定“[Magica2026]花織” 。ガチャで入手可能。
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コラボ限定“[Magica2026]ここあ” 。ガチャでは2026年1月19日(月)から登場。
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コラボ限定“[Magica2026]陽彩” 。コラボイベントアイテムとの交換で入手できる。
上記のように、陽彩だけが魔法少女ではない姿で登場。コラボストーリーでは敵だからであり、『マジカミ』で言うところの“悪魔”扱い。ちなみに、陽彩のこの衣装は“バハムート”と言い、着ると大火力ロマン砲運用ができるので人気があった。あと肌色の面積が広いから。
いろはたちは『マジカミ』で悲劇に見舞われてきた。でも、『クルスタ』の世界は平和で明るくてポップ。そんなにひどい話にはならないのだが、ざっくり説明すると、ちょっとたいへんなことになる。
無限の可能性を信じた結果、彼女たちは明るい世界で活躍することになった。いろはたちが楽しいとファンもうれしい。
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『クルスタ』側の魔法少女もいい子ばかり。悪いことにはならないと信じてほしい。
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ポップでハイテンポな『クルスタ』の世界観が反映された、『マジカミ』魔法少女たちの知られざるストーリー。
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かおりんはこちらの世界でもいじられていた。強く生きよう。
なお、当コラボでは2026年1月13日(火)から開催中のストーリーイベントに加えて、1月20日(火)から始まる後半戦では“討滅戦”イベントも開始。『マジカミ』でおなじみの悪魔アラクネと戦い、さらなる報酬を獲得できる。
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蜘蛛の口に女の子が収まっているようなデザインのアラクネ。とても淫靡だと思う。