クライアントが自分で書くのが心配な文章を、プロとしてキッチリ代わりに書き上げるのが代筆業……なのに、よりによって最悪すぎるワードセンスを発揮できちゃうカオスな短編ゲーム、それが『代筆屋ワールドワード』だ。
本作はNintendo SwitchとPCで2025年11月27日配信予定。ひと足先にPCレビュー版をプレイしたので、その内容をご紹介しよう。
あなたの大事なその文章、ハチャメチャに代筆します
舞台となるのは、ラブレターから果たし状まであらゆる文章を代筆するという代筆屋。プレイヤーはその新人バイトとして、さまざまなクライアントからの依頼に応えていく。
各エピソードはクライアントからの聞き取りに始まり、概要を掴んだら“取材”パートで街のさまざまな人々と会話し、ほぼ関係ない雑談からきっかけになる単語や言い回しを収集していって、準備ができたら執筆開始という流れ。
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この場合は「おいコラテメー土下座しろ」が候補の言い回しに入るわけです。アウトレイジかよコノヤローバカヤロー。
……なのだが、段落の重要なシメの部分がルーレット形式になっているというのがキモ。真面目にいろんなキャラを取材すればするほど、依頼の文章に使っては絶対駄目な単語がルーレットの選択肢に紛れ込んでいくので、爆笑必至のアクシデントが起きやすくなるのだ。
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ラスト1文だけがルーレット。いろいろアウトっぽい薬を作って捕まった人の陳述に「キメて」は一番いかんでしょ。
間違っていいんスよ、むしろ間違うのがいいんスよ
となると「目押し必須なの?」とか「え、じゃあ取材控えめにして最低限の単語だけでやればよくね?」とか「駄目な単語を加える会話をしないように覚えるための周回プレイをやるべきってこと?」と思う人もいるかも知れない。
まぁ記者もそんなことを考えていたし、その推測自体は間違っていない。でも配信者がクライアントの謝罪文を書く回で、「深くお詫びいたします」が目押し失敗で「深くサーセンいたします」になり、続く全体の末尾が「ヘイ!高評価ください」になった時に気がついた。こっちの方が面白いじゃん!!
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陳述書なのに「表面上は無実だ安心したまえ」はイカンけど、笑っちゃったのでロードし直しとかせずにそのまま通すよね。
どうしても狙った通りの単語を選びたいなら目押し不要にするチート設定もあるんだけど、“正解”のあるパズルゲーム的にプレイするよりも、流れに任せてランダムが引き起こすカオスな笑いと漫画的なドタバタをビジュアルノベル的に楽しむのをオススメしたい。
そもそも誰が“安心安全で完璧な文章を生み出すのが目的のゲーム”って言ったんだい? クライアント連中はなんやかんやタフな連中だから大惨事になってもなんとかなるし、代筆屋のボスがハチャメチャになっていいどころか報酬アップするって言ってるんだからそれでいいのだ。実際ゲームも普通に進行するしね。
変にオモシロを狙うよりも「目押しズレたらそれも面白いな」というぐらいで押してみて、「あっズレたっぽい」という感覚からコンマ数秒でヤバい文章が完成しているのを理解した時の謎の脳汁は唯一無二のものがある。マジで。
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店長50歳はエルフなんで若いんスよ。
本編は公称15分から30分程度でプレイ可能なエピソードを5つ収録していて、実際クリアーまでは1~2時間程度といったところ。あとはプラス前日譚と執筆パートに特化したエンドレスモードがプレイ可能。正直もうちょっとだけ本編のバリエーションが欲しかった気もするけど、サクッと遊べて笑い飛ばせる快作なのは間違いないだろう。