ロゴジャック広告

『逆水寒』先行レビュー。“音×物語×映像”で遊ぶRPGの未来がここにあった。釣り、農作業、ハウジング、NPCの友だちづくり……底なしの自由度に溺れそう

byタワラ

『逆水寒』先行レビュー。“音×物語×映像”で遊ぶRPGの未来がここにあった。釣り、農作業、ハウジング、NPCの友だちづくり……底なしの自由度に溺れそう
 中国で大人気のMMORPG『逆水寒』(Sword of Justice)が、2025年11月7日にいよいよ日本でも配信をスタートした。対応機種は、スマホ(iOS/Android)、PC(Steam)。

 本作は多彩な技による王道の武侠体験に加え、遊び尽くせないほど膨大なコンテンツを用意しているのが特徴だ。この“遊び尽くせない”は比喩ではなく、数十時間プレイしてもまだ全容が見えてこないほどのボリュームになっている。一方で、プレイヤーを縛り付けない自由度の高さも誇っており、そのバランスも注目したい点のひとつだ。

 そんな本作だが、公式では「“音×物語×映像”:全感覚で遊ぶRPGの未来」という壮大なテーマを謳っている。全感覚で遊ぶとはどういうことなのか、今回あらためてゲームをプレイして感じた、本作の見どころについて詳しく紹介していきたい。
広告
※この記事はNetEase Gamesの提供でお送りします。

自分のキャラが武侠の世界で輝く高揚感

 北宋時代(10~12世紀)の中国が舞台となる本作だが、ファンタジー要素も含まれた幻想的な世界が広がっている。城や城下町だけでなく、壮大な大自然をステージとしたマップなども展開。中国ならではの絵作りといった具合で、新鮮な気持ちで楽しめる人も多いはずだ。

 マップごとの区切りはあるものの、広いオープンワールドを自由に駆け、飛び回りながら散策できるのもポイント。
[IMAGE]
 ストーリーは地名・人物名はやや見慣れない漢字が多く最初は覚えるのが難しいかもしれないが、話の展開自体はわかりやすい。山で修業し、頻繁に悪夢を見ていた主人公が都会に下りるところから物語は始まり、早い段階で主人公の過去や、大きな目標も提示してくれる。
[IMAGE]
 世間知らずな主人公が、権力者の横暴を知り義憤に駆られて人助けをする。物語の本筋はそんな王道の流れなので、人名などが多少見慣れなくても没入はしやすいはず。ムービーシーンはもちろんだが、通常の会話シーンもフィールドのビジュアルがいいため絵が映える。
[IMAGE]
 また、本作はストーリー分岐があるのも特徴で、時折現れる選択肢によって人を助けるか、無視するかなど展開が変わっていく。正義感の強い主人公と言いたいところだが、そうなるかはプレイヤー次第だ。

 フィールドを探索し、情報を集めることで初めて解放される分岐などもあり、ゲームを遊ぶほどにストーリーへの理解も深まっていく。なお、物語の分岐は後ほどやり直しもできるので、両方の選択肢を見ることも可能だ。
[IMAGE]
 そして、これがいちばんの魅力と言いたいほどに、登場人物は揃いも揃ってビジュアルがいい。突然現れる敵から、ピンチに颯爽と駆けつけてくる友人、手助けをしてくれる意味深な人までイケメン美女ばかりだ。
[IMAGE]
 単にビジュアルがいいだけなら昨今珍しくもないが、本作はその見せかたにも工夫が感じられた。カメラワークや花や風を使った演出、そして効果音もクオリティが高く、アクション映画を見ている気分に浸れる。
[IMAGE][IMAGE]
主人公の窮地を救い、初登場するカットシーン。花と鳥の羽が舞い散る中に佇む演出は、映像で見るとかなりカッコイイ。
 こういった演出がもっとも輝くのが戦闘シーンで、場面によっては「劇場版アニメか?」と思うような圧巻の戦闘が展開されていく。鳴り響く打撃音や金属音、画面演出まで一級品で、最高に盛り上がること間違いナシだ。映像美だけでなく、効果音までハイクオリティなのでムービーシーンはぜひボリュームを上げて鑑賞してほしい。
[IMAGE]
 何よりもこのシーン、自分で作ったキャラクターが動いているというのが見どころだ。本作はキャラメイクも骨格レベルでこだわって作れるのだが、時間をかけて作ったキャラクターがイベントシーンに活躍してくれると感動してしまう。大剣を持つ強者を相手に拳ひとつで剣戟をくり広げるキャラを見て、思わず拍手をしたくなった。
[IMAGE][IMAGE]
自分の作ったキャラクターが映画さながらのアクションをしているの、よすぎる。
 通常の会話シーンなどはキャラクターの動きが固く感じる場面はあったものの、重要なシーンではしっかりと魅せてくれるというのが、本作のストーリーに抱く印象だ。そのほかのコンテンツ自体も豊富なのだが、ストーリーを追うだけでも十分に楽しめるゲームとなっている。

本当に気軽に遊べる? 実際にコンテンツに触れて試してみる

 自由度の高さが特徴的な本作だが、“自由度が高い”という言葉はやることが多い、何をすればいいかわからないという結果につながることもある。

 実際のところ、『逆水寒』ではどうなのか。実際に試してみた所感をお伝えしていこう。
[IMAGE]
正直、何もコンテンツに触れずに走り回っているだけでも楽しい。
 MMORPGやアプリゲームでは定番である、デイリーミッション(本作での名称は“日課”)。これの消化に時間がかかると辛くなりがちだが、『逆水寒』では10分かからない程度で終わる。

 ただ、好きなコンテンツを遊んでいると自動的に達成できるので、「消化しないと」と思った時点で半分以上終わっており、消化という考えでやる時間はもっと少ない。日課は決められた内容をすべて達成する必要はなく、複数あるコンテンツから好きなものを5個やれば、それで報酬が獲得可能だ。
[IMAGE]
任務が5つ並ぶが、やりたくない場合は右上の更新マークを押すと変更できる。
 やりたくないコンテンツは更新をかけ、楽なものだけ選んだ場合は5分程度で終わることも。中には写真撮影など、10秒かからず達成できる任務もあるのでかなり楽だ。
[IMAGE]
やりたい要素だけ選んでサクッと終わらせていく。
 また、この日課で手に入るのはいわゆるガチャ石のようなゲーム内通貨になるのだが、本作は課金圧自体が高くないため、万が一取り逃してもそれほどダメージがないのもありがたい。
[IMAGE][IMAGE]
課金はコスチュームがメイン。
 この日課にも含まれる要素のひとつ、“身分”も本作の気軽さを象徴するコンテンツだ。これは100種類以上ある職業から好きなものを選べるもので、釣り人や商人、中には“乞食”という身分まで用意されている。

 この身分コンテンツを遊ぶだけでも経験値が入るので、経験値集めの狩りだったり、マルチでパーティーを組んでのレベリングという考えが必須ではない。

 MMORPGではあるのだが、ソロでひたすら釣りをしていたっていい、それが『逆水寒』というゲームだ。
[IMAGE][IMAGE]
身分コンテンツはオートで回すこともできるので、バトルメインで遊びたい人も安心。
 また、オープンワールドの探索にもバリエーションがあり、宝箱探しはもちろん、NPCとの会話やイベントの発生など、ひとつの町だけでいくつもの要素が盛り込まれていた。

 ふらっと立ち寄った町で困っている人を見かけたら助けたり、NPCと友だちになってAIを活用した会話を楽しんでみたりと、その日の気分で遊びかたは変えていける。
[IMAGE][IMAGE][IMAGE]
町にいるNPCたちどうしで会話をしていることもあり、世界が生きているという感覚になれる。
 ちなみに筆者はプレイ時間のほとんどを身分コンテンツ、釣りに勤しんでいた。最初は味気ない釣りかと思いきや、レベルが上がると手応えが増してくるので完全にソロプレイゲームになりつつある。
[IMAGE][IMAGE]

バトルは上級者、初心者どちらも満足できる作り

 ソロプレイだけでも楽しめる本作だが、もちろんMMORPGらしい遊びも豊富だ。バトルはスキルの組み換えなどのカスタマイズの幅が広く、高難度コンテンツほど楽しめる作りになっている。

 レベルを上げていればサクッと勝てるというわけでもなく、ボスに応じてスキルを組み換えたり、タイミングを合わせて避けたりとアクション性も高い。

 また、風で敵を場外に吹き飛ばしたり、水を凍らせたりといった環境を活かした戦いができるのもポイント。スキルの組み合わせ次第で凍結コンボなどもできるので、自分なりのスキルセットを考えてみるのも楽しそうだ。
[IMAGE]
 最初はスキルコマンドの多さに「濃い目のMMOだ」と面食らったのだが、“簡単スキル回し”という初心者にやさしいシステムもあるので安心してほしい。このモードをオンにすると、通常攻撃を連打しているだけで、自動的にスキルを使ってくれる。

 コンテンツごとのおすすめビルドなども公開されているため、ガイドに従っていれば各種コンテンツへの挑戦も気楽にできるはずだ。
[IMAGE]
 バトル系コンテンツは協力してモンスターを倒すPvEと、プレイヤーどうしで戦うPvPに分けられている。PvEはシンプルにボスを倒すものから、ちょっとしたストーリー付きのコンテンツ、大人数で城に攻め入るものまで多種多様。

 中には、途中でステータスアップのアイテムを回収していくローグライク風のモードもある。そして、ありがたいことにPvEモードはいずれもソロプレイが可能だ。
[IMAGE]
 ソロの場合、NPCが味方として参戦してくれるのだが、これがかなり優秀。率先して戦いに参加してくれるうえ、ボス相手にすぐ倒されたりもしないので安心して戦える。むしろNPCががんばっている中、自分は早々にやられて床ペロしていることのほうが多かった。
[IMAGE]
 今回PvPは先行プレイということでマッチングせずに体験できなかったが、こちらも大人数でのバトルが楽しめるようだ。こちらもかなり楽しめそうなので、正式リリース後に参戦してみたい。
[IMAGE]

荘園に一度入ると、牧場経営から抜け出せなくなる

 すでに多くのコンテンツを紹介しているが、まだまだ触れていないコンテンツはたくさんある。すべてのコンテンツを遊び尽くすにはおそらく24時間では足りないので、好きなコンテンツを選んで遊ぼう。

 その中でおすすめなのが、遊び始めると抜け出せなくなる“荘園”だ。これは自分だけの島を持てる要素で、ハウジングから牧場経営までできてしまう。
[IMAGE]
 荘園では野菜や動物などを育て、回収した物を売って資金にすることで、ハウジング用の素材を購入していく流れになる。このハウジングが好きな人はドハマリするタイプの要素なので、そのためにも汗水流して働くというわけだ。

 筆者はこの手のゲームジャンルはつい黙々とやりまくってしまうタイプなので、一度荘園に入ってからはひたすら野菜作りに励んでいた。種を買い、水を引き、成長したら刈り取る流れをくり返していると、MMORPGということを忘れそうになる。

 ちなみに野菜が成長するまでに時間経過は必要だが、作物を育てるのにスタミナなどの制限はないのでやろうと思えばずっと畑仕事をすることも可能。
[IMAGE]
カブを育てていたころの血が騒ぐ。
 こうして育てた野菜を売り、資金を貯めていくのが荘園での資金を稼ぐひとつの方法だ。ほかにもアイテムを拾って売却をしたりと、やりかたは複数ある。個人的にはアヒルを育て、ごくまれに産む金の卵で一攫千金を狙うのがお気に入り。
[IMAGE]
 そして、お金を貯めたらハウジング用の素材を購入して、自分だけの島作りが本格的にスタートする。広いエリアに好きなオブジェクトを置き、角度なども細かく調整して町をひとつ作る感覚だ。

 このハウジング、本気で作り込むとテーマパークやリゾート地のような島まで作れるのがポイント。ほかのプレイヤーを招待もできるので、最高の島を作って自慢するのが目標になりそうだ。
[IMAGE][IMAGE][IMAGE]
 今回プレイしてみたところ、最近技術が取り込まれたゲームシステム、美しいグラフィック、圧倒的な物量とまさに「“音×物語×映像”:全感覚で遊ぶRPGの未来」というテーマにふさわしいクオリティであった。とくに注目すべきなのは自由度。

  王道の武侠ストーリーに没入するもよし、荘園でのスローライフに癒されるもよし。この世界でどう生きるかは、すべてプレイヤーの自由だ。今回は触れなかったが、本作は友人との交流や恋人作りなど、マルチプレイでの楽しみも当然用意されている。まさに全感覚を使って、この世界の中で生きているような没入体験ができる。

 しかし、やれることは膨大だが、やらなければいけないことは少ない。MMORPGと聞くと「時間に縛られる」イメージがあるかもしれないが、本作は、日課の気軽さやソロでも充実した遊び応えが、その不安を払拭してくれる。自分が気に入ったコンテンツをひたすら遊んで、『逆水寒』の世界を堪能しよう。
      この記事を共有

      本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

      週刊ファミ通最新刊
      週刊ファミ通表紙
      購入する
      ebtenamazon
      電子版を購入
      bookWalker