『ドンキーコング バナンザ』レビュー。破壊の快感! チュートリアルだけで10万立方メートル以上ぶっ壊し、そこら中を穴だらけにして迷子になるDK。でもやめれられない破壊

byジャイアント黒田

『ドンキーコング バナンザ』レビュー。破壊の快感! チュートリアルだけで10万立方メートル以上ぶっ壊し、そこら中を穴だらけにして迷子になるDK。でもやめれられない破壊
 さえぎるすべてをブチ壊せ!

 このキャッチコピーだけでは半信半疑だったが、プレイした瞬間に確信に変わった。

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壁でも何でもパンチでいける!
 フィールドの壁や地面を自由に壊せるなんて最高じゃん! 『ドンキーコング バナンザ』はおもしろいに違いない、と。

 実際にプレイしたところ、地面や壁を破壊する爽快感は想像以上! あまりにも夢中になりすぎて、数分もあれば終わるはずのチュートリアルのステージで、30分くらい破壊活動を続けてしまった。

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やりすぎた結果、岩の破壊実績はチュートリアルだけで100000立法メートルを超えていた。小学校の水容量は25m (長さ)×12.5m(幅)×1.2m(水深) = 375立法メートル程度。つまりプール267杯ぶん岩をぶっ壊していました! なんとなくすごさが伝わった?
 『ドンキーコング』シリーズの最新作にして、Nintendo Switch 2向けの完全新規タイトルなだけに、2025年7月17日の発売を心待ちにしているゲームファンは多いはず。

 本稿では、『ドンキーコング バナンザ』にドハマリしたライター・ジャイアント黒田によるプレイレビューをお届け。ストーリーや未公開のアクションのネタバレには十分配慮しているので、安心して読み進めてほしい。
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『ドンキーコング バナンザ』は、ドンキーコングと相棒の少女ポリーンが、不思議で広大な地下世界を舞台に、新たな冒険をくり広げる。

殴ってつかんでブン回す! 破壊のアクションがシンプルで快感

 ドンキーコングの基本アクションは、ほとんど“パンチするだけ”と非常にシンプル。Yボタンで正面、Xボタンで上、Bボタンで下にパンチをくり出す。

 そのパンチで、敵キャラクターはもちろんのこと、壁や天井、地面といったあらゆる物を破壊できる。ドンキーコングの採掘能力はまるでパワーシャベルのよう。パンチを放つだけでサクサクと岩を掘り進めるので、そこら中に夢中で穴を掘り地中で迷子になった。
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ドンキーコングのパンチで敵は木っ端微塵!
 ステージには穴を掘りたくなる仕掛けが満載なのもうれしい。

 そこら中にゲーム内通貨のゴールドや、体力回復アイテムのリンゴが埋まっている。ゴールドを稼ぎたかったら壁を殴る。回復したくなったら地面を殴る。それでなんとかなる。

 しかも運がよければ大量のゴールドや地図が入った宝箱や、アイテムと交換できる“化石”、ドンキーコングの大好物・バナモンドが見つかることも。何かしら出てくるから貴重品は隠されていないかなと、つい採掘に没頭してしまう。
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“バナモンド”の収集はゲームの目的のひとつ。バナモンドを探していると、無性にバナナが食べたくなる。

 採掘を飽きさせない工夫が用意されているのもお見事。地下世界を奥に進むと地面がカタくなって破壊しにくくなるのだが、ドンキーコングの拳のカタさを鍛えると、地形のカタい場所でも破壊に必要なパンチの回数を減らすことができる。ほかにも、爆発する岩を投げてカタい地形を吹き飛ばせるのも気分爽快だった。
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バナモンドでドンキーを強化。バナモンドを集めるとスキルポイントを獲得でき、使える技を増やしたりステータスを強化したりできる。
 さらに、“ハンドスラップ”のアクション(Rボタン)で埋もれた物を光らせる、宝箱から入手した地図で化石が埋まっている場所をチェックできるなど、効率を上げる要素も採掘のモチベーションを高めてくれた。
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地図を入手すると、マップ画面で化石が埋まった場所を確認できるようになる。
 とくに“ハンドスラップ”は隠れたアイテムが光るだけでなく、周囲の散らばったアイテムを集める効果があるのもポイント。

 ハンドスラップでアイテムを集める → 光った → 採掘 → 集める → また光った → 採掘……といったように、うれしい採掘のループにハマり、ストーリーを進めるのを忘れて周囲を穴だらけにしたことも。子どものころに買っていた柴犬(名前はコロ)は穴を掘るのが好きだったが、初めてコロの気持ちがわかった気がした。掘るだけでも楽しいもんね。
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ハンドスラップを使うとバナモンドや化石、宝箱などが反応する。ドンキーコングのスキルを強化することで、効果範囲を広げることもできるので、ますます穴守の沼にハマってしまう可能性も。
 また、広大な地下世界にはパンチで壊せる住人が暮らしている。その名も“ワレルヤの民”。名前からして物理に弱そう。そしてドンキーは物理が強い。殴りたくなる。ワレルヤの民を粉々にしていいものかどうか……プレイヤーの破壊衝動や探求心が刺激される要素があちこちに用意されているのもたまらない。

 最初は、「殴るとどうなっちゃうの!?」という純粋な興味からおそるおそる攻撃していたが、次第に気になるものを見つけ次第、瞬時に破壊するように。いつの間にか破壊の化身と化していた。慣れってこわい。ちなみに、ワレルヤの民を破壊しても住人は元の体に戻る。また、ステージを壊しまくっていても、壊した地形をリセットする機能もあるのでご安心を。ふだん隠している破壊衝動をドンキーに託して心ゆくまで満たしてほしい。
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鉱物のような姿をした地下世界の住人は、体を破壊されてもすぐに戻る。しかも壊すとゴールドを落とす住人も。謎は深まるばかり……。

破壊や探索を盛り上げるドンキーコングの新たな力“バナンザ変身

 これまでのシリーズ作品には、ドンキーコングの冒険をサポートするアニマルフレンドが登場した。本作ではどんなアニマルフレンドが登場するのだろうと期待していたが、なんと、ドンキーコングが変身してほかのアニマルの力を使いこなすという。これは予想外!

 新たな力の名前は“バナンザ変身”。ドンキーコングは、巨大な長老たちからバナンザの力を受け継いだ相棒ポリーンの歌声で大変身し、効果が切れるまで大暴れできる。
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巨大な姿の長老たちは、地下世界のどこかで暮らしており、条件を満たすとポリーンにバナンザの力を授けてくれる。
 実際に確認できた“バナンザ変身”と、初めて能力を使ったときの感想はコチラ。

1.力自慢のコングバナンザ

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 変身というかパワーアップ。もともとムキムキなドンキーコングがさらに大きく筋肉モリモリのマッチョコングになることでパンチがますます強力に。ふだんはカタくて壊せないコンクリートも破壊できる圧倒的な火力が魅力。タフな敵やカタい地形もたやすく粉砕できる。

2.俊足のシマウマバナンザ

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 本作のドンキーはシマウマになる。シマウマに見えない? いやシマウマでしょう! 水の上や崩れ落ちる足場を疾走できるアクションが楽しい。シマウマというわりには2足歩行のままだけど問題ないッ!
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3.ダチョウバナンザ

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 ドンキーがまるでエクスプレッソ(過去作に登場したダチョウのアニマルフレンド)に!? 広げた翼で大空を滑空でき、気流に乗れば高い場所にも飛んでいける。

 If I were a bird.もしも鳥になれたらなあ……そんな願いも叶えてくれるバナンザ変身だ。でもドンキーはもともと動物なのに、さらにほかの動物に変身するのはなんだか不思議な感じもある。
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 とまあ、だいたいこんな感じ。“コングバナンザ”はドンキーコングがそのままパワーアップしていてわかりやすかったのに対して、シマウマバナンザとダチョウバナンザは驚きのほうが大きかったものの、変身するうちにすぐに虜となった。

 いちばんハマったのはダチョウバナンザで、広大な世界の上空を優雅に飛行できるのはじつに気持ちいい(上昇気流があるステージ限定)。ダチョウが空を飛んだっていいじゃない。飛べないダチョウはふつうのダチョウ。

広大な地下世界にはやり込み要素も充実!

 これまでに紹介したバナモンド、化石の収集、破壊実績の更新のほかにも、化石と交換できるファッションアイテムの収集、バナモンドが手に入るチャレンジコースの攻略、地下世界のどこかでくり広げられるランビレースなど、本作にはさまざまなやり込み要素が用意されている。
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チャレンジコースはバラエティ豊か。トロッコで疾走したり、イバラのコースをタル大砲で飛び回ったりする、シリーズおなじみのコースにも挑める。
 筆者はトータルで10時間以上プレイし、それなりに寄り道をしたつもりだったが、どれだけアイテムを発見したかを確認できるコレクションの画面を見ると、体験できたやり込み要素はほんの一部であることが判明。遊べる要素がたくさん残っていることに感動した。
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コレクション画面では、階層ごとに集めたバナモンドや化石の数、破壊実績を閲覧できる。ちなみに、階層によって発見できる化石が異なるのも芸が細かい。
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地下世界の移動手段も充実。それぞれの階層を自由に行き来したり、マップからチェックポイントを選んで瞬時に移動したりできるほか、破片を乗りこなしてフィールド上を高速で駆け抜ける楽しみもある。
 筆者がいちばん楽しみにしている要素は、サイのランビに乗ってくり広げるレースだ。公開されている画像には、ランビに乗るディディーコングとディクシーコングの姿も!

 アニマルフレンズとして活躍したランビに乗れるだけでも感無量だが、まさか最新作でもディディーコング&ディクシーコングのコンビに会えるとは。どのようなイベントが用意されているのか、プレイできるのが待ち遠しい。
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ランビちゃん、会いに行くから待っててね!
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ファッション要素も注目。コスチュームにはドンキーコングの能力に影響する要素もあるので、見た目だけではなく、性能重視でコーディネイトすることも可能。
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ボタンひとつですぐに起動できる“フォトモード”も用意されている。旅の思い出を残したい。

夏休みにひとりでじっくり遊ぶも、家族そろって盛り上がるもよし

 じつは『ドンキーコング』シリーズの完全新作が発売されるのは、2014年にリリースされた『ドンキーコング トロピカルフリーズ』以来となるので、なんと11年ぶり。『ドンキーコング』は、Nintendo Switch 2でこんなに進化したのかと、驚いた読者は少なくないだろう。

 かくいう筆者もそのひとり。今年発売されたリメイク作の『
ドンキーコング リターンズ HD』をプレイしたので、懐かしさはそれほど感じなかったものの、それでもドンキーコングを操作し、3Dの世界を自由に探索できるのは新鮮だったし、何よりもいたるところを自由に破壊できるのは爽快だった
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 ひとりでじっくりと堪能できるタイトルだが、Joy-Con 2をおすそわけすれば、ドンキーコングとポリーンに分かれてふたり協力プレイも楽しめる。さらにおすそわけ通信にも対応。ソフトが1本あれば、近くの人とも、ゲームチャットに参加している離れた人とも、ふたりで協力プレイに挑めるので、家族や友だちと遊ぶのもオススメ。

 ポリーンは、Joy-Con 2 のマウス操作で狙いをつけて“声のカタマリ”を発射できる。目の前の地形から材質をコピーすると、多彩な質感の声を放つことも可能。

 筆者は、中学1年生になった息子と協力プレイを楽しむ予定だ。何しろ反射神経にすぐれる若さを持つ息子のほうが筆者よりもアクションゲームがうまいのでうちでは出番がなさそうだが、本作には“おたすけモード”も用意されているので、ゲームが苦手な人も大丈夫。食わず嫌いをせずに、『ドンキーコング』の新たな挑戦をぜひ堪能してほしい。
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集計期間: 2025年07月17日01時〜2025年07月17日02時