※本記事は『幻想水滸伝I』および『幻想水滸伝II』のネタバレを一部含んでいます。未プレイの方はご注意ください。 ゲームが好きだな、と自覚したときから『幻想水滸伝』シリーズの名前はずっと気になっていた。
ただ、なんとなくプレイする機会がなかったのだ。そもそも筆者の生まれは1998年。自分が生まれるよりも前のゲームはなかなかやるタイミングを掴みにくい。
だから編集部より「『幻想水滸伝 I&II HDリマスター 門の紋章戦争 / デュナン統一戦争』(『幻想水滸伝 I&II HDリマスター』)の仕事あるけど、やる?」と言われたときには渡りに船という思いですぐOKを返した。
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その結果、気づけば4日間で83時間やっていた。いや、起動しっぱなしで休憩していた時間もあるので厳密に言えばそこまではやっていないはずではあるが、それでもゲーム内に記録されている『幻想水滸伝I』と『幻想水滸伝II』のプレイ時間をあわせると約50時間。つまり1日で平均12時間以上はプレイしていたことになる。
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セーブ&ロードしたぶんの時間は含まれていないので、実際はもっとやってそう。
ただ、それほど『幻想水滸伝』が持つ“おもしろさ”は鮮烈だった。“世界を駆け回り、108人の仲間を集める”というゲーム体験はもちろんのこと、なによりすばらしかったのはキャラクターたちが発するセリフの数々。主要人物の語る言葉はもちろん、NPCの言動ひとつとっても、その土地に住む人ならではの観念や偏見、人間味などが漂っており、彼らが“世界に息づいている”ことを感じさせる。
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名言製造機だった『幻想水滸伝II』のルカ・ブライト。「強者が弱者を奪う瞬間だ!!!!!」がたまらなく好き。ストレートな表現に滲み出る悪辣さ。
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謎の料理バトルなど、寄り道的なミニゲームもいっぱい。
プレイしていて、「これがRPGだ!!」と叩きつけられたような気分……とか書くと流石に公式のキャッチコピーにおもねりすぎだろうか。でも実際、それぐらいロール・プレイング・ゲームの持つおもしろさを叩きつけられたような心地だった。
本記事は、この文章を書いている間でさえ「いいゲームだったな……」と思わず零すような、令和の世に『幻想水滸伝』に脳を焼かれた、とあるゲーマーによる感想である。
入念な探索が仲間の数に、そして“奇跡”に繋がるRPG
『幻想水滸伝』のおおまかな部分は、『I』、『II』ともに大枠は変わらない。主人公が108人の仲間を集め、立ちはだかる強大な存在へと対抗していくというストーリーである。
そう、108人。108人もいる、仲間が。もちろん数十人はストーリーを進めていけば勝手に加入するヤツらなのだが、残り約半数ぐらいは自分で世界中を駆けずり回って声をかけてスカウトしなければならない。というか声をかけて仲間になってくれる人はまだマシで、大半はなにかしらのクエストや条件を達成する必要がある。
……のだけど、これがめっちゃくちゃに楽しいのが『幻想水滸伝』である。
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本作は『I』、『II』ともにコマンドバトル。見つけた仲間は(一部のキャラ、状況を除き)最大6人までのパーティーメンバーとして自由に編成可能。
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前衛、後衛の概念があり、キャラクターそれぞれ固有の武器と射程を持っている。
NPCの中から仲間になりそうな“目立った人”を探すのが楽しい。いろいろな人に話を聞いて、「じゃああそこに行けば仲間を増やせるのか!」と目標を立てるのが楽しい。会話の内容から、相手が“どういう状況で”、“誰を連れて行けば”仲間になるのかを考えるのが楽しい。
ぶっちゃけすべて探索が好きじゃないと成り立たない楽しさではあるものの、逆に言うならば“探索が好きな人なら、これ以上のRPGはない”と言ってしまってもいいぐらいにはおもしろいシステムだと感じた。
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「お、立ち絵と名前がある! じゃあ仲間になりそうだな」とマークしておく。
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発言は100個までさかのぼることができ、ピンを打って固定しておくことも可能。後々役立ちそうな発言はいつでも読み返せるようにしておける。
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「街に置いてあるシチューを全部味見した」という妙な条件で加入する人もいる。
その楽しさをさらに加速させるのが、“本拠地”の存在。ゲームの序盤、主人公たちは自身の拠点となる城を手に入れ、そこに仲間にした同志がどんどん集まってくる。道具屋や武器屋、宿屋の店主なんかを仲間にすれば拠点に店を出すし、拠点自体も仲間の数に応じて拡張されていく。
つまり、探索をすればするほど本拠地に仲間が増え、設備も豪華に! 探索の成果が目に見えて感じやすいのもモチベーションがグッと上がる。
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『幻想水滸伝I』の本拠地、外観がめちゃくちゃ好き。
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中はこんな感じでかなり整っている(一部変な区画もあるが)。とある発明家を仲間にすることでエレベーターまでつけられるように。
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お風呂もあります。多くを語るとやけどしそうだが、とにかくいい。
さらに『幻想水滸伝I』から3年後の世界を描く『幻想水滸伝II』では「前作にいたアイツがこんな姿に!?」という“シリーズをまたいだ成長”を見せるオタク特攻の時限爆弾まで炸裂。「またあのキャラクターに会えるかも」という思いは、より探索へと向かうワクワクを促進させてくれる。
ぶっちゃけてしまうと、筆者は『幻想水滸伝II』で108人集めるつもりはなかった。なぜなら期限内にこの記事を書ききらねばならず、シンプルに時間がなかったから。ただ『幻想水滸伝I』で始まりの舞台となった“グレッグミンスター”が中盤に出て以降、そのストッパーが見事倒壊。ちょっとアレンジされたBGMとともに『幻想水滸伝I』で味わった数多の思い出が体中を駆け巡り、気が付けば大陸全土を走り回って片っ端から声をかけていた。
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この屋敷に入った時点で懐かしさにより泣き崩れそうになった。『幻想水滸伝I』における主人公の生家である。
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シチューがおいしそうに煮えている。ただそれだけで人は泣くことができる。
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わりと序盤から『幻想水滸伝I』の登場人物自体は出てくる。でも街まで見せられた日にはね……。
大概のRPGには、“入念な探索に対する報酬”というものが設定されている。それはアイテムであったり、お金であったり、あまり意味のない称号や勲章であったりとさまざまだ。
プレイヤーの「あそこに行ってみたらおもしろそうかも!」や「いろいろな人に声をかけてみよう!」という世界を探索する気持ちを促進させる要素だが、『幻想水滸伝』では“誰かを仲間にする”ということが大きな報酬として定義されているわけである。これが作品の楽しさを支える根幹の要因になっていることは間違いない。
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『幻想水滸伝II』ではコボルトを仲間にすることでとてもかわいいダンスショーが見られる。最高。
もちろん、108人を集めることには明確なメリット……というか、ストーリーにおいても重要な意味を持つ行いとなっている。全員集めなくても話は進むが、108人が揃うことで、よりすばらしい展開へと、奇跡へと繋がっていくのだ。
探索が、仲間の増加や本拠地の拡充という実益に繋がり、そして最後には奇跡を起こす重要なファクターとなる。『幻想水滸伝』はこの流れが本当にすばらしく、一度味わってしまえば抜け出せなくなる魅力を秘めている。実際筆者は『幻想水滸伝I』ではボロ泣きし、『幻想水滸伝II』では顔中の穴から水が垂れ流しであった。
“彼らにとってなにか、ステキなことが起こる”というだけで、キャラクターに感情移入しまくってしまうプレイヤーにとっては最大の報酬。だからこそ、筆者は『幻想水滸伝II』でも懲りずに108人を集める羽目になってしまった。もちろん後悔などあるはずもないが。
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『幻想水滸伝II』は全体的にストーリーが重たくてつらい。だからこそ仲間をたくさん集めたくなってしまった。
ストレートだが刺さる。言い回しが上手いセリフの数々
“キャラクターに感情移入するプレイヤーにとっては”と書いたが、そこまで重い感情を持ってしまうものなのか疑問に思う方もいるかもしれない。
でもつい“持ってしまう”のだ。セリフの力が強すぎて。
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冒頭でも書いたが、『幻想水滸伝』はセリフが本当にすごい。登場キャラクターが非常に多い関係で、セリフ量がそこまで多くはないキャラクターもたくさんいるのだが、一言一言が“重い”ので、こちらの感情もその重さに引きずられ、がっちりハマって抜け出せない。キャラクターの生き様、感情、行動理念。そのすべてがわずか数行のテキストに圧縮され、こちらの胸を貫き、沁みてくる。
こうして長文を書きながら自身の考えを伝えている筆者にはまるで真似ができない職人芸。セリフを見て思わず「すごい……」と、その表現の力に呆けてしまったぐらいだ。
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「温かいスープを飲ませてやることならできる」という言い回しがすごく好き。
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しゃべり言葉のテンポがいいというか。読んでいて気持ちのいいセリフが多い。
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なんでもないセリフなんだけど、“ハウザー”の真面目で軍人然とした性格がしっかりあらわれていて好き。
なかでも印象に残っているのが、『幻想水滸伝II』に登場する“キバ”のセリフ。彼は、とある事情により“息子とともに敵方を裏切って主人公側についた将軍”という、非常に難しい立場のキャラクターとなっている。自身の状況、抱いた覚悟、そして息子が新天地で生きていけるだけの立場をつくるという使命。そんな彼の抱える葛藤がセリフの端々から感じ取れて、心がキュッとなってしまう。
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実際、選択肢によっては、すぐにでも首を切られるような存在である。
『幻想水滸伝II』はほかにもセリフが印象的なキャラクターが多い。お転婆な女の子らしさ、そして年相応の無邪気さがあふれる口調の“ナナミ”。狂皇子と呼ばれ、悪逆の限りを尽くす“ルカ・ブライト”。巨大な都市を預かる強き女市長“アナベル”。そして『幻想水滸伝I』から登場し、ずっとすばらしいセリフを残し続ける“ビクトール”と“フリック”。名前をあげ始めるとキリがない。
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「もぉぉ」がかわいい。ちょっと、いやかなり重い話の続く『幻想水滸伝II』の世界で、ナナミの明るさに何度救われたことか。
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このシーンは一連のセリフが全部すごい。郷愁や寂しさ、主人公を気づかう思いなどいろいろなものが溢れ出ている。
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ルカといえば、な名言。劇中でいちばん心に残ったセリフかもしれない。
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戦いの理由。彼女の強さ、その源が垣間見えるようなセリフ。
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ビクトールはずっと、それこそ『幻想水滸伝I』のころから大好きなキャラクターだった。男らしく、かっこいい。三枚目的な兄貴分だ。
名前持ちのキャラクターだけではなく、ただのモブ、いわゆるNPCたちのセリフも非常におもしろいものが多い。彼らはいわゆる世界観の説明担当であり、本筋には(あんまり)絡まないけど「この世界はこんな感じで、ここの人たちはこういう考えかたをしていますよー」ということを伝える役割である。
で、『幻想水滸伝』はその伝えかたがものすごくうまい。うまいというか、抜かりがない。都市間や国家による対立が多く出てくる作品だからこそ、土地土地の価値観や見えかた、どういう情報が民間に入ってきているのかなどがよくわかる。
たとえば『幻想水滸伝II』では、
- 自国に流れている“休戦していたはずの相手国が襲ってきた”というニセの情報(国をあげてのプロパガンダ)を信じ込み、民衆が怒っている国
- そんなことはつゆ知らず、「戦いになんてなるわけない」と言い切る休戦条約を結んだ相手国
という対比が見られておもしろかった。
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左が怒り狂っている民。右が安心している民。こういう差がしっかりあるのが描写としていい。
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解放軍の首領はふつうの美女なのだが、民衆にはその姿は認知されていない、というセリフ。『幻想水滸伝I』でわざわざこのセリフが用意されていた意味に気づいたとき「なるほど……」と、しばらく固まってしまった(筆者が考えすぎな可能性もあるが)。
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『幻想水滸伝I』では帝国に虐げられていたロックランドの民(左の画像)だが、『幻想水滸伝II』では遠くの学校に通わせられるような家庭もでてきた(右の画像)。こういう時代の変化が好き。
筆者はRPGをやっているとき、こういうNPCのセリフをひたすら聞いているときがいちばん楽しかったりする。この世界に息づいている常識や考えかたを知れたような気持ちになって、より世界観にどっぷりと浸れるからだ。
それに、なにか事件が起こった際に周囲の村人に話しかけたときの「お、セリフ変わってるじゃーん!」という“発見した感”もとても好き。物事へのリアクションがあることで、この人たちはこの世界でしっかりと生きている、ということも認識できる。もちろん『幻想水滸伝』はそのあたりも抜かりなく、街で大事件が起きるたびに街中を駆け回って“変わったセリフ”を堪能していた。
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なんか精神的なダメージを受けるセリフもあった。
探索が楽しいのは、こういうセリフの細かい変化があることも要因のひとつ。名前ありのキャラクターたち、NPC問わず、すばらしいテキスト群がこのタイトルのおもしろさを形作っている。
あとNPCに関してはもうひとつ語りたいことがあって。ちょっとこの画像を見てほしい。
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このメイド、すっごくかわいくないだろうか。
キャラクターがかわいい、という話
急激な話題の方向転換で本当に申し訳ないのだが、これだけは語らざるを得なかった。このゲーム、キャラクターがかわいすぎる。
先にあげたメイドもそうなのだが、このゲームはとにかくドットのクオリティがすばらしく、とくにキャラクターのデザインには舌を巻くばかり。立ち絵の雰囲気も好きで、先のセリフの話と相まって「あ、好き……」となってしまうキャラクターばかりだった。
とくに女性キャラクターはヤバかった。刺さりまくるキャラクターが何人もいた。とくにぶっ刺さったのが、『幻想水滸伝II』に出てくる“カレン”である。
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『幻想水滸伝』公式X(旧Twitter)より引用。
彼女、ふだんは民族衣装に身を包んだおとなしい女の子なのだが……踊り子の姿になると別人のように精悍な顔つきの美人になる。
そのギャップにやられた。ちょっと度肝を抜かれてしまった。
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この女の子が
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こうですからね。ちょっとクラっときてしまった。
なんとそれは戦闘時でも同様で、戦闘開始時は民族衣装を身に着けたまま。戦闘が始まると衣服を脱ぎ捨て踊り子モードになり、華麗な舞踊を交えた格闘術で敵を薙ぎ倒す。このモードチェンジ演出を持つのは(筆者が確認した限りでは恐らく)カレンのみで、その特別さにもなんだか惹かれてしまった。
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かっこよすぎる。
ちなみに、本拠地で“カレンからダンスを教えてもらう”というミニゲームもある。相手が指定したボタンを追従して押していく……というもの。ただしそのボタンの数が尋常じゃなく多く、難度は“鬼畜”のひとことだが、特定のボタンを押せばガイドを出せるのでなんとかなった。全部クリアーするのにはそれなりに時間はかかったが、いい思い出である。
にしてもバトル演出とか、このミニゲームとか、なんだか優遇されすぎではないだろうか。でもいいか。かわいいし。
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手拍子でリズムを取ってくれたり、うまく踊れると口元の布をズラして笑顔を見せてくれる。かわいい。でもめちゃくちゃ難しい。
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もらった像や絵はお風呂に飾れます。うれしいね。
筆者がドはまりしたのはカレンだったが、それ以外にも魅力的なキャラクターは多い。なにしろ登場人物が108人以上。『I』、『II』合わせたらもっと多くのキャラクターが登場する。
なんなら中には“400年生きている一人称がわらわの美女吸血鬼”とかもいる。ヘキのバーゲンセールか?
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吸血鬼であるシエラさん。かわいい。美しい。
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クールビューティなお姉さんも
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天真爛漫なかわいさが爆発してる子も
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一途な恋する乙女でツンデレ系ぼくっ子もいます。
筆者の性格上紹介するのが女性キャラばっかりになってしまったが、まあとにかく『幻想水滸伝』には“やっっったらとかわいいキャラクターがいっぱいいる”ということだけ覚えておいてもらえれば幸いである。
……取ってつけるようだが、もちろん男性キャラクターも超魅力的。何度も言うがビクトールは『幻想水滸伝I』からずっと好きだし、全身を黒の甲冑で包んだ謎の剣士、外界から身を引いた大魔導士の爺さん、黒いフードを羽織ったイケメン銃使いとか、いろいろな“かっこいい”が目白押し。
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かっこよすぎてすぐパーティーに採用した“クロウリー”。強い爺、好きすぎる。
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銃使いである“クライブ”は本筋に関係しない固有のイベントを持つ。進行にはゲーム時間が関係するため、今回は逃してしまった。
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ちなみにゲーム内時間は止めることができる。これでクライブイベントの完走も楽に(筆者は気づくのが遅れたため断念したが)。
いっぱいキャラがいて、それでいてセリフも秀逸で……となると、キャラクターにハマってしまうのは道理といえば道理。このゲームをやれば、ひとりは必ず「好き!」となってしまうキャラクターに出会えるはずだ。
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こういうもふもふな“かわいさ”もある。
ぶっちゃけ微妙なところもある。それでもなお『幻想水滸伝』は最高のゲームだった
とはいえ、原作を知らないユーザーがどこまでこのゲームを楽しめるのかに関しては未知数であるというのが正直な感想である。探索が好き、テキストを読むのが好きな筆者にはぶっ刺さりなタイトルであったが、そうでなければ正直わずらわしさのほうが目立つのではないだろうか。
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マップの移動が楽になる、いまで言う“ファストトラベル”的な機能の開放も中盤以降から。
今回のプレイはどちらのタイトルも“難易度:ノーマル”で進めたからか、戦闘にはそこまで戦略性は感じられなかった。とくに『幻想水滸伝I』は自分から装備をカスタマイズできる部分も少なく、ちょっと物足りなさが目立つ印象に。
逆に好きなキャラクターを使いやすいということでもあるのだが、そのあたりの刺激を求める人はハードで挑戦するのがいいかもしれない。
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難易度はハードにすると元に戻せなくなる。システム的な事情かもしれないが、「ちょっとハードで試してみよう」と気軽にできないのは辛いところ。
それと、全体的にマップ移動時に挟まるロードと思わしき暗転は少々ストレスに。筆者のPCは最新タイトルも最高画質で動かせるスペックであること。だいたい暗転は一定であることから、恐らく意図的に作ってある演出かなー……とも思うのだが、そのあたりの懐かしさがない、原作を知らない筆者からすると“単に邪魔”という印象を受ける。
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拠点内には小さな階段を折り返すところもあり……。部屋→階段→部屋で短いスパンで2回暗転が入る。よく使う場所の細かい移動でストレスが溜まるのはシンプルにつらい。
ただ、それらを差し置いてもなお、“最高のゲーム体験だった”ことは保証できる。筆者としては人生で遊んだRPGの中でいちばん好き、と言ってしまってもいいかもしれない。物語がクライマックスに近づくにつれ「嫌だなあ。もう終わっちゃうのか……」と、感じるのは久々だった。それぐらい熱中したし、ボロボロに泣いたし……本当にすばらしいゲームだった。
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雰囲気の作りかたといい、探索のおもしろさといい、『幻想水滸伝』は“自分が好きなRPG”そのものだった。
先々にあげた問題点はあるものの、こういう“古きよき名作”に改めて出会わせてくれる機会をもらえるリマスターは本当にありがたい。このゲームが、『幻想水滸伝』がプレイできて本当によかった。記事のためとかではなく、本心からそう思う。
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あとカレンに出会わせてくれてありがとう。推しキャラが増えるのは人生の喜びそのものなので。
そんな『幻想水滸伝 I&II HDリマスター』は、2025年3月6日に発売予定。もし『幻想水滸伝』が気になっていたり、「たぶん好きだと思うよ」と周囲の人に進められたりしていたら、ぜひとも一度プレイしてみてほしい。きっとそれは、かけがえのない体験になるはずだ。
参考までに筆者のプレイ時間は、『幻想水滸伝I』で18時間、『幻想水滸伝II』で29時間だった。これは仲間を108人集めたうえでの時間となるため、エンディングに到達するだけならもっと早くに終えられるだろう。
……でも、できれば108人を集めてほしい。108の宿星がひとりのもとに集まり、その先で起こす奇跡を見てほしい。それがこの50時間弱を4日間で駆け抜けた、ひとつの天魁星の願いである。

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