CMのあの曲が耳から離れない
『ことばのパズル もじぴったん』は、ナムコ(当時)から発売された一風変わったパズルゲーム。もともとはアーケードゲームとして2001年にリリースされたが、2003年のPS2版登場以降はおもに家庭用ゲーム機やスマートフォン向けに開発されている。
長いこと音沙汰がなかったものの、現在最新作となる『ことばのパズル もじぴったんアンコール』がNintendo Switch、PS4、Android、iOS、PC(Steam)と複数のハード向けに発売されているので若いゲームファンの中にもプレイしている人がいるんじゃないだろうか。
たとえば「あい」という言葉が配置されていた場合。アタマに“き”のもじブロックを足すと「きあい」、または“し”を足せば「しあい」に。あるいは後ろに“す”を足して「あいす」にしたっていいだろう。“ま”を足して「あいま」にした場合は、さらに“す”を付け足して『アイドルマスター』の略称「あいます」にしたって問題ない。とにかく自由な発想で言葉を作り出せばいい。
ダメ元で配置した文字が本人がまったく想定していない単語を作り出してくれることなんかもあり、大きな笑いを生んでくれたりもする。それもそのはずで、PS2版の時点で対応した言葉は8万2000語以上あったというから驚いてしまう。
このときのゲーム用辞書はゲームデザイナーの後藤裕之氏がほぼひとりで作っていたというから、さらにビックリだ。あとこれは豆知識だが後藤氏は当時、円周率暗唱世界記録保持者だったとのこと。いやすごすぎる。
対戦プレイが可能で、筆者も週刊ファミ通編集部で同僚と対戦をくり返した記憶がある。語彙力が問われるため、やはり編集者としては負けられずバチバチとした本気の戦いがくり広げられたと思うのだが、勝った記憶はまったくないのが無念なところ。
公称ジャンル“知的好奇心くすぐり系パズルゲーム”とはよく言ったもので、まさにそこをくすぐられて対戦をくり返した日々だった。