銃の形を模したコントローラーを使ったゲームが、かつて多くのゲームセンターに置いてあった。画面に向けて銃を撃つと、あたかも実際に弾丸が当たったかのように敵キャラクターが吹っ飛ぶ。
そんなアクションゲームは“ガンシューティング”というジャンルで呼ばれ、高い人気を誇った。
そんなガンシューの傑作のひとつが『タイムクライシス』。1996年にアーケード版が、翌1997年にはプレイステーション版がナムコ(当時)から発売された。プレイステーション版には専用のガンコンに対応し、家でもガンシューティングがゲームセンターさながらに楽しめたのだ。
そんな『タイムクライシス』が、現在開催中の東京ゲームショウ2024(TGS2024)で遊べると聞き、ブースに行ってみた!
テレビにつなぐだけで遊べる
- AI搭載ガンコントローラー
- 『タイムクライシス』内蔵本体
- 電源供給用ケーブル(USB Type-C)
- HDMIケーブル
- 説明書
そう、本商品は特別なゲームハードやソフトウェアを収録したロムを必要とせず、一式をテレビにつなげるだけで遊べる“プラグアンドプレイ”タイプのゲーム機なのだ。
さっそくプレイ!
達成電器ブースで『タイムクライシス』をプレイ! ガンコン&フットペダル! 懐かしい!#TGS2024 pic.twitter.com/2qnahVz36K
— 堅田ヒカル@ファミ通 (@katada_hikaru) September 27, 2024
スタート時の主人公は物陰に隠れており、フットペダルを押すと身を乗り出して銃撃できる。敵が撃ってくると素早く足を離して物陰に隠れる。この攻撃と“避け”の組み合わせ、バランスがゲームを緊張感あるものに仕立てている。短いチャプターごとに制限時間が設けられており、素早く敵を倒してステージクリアーを目指す。
短い制限時間の中で避けたり撃ったりしなければならないハラハラ感、敵を倒したときの爽快感はガン型コンならでは、『タイムクライシス』ならではのものだ。
ゲームとしておもしろいことはある意味お墨付きで、気になるのはガン型コンの性能。詳細は後述するけど、従来のガンコンとは異なる方式で作られている本商品。その反応速度や精度はどうかという点だ。
実際のところ、照準の移動速度や追従の反応は従来のガンコンよりもゆっくりしている。自分の動作をふわっと追いかけてくる……というような感触だ。
遠くにいる小さな敵を狙う場合にはすこし気になるけど、とはいえ遊べないほど反応が遅いわけではなく、きちんと遊べるくらいの速度にはなっている。また、商品は開発中のもので、照準の反応速度は今後もっとも改善を目指している部分でもあるという。
それよりも強く感じたのは、久しぶりにガン型コンのゲームで遊ぶと楽しい! ということだ。ステージが後半になるにつれて精密な操作もシビアに必要になってくるだろうからすべてとは言えないけど、すくなくとも序盤ステージでは、照準の追いつかなさからくるストレスよりも、シンプルに感じる楽しさのほうが上回っていると感じた。友だちとワイワイ遊びたい感じ。
もちろん、もともとの『タイムクライシス』がよくできているゲームであるということも大きいのだけど、新型ガン型コンも一定レベルにはよく仕上がっている。
さて、筆者がプレイ中も気になっていたのは、このガン型コントローラーの仕組み。
というのは、古くは任天堂の光線銃時代(『ダックハント』など)から、初代『タイムクライシス』のアーケード版&プレイステーション版どちらも、原理としては“ブラウン管の走査線を利用して画面内の照準位置を特定している”という仕組みのはずだったからだ。
しかし、本商品はブラウン管ではない液晶テレビで遊べるし、赤外線LEDのような装置も見当たらない。
いったいどういうふうに動いているのだろう? ブースにいた社員さんを捕まえて訊いてみた。
AIのちからってスゲー!
――ほう(よくわかってない)。
――ほう?(よくわかってない)
――AIがねぇ……すごい時代だなあ(よくわからないけどひとまず納得した)。
――短期間というのは具体的にはどのくらいで?
――そんな短期間で!? またまた、ご冗談を。
――でもそのくらいでは許諾だって取るのが難しいでしょうし、それに本体もガン型コントローラーも、形のある“モノ”の部分ができあがらないでしょう。金型とか。
――この外箱もデザインとか印刷とか、なかなかたいへんですよ。
――世界中でがんばってできたんだぁ……。
――そもそも達成電器とはどのような会社なのです?
――へええ。この『G'AIM'E タイムクライシス』の価格はいくらくらいになりますか?
ちなみに解答の割合としては、日本の方はそれぞれ半々、海外の方はほとんどプレミアムパックとお答えいただいていますね。
――発売時期などは?
まとめ
中身はまさに『タイムクライシス』で(厳密にはプレイステーション版をベースに調整を行っておりアーケード版ともプレイステーション版とも異なるものになっているとのことだが)、その楽しさは健在。仕組みが気になっていたガン型コンは、AIが内蔵されているのだという。AIならなんでもかんでもできるというわけでもないのだろうけど、力強く説明する社員さんの強い力によって納得してしまった。
そのAIが入っているという新型ガン型コントローラーは、若干遅延が気になるけど、これから遅延はもっと少なくすることを目指しているそう。とはいえ現状ですでに楽しく遊べるレベルではあるので、製品版でもっとプレイフィールが向上するなら、きっとさらにおもしろくなるだろう。
また、この『タイムクライシス』バージョンがうまくいけば、将来的にはラインアップを増やしたいという意図もあるようだ。もしそれが叶うなら、個人的には『ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド』シリーズ(セガ)の登場にも期待してみたい。とくに『2』。
発売予定情報
- 商品名:『G'AIM'E タイムクライシス』
- メーカー:達成電器
- 発売予定価格:ベーシックパック13200円、プレミアムパック”18700円(すべて[税込])
- 発売予定時期:2025年9月ごろ