本作は、実物大で再現された香港島を舞台にしたオープンワールドレーシング。自分の好きな自動車でレースに参加できるのはもちろんのこと、広大なフィールドを自由に走り回れるのが魅力となっている。
また、フェラーリやランボルギーニ、ポルシェなど、30以上の自動車メーカーの実在する車種を100台以上収録しており、憧れのスポーツカーに乗れるのもポイント。今回、VIPベータ版をプレイする機会を得たので、実際に触れてみた所感をお伝えしていく。
美しい香港島をスポーツカーで爆走
前述した通り本作はただレースに参加するだけでなく、香港島を好きなように、好きな自動車で走り回れるのが特徴だ。
今回のベータ版では14の地区のうち9つの地区を走行できたのだが、制限がある状態でも走り切れないほど広大なマップだった。なお、地区で区切られているものの、当然ながら区画の移動でロードが挟まるようなことはない。
舞台となる香港島のロケーションも、ドライブを楽しくしてくれる要素が満載だ。ネオンの輝く都市部や古びた細い通路、200km以上でかっ飛ばせる高速道路にビーチまで、走るたびに新たな景色を見せてくれる。
マップ各所にはユニークなオブジェクトもあるため、レースに参加せず、ただ島を観光しながらドライブしていても楽しめる。お気に入りのスポーツカーでのんびりドライブしているだけで、何時間でも遊べてしまう。
運転の手触りも良好で、アクセルやブレーキの制御だけで済むセミオートから、自分でシフトアップ・ダウンをするマニュアルまで操作を好きに選べる。車種によってエンジン音や操縦感も違うので、お気に入りのクルマを見つけると運転がどんどん楽しくなっていった。
メインコンテンツであるレースについては、ワールドの各所で開催されている。指定の位置まで行くとレースに参加できる仕組みだ。
基本的なプレイサイクルとしては、ドライブをしながらレース開催地を目指して、島中を走り回るというものになっている。レースに参加すると名声(いわゆるプレイヤーレベル)を稼げるため、名声上げも兼ねて各地を走り回っていく。
なお、マップ各所にあるガソリンスタンドなどがファストトラベル地点になっていて、行きたい場所にはすぐ到着することも可能。ただ、本作の場合目的地までのんびりと走るのも、また醍醐味のように感じた。
レースは複数人で競争するものやタイムアタック、ポイントを稼いで1位を目指すなど多彩なルールが用意されている。街中を200km以上で爆走したり、坂道を駆け下りたりとスリリングなレース体験が楽しめた。
挑戦する内容によってはマシンスペックも制限されるため、平等な環境での対戦が可能。対戦相手はNPCだが、同タイミングでほかのプレイヤーが参加していた場合は、マルチ対戦になるようだ。
レースの挑戦が終わると、順位などに応じて資金が獲得できる。この資金を使って新たな自動車を購入したり、パーツをカスタマイズしてより高性能にしていくのが基本の流れ。
オープンワールドを自由に散策しながら、レースに参加して名声(プレイヤーレベル)を上げたり、資金を稼ぐ。このサイクルで好きな自動車を購入していくのが楽しいゲームになっている。
ディーラーに赴いて新車を買う高揚感
実在のクルマが多数登場するというのも、本作をプレイする上でワクワクするポイントだ。チュートリアルではランボルギーニを使用できたのだが、本格的にゲームが始まるとまずは3台から1台を選んで購入することになる。
このときのラインアップがまた魅力的で、Ford Mustang GT、Nissan 370Z、Alpine A110 Legendeと、どれを選ぶのか非常に悩ましいクルマばかりだった。
クルマを選ぶ際は、じっくりと鑑賞することもでき、ドアを開けて内装までチェックできた。また、購入前に数分間だけ試運転をする機能もあるため、実際に運転してからどのクルマを購入するか決めてもいいだろう。
本作にはフォトモードも用意されていて、気に入ったクルマを購入したら、映える角度を研究して撮影をするのも醍醐味だ。
購入するクルマが決定したら、さらに内装やホイール、カラーもオプションで変更できる。内装までこだわると追加で資金が必要になるのだが、せっかくなら多少予算オーバーをしてでもこだわりたいところ。
悩みに悩んで、内装にもこだわって購入すると、ゲームとは言え強い愛着も沸いてくる。本作は運転時に1人称視点にもできるため、こだわった内装もしっかり堪能できるのがうれしい。
レースに参加するぶんには3人称視点のほうがやりやすいが、1人称視点で気ままに運転していると、本当にドライブしている気分に浸れる。限界までスピードを上げて爆走するのも爽快感があるが、60kmくらいでのんびりと走りながら観光するのも、リアルなドライブの楽しさを味わえた。
周囲の景色を見ながらクルマを走らせ、気になったオブジェクトがあったら近くに停車して撮影を楽しむ。レースそっちのけでただ走るだけでここまで楽しめるのは、実車の再現性の高さや、ロケーションの美しさからくるものだろう。
最初に手に入れるクルマ以外は、マップ各所にあるディーラーに足を運ぶことで購入できた。ディーラーによって取り扱う車種が異なるため、まずは自分で足を運んでチェックすることになる。一度訪れたディーラーには、ファストトラベルで行くこともできるため、購入に手間がかかることはなかった。
クルマを購入する際、ただお金を払って手に入れるのではなく、ディーラーで鑑賞しながら決められるシステムが個人的にとても気に入った。
欲しいクルマがあるときはワクワクしながら購入しに行けるし、まだ手の届かない車種があれば「いつかは購入しよう」というモチベーションにもなる。システム的に終わらず、プレイヤーの感情が乗りやすい仕組みは好印象だ。
クルマ好きにはぜひ遊んでほしい要素が満載の期待作
ベータ版のプレイ範囲でも語り尽くせないほどユニークな要素が多い本作は、ゲームが苦手だがクルマは好きという人にもプレイしてみてほしい一作だ。
初期設定では道路にアシストガイドを表示させる機能もあり、コーナー前での減速のタイミングがわかりやすくなっている。設定でオフにもできるが、ゲームが苦手な人もこの機能を使えば簡単に遊べるはずだ。
レースに参加せず、オープンワールドを好きなように走るだけで何十時間でも遊べる仕上がりで、筆者はベータ版も時間を忘れて遊び続けていた。山道に入るとスリップしやすくなるためオフロード車に乗り換えたりと、リアルな環境に対応しながらプレイしていくのも手応えがある。
また、本作ではある程度進むとSHARP、STREETというふたつのクランのどちらかに加入することになるのだが、ここで発生するオンライン要素もおもしろそうだった。
今回は機会がなかったのだが、オープンワールドでほかのプレイヤーに出会った際、パッシングをするとそのまま対戦できるクイックチャレンジという機能がある。その場でクランのにらみ合いが発生したりと、走り屋のような争いができそうなので、正式リリース後の展開が楽しみだ。
車種ごとの操縦やエンジン音の違いなど、スポーツカーが好きな人はとくに楽しめる作品なので、興味のある人は正式リリース時にプレイしてみてほしい。
Test Drive Unlimited Solar Crown(テストドライブ アンリミテッド ソーラークラウン)
- 対応機種:プレイステーション5
- ジャンル:レース
- 発売日:2024年9月12日発売
- 発売元:3goo
- 開発元:KT Racing
- 価格:通常版 7920円[税込]
- 対象年齢:CERO 12歳以上対象
- 備考:Steam版はNaconより発売