
Binary Haze Interactiveと言えば『エンダーリリーズ』の印象が強いが、本作はゲームジャンルや作品の雰囲気も大きく異なる作品だ。ビジュアルや世界観、そしてストーリーまで強烈な個性を持っているタイトルで、刺さる人には熱狂的に刺さるインパクトのある仕上がりになっていた。
本記事では、そんな『TOKYO SCRAMBLE』のレビューをお届けしていこう。
判断を誤れば待つのは死……緊張のパズルアクション
後にアンにZinoと名付けられる、恐ろしい恐竜たち。彼らに見つかれば即座に襲われる中、地上への脱出を目指すというのがストーリーの大筋だ。


そしてこのZinoたち、見た目からして怖いし数も多いというかなり厄介な生物である。1体どころか、序盤のステージから数体に追われることになるのでとても心臓に悪い。
一部のステージを除いて、この恐竜たちに見つからないよう物陰に隠れながら進む手に汗握るステルスアクションが基本のスタイルになる。

スタイルとしてはステルスアクションの色が強いが、本作のジャンルはパズルアクション。なぜパズルかと言えば、アクションによるゴリ押しが通じないからだ。
というのも本作は敵の索敵・追跡能力が優れており、一度発見されればすぐに追跡されてしまう。ごく一部の敵を除き、一発でも攻撃を食らったらチェックポイントからやり直しになるため、「まあ行けるだろ」の甘い見通しだとすぐに噛みつかれてアウト。

幸い、チェックポイント自体は多いので何度でもリトライは可能。死にゲーの部類なのではないかと思うほど、リトライをすることになりがちだ。

そして当然、つぎのステージに進んでもバッテリー残量は継続する。フラッシュのゴリ押しで切り抜けたとしても、後々もっとほしかった場面で使えなくなったりするので、使いどころが難しい。

この手に汗握るシステムの中で、演出面で目立つのがサウンドだ。敵が注視しているときの音や、発見時のBGMなど、音でもプレイヤーを追い込んでくる。
また、足場によって足音が変わるのも重要なポイントで、金属、木材、土と恐竜の足音が頻繁に切り換わることで存在感を増し、より緊張感が増す。実際にプレイしていると「すぐそばにいる」と強く示してくるので、スリリングな体験に繋がりやすかった。
足音が変わるのはプレイヤー側もいっしょで、走った瞬間に金属を踏み抜いて大きな音を鳴らしてしまったりと、やらかしも発生しがち。音の要素は、本作のおもしろさを支える重要なファクターだ。

パズルアクションの部分はおもに、このギミックの利用にかかっている。恐竜相手に、文明の利器で立ち向かうという現代ファンタジーらしい展開だ。

登場するギミックもユニークで、警報機や自販機といった簡単なものから、重機器まで扱える。高速で動くエスカレーターを起動すると、恐竜がルームランナー状態になって無限に走り続けたりと、ちょっとシュールなものまで多彩だ。


ステージによっては重機器を使って敵を完全に倒すこともでき、これまで逃げることしかできず苦渋を舐めさせられた敵に反撃もできてしまう。
ただ隠れる、逃げるだけでなく、攻勢に出られるステージもあるため飽きがこず最後まで楽しめた。


ステージをクリアーすると、リザルト画面ではミッションの達成状況やリトライ回数などに応じて評価が決定。慣れないうちは高評価を取るのが難しいが、ゲーム性が刺さった人はハイスコアを狙ってリプレイするのもアリだ。

個性が光るZinoたちやユニークな世界観も注目
適度に恐ろしく、不気味な存在ではあるのだが、少し愛嬌もあって憎めない。耳が大きく聴力に優れたコウモリのような敵や、光る眼で遠くまで認識してくるカマキリ型の敵、さらには角待ちして襲ってくる虫までクセの強い奴が揃い踏みだ。


先に進むほど厄介な能力を持つ敵が増えてくるので、パズルアクションとしての手応えも増していく。各恐竜の行動や特徴を把握し、上手くすり抜けられたときの達成感も抜群だ。

ダメージこそ受けないが、動くプレイヤーを検知して刺してくる本当に厄介な虫も登場するので、ぜひ頭を抱えながらプレイしてみてほしい。
この虫に刺されると心拍数が上がり、一時的に動きが鈍くなる⇒恐竜に見つかる、の凶悪コンボが発生するので本当に手を焼かされた……。



戦国時代のお城の後ろにビル群や観覧車が並んだりと、カオスな風景も満載だ。果たして主人公アンは無事に渋谷に辿り着けるのか、その道中に出会う恐竜やさまざまな世界との出会いも、本作の楽しみである。

どこまでも青春ドラマ!ノリにノれるほど楽しめる
なぜ首都圏は崩落したのか、地下世界とは何なのか。その真実を追ったり、世界を救うといった壮大な話にはならず、あくまでもアンが脱出を目指すというのがストーリーの目的となる。
一方ではアンによる地下都市からの脱出劇、もう一方ではアンと友人たちによるドラマが展開されていくのが特徴だ。この青春ドラマにプレイヤー自身が乗っかれるかどうかで、ストーリーのおもしろさは変わってくるだろう。


パニックものでも人間関係が描かれることはあるが、極限状態にいるのはアンだけで、残りのメンバーは地上からメッセージを送る立場というのが特徴的。

そして、正直に言えばストーリーはややクセが強い。地下世界を進むアン自身の脱出劇はパニックホラーで王道の流れなのだが、そこに挟まる青春ドラマが好みかどうかで評価は分かれそうだ。
強烈な個性があることは間違いないので、好きな人は熱狂的に好きになるタイプのクセの強さだ。

ぜひ目の前で演奏される『TOKYO SCRAMBLE』という強烈な個性にノって楽しんでみてほしい。

個人的には、もう少しユーザーフレンドリーな部分があってほしかったのも事実。ステージのタイトルで先の展開がほぼ推察できて若干のネタバレを受けることもあったので、そういった点でもクセは強い。
また、ゲーム内の収集要素としてメッセージのやり取りが集められるのだが、これがメインメニューまで戻らないと読めないのも惜しいところ。
メンバーとの友情がストーリー的にも重要な要素になるため、この友情を補完してくれるメッセージはゲームプレイ中にも読めるようにしてほしかった。このあたりはアップデートでの改修に期待したい。

ゲームシステムもストーリーも個性的で、ユニークな部分が多い『TOKYO SCRAMBLE』。難易度も高めでかなり手応えがあるので、敵から追われたり、スニークアクションやパズルが好きな人にはおすすめしたい一作だ。
なお、本作はおすそわけ通信で操作を4人分担もできるようだ。シングルプレイでもかなり苦戦させられたので、4人分担はカオスになりそうだが……。仲間といっしょに盛り上がって遊ぶのも楽しそうなので、機会がある人はそちらも試してみてほしい。
『TOKYO SCRAMBLE』概要
- 発売日:2026年2月12日発売
- 対応プラットフォーム:Nintendo Switch 2
- ジャンル:アクション
- 発売元:Binary Haze Interactive
- 価格:3278円[税込]
- 対象年齢:CERO 15歳以上対象
- 備考:ダウンロード専売







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