
朝起きて着替えて、トイレ行って、顔を洗って目ヤニを取って、シリアルをボウルに入れて牛乳をかけて食べて、歯を磨いて、バッグを持って靴を履いて、行ってきますと出かける。
勝ち負けもハイスコアもない、毎日こなさなきゃいけないめんどくさいこと。そんな日々の生活の一部を楽しくプレイすることになるのが、2025年5月29日に発売予定のアドベンチャーゲーム『to a T』(トゥーアティー)だ。ここだけの話、現実世界ではあまり顔を洗わない筆者もこのゲームでは毎回顔を洗うからね。
勝ち負けもハイスコアもない、毎日こなさなきゃいけないめんどくさいこと。そんな日々の生活の一部を楽しくプレイすることになるのが、2025年5月29日に発売予定のアドベンチャーゲーム『to a T』(トゥーアティー)だ。ここだけの話、現実世界ではあまり顔を洗わない筆者もこのゲームでは毎回顔を洗うからね。
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日々の些細なことが最初は手間だけど、犬ちゃんはかわいい
さて本作の主人公は、なぜか両手がT字型に伸びたまんまの主人公“ティーン”。ゲームは毎回オープニング曲とエンディング曲が流れるテレビアニメ風のエピソード仕立てになっていて、全8話プラスαでティーンと周囲の人々の物語を描く。
その物語のサイクルで重要な役割を果たすのが、冒頭に書いたようなティーンの朝の準備だ。ティーンはずっとTポーズなので、何をするにも普通とは違うひと手間がいる。たとえば歯磨きだって特製の長い歯ブラシが必要だし、愛犬の“犬ちゃん”に歯磨き粉をニュルっと出してもらわないといけない。
その物語のサイクルで重要な役割を果たすのが、冒頭に書いたようなティーンの朝の準備だ。ティーンはずっとTポーズなので、何をするにも普通とは違うひと手間がいる。たとえば歯磨きだって特製の長い歯ブラシが必要だし、愛犬の“犬ちゃん”に歯磨き粉をニュルっと出してもらわないといけない。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/42989/a150b930d8e76d582b3c543d4c6ac4d45.jpg?x=767)
そういったすべての手順がミニゲームになっているんだけど、ティーンが異様に元気でポジティブで、手伝ってくれる犬ちゃんと一緒にいちいち喜んでるのがかわいいからついやっちゃう。
それ以外にも、今日のシリアルと牛乳のフレイバーはなんだろうとか、最初から何種類も用意されている制服の何を着ていこうとか、押せるボタンがどんどん増えていって大騒ぎになるトイレをどこまで踏ん張ろうとか、ちょっとした小さな仕掛けがいっぱい用意されているのが地味に楽しい。
それ以外にも、今日のシリアルと牛乳のフレイバーはなんだろうとか、最初から何種類も用意されている制服の何を着ていこうとか、押せるボタンがどんどん増えていって大騒ぎになるトイレをどこまで踏ん張ろうとか、ちょっとした小さな仕掛けがいっぱい用意されているのが地味に楽しい。
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そのうち最初はひっかかりのあった手順もスムーズにできるようになって、別に強制されてないのに本当に朝のルーチンになったかのようになるんだなコレが。そうなってくるともう“普通”と比べてどうとかは関係ない。だってこの世界の普通なんて知らんし、もうこれがティーンとしての生活の一部なんだから。
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底抜けに明るくてカラフルで爽やかな人間讃歌
本作を開発するuvulaは、『塊魂』や『Wattam』などで知られるゲームデザイナー・高橋慶太氏が率いるゲームスタジオ。その高橋氏の作品として、ちょっとびっくりするほどド直球に起承転結のあるストーリーテリングにフォーカスしているのはこのゲームの特筆すべき部分だろう。
これまでのゲームにストーリーがなかったわけではないんだけど、本作ではカメラ演出もバッチリ決まっていて、本当にテレビアニメや教育テレビのドラマのように1話1話ティーンと周囲の人々のてんやわんやの毎日が綴られていく。コレがまぁ本当に高橋氏の作品らしい、能天気に明るくてポジティブでカラフルで爽やかな人間讃歌になっていて楽しい。
これまでのゲームにストーリーがなかったわけではないんだけど、本作ではカメラ演出もバッチリ決まっていて、本当にテレビアニメや教育テレビのドラマのように1話1話ティーンと周囲の人々のてんやわんやの毎日が綴られていく。コレがまぁ本当に高橋氏の作品らしい、能天気に明るくてポジティブでカラフルで爽やかな人間讃歌になっていて楽しい。
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インディーポップ風のサウンドに乗せて「あなたはそれだけで完璧」と高らかに歌うオープニングテーマの『Perfect Shape』はその象徴で、世界観の明るさとティーンの性格と犬ちゃんのかわいさと合体することで、ともすれば説教臭くなりそうなメッセージをストレートに放っている。
要するに何が言いたいかっていうと、ティーンみたいに毎日の生活を自分なりに生きているあなたは多分それだけですばらしいってことだ。いろいろとキッツいことも多い世の中だけど、そういう忘れがちなキレイゴトってやっぱたまに誰かが言わないといけないんじゃないかと思う。このゲームはそこをうまく伝えてくれるし、多分それを必要としている人もいる。『to a T』はそういう作品だ。
要するに何が言いたいかっていうと、ティーンみたいに毎日の生活を自分なりに生きているあなたは多分それだけですばらしいってことだ。いろいろとキッツいことも多い世の中だけど、そういう忘れがちなキレイゴトってやっぱたまに誰かが言わないといけないんじゃないかと思う。このゲームはそこをうまく伝えてくれるし、多分それを必要としている人もいる。『to a T』はそういう作品だ。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/42989/aee28696a01c375651c43d6c602ce018d.jpg?x=767)
ぶっちゃけ、この話を障害やジェンダーなどの多様性の一般の話として読み替えることもできるのは勘のいい人ならすぐ気がつくことだろう。そうしたい人はそうすればいいし、そうでもない人はまずはそのままのヘンな青春ドタバタ劇として楽しめばいいんじゃないかと思う。
あくまでこれはティーンという超ポジティブでちょっと個性的な子の物語で、そこに重いものはない。コケて脚を骨折してる時には普通とちょっと違った暮らしを送ることになるけど、そんなヘビーなことは思わないでしょう? でもたまに「やっぱバリアフリー化されてると楽だな」と思ったりする人もいる。それぐらいの感じだ。
あくまでこれはティーンという超ポジティブでちょっと個性的な子の物語で、そこに重いものはない。コケて脚を骨折してる時には普通とちょっと違った暮らしを送ることになるけど、そんなヘビーなことは思わないでしょう? でもたまに「やっぱバリアフリー化されてると楽だな」と思ったりする人もいる。それぐらいの感じだ。
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本作の対象プラットフォームはプレイステーション5/Xbox Series X|S/PCで、価格は2300円[税込]。Xbox/PCのGame Passに対応するほか、SteamではPC版デモも公開されている。
個人的にエンディングまでのクリアータイムは5~6時間といったところ。オープンな構造になっている街のすみずみまで探索してファッションアイテムを買い集めたりするともっとかかるだろう(ただしコインは復活するので集めるのに苦労するわけではない)。
個人的にエンディングまでのクリアータイムは5~6時間といったところ。オープンな構造になっている街のすみずみまで探索してファッションアイテムを買い集めたりするともっとかかるだろう(ただしコインは復活するので集めるのに苦労するわけではない)。