『戦場のフーガ3』レビュー。ユーザーを絶望に突き落とす演出が残酷過ぎる。だからこそ強く思う「続きを早く見せてくれ」と。戦略性と育成要素の拡張でやり応えが増した
 サイバーコネクトツーより2025年5月29日に発売予定の『戦場のフーガ3』。Nintendo Switch、プレイステーション5(PS5)、プレイステーション4(PS4)、Xbox Series X|S、Xbox One、PCでのリリースが予定されている。
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※本記事はサイバーコネクトツーの提供でお送りします。[IMAGE]
 本作は獣人の子どもたちが巨大戦車“タラニス”に乗って戦う姿を描く、シミュレーションRPG『戦場のフーガ』シリーズの3作目にして完結作だ。過酷な戦争に身を投じ、仲間を犠牲にしながら巨悪に立ち向かう子どもたちが活躍するストーリーと、タラニスによる大迫力かつ戦略性の高いゲーム性が魅力。

 そんな本作をひと足早くプレイする機会を得たので、記事担当ライター・Qマインによるプレイレビューをお届けする。

 ちなみに『戦場のフーガ』を原作としたマンガ『戦場のフーガ 鋼鉄のメロディ』が隔週火曜日にファミ通.comにて連載中。本作へとつながるストーリーが展開中なので、本編を遊ぶ前に読んでおくと、物語がより楽しめる。
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誘拐されたマルトを救うべく、子どもたちはふたたび戦火へ

 本作のストーリーの前に、まずはシリーズ全体のあらすじを確認しておこう。

 主人公であるマルトは“ガスコ”と呼ばれる地で、妹のメイや仲間たちとともに平和に暮らしていた。しかしある日、“ベルマン帝国”が侵略戦争を仕掛けてくる。

 その戦争で家族やほかの大人たちを連れ去られたプチ・モナ村の子どもたちは、巨大戦車タラニスを発見し、家族らを奪還するために帝国との戦いに身を投じる。

 そして、子どもたちは死闘の末、ベルマン帝国軍と帝国が復活させた破壊神“ヴァナルガンド”の撃退に成功する。これが1作目『戦場のフーガ』での出来事だ。
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一番左にいるのが、本シリーズの主人公であるマルトだ。
 2作目となる『戦場のフーガ2』は、前作の1年後が舞台。突如タラニスが暴走し、それがきっかけでマルトたちは大切な仲間との理不尽な戦いを強いられる。

 この事件を仕組んだのは、ガスコの大統領夫妻を暗殺し、その姿と名を騙った男“カイエン”という人物だった。マルト率いる子どもたちとタラニスは、カイエンと彼が復活させたヴァナルガンドを打ち倒し、ふたたびガスコに平和をもたらす。

 マルトたちは戦いの火種となるタラニスを人の手の届かない“雲海”と呼ばれる場所に沈め、静かな暮らしへと戻った。
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 3作目であり、シリーズ完結編となる本作は、前作エンディングのすぐ後から描かれるお話。マルトがベルマン帝国の手先である兄・アッシュと彼が率いる“魔血騎隊”によって誘拐される。メイやほかの仲間たちは、突然消えたマルトの行方を必死に捜索するが、手がかりは見つからず……。

 そんな中、子どもたちは奇妙な声を耳にし、その声に誘われるように、ある洞窟へと足を運ぶ。そこは、かつて子どもたちがタラニスと出会った洞窟だった。中には雲海に沈めたはずのタラニスの姿があるのだった。
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 子どもたちがタラニスに乗り込むと、“シャティ”という名のネコ型獣人が姿を現し、子どもたちに「皆さんの捜しものはベルマン帝国で見つかる」と告げる。子どもたちは、マルトを救うために三度タラニスを操り、ベルマン帝国と戦う決意を固めた。

 これが本作のストーリーラインとなる。
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 「おいおい、そんな3作分の物語を一気に語られても、イマイチわからないよ」と思うかもしれないが安心してほしい。

 本作ではタイトル画面から『戦場のフーガ』『戦場のフーガ2』のストーリーをイラストとナレーションボイスで確認できるあらすじ機能を搭載。シリーズを一切知らないという人でも本作の世界観やマルトが歩んできた軌跡をすぐに把握することが可能だ。
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 「キャラクターが多くて、固有名詞もわからない?」 そこも抜かりはない。本編には“ケモペディア”という辞典機能が搭載されている。登場人物、場所、兵器といった情報が簡潔に記載されているので、世界観やストーリーの理解度が一気に高まるだろう。
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 ネタバレになるため、これ以上のストーリーへの言及は控えるが、本作は子どもと戦争がテーマになっているため、悲しい展開や演出がチラホラ見られる。

 だからこそ、必死に抗いながら戦うマルトたちの勇敢な姿には心を揺さぶる熱さがあり、それが物語に深みを与えている。

 また、彼らがときおり見せる子どもらしい明るさや、やんちゃな姿は荒んだ気持ちをやわらげてくれる。さらに、柔らかくて温かみのある絵と相まって、極上の癒やしをプレイヤーにもたらしてくれる。

 要するに、重いテーマでありながらもストーリーには熱い展開が多く、かわいらしい子どもたちのやり取りのおかげで鬱屈とした雰囲気にはなっていないということだ。
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 シリーズ完結編にふさわしく、シリーズのさまざまな謎が本作で明らかにされていく点も大きな見どころだ。過去のシリーズをプレイしている人ほど、より大きな感動を得られるだろう。

 申し訳ない。“鬱屈とした雰囲気にはなっていない”という部分については、少しだけ嘘をついた。本作のチュートリアルとなる第1章と、タラニスの持つ最凶兵器でシリーズおなじみの“ソウルキャノン”(後述)だけは、鬱屈を超える絶望感があり、プレイしていてかなり心をえぐられた。

 とくに第1章はチュートリアルにも関わらず、絶望のオンパレードでストーリーを進めるのが少しだけ億劫になってしまった。
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 だが、冒頭から非常に濃密な展開を見せられたことで、一気に物語に引き込まれたし、短時間のプレイにも関わらず、キャラクターたちに感情移入することもできた。

 いい意味で「やられたぁ」という気分にさせられた。
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ルート上で展開される多彩なストーリーとバトル

 本作は章仕立てになっており、バトルやイベント、多くのストーリーが下記の写真の“ルート進行”と呼ばれる画面で行われる。
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 このルートそのものが章のストーリーラインになっていて、1マスずつ進みながらそのマスに記されたイベントをこなしていく。ストーリーや戦闘、タラニスの回復など、マスの種類はさまざま。最終的にルートの最後にいるボスに勝利すると、つぎの章へと進める。
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 さまざまなマスがあるが、中でも覚えておきたいのが、“インターミッション”、“バトル”、“遺跡”、“パワースポット”、“通信”の5マス。各マスの特徴を簡単に解説しよう。

インターミッション

 タラニス内でキャラクターを操作し、仲間との交流やタラニスの改造などが行えるパート。さまざまなキャラクターと仲よくなることで特別な会話が楽しめる。本作最大の癒やしパートでもある。
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バトル

 敵との戦闘を行うマス。マスの右上に記されている数字はウェーブ数(戦闘回数)を示す。より難度の高いエリートバトルや物語のターニングポイントとなるボスバトル(目的地マスで発生)も存在。
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遺跡

 キャラクターを3人選んで、横スクロールダンジョンを探索するミニゲームのようなマス。

 遺跡内にはタラニスをパワーアップさせるための素材や遺跡内の探索を有利に進めるためのアイテムなどが落ちている。ほかにも敵モンスターやトラップ、謎解きギミックが豊富で本編のバトルとはひと味違った冒険を楽しめる。

 遺跡内にあるカギを見つけて、宝箱を解錠するとクリアーだ。
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敵やトラップに触れてダメージを受けると、操作キャラクターが使用不可となり、別のキャラクターに切り替わる。すべてのキャラクターが使用不可になると、遺跡探索は失敗となる。なお、遺跡内ではキャラクター間に能力の差はない。

新要素“パワースポット”

 本作にて追加されたマス。“タラニススキル”と呼ばれる特殊な能力を使って、指定のマスにいる敵を弱体化させたり、戦車を別の目的地マスに移動させたりできる。
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新要素“通信”

 バトルをサポートしてくれるアシストキャラクターと交流できるマス。交流することで、そのキャラクターとの親密度が上がり、アシスト効果がパワーアップする。

 アシストキャラクターは、特定の会話で発生する二択“アシストチャンス”で、特定の条件を満たすことで入手可能だ。
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アシストチャンスでは戦術と勇敢、ふたつの選択肢が表示される。ここで選んだ内容に応じて、仲間になるアシストキャラクターが変化する。
 このように、ストーリーやバトル、パワースポット、通信など、イベントが盛りだくさんなので、ルートを進めるのが非常におもしろい。またルート分岐によって、敵の強さや得られる素材の量が変わってくるので、それを考慮しながらルートを考えるという遊びも楽しめた。

多数の新要素で戦いの選択肢がグッと広がった巨大メカバトル

 ザコ敵がいるバトルマスやボスがいる目的地マスに止まると、タラニスを駆使した戦闘が始まる。本作は、敵と味方のスピードのステータスによって、行動順が変化するタイムライン方式を採用したターン制のコマンドバトルだ。プレイヤーは画面上部にあるタイムラインを見ながら、行動を決めていくことになる。
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 タラニスには3つの砲座があり、砲座ごとに行動が可能。各砲座にはキャラクターを搭乗させることができ、そのキャラクターによって砲座の攻撃タイプ(武器)や行動順、攻撃の威力、使用できるスキル(特殊技)などが変化する。戦闘中に砲座を操るキャラクターを変更することもでき、敵や戦況に応じて、戦略を柔軟に変えられるのも魅力のひとつ。
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 コマンドは攻撃、防御、スキル、アイテム、戦術モードの5つ。
 そんな本作のバトルには、より奥深い戦略性が楽しめるさまざまなバトルシステムが用意されている。ひとつずつ紹介していこう。

武器の種類とWEAK

 本作の攻撃タイプは、高威力・低命中率の“キャノン”、攻撃力と命中率のバランスが取れた“グレネード”、低威力・高命中率の“マシンガン”の3つ。

 敵には“WEAK”と呼ばれる攻撃タイプの弱点が設定されている。対応する攻撃で弱点を突くことによって、相手の強力な溜め攻撃を阻止したり、行動順を遅らせたりすることができる。
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戦術モード

 戦闘中に砲座に座るキャラクターを変更できるモード。砲座にはアタッカーとサポートという2種類のポジションがあり、それぞれにひとりずつキャラクターを搭乗させられる。サポートポジションでは搭乗するキャラクターに応じてアタッカーの戦闘を支援する補助効果が発動する。なお、砲座内の配置を切り換えた場合、プレイヤーが3回行動するまで戦術モードは使用できなくなる。
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スキル

 キャラクターごとに用意されている特殊技で、タラニスのSPを消費することで発動できる。複数回攻撃や状態異常の付与、回復など、効果はさまざま。
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新要素 弱点コンボ

 敵の弱点アイコンを破壊すると、コンボチャンスが発生。この状態でさらに弱点アイコンを破壊すると、コンボが加算されていき、ダメージ倍率にボーナスが得られる。より多くの弱点コンボを繋げることで、敵への与ダメージを飛躍的に上昇させられる。
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バーストアタック

 戦闘中に蓄積していくバーストシンボルがマックスになると、バーストアタックと呼ばれる特殊効果が発動。敵に大ダメージを与えたり、タラニスのHPを大きく回復したりなど、さまざまな効果や恩恵が得られる。
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新要素 アシストアタック

 アシストチャンスで獲得したキャラクターを召喚するコマンド。アシストキャラクターは敵に大ダメージを与えると同時に、固有スキルによる効果を敵または味方に付与する。アシストアタックを使うには、ターン経過や被ダメージ時に得られるアシストゲージを最大まで溜める必要がある。
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新要素 マルチリーダースキル

 子どもたちはそれぞれ固有のリーダースキルを持っている。戦闘中、砲座に搭乗しているキャラクターのリーダースキルがランダムに発動し、タラニスや味方をサポートする。
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ソウルキャノン

 タラニスに搭載された超強力な砲術兵器。ボス戦でタラニスのHPが50%以下の状態で戦い続けると、子どもたちのいずれかが“覚悟”をし始める。その状態が何行動か続くと、覚悟を決めた子どもが自身の命を犠牲にしてソウルキャノンを放つ。強制的にこちらの勝利となるが、犠牲になった子どもは戻ってこない。
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新要素 メガソウルキャノン

 ソウルキャノンで倒せない強敵すらも一撃で屠る最凶最悪の兵器で、特定のボス戦でのみ発動可能。メガソウルキャノンを放つには、搭乗員全員の命を犠牲にする必要がある。つまり、メガソウルキャノンの使用=全滅エンドとなる。
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 このように本作では、弱点を狙い続けてコンボをつなげる、効果的な場面でスキルやアシストアタックをくり出す、状態異常で敵を弱らせる、防御で敵の攻撃に備えるといった、多種多様な戦術を駆使して戦闘を進めることができる。

 ランダムに発動するマルチリーダースキルによって、想定外の戦闘サポートが発動することもあり、それに合わせて臨機応変に立ち回りを変えられるのも魅力のひとつだ。また各戦闘システムの演出も豪華で、RPGのバトルにありがちな単調さは一切感じなかったのも大きい。
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 そして、本シリーズ最大の特徴とも言えるのが、子どもひとりの命を犠牲にしてくり出す一発逆転の切り札ソウルキャノンだ。非常にショッキングな攻撃方法だが、発動条件が思いのほか緩く、回復を怠ると、誰かがすぐに覚悟をし始めてしまう。子どもを失いたくない場合は、タラニスのHPが50%を下回ったら、即回復を心がけよう。
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戦闘中、シルエットの立ち絵が話し始めたら、それが覚悟のサインだ。
 ある種、残酷な選択であるソウルキャノンだが、この演出は本シリーズの見どころのひとつでもある。子ども全員分のソウルキャノンの演出が用意されているため、イベントのコンプリートを目指す場合はボス戦の度に子どもがひとりずつ居なくなっていくことに……。
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 ソウルキャノンの発射時、別れの言葉とともにそのキャラクターのイラストが塗りつぶされるという演出が発生する。

 最終せん滅兵器であるメガソウルキャノンの存在も忘れてはいけない。いや、個人的には悲しすぎて忘れたい気持ちのほうが強い……。そんな思いにさせられるこの兵器は、全滅エンド(バッドエンド)の条件を満たしたときにのみ発射することが可能。ソウルキャノンと異なり、子ども全員の命を失うことになる。

 メガソウルキャノンチャンバー室に整然と並べられた椅子に、覚悟を決めた子どもたちが座る演出は、ソウルキャノン以上に見ていて辛い。
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 なお、全滅エンドは5種類用意されている。コンプリートを目指す場合は、気を強く持ってプレイしてほしい。

取捨選択が求められるインターミッション

 インターミッションのマスに止まると、タラニス内での操作パートに移行する。本パートではアクションポイント(以下、AP)を消費して、子どもたちと交流したり、タラニス内にある施設を利用したりできる。APはインターミッションの開始時に20ポイント配布される。くり越すことはできないため、かならず使い切るようにしよう。
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 インターミッションの最大の楽しみと言えば、仲間との交流だ。タラニス内にはさまざまなキャラクターがおり、APを1ポイント消費して話しかけることで、そのキャラクターとの親密レベルを上げられる。レベルが上がると、サポート効果やバーストアタックがパワーアップするほか、絆イベントという特別な会話を楽しむことができる。

 同じ子に何度も話しかけて、集中的に親密レベルを上げることも可能だ。
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たまに発生する“仲良しチャンス”では、会話時に3つの選択肢が表示される。その中から適切なものを選ぶと、より多くの親密レベルの経験値を得られる。
 キャラクターは戦闘で勝利したり、インターミッションで施設を利用したりすることで経験値を獲得し、その経験値が一定に達するとレベルが上がる。レベルアップによって、キャラクターはステータスが上昇したり新スキルを習得したりするなど、どんどん強くなっていく。そんなキャラクターの育成に必要不可欠な施設もまとめて紹介していこう。
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素材を消費することで、各施設の性能をパワーアップさせることができる。
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子どもたちの願いが記された“連絡ノート”。そこに記された願いを叶えると、対象のキャラクターが絶好調状態となり、戦闘中に追加のバフを得られる。

寝台(AP消費:5)

 バトルでダメージを受けすぎると、搭乗員がケガをしたり、戦闘不能になったりすることがある。寝台はそういった子どもを回復させられる場所だ。また休息した子どもは通常の施設を利用するよりも、多くの経験値を獲得することができるため、特定のキャラクターを集中的に育成するのにも適している。
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工房(AP消費:2)

 素材を使ってタラニスの武器の威力、HP、SPの改造が行える。
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砂釣り場(AP消費:2)

 タラニスの改造などに必要な素材をゲットできる場所。なお、素材はバトルマスやアイテムサーチマスでも獲得可能だ。
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食堂(AP消費:3)

 料理を食べて、戦闘に役立つバフ効果を得られる場所。効果は次のインターミッションまで有効。
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畑/家畜小屋(AP消費:1)

 料理に必要な食材を育てるための施設。育てた食材は、つぎのインターミッションの開始時に自動的に収穫される。
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観測室(AP消費:5)

 ルート進行画面で発見した遺跡に再挑戦できる施設。自分でキャラクターを操作して探索できるほか、探索することなくアイテムを回収できる“ドローン”の機能もある。なお、ドローンを使用した場合はアイテム入手率が通常の80%に減少し、キャラクターの経験値も得られない。
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洗濯所(AP消費:0)

仲間をふたり選んで、洗濯を行うことでそのふたりの親密レベルを上昇させられる。
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ルネの部屋(AP消費:0)

出題される3択クイズに正解すると、子ども全員に経験値が与えられる。またクイズの正解・不正解を問わず、 “シューカの冒険”という連載マンガが手に入る。獲得したマンガはライブラリで閲覧可能。
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ジュークボックス(AP消費:0)

 戦場のフーガにまつわる、さまざまな楽曲を聴くことができる。インターミッション中のBGMを好きな楽曲に切り換えることも可能だ。
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操作室(AP消費:0)

 砲座に配置するキャラクターを変更できる施設。出来ることは戦術モードと同じだが、配置変更によるペナルティは一切ない。
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新要素 Ωターミナル(AP消費:0)

 本作にて追加された操作室の新機能。キャラクターの分身であるアバターを派遣し、インターミッションごとに“ヴァーチャポイント”(以下、VP)を獲得できる。そのポイントを使って、タラニススキルを解放したり、アイテムを購入したりすることが可能だ。
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 タラニススキルは、スキルツリー形式になっており、特定のスキルを習得することで、隣接するスキルを新たに習得できるようになる仕組み。目的地マスに移動させる“テレポート”や指定のマスの敵を砲撃で排除する“長距離キャノン”といった特殊なものから、タラニスの装甲や攻撃を強化するシンプルなものまで、幅広いスキルが用意されている。

 このように、インターミッションでは多彩な要素を楽しめる。そんな本パートの難しくもあり、醍醐味でもある部分が、APの配分である。親密レベル上げやタラニスの改造、寝台での治療と経験値稼ぎ、遺跡の探索など、選択肢が多く、どこにリソースを割き、どのようにタラニスとキャラクターたちを育成していくのかをあれこれ考えるのが非常に楽しかった。

 さらに、タラニススキルも豊富なので、プレイヤーによって強化の方向性が異なってくる点もおもしろそうだ。

まだまだある新要素“アカシャパネル”と“ファストモード”

 本作には利便性を追求したふたつの新要素が追加されている。ひとつはアカシャパネルだ。これは時間を自由にさかのぼれる年表で、物語のターニングポイントからメインストーリーをやり直すことができる。それに加え、本編では語られていないアシストキャラクターたちの回想イベントや主要キャラクターの秘密が描かれたシークレットイベントなどの閲覧も可能だ。
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アカシャパネルでできること
  • アシストキャラクターの回想イベント閲覧
  • “幻の村”と呼ばれる場所でのイベント閲覧やアイテムの売買
  • ターニングポイントからメインストーリーをやり直す(クリアー後に解禁)
  • 19種のシークレットイベント閲覧(クリアー後に解禁)
 本作には“ノーマルエンド”、“トゥルーエンド”、5種の“全滅エンド”、全エンド達成で見られる“スペシャルエンド”という8種のエンディングがある。アカシャパネルを活用することで、まだ見ぬエンディングへの到達やソウルキャノンを含めた各種イベントの回収をスムーズに行える。
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 もうひとつの便利な機能は、ストーリーを楽しむことに特化したファストモードだ。本モードでは、通常のバトルをスキップ(経験値やアイテムは入手可能)でき、ストーリーと関係のあるイベントバトルのみを楽しめる。
 
 バトル中は、相手を即撃破できる攻撃“反応弾”が使用できるため、戦いを一切気にすることなく、ストーリーに没入できる。ちなみにファストモードとノーマルモードの切り換えも可能。切り換えは各章の開始時に保存されたセーブデータでのみ行える。
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骨太なゲーム性とさまざまな意味で充実した物語がこれでもかと詰まった快作RPG

 バトルは選択肢が豊富で、多彩な戦略を練られるうえ、ド迫力の演出によって単調さも感じない。そのため、時間を忘れて遊べる作りになっている。

 APやVPといった限られたリソースを駆使し、自分好みにタラニスとキャラクターを強化できる点も魅力的。

 最初は何を優先してAPを消費すればいいか悩むかもしれないが、試行錯誤の中で自分なりの最適解を見つけていく過程が、非常におもしろいポイントだ。これらの骨太なゲーム性はRPGが好きなら、きっとハマるに違いない。
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 ストーリーの根幹は、戦争で失った家族や仲間の無念を晴らすための復讐劇だが、気持ちがたぎるような熱い描写も多く、見ていて引き込まれる作りになっている。愛らしいケモノたちが織りなす癒やしの一幕や、シリーズ完結編だからこそ描ける秘密など、ボリューム満点のイベントも大きな見どころだ。
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 また、ソウルキャノンやメガソウルキャノンのイベントには、一般的なRPGではなかなか味わえない、心を抉られるような絶望感が詰まっている。人によっては、それらのイベントを見るのが辛いかもしれないが、究極の絶望を乗り越えた先に、シリーズを締めくくるご褒美的なスペシャルエンドも用意されているため、その辛い経験は決して無駄にはならない。
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 ぜひとも『戦場のフーガ3』で、マルトたちが歩んできた物語の真の結末を見届けてみてはいかがだろうか。
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