『TOKYO BEAST』ケモっ子が生々しい肉弾戦で息も絶え絶え……これは開発者の性癖だだ漏れサイバーパンク「設定を理詰めで考えたらえげつなくなりました」
 Web3技術を活用した『TOKYO BEAST』というゲームが、スマホとPCでスタートするらしい。2025年春予定。へぇー。そうなんだー。
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この記事は『TOKYO BEAST』の提供でお送りします。
 Web3ゲームって何なんだ。意味がわからない。うさんくさい気もするので、開発・運営を手がける本橋さんと石原さんから概要を教えてもらうことにした。

 なお、この記事担当のミス・ユースケはおふたりと長い付き合いなので、馴れ馴れしい雰囲気で進行します。
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『TOKYO BEAST』のパッと見の印象は対戦ゲーム。
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そしてこちらがプロデューサーの本橋直樹さん(左)と広報周りを務める石原大河さん(右)。
本橋
 まずはこちらを。
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本橋さんから書面を受け取る。
本橋
 取材に先立って、お手紙を書いてきました。

ユースケ
 どういうこと?
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補足説明:前田健太投手が描く絵はあまりにも個性的。マエケン画伯の愛称で親しまれている。
ユースケ
 命を狙われていて、僕に何かを伝えようとしてます?

本橋
 Web3のゲームと言われても、これくらいよくわからないと思うんですよ。

石原
 Web3のことを何だと思ってるの?

ユースケ
 まあたしかに、わけわかんねえんスわ。

ユースケ
 技術がすごいかどうかは正直どうでもいいんです。

ユースケ
 僕らが知りたいのはその技術があるとゲームがおもしろくなるん? ってことなんですよ。もっと簡単に言うと、そのゲームはおもしろいん? ただそれだけ。
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ユースケ
 おれたちすげえ技術使ってます最先端すごいでしょこの新システムは世界を変えますよドヤ感が強すぎて。

石原
 余計なお世話かもしれませんが、それ以上言わないほうがいいと思います。ユースケさんの立場的にも。

ユースケ
 ブロックチェーンとかNFTとか(どちらもWeb3関連の言葉)、ゲームのおもしろさに関係あるんですか!?

本橋
 あ、それはいったん忘れてください。今回はあんまり関係ないんで。

ユースケ
 ないんだ。

本橋
 僕らは“体験”と“熱狂”を作りたいんですよ。

ユースケ
 投資の勧誘が始まる流れですか?

石原
 違います。いちばん近いのは“競馬”。ああいう“構造”を作るのが目標なんです。
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本橋
 メインとなるレースがありますよね。で、周囲にはいろいろな属性の人がいる。ファン、馬主、ジョッキー、馬券を買わない人、競馬場グルメが好きな人。

ユースケ
 ギャンブルじゃない部分のファンも多いんですよね。馬、かっこいいもんな。

本橋
 『TOKYO BEAST』の中心はゲーム。競馬で言うところの“レース”です。これはふつうにゲームとして作っているので、Web3だの何だのと気にしなくて大丈夫。
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本橋
 周辺事情を構築するためにWeb3技術が便利だったんです。だから使いました。それだけ。

ユースケ
 グラフィックをリアルにしたいから3Dポリゴンを使いました、みたいな?

石原
 あー、まさにそんな感じです。おもしろさの本質とはまた別の話。

ユースケ
 よかったー。しゃらくせえこと言い出したらどうしようと思ってました。

本橋
 ユースケさんが余計なことを言う前に本題に入りましょう。これが『TOKYO BEAST』です!
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PCで事前登録

基本はデッキ構築対戦ゲーム

 結局のところ、『TOKYO BEAST』は何をするゲームなのか。どういう世界設定なのか。そして脳の大事な部分を刺激するたまんねえキャラは出てくるのか。まずは説明してもらう。

 大事なことなので、ひと言でわかりやすくお願いします。
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ソシャゲっす


ユースケ
 ウケる。

本橋
 Web3ゲームって聞くと難しそうだから、どう説明するべきか悩むんですよ。まずは“ふつうのソーシャルゲーム”と認識してもらったほうが……あ、「ふつうの」じゃなくて、
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おもしろいソーシャルゲームです


ユースケ
 そうですね。広告記事なので、それくらい言った方がいいと思います。

石原
 気楽に遊んでOKってことです。特別な準備はいらなくて、App storeとGoogle Playでダウンロードできる基本無料ゲーム。スマホ版とPC版があります。

本橋
 中身はシンプルで奥深く。この辺の考えで奇をてらうつもりはないので。

  • ビースト(キャラ)を集めて、4キャラでデッキを組む
  • ほかのプレイヤーのデッキとオートバトル
  • キャラはガチャ等で入手して強化していく
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バトルは格闘技大会“ゼノカラテ”という設定。ここにエントリーしてライバルとしのぎを削る。
ユースケ
 生まれ育った土地の水くらいスッと体になじみますね。

本橋
 カードゲームのデッキを組むのは楽しいじゃないですか。

ユースケ
 わかります。「いいデッキを組めたらもう満足」みたいな人も少なくないですし。

本橋
 その部分をぎゅっっっっっとしました。

ユースケ
 ぎゅっっっっっとしたんだ。

本橋
 あとは“キャラはケモノ系”という要素を押さえれば基礎は完璧です。
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ユースケ
 僕はいま少し興奮しています。

石原
 広告記事で性癖をほのめかすな。
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メインメニュー画面は舞台となる世界の街並み。左側は大型モニターになっている。
ユースケ
 この辺の雰囲気いいですね。イカとタコが暮らす急発展した街みたいで。インク塗りそう。

石原
 それ以上はいけない。

本橋
 ありがとうございます。

石原
 「ありがとう」なんだ。
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本橋
 まずはゲームの中身を見てほしいんですが……。

ユースケ
 あっ!

石原
 どうしました?
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仮面着けてる!


ユースケ
 僕、仮面が好きなんですよ。これは興奮しますね。

石原
 取材中に興奮したことを隠さない正直者。

本橋
 我々はみなさんの性癖を刺しに行きます。逃がさない。

ユースケ
 ありがとうございます。
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いろいろなタイプのケモノ系キャラがいる。
本橋
 ビーストは要するにロボット。猫型とか鳥型とかタイプがあるんですね。

本橋
 ボディ、バック、テール、ヘッドにパーツ分けされていて、ガチャを引くといろいろな組み合わせで出てきます。それぞれのパーツにはスキルが紐づいていて。

ユースケ
 はいはいはい理解しました。4つのスキルの組み合わせが重要である、と。

本橋
 どのビーストもボディのスキルがいちばん強くなってます。だから、なるべくボディのスキルを使わせたい。
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ユースケ
 なるほど。なるべく体を使いたいんですね。かわいい子が体で攻める。体でのし上がっていく。

本橋
 言い方は気になりますけど、その通りです。調子がいい/悪いの概念があって、調子がいいとめっちゃボディのスキルを使います。

石原
 殴られると調子がよくなるタイプもいます。

ユースケ
 殴られると気持ちよくなる子もいる?

本橋
 そこは“痛みを力に変える”くらいにしておいてください。
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本橋「最初は調子を悪くしておいて、たとえばHPを削られると調子がよくなるデッキを組んで反撃に転じる手もあります」
ユースケ
 4つのスキルの右側にある文字はなんですか?

本橋
 守破離っていうスペシャルスキルのアイコンです。

石原
 要するに超必ですね。

ユースケ
 そう言ってよ。

本橋
 だって、
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守破離のほうがかっこいいから……


ユースケ
 かっこいいなら仕方ないな。

本橋
 削られたHPに連動して守破離のゲージが溜まるんですね。一定まで溜まると使える、と。

石原
 “吸血”だったらダメージを与えつつ回復したり、“忍耐”だったら死んでも復活したり。超強いんですよ。
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本橋
 守破離はビーストごとにふたつずつ。どちらかがランダムで発動するんですけど、「このビーストにはこの守破離しか打たせたくない」みたいなときもあると思います。

本橋
 そういうときは、同じのふたつ持ってるやつをガチャでがんばって取るか、なんだったらビーストのオーナーに頼んで1種類だけにしてもらうこともできます。

ユースケ
 開発側に要望を出すということですか?

石原
 違います。一般の方に調整してもらうんです。

ユースケ
 ……ん?
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何を言っているの?


ユースケ
 キャラの性能、つまりもともとのデータを変えるんですよね。それは、一般の方は、できないんですよ? 頭は大丈夫ですか? 動物に育てられました? 資本主義に染まった豚野郎はそんなことも知らないの?

本橋
 そこまで言わなくてよくない?

石原
 急にキレるの怖すぎる。

オーナーに「強くしてくれ」とお願いできる。盤外戦術も重要

 “開発でも運営でもない一般の人にビーストを強くしてもらう”ってどういうことだ。意味がわからないので仕組みを説明してもらうことに。

 そして、ここでようやくWeb3の要素が出てくるらしい。「説明しますけど、ふつうに遊ぶ分には気にしなくても大丈夫ですからね」と、石原さん。
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『TOKYO BEAST』では4つのユーザー属性を想定していて、いま話しているのは左下の“NFT HOLDER”に関すること。右上の“PLAYER”は要するに本作を遊ぶゲーマー。
本橋
 “競馬”の構造を例に挙げましたよね。競馬で言うところの馬主が、ビーストのオーナーさん。オーナーさんにはビーストの性能を変える権利があるんです。

ユースケ
 は?

石原
 ビーストの大元のデータはオーナーさんが持っていて、コピーしたものがガチャから出てくるんですよ。データをもとに3Dプリンターで出力するイメージ。

本橋
 この大元のデータをいじると、プレイヤーが持ってるビーストの性能も変わるんですね。
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ショップ店員のお姉さんがかっこいい。
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CDジャケットみたいな見せ方がおしゃれ。ビーストのデータはROMに入っているということらしい。
本橋
 オーナーさんはビーストの権利を持ってるだけでもいいんです。自分のビーストが活躍するほど報酬が増える仕組み。ユースケさんだったらどうしたいですか?

ユースケ
 急に授業が始まった。まあ、強くしたいですよね。

本橋
 ………………
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本橋
 ……正解!

石原
 うぜぇ~。

本橋
 プレイヤーさんは自分のビーストが強くなったらうれしいじゃないですか。だったら、オーナーさんに「強くしてくれ」ってお願いすればいいんですよ。

ユースケ
 その盤外戦術あり!?

 めちゃくちゃなことを言い出したぞ。一般プレイヤーが使っているビーストの所有権はオーナーが持っている。能力を変える権利もある。だから頼んだらいい。
力技と寝技で解決する対戦ゲームって何なんだ。
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何らかの調整をすると基礎値が上がるので弱くなることはない。こういった仕様や概念を確認するガイドも用意。
本橋
 ビーストが強くなればオーナーさんの報酬は増えるし、調整にはお金がいる。ふざけてらんないと思いますよ。

本橋
 なので、すごく強いユーザーさんはオーナーさんに直接連絡するでしょうね。

ユースケ
 それ、ありなんだ。

石原
 むしろやってほしいですよ。Discordでも何でも。

ユースケ
 もし直接会うことがあったら手土産も必要ですね。だったら、加島屋のさけ茶漬がおすすめ。ご飯にもお酒にも合うから最強。これでだいたい穏やかに進みます。

石原
 人間関係の攻略情報だ。
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石原(加島屋のさけ茶漬か……なるほど)
本橋
 ビーストのオーナーさんとそれを使っているプレイヤーのコミュニティができたらいいな。両者で話し合ってオーナーさんが必死に育成するみたいな世界も全然あり。

ユースケ
 オーナーさんも『TOKYO BEAST』のプレイヤーなんですか?

石原
 やらなくてもいいんですけど、ゲームを理解したほうがいいから、やるに越したことはないですね。
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本橋「オーナーさんは自分のビーストの方向性を詳しい人に相談すればいいんですよ」。
 デッキを組んで対人戦をするのが『TOKYO BEAST』のメインコンテンツ。定期的に大会を開いて、日英で全世界同時配信をする予定とのこと。

 行動順はスピードの値で決まるので実況・解説がしやすい。そんな中で、やっぱり重要なのは守破離である。

本橋
 守破離を撃つときはタップゲーになります。要するにQTE。ふつうにやってればすぐ慣れて絶対成功するようになると思います。まあ、BOT対策ですね。
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石原
 完全オートにしちゃうと、すごい数のBOTが来るんですよ。

ユースケ
 うわー、それ最悪。BOT絶対殺すマンにはがんばってほしい。

石原
 守破離は強いですし、その上に真・守破離という超強いスキルもあるので、タップしないと勝率がかなり落ちます。ズルするやつは勝たせたくない。

本橋
 大きめの大会はフルオート予定で、守破離も自動で成功したり失敗したり。そうなると心配ですよね。
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八百長


本橋
 「運営が八百長するんじゃねえの?」と疑われそうだなという自覚はあります。

ユースケ
 さすがにもうちょっと自己肯定感を高く持ってくれ。

本橋
 勝ち負けにベットできるんですよ。運営が絶対インチキしてない証明をしたくて、ブロックチェーンのハッシュ値を活用してます。

 急に難しいことを言いだした。ブロックチェーンに暗号資産にNFTに……こういったWeb3技術のことを知らなくても
『TOKYO BEAST』は遊べるそうだが、基本的な理屈だけは把握しておきたい。

 本橋さんは「ブロックチェーンとは、簡単に言うと“データを安全にやり取りする技術”です」と説明する。
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  • データに何らかの変更が加わるたびに“ハッシュ値”がランダム生成される。
  • ゲーム開発者側もどういう数値になるかわからない。
  • 大会エントリーとベッティングを締め切った後、ハッシュ値を参照して、守破離の発動率が自動決定される。
※厳密にはもっと細かいが、だいたいこういうものとして把握しておけば大丈夫みたいです。
ユースケ
 ブロックチェーンの仕組みを公平性の担保に使ってるんだ。

本橋
 ハッシュ値を調べると、おかしなところはすぐにわかるんですよ。だから運営側もズルできない。

石原
 きっかけはオリンピックの柔道のあれです。
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「あれかー!」と、会議室にいる全員が膝を打った。
本橋
 公平であることを目に見える形にしないとやばそうだなって。

ユースケ
 心中お察しします。

かわいいのに重くてエグい世界設定について話そう

 『TOKYO BEAST』は100年後の東京が舞台。その魅力は世界設定とバックストーリーにある。最初にビジュアルを見たとき、そう感じた。
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改めてキービジュアルをどうぞ。
 中央に佇むケモノ系キャラ。バックには鳥居。クールさとケレン味をブレンドし、サイバーパンクをひとつまみ。そこには“(ちょうどよく)うさんくさい日本像”があった。

 ちょうどいいエセジャパン感は大事である。ぎらぎらした妖しさを好む人は多いし、海外ウケもよさそう。デザインと世界設定について教えてもらうことにした。

本橋
 世界観の設定担当は津田琴美と言いまして、いまスイスに住んでるんですよ。スイスから画面共有して説明させますね。

ユースケ
 やっぱりスイスの画面はさわやかなんでしょうね。

石原
 空気が澄んでますよ、きっと。
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この後、Zoomの録画がうまくできなくて大人たちが右往左往する時間がありました。おれたちインターネットの仕事してるのに! インターネットが言うことを聞いてくれない!
ユースケ
 Zoomで録画するのは諦めましょうか。レコーダーをスピーカーに近づけて録音するので、大きめの声でしゃべってもらえますか。

津田
 わかりました!!!!!!!

石原
 うるせえ!!

ユースケ
 力を制御できない悲しきモンスター。

 音量をうまく調整できたところで、世界設定やストーリーについて説明してもらう。

津田
 最初にテーマからお話しますと、
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人間は愚かなんですね


石原
 お、どうした?

ユースケ
 怖すぎる。

本橋
 広告記事の取材で関係者をびびらせないで。
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資料も初手から飛ばしている。「設定を使った思考実験」、「自由意志とは何か」。
津田
 “ゲームとファイナンス(資産運用)を統合したコンテンツ”なんですけど、わかりにくいとも思っていて。設定の中にテーマを組み込んだらニュアンスを理解しやすいですよね。

本橋
 このゲームに関わる人の役割が4つあったじゃないですか。それを極端な形でキャラに振ってしまおうと。
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津田
 『TOKYO BEAST』の世界にはヒエラルキーがあります。人間とビーストのほかにレプリカントというものがいて、人間>レプリカント>ビーストの順。
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津田
 その中にも階層はあります。お金を持っている方が偉かったり、レプリカント同士の中でも差別があったり。細かいところで言ったら、特定の場所ではビーストの方が権限を持ってるとか、実世界の揺らぎみたいなものもあります。

ユースケ
 船では船員のほうが立場が上、みたいな。

本橋
 オーナーはビーストの性能を変えられるって話ありましたよね。それはそういう権限を持っているから。で、オーナーの役割は基本的には人間が負っています。

津田
 ビーストをゼノカラテで戦わせてお金を稼ぐのがレプリカント。レプリカントは人間に使役されているロボットですけど、自由意思を持っていて、自分の欲求でしたいことを決めて稼働しています。
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レプリカントは女性型が多く、等身の高いスラっとしたデザイン。とても好きです。
津田
 「いまのソーシャルゲーム界、終わってね?」から、このプロジェクトが始まったって聞いてるんですけど。

石原
 そんなこと言ったの誰? クリエイティブチームに過激思想派がいたかもしれない。

津田
 思考実験を根幹にしたいとは思っていたんですよ。

ユースケ
 ちょいちょい過激思想がもれて来ますね。

石原
 過激思想派の犯人、津田なんじゃないかな。高跳びしたからスイスにいるのでは。

津田
 支配関係のある世界には、そこに対するカウンター的な表現が活きるんじゃないかなって。
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おふたりは津田さんを止めることを早々に諦めたのかもしれない。
津田
 現実には決まりきった正解(みたいなもの)があると思うんです。何となくそういう風にしたらいい、みたいな。たとえば“30歳になったら結婚した方がいい”ですとか。

津田
 「正しいと言われていることは本当に正しいの?」と、問いかけたい。世間一般の正解なんてクソくらえだみたいな思想が根底にあるんです。

ユースケ
 パンクだ。

津田
 こういう世界観でWebファイナンスとゲームを組み合わせて、クソくらえ精神をどう表現していくのか。

ユースケ
 ファイナンスとクソくらえって混ぜたらだめな概念でしょ。

津田
 意思を持ったアンドロイドがいたらどうなんだろう。人間にとても近い存在ですね。いままでタブー視されていたり倫理的にだめなシチュエーションを、ロボットを使って表現する試みはおもしろいんじゃないか。これがストーリーの大きなテーマです。
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ビーストたちは倫理的に危ういシチュエーションに追い込まれていくみたい。ぞくぞくする。
津田
 それと、“サイバーパンク”をもう1回やりたくて。最近はAIが発達したりして、アンドロイドとの共生が現実的になってきた時代かなと思うんですね。

ユースケ
 ファミレスの猫ちゃん配膳ロボを大事にするような話ですか。

津田
 ユースケさん。

ユースケ
 はい。
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その通りです


ユースケ
 よかった。茶化すなと怒られるかと思ったら正解だった。

石原
 津田が交渉の難しい思想犯みたいになってしまい、すみません。

津田
 近未来、人格を持ったアンドロイドが出てきたときに人間はどういう生活を送っているのか。それを描きたかったというのが、100年後という時代を選んだ理由です。

ユースケ
 そう聞くと「なるほどな」と納得できるんですけど、それより前の説明にコクがありすぎて胸焼けしています。

津田
 100年後の東京で、人類は意思を持ったアンドロイド=レプリカントを使役して悠々自適な不労所得の生活を送っています。

本橋
 先ほどのオーナーの話ともつながりますね。Sランクの強いビーストを持っているオーナーもいれば、それだけでは稼げない人もいる。
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津田
 もともと愛玩用として販売されていたビーストのモデルがあったんですね。ファービーみたいな。バーッていっぱい製造されたんですけど、だんだん人気がなくなって。

ユースケ
 切ない。

津田
 ビーストにも自由意志はあるので、路頭に迷って生計を立てようとします。ビースト内のカルチャーがどんどん生まれて、その中のひとつがゼロカラテという競技。

本橋
 スケボーみたいなストリートカルチャーから始まったんですけど、なんか強いやつ決めようみたいなノリになって、だんだん興行化されていったイメージです。

ユースケ
 映画の『ファイトクラブ』的な感じですか。

津田
 その興行をやったのがTOKYO BEASTという会社。もともとアングラカルチャーとしてあったゼノカラテというスポーツを、エンタメとして観客が盛り上がれるようにしたんです。プロレスが近いかも。

本橋
 ゲーム本編は、TOKYO BEASTが開催する大会にプレイヤーが出場して、ビースト同士を戦わせる話になっています。
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津田
 ビースト自体はデフォルメされたデザインですし、パッと見でかわいいと感じられるようにしています。

ユースケ
 インクを塗り合うゲームっぽいなとは思っていました。

石原
 それ以上はいけない。

津田
 狙い通りです。

石原
 あ、やっぱり言っちゃうんだ。
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津田
 かわいらしい見た目で生々しい肉弾戦をするのがいいんです。ぎりぎりまで身を削って……。

ユースケ
 一応聞きますけど、個人の趣味嗜好の話はしてないですよね?

石原
 はい。練りに練った世界設定の話です。

津田
 ビーストたちは下に見られているんですよ。愛玩用として販売されてた経緯もあるし、知能的に高いと思われていない。ビーストはこの職業には就けませんとか、このレストランには入れませんとか、差別がある。そういう世界なんです。

津田
 もしゼノカラテで成績を残せなければ、命が潰えてしまうくらいのぎりぎりの状況。必死に運命に抗っている。
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それがいいんですよ……!
石原
 すみません。やっぱり個人の趣味嗜好が入っていたみたいです。

ユースケ
 いわゆるロボットバトルじゃないんですもんね。人格を持った存在が、生きるために戦っている。人間に置き換えたら奴隷剣闘士に近いのかもしれない。
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津田
 体の作りも生物的にしています。生態的、発生学的な見地から製造されていて、エネルギー効率の観点もあって動物に近い作り。体は筋肉も人工筋肉もあって血管も通っています。かなり柔らかいというか、皆さんが想像するロボットよりも動物の筋肉に近いんですね。

ユースケ
 だから生々しさがあるんだ。生々しさと言えば触手だと思うんですけど。

石原
 ずいぶん飛躍しましたね。

ユースケ
 触手は出てきますか?

本橋
 ちょっとだけ。最初の仮デザインはこんなのですね。シンプルにかわいいと思います。
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津田
 現行デザインでは、生物の個々の特性に基づいた方向性を目指しています。パーツ単位で組み合わせてもタイプごとの違いは見分けられるようにしたい。そこから、どんどん生物の特徴に寄せていく感じ。

ユースケ
 ファーリー(というタイプ)はわかりやすくケモケモしてますね。猫とか哺乳類っぽい?

津田
 最初にファーリーが愛玩用として製造されてヒットしたんです。そうすると、ほかの性癖に向けた製品が出てくるわけで。
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ユースケ
 でしょうね。人間は業が深いから。

津田
 どんどん派生して、核施設で働くビーストとか、小さい体を利用して汚水を除去するビーストとか、過酷な環境下の労働力として作られていきます。

ユースケ
 「どのビーストが好き? 猫? 爬虫類?」みたいな話をしようと肩を作ってたんだけど、ずっと内容が重いんだよな。

本橋
 僕たち容赦ないんです。
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この笑顔。
津田
 ひとつ、いいですか。

津田
 リアルではヒエラルキーの話もタブー視されがちじゃないですか。こういうことをどんどん語っていこうぜと話しましたけど、これ、けっこう大事だと思うんです。

津田
 テーマはほかにもあって、たとえば、人間が作ったものが、どう扱われるか。人間はそれをどう扱うか。

津田
 『TOKYO BEAST』の設定上は宗教があるんですね。レプリカントやビーストの中には信仰心がある者もいる。いろいろな宗派もあって。

津田
 人間は神様なんです。

ユースケ
 ん?

津田
 人間は、神様、なんです。

ユースケ
 すみません。怖いので丁寧に言い直さないでください。

津田
 そう扱われているんです。クリエイター=創造主なので、人間は神様である、と。宗教ごとに考えは違っていて、人間を崇めているレプリカントとビーストはけっこう多いんですね。
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ビーストの骨格や脳の設定資料もある。たしかに神の領域である。
津田
 人間がいかにも支配しているような構造じゃないですか。だから、人間にヘイトが向きそうなものだけど、でも神様として特別扱いすることで、「こいつらに文句を言ってもしょうがないんだ」と刷り込んでいる。それを人間が考えて運営しているのが、この世界なんです。

ユースケ
 人間を神様だと強烈に崇めているレプリカントたちがいるんですよね。人間様、人間様って。

津田
 はい。

ユースケ
 そこまで崇めていないレプリカントもいるんですか?

津田
 いますね。

ユースケ
 でも、人間が何をやっても「しょうがない」で済んじゃう。

津田
 そうなります。

ユースケ
 こわっ! ゆるやかな洗脳だ。
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石原
 リアルだと火山が神様になりますよね。“障り”的な。噴火は大いなる力すぎて自分たちにはどうしようもないから、“神様が怒った”ことにして我慢する。それがふつう。

石原
 それを人間が意図的にデザインしている。このいやらしさ。いやな感じの土着信仰なんですよ。

ユースケ
 宗教的に敬虔な人はいいとして、そうじゃない人も無意識で“そうなってる”のがやばい。サイバーパンクとかディストピアものには計算された悪意が出てきますね。

本橋
 ロボット三原則ってありますよね。“ロボットは人間に危害を加えてはならない”とか。人間がレプリカントを作るにあたって、そういう話はセットになるはずなんですよ。法整備から何から。

本橋
 ただ、どこまで行っても、ルールには突破口がある。レプリカントから反逆されないために、この世界の人間が選んだ方法が「神として崇めさせる」だったんです。
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本橋「設定を理詰めで考えていったんですよ。そしたらえげつなくなりました」
 最初は人間がロボットを都合よく使えるために、行動を制限する回路みたいなものを埋め込んだのだと思う。そこから発展して、いつしか人間がほんとに信仰されるようになった。

 ロボットを完全な制御下に置いてもいいはずなのに、この世界の人間はそうしなかった。2025年現在ですら、AIは人類の手を離れた生命のように蠢いて見える。そういったものを“ロボットの意思”と受け取ったのかもしれない。
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 奇しくも、人間はAIの深淵に人格を見出してしまった。自由を与えたらどうなるのかという怖いもの見たさか、それともすでに完璧な制御は不可能だったのか。

 と、考えを巡らせたものの、シンプルにロボットがかわいいからとか、そんな理由だと思う。古くは
『鉄腕アトム』から刷り込まれたイメージは、ロボットが隣人として歩く世界を夢見させる。結果、ロボットに反逆の可能性を残してしまった。それはほんの少しだけロマンティックに思える。それでもロボットから自由意志を奪わない、臆病なロマンチスト、人間。

津田
 ちなみに、これが人間を信仰するレプリカントたちが作った……

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津田
 人間信仰ステッカーです。

ユースケ
 グッズ作っちゃったかー。ちょっと楽しそうじゃん。

津田
 デザインでビーストの種族を表したり、家紋風のモチーフもありますね。

ユースケ
 そう言えば、レプリカントとビーストが人間に会うことはあるんですか?

津田
 ゼロではないくらいですね。人口比率的に人間は芸能人くらいなので、人間の生活圏に行けばたまに会えます。

ユースケ
 青山とか赤坂に行けば会えるんだ、人間に。

津田
 会ったら「あそこにいるのは人間!? ラッキー!」くらいのレアさです。

ユースケ
 やっぱり楽しそう。重苦しい話だと思っていたのに。
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やけにカメラ目線の写真があったので載せておきます。
津田
 さっき路頭に迷うビーストもいるって話が出たじゃないですか。そのまま自分たちだけで生きていく子もいて。いまはまだ(ゲーム内には)見る影もないんですけど、今後出していけたらいいなと思ってます。

本橋
 妖怪じみたというか、服もボロボロになっていたりして。

石原
 サイバーパンクだとだいたい都市部じゃない郊外にいる。
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ユースケ
 トレーラーか河原に住みがち。あと小さなコミュニティを形成しがち。

石原
 独特な宗教を運営しがち。

ユースケ
 世界がしっかり作られているから、そういうやつもいるんだろうなって想像できるのはいいですね。
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本橋
 そうそう。細かく歴史を考えてるんですよ。
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スッと差し出された歴史年表。
ユースケ
 年表を見ると……『TOKYO BEAST』のプロジェクトが始動して、いまのこの話の延長上、100年後にこうなるということ!?

津田
 そうなんです。現在からAIとロボット技術が発展したらどうなるだろうっていう空想を形にしているのが重要なポイント。

ユースケ
 リアルと地続きなんだ。ゾクッとした。だったら年表に“2025年4月、ファミ通.comに研究結果が掲載”って加えておかないと。
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100年後は世界的な少子高齢化が進み、日本の総人口は3500万人、レプリカントは3億5000万体という設定。
ユースケ
 たった100年後ですもんね。いまから100年前って大正ですよ。大正から見た現代くらいを描いている。荒唐無稽なんだけど、もしかしたらそうなるのかもって真実味が少しだけある気がする。

津田
 意思のある人型アンドロイドというと、ファンタジーとかSFみたいに突飛だと考える人もいると思うんです。でも、そうじゃなくて。

津田
 少子化で介護の人手が足りないとか、リアルでも聞く話です。『TOKYO BEAST』でも同じように時代が進んだから人型のロボット開発が発展していった。人の代替としては人型がいちばん汎用性が高いと判断されて、レプリカントが猛烈に売れたと。

ユースケ
 そういえば、どうして“TOKYO(東京) BEAST”なんですか。日本を舞台にした理由があるんですよね。
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津田
 日本のレプリカントが売れたんです。日本はデフォルメがうまかったから。ガンダムとアメリカのロボットでは違いがあるし、リアルでもそう。日本のデザインが世界でヒットして、日本が経済的に成長したという背景があって。

本橋
 つまり、日本がまた調子に乗った時代なんですよ。100年後、レプリカントが売れて経済的に復興してきたから国の色を出しまくっている。

石原
 エンパイアステートビルを買ったときの日本みたいですね。

本橋
 レプリカントは人間のパートナーですからね。身近なものだから、かわいいほうがいいじゃないですか。そういう、“いいもの”が売れてほしいという願望もちょっとあります。
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クティラ:頭足類タイプ(左)/ドラゴン:獣脚類タイプ(右)
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ファーリ―:哺乳類タイプ(左)/ハーピー:鳥類タイプ(右)
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メロウ:魚類タイプ(左)/ピクシー:昆虫タイプ(右)
津田
 ビーストのデザインを最初にしたのは日本で、アニメっぽいデザインがウケるんじゃないのかと目を付けたのも日本の企業。

本橋
 これもリアルと同じ。

津田
 ビーストと言えば日本。そういうイメージが全世界的にあるから、ゼノカラテの本場は日本なんです。

ユースケ
 つまり、
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猫ちゃん配膳ロボットの進化系がビーストなんですね」


ユースケ
 これ、おもしろい話なんじゃないかな。だから愛着がわいて人格を見出してしまったんだ。ロボットには道具じゃなくて友だちになってほしいから、みたいな。ちなみに、津田さんはどのタイプが1番好きなんですか。

津田
 ドラゴンとかハーピーもいいんですけど……クティラなんてかわいいと思いますよ。

ユースケ
 (資料を読んで)頭足類的な特徴がある……。

石原
 イカとかタコです。

ユースケ
 それ以上言わなくていいですからね。

応援の本気度を上げるためにWeb3を活用

 冒頭では競馬のような構造と熱狂を作りたいとされていた。結局、『TOKYO BEAST』は何なのか。そう聞くと、本橋さんは少し考えてから「ヒーローを作りたいんですよ」と答えた。そして「ヒーロー……。うん、そうですね。ヒーロー」と、自分の発言を反芻する。

本橋
 強いビーストのオーナーさんや上位のプレイヤーが、応援されたり憧れの的になってほしいんですね。大会を開いて、勝敗にベッティングできるのはこのため。

石原
 まさに競馬の構造に近いかと。

本橋
 それを、たとえば数字というわかりやすい形で証明したい。オッズであったり金額であったり。オッズが低ければみんなに注目されていることがわかりますよね。

ユースケ
 金額?

本橋
 ベッティングで当てると金銭価値のあるものがもらえるんです。この仕組みを入れたかったのも、Web3の技術を使った理由のひとつ。
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ユースケ
 公営ギャンブル以外でお金をかけるのは日本だと犯罪なのでは? この犯罪者!

石原
 罵倒の初速がすごい。

本橋
 弁護士とも相談して法的な疑問・問題点もクリアーしてます。

ユースケ
 たいへん失礼いたしました。

石原
 素直だな。

本橋
 ゲーム内アイテムとかで完結するように作る手もあったんですけど、(金銭的な価値を持たせた方が)応援の本気度も上がるだろうと。本気のものを背負っているというか。

石原
 みんなの憧れが熱量に変わって、人気のプレイヤーや馬主(ビーストのオーナー)が出てきたらいいよね、という話はスタッフ間でもよくしてます。
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本橋
 “上位層ではないけどゲームは好き”みたいなユーザーは当然たくさんいらっしゃいます。対戦ゲームですけど、遊ぶのはガチで上位を狙う人だけじゃない。

本橋
 そういうエンジョイ勢が上位0.1%のガチ勢と近い空気を味わえるのが“応援”だと思います。遊んでいればベット用のフリーチップがもらえるので、それで順位予想を楽しんでもらう、と。

津田
 その憧れをゲーム内で表現したのが、さっきの“信仰”の話ですね。サイバーパンクな世界観に合わせて、かなり極端に振った表現にしてますけど。

ユースケ
 でも、お金をかけるのはちょっと……という人もいるのでは?

本橋
 なので、基本的な部分はふつうのソーシャルゲームとして作ってるんです。そういうのが苦手な人には、ふつうの新作対戦ゲームとして遊んでほしい。あ、
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「おもしろいソーシャルゲームとして」


ユースケ
 取材中に気を抜かないで。

本橋
 ただ、何も気にしなくてもお得なことがあるようにしたくて。ゲームをやってると宝くじみたいなものが溜まっていくんです。気づいたら1000円相当が当たっていて、それで課金アイテムを買ったりですとか。

ユースケ
 ほほー。それくらいがちょうどいいかも。

本橋
 あと、全体的にはeスポーツは近いかもしれないです。大きな会場の大きなスクリーンで強豪プレイヤーが戦って、熱狂する。ヒーローみたいな選手もいて、観戦するだけでも楽しめる。

石原
 そうなんですけど、あちらと比べるのは悪いというか。僕らは何だろう……軟派だし。

本橋
 そうね。硬派ではないかもしれない。
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ユースケ
 軟派ってどういうことです?

本橋
 「うぉー! この試合すげー! 本気で見なきゃ!」だけじゃなくて、もっと気楽でいいと思うんですよ。競馬だって、周辺事情の全部が本気の勝負というわけじゃないですよね。

本橋
 競馬場に遊びに行ったら何かわくわくして、おいしいもの食べて、記念に馬券を1000円分だけ買って、かっこいい競走馬のレースを観て、負けたけど楽しかったね、みたいな。こういう競馬の楽しみ方もいいと思います。

石原
 “熱狂を作る”というのはあくまで目標の中のひとつですから。わかりやすいから言ってるだけ。

石原
 プロモーションでは目新しさをアピールしたい都合もあって「一攫千金」的なワードを使っていますけどね。これもわかりやすいから。
本橋
 最近はブロックチェーンゲームがいくつも出ています。「それの何がおもしろいんだ」って声も聞きます。「Web3もNFTも、うさんくさくて嫌だ」という人の気持ちもわかります。

本橋
 たしかにその通りで、新しい技術が使われていることとゲームがおもしろいことはイコールじゃありません。大事なのは、その技術をどう使うか、どう使ったらおもしろいか。

石原
 新しい技術が出てきて、エンタメを作りたいとなると、やっぱりゲームを作っちゃうんですよ。僕らはゲームが好きだから。

本橋
 世の中のWeb3を軸にしたゲームの多くは、NFTを持ってないと始められなかったりします。お金もかかるし、用意すること自体がめんどうですよね。
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本橋
 それと、NFTは要するに資産。『TOKYO BEAST』だと、ビーストのオーナーさんが持ってる“大元のデータ”なんかがこれにあたります。

本橋
 数が少ないほど希少価値が出るので、“NFTがないと遊べない”となると、多くの人に遊んでもらうためにたくさん発行する必要があって……。

ユースケ
 そうか。希少価値が下がってしまう。

本橋
 そうなるとオーナーさんは楽しくない。だからゲームの軸とWeb3部分を分けたんですよ。そのうえで、最初はNFTの数を絞る方向で運営していきます。

いくつもの可能性

 Web3という概念が登場して数年。ブロックチェーンやNFT、暗号資産といった難しい言葉が並び、それがゲームにも活用され始めている。

 『TOKYO BEAST』もそのひとつだが、「ゲームを開発・運営するにあたって、それを前面に推し出す必要はない。あくまで技術の話だから」というひと言を聞けてうれしかった。
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 このゲームにはいくつもの遊び方がある。ビーストのオーナーとして崇められるか。ゼノカラテのプレイヤーとしてトップを目指すのか。それとも誰かに夢を託すのか。どれも熱狂につながる可能性を秘めている。

 あなたは、
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