『スーパーダンガンロンパ2×2』の先行レビューを公開。キョウキモードと進化した学級裁判をプレイした所感と併せて、開発者インタビューもお届け。
2012年に発売されたハイスピード推理アクションのシリーズ第2作、『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園』(以下、『2』)が現行機向けに復活。『スーパーダンガンロンパ2×2』の名で、2027年1月14日にスパイク・チュンソフトから発売される予定だ。対応機種は、Nintendo Switch 2、Nintendo Switch、プレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S、PC。

本作は、学級裁判の中で相手の矛盾を論破し、殺人事件の犯人を暴いていく『ダンガンロンパ』シリーズの最新作。現行機向けに、ビジュアルや演出などを刷新した原作シナリオに加えて、『2』をベースにした新シナリオの“キョウキモード”を収録。舞台や登場キャラクターは同じだが、とある事件をきっかけに被害者や犯人、トリックまでもまったく異なる展開が、原作シナリオと同等以上のボリュームで描かれる。

そんな『スーパーダンガンロンパ2×2』のメディア向け体験会が開催されたので、本稿では記事担当ライターのジャイアント黒田による先行レビューをお届け。今回の体験会では、キョウキモードの序盤とオリジナルモードの学級裁判をプレイすることができた。ネタバレには十分配慮しているが、本作を新鮮な気持ちでプレイしたい方は注意してほしい。

“キョウキ”によって新たな事件が巻き起こるキョウキモード
キョウキモードの序盤の展開はオリジナルモードと同じだが、モノクマから生徒たちへ特別なプレゼントの“キョウキ”が配られたことで、ストーリーが一変する。今回体験できたのは、モノクマがこの特別なプレゼントについて説明する重要なシーンからだった。

モノクマが生徒たちに配った“キョウキ”は、文字通りの凶器から工夫次第でトリックに使えるものまで多種多彩だというが、キョウキの中には“ハズレ”もあるという。また、自身のキョウキを他者に明かすのはルール違反で、電子生徒手帳の校則には、“自分に配られたキョウキについて、他者に明かす事を禁じます。”というルールが追加されていた。
やはり、生徒たちに配られたキョウキが、今後の事件や犯人に大きく影響を及ぼしそうだ。また、オリジナルモードのシナリオでも登場した“裏切り者”は、キョウキモードのシナリオでも登場する様子。モノクマから“裏切り者”の存在を示唆され、生徒たちが動揺するシーンも確認できた。そこで気になるのは“裏切り者”の正体。オリジナルモードのシナリオと同じなのか。それとも、別のキャラクターが“裏切り者”になっているのだろうか?


モノクマが用意したキョウキ。主人公の日向創には、どのようなキョウキが支給されたのだろうか……?
自室で一夜を過ごした後、十神白夜の提案でレストランに集合する生徒たち。十神がキョウキについての言及禁止を提言するなど、キョウキモードならではのシナリオが展開されたが、馴れ合いを嫌う九頭龍冬彦が欠席していたり、全員参加のパーティーを提案したりするなど、オリジナルモードのシナリオをなぞった展開も。この後、シナリオがどのように変化するのか。そして、どのような事件が起こって、誰が犠牲になるのか……。オリジナルモードがあるからこそ、続きが非常に気になる展開になっていた。


キョウキモードを体験してまず驚いたのが、ビジュアルや演出が大幅に強化されていたこと。キャラクターの立ち絵には、アニメーションが用意されているものもあり、会話シーンがリッチになっている。とくに、澪田唯吹や罪木蜜柑、左右田和一といった感情表現が激しいキャラクターは、アニメーションによって個性がより際立ち、存在感が増していた。


水田わさびさん演じるモノクマと、大代キヌ太さん演じるモノミも演技は違和感なし。キョウキモードでもふたりの掛け合いではコミカルなやり取りが楽しめたし、オリジナルモードと同じく、幕間のモノクマシアターが用意されていたのもうれしい。
マップ移動がオリジナル版の横スクロール形式から、見下ろし視点で移動する3Dになっているのも好印象。没入感や臨場感がアップしているうえ、エリアを制限しているモノケモノがマップ上でアニメーションするという細かい遊びも。いろいろな発見があって、あちこち動き回るだけでもおもしろい。キョウキモードは、隠れモノクマの位置が変わっているようで、改めて探索する楽しさがふんだんに用意されていた。

エリアを調べて証拠品などを集めることができるのも、オリジナルモードと同じ。


物語の舞台・ジャバウォック島を3Dで再現。オリジナル版をプレイしている人は、記憶を頼りに比較してみるのも一興だろう。
なお、プレイ中はメニュー画面を開くこともでき、電子生徒手帳やスキルなども確認できた。スキルは、“カリスマ”や“右脳解放”といったオリジナル版に収録されていたものに加えて、“不死鳥の加護”、“天性の閃き”といった見慣れないものも。どうやら新しいスキルも用意されており、キョウキモードの学級裁判では、どのスキルをセットするか、改めて考える楽しみも体験できそうだった。
学級裁判のビジュアルや演出も大幅にパワーアップ!
学級裁判は、オリジナルモードの1章を体験できた。オリジナル版はプレイステーション・ポータブルだったこともあり、それと比較するとグラフィックや演出は大幅な進化を遂げていると感じた。

フレームレートが高くなったことで、動きが非常になめらか。学級裁判では、生徒たちの発言の中から“ウソや間違い”を見つけ出し、捜査で集めた“言弾(コトダマ)”を使って論破していくことになるのだが、“ウソや間違い”を狙う操作や、閃きアナグラムのようなミニゲームの操作もスムーズに行えた。


演出面では、セリフによってはおどろおどろしいフォントを使うなど、フォントをうまく使い分けることで、キャラクターの心情がより伝わりやすくなっていると感じた。反論ショーダウンなど、議論によってフォントを変えるのもわかりやすい。


高画質になったことで、キャラクターの表情の変化が伝わりやすくなったのも、学級裁判の緊迫感を高めてくれてたまらない。筆者はオリジナル版と『ダンガンロンパ1・2 Reload』で『2』を2度プレイしていたが、グラフィックと演出がパワーアップしたことで、新鮮な気持ちで堪能できた。


高画質になったことで、七海千秋のヘアピンや、田中眼蛇夢率いる破壊神暗黒四天王の表情など、細かい点まで見やすいのもありがたい。
榊原プロデューサーと鈴木ディレクターにインタビュー
メディア向け体験会が開催された直後、プロデューサーの榊原昌平氏とディレクターの鈴木崇弘氏に質疑応答の場が設けられた。新キャラクターの東才空太郎や演出面でパワーアップしたところ、キョウキモードの難易度など、気になる点をうかがったので、最後までチェックしてほしい。
榊原昌平氏(さかきばらしょうへい)
スパイク・チュンソフト所属。本作のプロデューサーを務める。文中は榊原。
鈴木崇弘氏(すずきたかひろ)
スパイク・チュンソフト所属。本作のディレクターを担当。文中は鈴木。
キョウキモードは原作シナリオよりも歯応えがアップ!
――新キャラクターの東才空太郎が気になります。どういった形でストーリーに絡んでくるのか、お話できる範囲で教えてください。
榊原
お話できることはありません(苦笑)。現時点でお伝えできるのは、東才空太郎という名前と演じる声優さん(※声は花江夏樹さんが担当)だけで、どういった形でストーリーに絡むのかは、発売までお話することはないと思います。

キョウキモードに登場する新キャラクターの東才空太郎。
――キョウキモードのシナリオのボリュームを教えてください。
榊原
キョウキモードは、本編シナリオと同等以上とお伝えしていますが、本編シナリオと比較すると20%くらい増えています。なぜ増えているのかといいますと、キョウキモードはオリジナルモードをプレイした後に遊んでいただく前提で開発しています。同じ1章でも、本編と比べて手応えのあるトリックを用意していて、全体的にボリュームアップしています。

――『2』を遊んだことのない新規ユーザーの中には、最初にキョウキモードをプレイする人もいると思いますが、オススメはしていない?
榊原
そうですね。『2』のリメイクではありますので、『2』を遊んだことがない方はオリジナルモードからプレイしていただきたいですし、欲を言えば、『1』(※『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』)も遊んでいただきたいなと思っております。シリーズ未体験の方は『1』とオリジナルモードを遊んでいただいたうえで、キョウキモードをプレイしていただくと、より楽しんでいただけると思います。
――ちなみに、[NOLINK]『ゼロ』[/NOLINK](※小説の『ダンガンロンパ/ゼロ』)や『3』(※テレビアニメ『ダンガンロンパ3 -The End of 希望ヶ峰学園-』)はチェックしておかなくても大丈夫ですか?
榊原
考察する楽しみを奪ってしまうので、ノーコメントにさせてください(苦笑)。
鈴木
補足をさせていただくと、キョウキモードから始める方でも理解できる内容にはなっています。もちろん、『1』や『2』を遊んでいただいてからだと、より楽しめる内容にしているつもりではありますので、ぜひ前作やオリジナルモードをプレイしてからキョウキモードに挑んでください。
――キョウキモードは、オリジナルモードからストーリーの展開が変わるとのことですが、シリーズを通しての時系列はどうなるのでしょうか?
榊原
キョウキモードの導入部分はオリジナルモードと同じなので、時系列は『2』と変わりません。
――キョウキモードのシナリオによって、齟齬は生まれないという認識で大丈夫ですか?
榊原
はっきり回答してしまうと、ファンの方たちの考える楽しみを奪ってしまうので……。

――演出面がパワーアップしていると感じましたが、明確に変えた部分を教えてください。
鈴木
全体的に変えてはいますが、本作からキャラクターのアニメーションなどを追加しておりまして、“動く”ところは魅力のひとつだと思います。キャラクターが広く認知されている作品でもありますので、よろこんでいただけたらうれしいですね。あとは、学級裁判に関しても演出面がパワーアップしていて、見応えが増しています。

――オリジナル版と比べて解像度やフレームレートが上がっていると思いますが、演出などもなめらかになっているのでしょうか?
榊原
PCなどは解像度が上がる(※PS5版、Xbox Series X版、PC版は4K対応)ので、それに合わせてフレームレートも高くなっています。演出は全体的になめらかになっていますが、とくに学級裁判のミニゲームではなめらかさを感じていただけると思います。
――おしおきのムービーは、解像度に合わせてレンダリングされていますか?
鈴木
そうですね。オリジナルモードのおしおきは、解像度を上げていますのできれいになっていますし、キョウキモードのおしおきは最大4Kまで対応していまして、いままで4K画質のおしおきはなかったのですが、本作では4Kで見られるものが収録されています。

――キョウキモードでは、新しいおしおきを見ることができるのでしょうか?
榊原
はい。キョウキモードは、オリジナルモードとは犯人も被害者も異なる展開になるので、おしおきもすべて違うものになっています。
――キョウキモードのシナリオは、全員分のボイスが新たに収録されているのでしょうか?
榊原
キョウキモードだけではなく、オリジナルモードもボイスを新しく録り直しています。
――モノクマとモノミは担当声優さんが代わっていますが、収録時のやり取りで印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
榊原
モノクマ役をお願いした水田わさびさんは、2代目のモノクマを演じてくれたTARAKOさんの後輩です。2代目のモノクマのときは舞台があり、水田さんはその舞台を観劇していたので、モノクマというキャラクターには思い入れがあったそうです。水田さんとお会いしたときに、「(思い入れがあったので)モノクマ役を快諾しました」と言っていただき、ものすごく御縁を感じました。
鈴木
皆さんとても素敵で、オリジナルモードの収録では、新たな解釈で演技をしてくださる声優さんもいました。演出面はもちろん、声優さんの演技でも新鮮な気持ちで楽しんでいただけると思います。

――学級裁判のロジカルダイブは章が進むごとに難しくなり、苦労した記憶があります。本作では、遊びやすいように調整などは行っていますか?
鈴木
難しいといったユーザーの声は開発側も把握しておりまして、ロジカルダイブなどに救済措置として、簡単コースといったものを実装して対応しています。ただし、キョウキモードに関しては、オリジナルモードと比べるといわゆる“やさしい”、“ふつう”、“難しい”といった難易度ではなく、その先という形で設定していますので、ステージの難度は高くなっています。

――オリジナルモードで習得した日向のスキルは、キョウキモードに引き継げますか?
鈴木
本作は、同じシステムデータの中にオリジナルモードとキョウキモードのセーブデータを保存する形にしています。オリジナルモードで習得したスキルは、キョウキモードでもそのまま使用できます。
――キョウキモードの学級裁判には、否定と肯定を決める“議論コレクト”という新要素が実装されているようですが、どのようなシステムになるのでしょうか?
榊原
詳細はお話できませんが、“議論コレクト”は新しい議論で、キョウキモードの新システムです。基本的なシステムは『2』と同じですが、『V3』(※『ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期』)の議論スクラムのように、『2』以降に実装されたシステムの中から、いいものは積極的に取り入れています。

――キョウキモードでマップを探索したとき、オリジナルモードにいた場所で隠れモノクマを発見できませんでした。キョウキモードの隠れモノクマの位置は、オリジナルモードと変えていますか?
鈴木
そうですね。マップが変わっているので、それに合わせて調整が入ったところもあります。
